11 / 27
11. 小さな集落
しおりを挟む
「ここを野営地としよう。」
そう言ってまた、開けた場所に素早く手分けして野営地を作ってくれる。私とインサはまた、敷物の上に座らせてもらった。
「ねぇインサ。〝エルヴィーラ様〟は、馬を自在に操っていたのよね?」
私は、インサと二人きりなのでまた〝エルヴィーラ様〟の情報を得る為に話しかける。
「はい、そうですね。幼い頃より乗っておりましたから。」
「そうなのね。先ほど、ルドから明日、この先の渓谷の場所で駆歩になるかもしれないと言われたの。〝エルヴィーラ様〟も、駆歩で駆け回っていたという事なの?」
「そうですか…明日駆歩を…。確かにそうですね。よく、警備隊の者達から『馬で走らせたらエルヴィーラ様の右に出る者はいない』と言われていましたよ。だからでしょうね。あの日も、警備隊が逃げられたと言っておりましたし。」
そうだったわね。鎧を着た体格の良い厳つい男性達がそう言っていた。
…皇帝から、馬で出掛けようなどと言われたらどうしよう!?咄嗟にインサが落馬したと設定を作ってくれて本当に良かったのかもしれないわ。言い訳が出来るものね。…言い訳になるわよね?
「それにしても、どうして駆歩を?急いでらっしゃるのですか?」
「ヘルムグマが出るそうよ」
「えっ!」
インサが少し大きめの声で驚いているので、私の方がびっくりしたので聞いてみる。
「ど、どうしたの?」
「ヘルムグマですか…それは厄介ですね。とても大きいと聞いています。デューレンケルンでも野生動物は出ますが、ヘルムグマはおりません。けれども、獰猛だと聞き及んでおります。」
「そうなの…。でもルドは体が大きいから動きが鈍いと言っていたわ。だから、馬のが速いのですって。」
「そうでしたか。では私も心しておきます。」
「駆歩って、やっぱり速い?」
「それはそうですね。私も侍女ではありますがあのような土地柄ですから、馬は乗れますし、経験があります。風を切って走るのは気持ち良いですけれど、振り落とされないよう気を付けて下さいね。」
確かに。
ここの馬は足が長いし、景色もいいものね。気持ち良いのね。よし、そう思えばきっと楽しめるはずね!
そうインサと話していると、準備が出来たようで、ルドが呼びに来てくれる。
「終わったので来て下さい。長老が挨拶されたいようですよ。」
呼ばれた先は、火が焚かれた簡易かまどを囲んで敷物が引いてあるところだった。
そこに、白い髪をした腕の筋肉がムキムキとしたお爺さんが座っていて、この集落の長老だと紹介される。
そして、集落の人達も一緒にどうやら宴を開いてくれるそうだ。
何だか、家が今にも風が吹けば崩れて飛びそうな建物で、言ってはいけないかもしれないが家も直せないような貧しそうな人達に宴を開いてもらうってとても申し訳ないのだけど…。
と、思っていたけれど。
意外にも、様々な種類の川魚、色とりどりの花で飾り付けられた山菜、パン、果物など、この近辺で採れた食べ物をたくさん提供してくれた。そして、集落の人達は意外にも屈強な体つきの人も多くて。
私の隣に座ったルドが教えてくれた。
「ここの集落は、一見今にもすぐに陥落しそうな場所でしょう?でも、実は屈強な砦なんですよ。」
「砦?」
「そう。彼ら集落の人達は、皆体つきがいいでしょう?元は軍人や、その家族なんです。ここにもし、悪い輩が来たとしても家屋を見てきっと廃れた村だと油断しているでしょうし、彼らは強いので一瞬で相手が降参してしまいますよ。まぁ、ここはドルトムンボン国側ですし、デューレンケルンの人達もこちらへ攻め入ろうなんてされてなかったので、彼らは良い意味で役目を果たしていないですけれどね。」
なるほど…だからあんな、風が吹いたら飛んでいきそうな家の見た目だったのね。私も失礼ながら、騙されてしまったわ。
「まぁ、普段は鍛錬がてら、畑仕事に精を出してくれているのですけれどね。」
そう教えてもらっていると、先ほど長老だと紹介された男性が私の元へ来て、コップへと注いでくれるという。
「ご婚約、おめでとうございます。ささ、ここで作った新鮮なビアです。どうぞ。」
「ビア?」
「ここの畑で作られる大麦を使ったお酒ですよ。お酒、良く飲まれると聞きましたが、ビアは飲んだ事ありますか?」
そうなの!?〝エルヴィーラ様〟は良く飲むのね…私、飲めたかしら。外見は同じだけれど、きっとエルヴィーラ様は逃げたと言っていたから、〝エルヴィーラ様〟の体ではないもの。
多分…飲んでいたとは思うわ。舞台がうまくいった日は、ぷはーって飲んでいた気がするもの。ただ、何をかは覚えていないのだけれど。
でも、どんな味なのか飲んでみたいわ。
「そうなのですね。ありがとう、頂くわ。」
注いでもらうと、白い泡がシュワシュワとしていて美味しそうに見える。
「では。乾杯!」
