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25. 告白
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「それでね…レナに伝えたい言葉があるんだ。レナは急だと思うかもしれないんだが…。」
そう言うと、ウィンフォードは紅茶のカップへと再び手を伸ばし、飲み干してから、レナへと視線を合わせ、居住まいを正してまた口を開く。
「レナ、初めて見かけた時は、珍しい髪だと目を惹いた。美しいと思った。二回目に話が出来た時は年甲斐もなく嬉しく思った。そして、レナは動物にも優しく手を差し伸べる、心優しい人だと知って余計気になった。レナ、俺はレナともっと一緒の時間を過ごしたい。その為に、決まり事を改定する事にしたんだ。」
「え…?」
レナは、いきなりの事で心がザワザワとして、ウィンフォードの言葉を理解するのに精一杯だったが、決まり事を改定すると言い出したので何の事かとため息のような微かな言葉が漏れた。
「今のドラモンド国王陛下の祖父の時代に作った、負の遺産だ。動物に無闇に触れてはいけない、そんなものは撤回させる事に成功したよ。それを今まで書類におこしていた。それが終わり、きっと今頃ドラモンド国王陛下も喜んでいるだろう。」
「え?喜んで…?」
「ドラモンド様から聞いているよ。レナがこの王宮へ初めて来た日、馬車に乗っていた不審な男がいただろう?」
「帽子を目深に被っていた…?」
「そう。それ、ドラモンド様だよ。」
「え!?」
(わー!私何かいろいろと言った気がするんだけど、大丈夫だったのかな。いや、でもあれはあの人が良いって言ったのだし…。)
「あぁ、大丈夫だよ。あの日、ドラモンド様は馬車から降りて慌てて俺のこの部屋まで来て、興奮しながらレナの事を話していたんだから。『これでやっと、堂々と愛でられる時代が来る!』ってね。」
「それって…」
「レナが、ばかばかしいと清々しい程に言ってくれて、憑きものが落ちたみたいだったと言っていたよ。だから、俺はそんな事を知らなかったとはいえドラモンド様に向かって言った人物を見定めつつ、撤回させる為にはどうすればいいかと考えた。でも、その人物とは見知ったレナだった。これは全面的に、力を注がないとと思ってね。それに、俺も動物は癒されると思っている。だから、それを触れてはいけないなんて、不条理だと思っていた。
陛下なんだから勝手に撤回すればいいのに、『自分の祖父が作った決まり事を、自分の代で撤回していいものか悩む。だから力を貸してくれ!』なんて言うんだ。それはちょっとイラついたけどね。」
「えと…」
「だから、大丈夫。処罰なんて俺がさせないよ。
それに、王宮内に動物理髪店なるものを建設中なんだが…これは引かれるかもしれないんだが、ゆくゆくは俺の家になる屋敷にも、そういう店を作ろうと思う。どうだろうか?」
レナは目を瞬かせ、言われた事を噛み締めつつ考える。
(どうだろうかと言われても…私は前々から、ウィンフォード様は目の保養と思う程に格好いいと思っていたのよ。こんなイケメンに口説かれて、私の為だと優しくされて、落ちない人がいるの!?でも、お互いの事、全然知らないよね…)
「えと…私…」
「レナ、結婚してほしい。君の優しさに触れ、君の事を考える事が多くなった。馬車の停留所に、また君がいないかと捜す自分がいたんだ。レナがいると傍に行きたくて靴磨きをしてもらっていた。居ないと落胆していたんだ。でも、もっとレナと時間を共有していきたい。」
レナはウィンフォードの言葉が心に染みわたり、涙が溢れてくる。
「あぁ泣かないで、レナ。」
ウィンフォードは立ち上がり、レナの隣に座り直した。そして、膝をつき合うような姿勢になり、右手で優しくレナの涙を拭く。
「どうだろう…」
レナは、この国に来た事を、過ごして来た事を思い出していたのだ。
そして、ウィンフォードは会う度に優しく話してくれたと思い返していた。
「ま、まだお互いの事を良く分かっていないけど…お願いします。」
「ほ、本当か!?やった!…レナ。」
ウィンフォードは、レナを自身の方へ引き寄せ抱き締めた。
「レナ、愛しているよ。」
「わ、私も…」
(多分、そうよね?惹かれていたのは事実だもの。)
