【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる

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執事に話したら

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その日は無事に帰って来れたわ。ライルさんのおかげで。だって、暗いから、道がよく分からなかったのですもの。


次の日の朝、タウンハウスでの執事であるドナルドに部屋に来てもらい、昨日の話をした。

夜に会ったからどう言おうかと思ったけれど、私、嘘は付けないから結局正直に話す事にしたの。
クロエはかなり慌てていたけれど、私が【お父様とお母様に会いたいと言われたの。】と、はめている指輪を見せたら今度は、ドナルドが狼狽しながら部屋を出ていった。
走って部屋を出て行くなんて、部屋の扉を開けっ放しにするなんて執事失格じゃないかしら?と思うけれど、怒られなかったからまぁいいですわね!


私は、タウンハウスなので庭がないから窓際で、精霊達を呼んで話しをしていた。
『王都は面白い!』
『でもいろんな思惑が渦巻いていて気持ち悪かったわ。』
『それは、夜いかがわしい所に出掛けてたからでしょ!』
『面白いのもあったわ!』
『キャロルも王宮に行けるといいのに。』
えー、王宮は監獄だって言ってたの、誰だったかしら?

『だって、すごい綺麗な庭園があった!』
『そうそう!キャロル、絶対気に入る!』
『わかる-!キャロルと見たかった!』
『じゃあ今夜行こう!姿を見えなくしてあげる!』
そ、それは遠慮しておくわ…。何かあった時に恐ろしいもの。

『そんなの、私達が助けるよ!』
『そうよ!兵士がいたら眠らせちゃえばいいのよ。』
『そうね、面白そう!』
『気絶は?』
『キャロルに悪い事したらやっちゃおう!』
『水を降らせる?』
『凍らせようか?』
『私は…燃やしたら人間はダメだよね…出番ない…。』
いやいや、私王宮には行けないから!そんないじけないで?


「キャロル様、ご準備を。」
「え?もう昼ご飯?」
「いいえ。お昼ご飯は軽食になります。その前に着替えましょう。」
「まだ時間はあるでしょう?」
あと2時間ほどお昼ご飯まであるわよ。

「間に合わないかもしれません。さ、急いで下さい。」
え?どういう事?


ーーー結局、普段ならお昼ご飯の時間ギリギリに着替えが終わった。…ドレスを着たから支度に時間が掛かったのね。
私は、昨日着なかったロイヤルブルーのドレス。なんだか、ライルさんの瞳を思い出すわ。…あら嫌だ。そう考えたらジワジワと顔が熱くなったみたい。なぜかしら。

「摘まめるものをご準備しました。」
と、クロエが言いながら準備してくれたのは、一口大の大きさに切られたサンドウィッチ。ドレスを着ているとあまり食べられないけれど、お腹は空いたわ!
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