【完結】異世界からおかえりなさいって言われました。私は長い夢を見ていただけですけれど…でもそう言われるから得た知識で楽しく生きますわ。

まりぃべる

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2. 長い眠りから覚めたら…

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 目が覚めた私は、ずいぶんと違和感を覚えました。

 目を開けた時に、初めに思った事は、『ここは、どこだったかしら?』でした。
そして、周りの景色を見ようと体を起こそうとすると、体中がギギギ…と音がするみたいに、なぜだか動かし辛かったのです。

 仕方がないから、目を動かすとずいぶんと高い天井が見えました。そして私が寝ているベッドには天蓋が付いています。…うーん、どこかのホテル?…あら?ホテルって何だったかしら?

 少し考えていると、部屋に女性が入って来たようで、いきなりカーテンを開けました。

「眩し…。」

今は朝なのか、大きな窓のカーテンを開けると暗かった部屋に日差しが降り注いできました。

「まぁ!アイネル様!!目が覚められましたか?今、当主様と、お医者様を呼びに行かせますから!!…ああ、本当に、ようございました…。」

 その女性は、そう言って部屋を急いで出て行きました。

 アイネル様?当主様?うーん…私の事?そういえば、長い夢を見ていたような気がするわ。どんな夢だったかしら。とても、現実味を帯びていたのよね。

 私、この部屋よりもっと小さな部屋に住んでいて、一人で暮らしていたと思うわ。それで…。

 バタバタバタッ!バンッ!

「アイネル!大丈夫か!?」

 考えていると、廊下を走ってきたような音と、部屋の扉を思い切り開けた音がして、金色と茶色が混ざった髪色の男性が入って来て言われました。

 えっと…どちら様でしたかしら?
私は、首を少し傾げました。

「どうした?だと言わたのだが、そうなのか?それとも、カイヴィンから聞いたが、男に突き飛ばされたからか?」

 と、そう再び言われたので、何だったかしら…と考えました。

 すると、開いた扉をわざとトントントンとノックする音がして、言われました。

「もう!ヘンツったら!質問攻めにしたらアイネルが困っているわよ!ゆっくり、聞きましょうね。さぁ。まずは水でも飲む?お医者様はまだだろうから、それまでに出来る事をしましょう?」

 そう言ってくれた人は、腰まで伸びた金髪のとてもきれいな女性でした。二人共二十代位に見えるわ。ここは、外国?……ん?外国って思ったのはなぜかしら?





 あれから、質問攻めにしてきた男性は先に朝食の為に部屋から出て行きました。
『アイネルがせっかく目覚めたのに、仕事をするわけにはいかん!今日は休む!』と言っていましたが、『分かりますよ、分かります。けれど、お仕事はしましょうね。はい、可愛いアイネルの為に頑張って来て下さいね!』と、もう一人の女性に言われ、渋々出て行きました。何だか、見ているこちらにまで分かる位に項垂れていたので、年上だけれど可愛らしい人だなぁと思いました。

 …?年上?私は、幾つだったかしら?
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