レナがそう言葉を返すと、ウィンフォードは一層、壊れないように抱き締めている力を込めた。
そう言うと、ウィンフォードは紅茶のカップへと再び手を伸ばし、飲み干してから、レナへと視線を合わせ、居住まいを正してまた口を開く。
「レナ、初めて見かけた時は、珍しい髪だと目を惹いた。美しいと思った。二回目に話が出来た時は年甲斐もなく嬉しく思った。そして、レナは動物にも優しく手を差し伸べる、心優しい人だと知って余計気になった。レナ、俺はレナともっと一緒の時間を過ごしたい。その為に、決まり事を改定する事にしたんだ。」
「え…?」
レナは、いきなりの事で心がザワザワとして、ウィンフォードの言葉を理解するのに精一杯だったが、決まり事を改定すると言い出したので何の事かとため息のような微かな言葉が漏れた。
「今のドラモンド国王陛下の祖父の時代に作った、負の遺産だ。動物に無闇に触れてはいけない、そんなものは撤回させる事に成功したよ。それを今まで書類におこしていた。それが終わり、きっと今頃ドラモンド国王陛下も喜んでいるだろう。」
「え?喜んで…?」
「ドラモンド様から聞いているよ。レナがこの王宮へ初めて来た日、馬車に乗っていた不審な男がいただろう?」
「帽子を目深に被っていた…?」
「そう。それ、ドラモンド様だよ。」
「え!?」
(わー!私何かいろいろと言った気がするんだけど、大丈夫だったのかな。いや、でもあれはあの人が良いって言ったのだし…。)
「あぁ、大丈夫だよ。あの日、ドラモンド様は馬車から降りて慌てて俺のこの部屋まで来て、興奮しながらレナの事を話していたんだから。『これでやっと、堂々と愛でられる時代が来る!』ってね。」
「それって…」
「レナが、ばかばかしいと清々しい程に言ってくれて、憑きものが落ちたみたいだったと言っていたよ。だから、俺はそんな事を知らなかったとはいえドラモンド様に向かって言った人物を見定めつつ、撤回させる為にはどうすればいいかと考えた。でも、その人物とは見知ったレナだった。これは全面的に、力を注がないとと思ってね。それに、俺も動物は癒されると思っている。だから、それを触れてはいけないなんて、不条理だと思っていた。
陛下なんだから勝手に撤回すればいいのに、『自分の祖父が作った決まり事を、自分の代で撤回していいものか悩む。だから力を貸してくれ!』なんて言うんだ。それはちょっとイラついたけどね。」
「えと…」
「だから、大丈夫。処罰なんて俺がさせないよ。
それに、王宮内に動物理髪店なるものを建設中なんだが…これは引かれるかもしれないんだが、ゆくゆくは俺の家になる屋敷にも、そういう店を作ろうと思う。どうだろうか?」
レナは目を瞬かせ、言われた事を噛み締めつつ考える。
(どうだろうかと言われても…私は前々から、ウィンフォード様は目の保養と思う程に格好いいと思っていたのよ。こんなイケメンに口説かれて、私の為だと優しくされて、落ちない人がいるの!?でも、お互いの事、全然知らないよね…)
「えと…私…」
「レナ、結婚してほしい。君の優しさに触れ、君の事を考える事が多くなった。馬車の停留所に、また君がいないかと捜す自分がいたんだ。レナがいると傍に行きたくて靴磨きをしてもらっていた。居ないと落胆していたんだ。でも、もっとレナと時間を共有していきたい。」
レナはウィンフォードの言葉が心に染みわたり、涙が溢れてくる。
「あぁ泣かないで、レナ。」
ウィンフォードは立ち上がり、レナの隣に座り直した。そして、膝をつき合うような姿勢になり、右手で優しくレナの涙を拭く。
「どうだろう…」
レナは、この国に来た事を、過ごして来た事を思い出していたのだ。
そして、ウィンフォードは会う度に優しく話してくれたと思い返していた。
「ま、まだお互いの事を良く分かっていないけど…お願いします。」
「ほ、本当か!?やった!…レナ。」
ウィンフォードは、レナを自身の方へ引き寄せ抱き締めた。
「レナ、愛しているよ。」
「わ、私も…」
(多分、そうよね?惹かれていたのは事実だもの。)
レナがそう言葉を返すと、ウィンフォードは一層、壊れないように抱き締めている力を込めた。
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