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13. ヨハナ(義母)視点
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ガリナが、婚約者候補に選ばれたわ!
やった!やったわよ!さすが私の娘ね!
婚約者候補の、十人に選ばれたなんてこれはもう、王妃になる事間違いないわね。
うふふ…私の美貌を受け継いでいる事はあるわ。年齢は低くても、身体付きも大人のようにしっかり成長しているし、社交界にも幼い頃から通い詰めていた甲斐があったわ!
私も十二歳の頃から、踊り子としていろんな街を渡り歩いて来たわ…。私を欲してくれた人はそれこそ山のようにたくさんいたけれど、見受けしてくれる人はなかなか現れなかったのよねぇ…。仕方ないから国を越えようかとも思いながらソベレツの領地の酒場にたどり着き、短期間の踊り子をやっていると、妻に先立たれて淋しそうにしていたキーベックがいたのよ。今の辺境伯ね。
それなりにかっこ良かったし、辺境伯ならお金もあると思って押しかけるように色目を使ったら簡単に後妻にしてくれたのよね!
キーベックには前妻との子どもがいたけれど、私は自分の子でもないから全くかわいがりもしなかったわ。もっとたくさんキーベックと昼も夜も一緒にいられると思ったのだけれど、どうやら彼は国境近くの砦に行って、仕事をしないといけないとかで、私にお屋敷を取り仕切って欲しいと言い出したの。
ちょっと、何を言っているのか全くわからなかったわ!
私は、キーベックと一緒にきままな貴族の夫人として過ごせると思っていたのに。綺麗なドレスを着て、美味しい物が食べれると思っていたのに。ただそれだけでよかったのよ?
前妻との子の面倒なんて、見れるわけないじゃないの!
私にいろいろと言ってくる使用人は面倒だから、辞めさせたわ。
でも、キーベックは私に娘と息子を授けて下さった。
息子は、男だし何考えているのかわからなかったけれど、いいの。私には私に似たとても可愛いガリナがいるものね。
エミーリエに買うよりもガリナにいろいろと購入した方がとても似合うもの!だからエミーリエに渡す予定だった物も全てガリナにあげた。
そうしたら、なんと!ガリナはこの国の王太子の目に止まったのよ!王太子の婚約者候補のうちの一人に選ばれたわ!
ふふふ。このまま行けば、私も王妃の母としてもっと贅沢出来るわね。いいわ!ガリナ頑張って頂戴!
ん?おかしいわね。どうしたのかしら?ガリナからの連絡が、ないのよね。毎日、手紙を書いてくれると言っていたのに。
初めの三日ほどは手紙が来ていたのに。
見初められる為に頑張っているのかしら!?
一週間経った頃、私が泊まっている貴族向けの高級宿に、王宮からの人が訪ねて来たの。
もしかしたら、いよいよ王妃に決定!?
そう思ったのだけれど、聞こえた言葉は全く意図してなかった言葉だったわ。
『ガリナ様は、王太子様に、有るまじき行為をされた為、修道院へと行かれました。そこで生涯暮らす事でしょう。』
ハァ!?
私の娘が、そんなヘマするわけないじゃないの!
「何かの間違いですよね!?もっとよく調べてちょうだい!ねぇ!」
私は、その人の着ている襟を両手で掴んで勢いよくガクガクと揺さぶった。
『 …放していただけませんか。罪が増えますよ。それから、ヨハナ様?ソベレツ辺境伯から訴えられています。ソベレツ辺境伯の資産を横領したという罪ですね。罪状もあります。では、行きましょうか。』
な…何を言っているのかしら!?罪?罪状!?
「私は、ソベレツ辺境伯であるキーベックの妻よ!横領だなんてとんでもない!妻が、家のお金を使って何が悪いのかしら!?」
『妻といえど、辺境伯様が娘に贈られた物を盗むのはいけませんよね。しかも、娘を家に押しとどめ社交をさせないなど親の務めを果たしておりませんよ。まだまだ叩けば埃が出そうですね。さぁ、早くして下さい。あ、こちらにある手荷物は、ソベレツ辺境伯の所有物となりますので、そちらへと送って差し上げますからご心配なく。』
ど、どうして!?長年私をほったらかして相手してくれなかったキーベックが今さら私を訴えるなんて!…いいえ、絶対、これは何かの間違いよ、そうよね?どこに連れて行かれるのかよく分からないけれど、すぐに帰ってこられるわよね?
