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侍女のクロエ
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侍女のクロエは、黒髪で黒い瞳の15歳年上。
私が生まれた頃からいつも私の傍にいてくれて、悪い事をすると優しく注意もしてくれますの。けれど、なんだかんだ言って私のやりたいようにしてくれて。優しい姉のようであり、母のようで、私は、心を開いている。
だから、クロエだけは、私が精霊達と話をしているのを知っている。
他の人に見られないように、屋敷の外の庭で話しているのだけど、クロエは、私の侍女だから近くにいる。私が一人でブツブツと呟いているのを見られているんだけれど、お父様やお母様達には秘密にしてくれている。
私が、精霊に選ばれなかった日も、私に聞いてきた。
「キャロル様、いつも精霊様達と話していらっしゃるのに選ばれなかったのですか?それとも精霊様達が、キャロル様の取り合いをしてしまったのですか?」
クロエは、精霊に選ばれなかった側の人。だけれど、伯爵家の侍女をしているから、それなりに頑張ったんだと思います。そして、そんな精霊達を敬意を持って、精霊様と呼んでいる。
精霊達も、クロエには当たりは強くなくて、それなりに認めてくれているの。お姉様への当たりはかなり強いから、区別しているみたい。
私がいつも精霊達と話をしているのに選ばれなかったから不思議なのね。
「うーん。そうみたい。『一つの精霊だけがキャロルと一緒じゃずるい』と言ってくれたの。で、選ばない代わりに、みんなが力を貸してくれるのですって。選ばれないから、王立学院にも通わなくて済むし。将来も決められなくて済むし。良いこと尽くしよ。唯一、お父様とお母様がやるせない表情をしていたのが申し訳なかったわね。」
「キャロル様は、将来有望でなくて宜しかったという事ですか?」
「クロエは、今はどう?精霊に選ばれなくて、将来絶望?」
「そんな事はございません!今はこちらの伯爵家で働かせてもらえてますし。キャロル様とはとても楽しい毎日を過ごしてますもの。」
「それは良かった!私もよ!…だからね、精霊に選ばれなくても、良いのよ。」
「いえ、私の場合は一般庶民だからです。キャロル様は貴族ではございませんか!」
「ねぇクロエ。精霊に選ばれると、将来有望って言うけど、王宮からは出られないと聞いたわ。」
「まぁ、そうでしょうとも。口外してはいけない事がたくさんあるのではないでしょうか?」
「そんなの、つまらないじゃない?この領地は、のどかで素晴らしいわ!王宮という囲まれた建物の中で過ごすなんて…監獄みたいだわ!」
「キャロル様…。」
「あら!そんな顔しないで。だから選ばれなくたって可哀想じゃないのよ?そうでしょ?」
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私が、精霊に選ばれなかった日も、私に聞いてきた。
「キャロル様、いつも精霊様達と話していらっしゃるのに選ばれなかったのですか?それとも精霊様達が、キャロル様の取り合いをしてしまったのですか?」
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私がいつも精霊達と話をしているのに選ばれなかったから不思議なのね。
「うーん。そうみたい。『一つの精霊だけがキャロルと一緒じゃずるい』と言ってくれたの。で、選ばない代わりに、みんなが力を貸してくれるのですって。選ばれないから、王立学院にも通わなくて済むし。将来も決められなくて済むし。良いこと尽くしよ。唯一、お父様とお母様がやるせない表情をしていたのが申し訳なかったわね。」
「キャロル様は、将来有望でなくて宜しかったという事ですか?」
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「まぁ、そうでしょうとも。口外してはいけない事がたくさんあるのではないでしょうか?」
「そんなの、つまらないじゃない?この領地は、のどかで素晴らしいわ!王宮という囲まれた建物の中で過ごすなんて…監獄みたいだわ!」
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「あら!そんな顔しないで。だから選ばれなくたって可哀想じゃないのよ?そうでしょ?」
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