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23. そして
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ユリウス様は、私の話を元に仮説を立て、国王陛下にお話をされたみたい。
そして、時間は掛かるけれど国中に水路や水場を作り、手は綺麗に洗い流す事を国民にも教えていくと約束してくれたらしい。
少しずつではあるが、腹痛を訴える者や熱を出す者がかなり減ったらしい。
それをもって、念願のロイル様とウェンディ様の結婚式を実施する運びとなった。
なので、ロイル様とウェンディ様にはとても感謝された。
「アイネルちゃん!あなたは本当に素敵だわ!異世界から知識を持って帰って来てくれて本当にありがとう!!これできっと国民も心からロイルとの結婚を祝福してくれるわ。自分達の病気を知らないふりして、王族だけ幸せになりやがって!なんて言われながら結婚式なんてあげられなかったものね!」
ウェンディ様は本当に明け透けな性格で、それを嫌味にも見せなくてこちらまで気持ちよくなるわ。
…いいえ、後で知ったのですけれど、ウェンディ様はそれはもう公の場では完璧な淑女らしいのです。
それはそうですよね、未来の王妃様ですもの。でも、素をさらけ出して下さるのは信頼していただけてると感じて、とても嬉しいのですわ。
「アイネル。というわけで、俺達ももういつでも結婚式を挙げられるよ。あとは、アイネルの気持ちだけだ。どうだろう?…アイネル、愛しているよ。そろそろ昼も夜もいつまでも一緒にいたいな。まだ、俺だけしかそんな気持ちになれていないかな…。」
まぁ!そうですわね。まだ私達は十五歳ではありますけれど、正式に婚約者と発表して……あら?しておりませんわよね?してました?
けれど、王宮での夜会で、ダンスを披露してしまいましたわ。それも毎回。
ユリウス様はお父様とお母様にも挨拶、されていないわよね?
「ユリウス様。けれど、私達まだ婚約しておりませんわよね?」
「ん?やだなぁ。俺とダンスを踊るって事は、婚約者候補に挙がっているって事だよ。そして、俺は他の令嬢とは決して踊らない。だからまぁ、暗黙で皆分かっているんだよ。だから、普通はダンス誘われるはずなのにアイネルは誘われないでしょ?俺に睨まれたくないだろうからね。」
「ええーそうでしたの!?私はさぞ魅力が無いから誘われないのだと思っておりましたが…。だから最近やたらとご令嬢には話しかけられるのかしら?」
「うーん、あまり社交には出て来なかったアイネルが気になるんじゃないかな?(アイネルが王族に嫁ぐなら、仲良くしておいた方が優遇されるかもと打算的に近付いてくる輩がいるのか…。ちょっと調べておくか。)」
「そんな事…。」
「それに、アイネルの父上と母上にはとっくに挨拶は終わっているよ。アイネルが屋敷にいない時を見計らって、『アイネルと結婚させて下さい!』って言ってきたんだ。ご両親の許可は頂いているから。…あとは、アイネルの気持ち次第かな。」
えっ!いつの間に…!
まぁ、十五歳位から結婚している人もいるから変ではないし、それに………。
「…はい。私も、ユリウス様と一緒にいたいです。」
私の気持ちはいつの間にか、固まっていたのよね。
なんだか、外堀を埋められて流されているようにも感じますけれど…そんな事ないわよね!?
そして、時間は掛かるけれど国中に水路や水場を作り、手は綺麗に洗い流す事を国民にも教えていくと約束してくれたらしい。
少しずつではあるが、腹痛を訴える者や熱を出す者がかなり減ったらしい。
それをもって、念願のロイル様とウェンディ様の結婚式を実施する運びとなった。
なので、ロイル様とウェンディ様にはとても感謝された。
「アイネルちゃん!あなたは本当に素敵だわ!異世界から知識を持って帰って来てくれて本当にありがとう!!これできっと国民も心からロイルとの結婚を祝福してくれるわ。自分達の病気を知らないふりして、王族だけ幸せになりやがって!なんて言われながら結婚式なんてあげられなかったものね!」
ウェンディ様は本当に明け透けな性格で、それを嫌味にも見せなくてこちらまで気持ちよくなるわ。
…いいえ、後で知ったのですけれど、ウェンディ様はそれはもう公の場では完璧な淑女らしいのです。
それはそうですよね、未来の王妃様ですもの。でも、素をさらけ出して下さるのは信頼していただけてると感じて、とても嬉しいのですわ。
「アイネル。というわけで、俺達ももういつでも結婚式を挙げられるよ。あとは、アイネルの気持ちだけだ。どうだろう?…アイネル、愛しているよ。そろそろ昼も夜もいつまでも一緒にいたいな。まだ、俺だけしかそんな気持ちになれていないかな…。」
まぁ!そうですわね。まだ私達は十五歳ではありますけれど、正式に婚約者と発表して……あら?しておりませんわよね?してました?
けれど、王宮での夜会で、ダンスを披露してしまいましたわ。それも毎回。
ユリウス様はお父様とお母様にも挨拶、されていないわよね?
「ユリウス様。けれど、私達まだ婚約しておりませんわよね?」
「ん?やだなぁ。俺とダンスを踊るって事は、婚約者候補に挙がっているって事だよ。そして、俺は他の令嬢とは決して踊らない。だからまぁ、暗黙で皆分かっているんだよ。だから、普通はダンス誘われるはずなのにアイネルは誘われないでしょ?俺に睨まれたくないだろうからね。」
「ええーそうでしたの!?私はさぞ魅力が無いから誘われないのだと思っておりましたが…。だから最近やたらとご令嬢には話しかけられるのかしら?」
「うーん、あまり社交には出て来なかったアイネルが気になるんじゃないかな?(アイネルが王族に嫁ぐなら、仲良くしておいた方が優遇されるかもと打算的に近付いてくる輩がいるのか…。ちょっと調べておくか。)」
「そんな事…。」
「それに、アイネルの父上と母上にはとっくに挨拶は終わっているよ。アイネルが屋敷にいない時を見計らって、『アイネルと結婚させて下さい!』って言ってきたんだ。ご両親の許可は頂いているから。…あとは、アイネルの気持ち次第かな。」
えっ!いつの間に…!
まぁ、十五歳位から結婚している人もいるから変ではないし、それに………。
「…はい。私も、ユリウス様と一緒にいたいです。」
私の気持ちはいつの間にか、固まっていたのよね。
なんだか、外堀を埋められて流されているようにも感じますけれど…そんな事ないわよね!?
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