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9. 二週目の日曜

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【おはよー。昨日はごめん。返信返したつもりが送れてなかった。】


 次の日。
 午前中に両親とショッピングモールへ買い物に行き、そのまま昼ご飯も食べて帰ってきて一息ついた午後に、スマホを見ると数分前に晃から通知が入った所だった。

(あーよかった!そうだったのね。でも、連絡がなくて淋しかったんだから…!)

 千鶴は、やっと晃から連絡が入りホッとしていた。



 昨日、電車の中でメールを入れてから結局、千鶴が寝る時間まで晃からは連絡が無かったのだ。
千鶴は、それでも寝る前に晃へと一言送信した。

【もう寝たかな?私は今から寝まーす。おやすみ-!】



 朝、千鶴が起きても返信が無く、代わりに八戸からのメールが届いていたのだ。

【おはよー!俺、講師の先生の話を実践して、平日と同じ時間に起きてみたぜ!けど母親には『起きてもやる事ないなら二度寝したら?』って言われたよ。それじゃ意味なくね?だから、久々にひとっ走りしてくるぜ!】

(八戸くん元気だなぁ…。)

 千鶴はそう思いながら朝からクスリと笑ってしまった。晃からは連絡が無く淋しかったが、八戸のメールに心がじんわりと温かくなったのだ。

 千鶴は、講師の先生が言っていたけれど平日よりは一時間ほど長く寝て起きた。本当は、平日と同じ時間に目が覚めたのだが、もう一眠りしてしまったのだ。

【八戸くん偉いね!私、目は覚めたけど自分に負けて、二度寝しちゃった。昨日も体動かしたのに、今日も走ってくるなんてすごいね!筋肉痛じゃないの?】

(私なんて、昨日お風呂でマッサージしたけど、やっぱりちょっと足が重たいもの。)

そう返信をするとすぐに返事が返ってきた。

ピロロン

【そう言ってくれるのは、あきちゃんだけだよ!俺も二度寝しようかと思ったけど、せっかくなら何日いつもの時間に起きれるかやってみようと思ってさ!筋肉痛だよ-、でも小林には負けたくないし?体力付けなきゃなーと思ってさ。昨日は楽しかったなー、また行こう!】

(ふふふ。八戸くんって自己紹介でバレーボール部の部長だったと言っていたよね。だから負けず嫌いなのかな。昨日も何度も小林くんや他の同期の子と張り合っていたものね。)

【あはは!うん、私も楽しかった-!また行こうね!】

 そう返信すると、晃にもメールしようかと一瞬思ったがさすがに止めて、千鶴は体を起こして朝食を食べに行ったのだ。





(晃って、しっかり者のイメージなんだけど、たまに抜けてるのよね。そこがまた可愛いんだけど!)


 晃は、高校まではサッカー部だったらしいが大学では部活にもサークルにも入らず、ひたすら晃の家の近所のコンビニのバイトに励んでいた。
その貯めたお金で、中古だけれど免許を取る前から欲しがっていたスポーツカーを購入したのだ。ちゃんと計画を立ててやりくりしていた姿は凄いと思ったものだ。

 送ったと思っていたと言ってくれたから、それならいいかと許そうと思ったけれど、少しは淋しい気持ちを分かって欲しくてメールを送る。

【そうだったのね。晃から連絡無くて淋しかったけど、しょうがないなぁー。昨日は同期の人と遊んだの?】

ピロロン

【ああ。食事してから、ボーリング行って、その後カラオケ行った。結構疲れたから昼寝する。おやすみ-。】

(え!?そうなんだぁ…せっかく会話が出来ると思ったのになぁー。)

 千鶴は、晃と話が出来ると思ったのに昼寝すると言われて唇を尖らせた。

(そういえば…同期って言っていたけれど、男の子だけかなぁ。女の子いないよね…?まぁ、私も出掛けたけど。でも晃格好いいから、晃の同期の子が好きになられたらどうしよう…!)

 しばらく、千鶴は悶々と考えていた。
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