だって私は、何にも悪い事なんてしていないのだもの!
やった!やったわよ!さすが私の娘ね!
婚約者候補の、十人に選ばれたなんてこれはもう、王妃になる事間違いないわね。
うふふ…私の美貌を受け継いでいる事はあるわ。年齢は低くても、身体付きも大人のようにしっかり成長しているし、社交界にも幼い頃から通い詰めていた甲斐があったわ!
私も十二歳の頃から、踊り子としていろんな街を渡り歩いて来たわ…。私を欲してくれた人はそれこそ山のようにたくさんいたけれど、見受けしてくれる人はなかなか現れなかったのよねぇ…。仕方ないから国を越えようかとも思いながらソベレツの領地の酒場にたどり着き、短期間の踊り子をやっていると、妻に先立たれて淋しそうにしていたキーベックがいたのよ。今の辺境伯ね。
それなりにかっこ良かったし、辺境伯ならお金もあると思って押しかけるように色目を使ったら簡単に後妻にしてくれたのよね!
キーベックには前妻との子どもがいたけれど、私は自分の子でもないから全くかわいがりもしなかったわ。もっとたくさんキーベックと昼も夜も一緒にいられると思ったのだけれど、どうやら彼は国境近くの砦に行って、仕事をしないといけないとかで、私にお屋敷を取り仕切って欲しいと言い出したの。
ちょっと、何を言っているのか全くわからなかったわ!
私は、キーベックと一緒にきままな貴族の夫人として過ごせると思っていたのに。綺麗なドレスを着て、美味しい物が食べれると思っていたのに。ただそれだけでよかったのよ?
前妻との子の面倒なんて、見れるわけないじゃないの!
私にいろいろと言ってくる使用人は面倒だから、辞めさせたわ。
でも、キーベックは私に娘と息子を授けて下さった。
息子は、男だし何考えているのかわからなかったけれど、いいの。私には私に似たとても可愛いガリナがいるものね。
エミーリエに買うよりもガリナにいろいろと購入した方がとても似合うもの!だからエミーリエに渡す予定だった物も全てガリナにあげた。
そうしたら、なんと!ガリナはこの国の王太子の目に止まったのよ!王太子の婚約者候補のうちの一人に選ばれたわ!
ふふふ。このまま行けば、私も王妃の母としてもっと贅沢出来るわね。いいわ!ガリナ頑張って頂戴!
ん?おかしいわね。どうしたのかしら?ガリナからの連絡が、ないのよね。毎日、手紙を書いてくれると言っていたのに。
初めの三日ほどは手紙が来ていたのに。
見初められる為に頑張っているのかしら!?
一週間経った頃、私が泊まっている貴族向けの高級宿に、王宮からの人が訪ねて来たの。
もしかしたら、いよいよ王妃に決定!?
そう思ったのだけれど、聞こえた言葉は全く意図してなかった言葉だったわ。
『ガリナ様は、王太子様に、有るまじき行為をされた為、修道院へと行かれました。そこで生涯暮らす事でしょう。』
ハァ!?
私の娘が、そんなヘマするわけないじゃないの!
「何かの間違いですよね!?もっとよく調べてちょうだい!ねぇ!」
私は、その人の着ている襟を両手で掴んで勢いよくガクガクと揺さぶった。
『 …放していただけませんか。罪が増えますよ。それから、ヨハナ様?ソベレツ辺境伯から訴えられています。ソベレツ辺境伯の資産を横領したという罪ですね。罪状もあります。では、行きましょうか。』
な…何を言っているのかしら!?罪?罪状!?
「私は、ソベレツ辺境伯であるキーベックの妻よ!横領だなんてとんでもない!妻が、家のお金を使って何が悪いのかしら!?」
『妻といえど、辺境伯様が娘に贈られた物を盗むのはいけませんよね。しかも、娘を家に押しとどめ社交をさせないなど親の務めを果たしておりませんよ。まだまだ叩けば埃が出そうですね。さぁ、早くして下さい。あ、こちらにある手荷物は、ソベレツ辺境伯の所有物となりますので、そちらへと送って差し上げますからご心配なく。』
ど、どうして!?長年私をほったらかして相手してくれなかったキーベックが今さら私を訴えるなんて!…いいえ、絶対、これは何かの間違いよ、そうよね?どこに連れて行かれるのかよく分からないけれど、すぐに帰ってこられるわよね?
だって私は、何にも悪い事なんてしていないのだもの!
応援ありがとうございます!
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