グイッと飲んでみると、のどに当たるようにシュワシュワとくる。美味しいというか…苦いわ。でも皆美味しそうに飲んでいる。飲み込むと確かにさっぱりとする気はするけれど、味は少し苦くて…。でもなんだか懐かしい。
「ささ、どうぞどうぞ。」
まぁ、皆楽しそうだし。
私もしばしこの世界へ来た不安を忘れられるかともう一杯、もう一杯と頂く事にした。
隣のルドと、長老と一緒に飲みながら食べながら話をする。
今日も、男女二人組が通ったが怪しくは無かったので放っておいただのなんだのと話していた。
どうやら、見るからに怪しい人が通らない限りは黙認しているのだそう。この先の渓谷や森を抜けると帝都があり、そこではきちんとした警備もしているからだそうだ。
数年前はマルニクス様率いる軍がここを通ってデューレンケルンに攻め入っていたと言っていた。マルニクス様が率いる軍といっても、父のディーデリック皇帝陛下に正式に依頼された軍ではないので統制がいつも取れていない感じだったと言っていた。
「私達がお止め出来れば良かったのでしょうが、さすがに難しくて。武力で戦えば我々が勝つと思ってはいましたが、先代皇帝陛下のご子息と戦うなんて…いつも歯がゆい思いで見ておりました。」
と言われ頭を下げられたから、
「過ぎた事です。あなた達には、あなた達の立場がありますから。そう思ってくれていただけで充分ですわ。」
と微笑んでおいた。あまり数多く語るのも良くないわよね、私はそれと戦っていた〝エルヴィーラ様〟ではないのだもの。さすがに嘘をペラペラと話すのは気が引けるわ。
そう思ってふと簡易かまどの方を見ると、隊員が集落の人と一緒になって輪になり踊っていた。どんな踊りなのかは分からないけれど、とても楽しそう。
見ていたら、私も体がうずうずとして一緒に踊りたくなってきた。
この世界へ来る前、役者を目指していて、大きな声を出して身振り手振り演じていた事が少しだけ頭をかすめたの。もうどんな台詞とか、歌とかは覚えていないのだけれど。
「エルヴィーラ様も、どうぞ!」
私がじっと見ていたからか、踊っている人に手招きして言われたの。だからなんとなく、立ち上がって近寄っていったのよ。
周りを見ながら体を少し真似て動かしてみる。するとなんだか楽しくって!
皆も楽しいのね。笑いながら掛け声もかけながら体を動かしているの。
…のだけれど。何だか…頭が痛くなってきたような…
私は、慌てて先ほど座っていた場所へ戻った。
「エルヴィーラ様、大丈夫ですか?お顔が…」
インサが、近くへと来て心配してくれているようだけど、何だか顔が熱くなってポワポワとして…眠くなって……
「……!………!!」
「…!………!!」
何か、体を揺すられている気がするけれど、眠くなってきて私はそこで意識を手放した。
そう言ってまた、開けた場所に素早く手分けして野営地を作ってくれる。私とインサはまた、敷物の上に座らせてもらった。
「ねぇインサ。〝エルヴィーラ様〟は、馬を自在に操っていたのよね?」
私は、インサと二人きりなのでまた〝エルヴィーラ様〟の情報を得る為に話しかける。
「はい、そうですね。幼い頃より乗っておりましたから。」
「そうなのね。先ほど、ルドから明日、この先の渓谷の場所で駆歩になるかもしれないと言われたの。〝エルヴィーラ様〟も、駆歩で駆け回っていたという事なの?」
「そうですか…明日駆歩を…。確かにそうですね。よく、警備隊の者達から『馬で走らせたらエルヴィーラ様の右に出る者はいない』と言われていましたよ。だからでしょうね。あの日も、警備隊が逃げられたと言っておりましたし。」
そうだったわね。鎧を着た体格の良い厳つい男性達がそう言っていた。
…皇帝から、馬で出掛けようなどと言われたらどうしよう!?咄嗟にインサが落馬したと設定を作ってくれて本当に良かったのかもしれないわ。言い訳が出来るものね。…言い訳になるわよね?
「それにしても、どうして駆歩を?急いでらっしゃるのですか?」
「ヘルムグマが出るそうよ」
「えっ!」
インサが少し大きめの声で驚いているので、私の方がびっくりしたので聞いてみる。
「ど、どうしたの?」
「ヘルムグマですか…それは厄介ですね。とても大きいと聞いています。デューレンケルンでも野生動物は出ますが、ヘルムグマはおりません。けれども、獰猛だと聞き及んでおります。」
「そうなの…。でもルドは体が大きいから動きが鈍いと言っていたわ。だから、馬のが速いのですって。」
「そうでしたか。では私も心しておきます。」
「駆歩って、やっぱり速い?」
「それはそうですね。私も侍女ではありますがあのような土地柄ですから、馬は乗れますし、経験があります。風を切って走るのは気持ち良いですけれど、振り落とされないよう気を付けて下さいね。」
確かに。
ここの馬は足が長いし、景色もいいものね。気持ち良いのね。よし、そう思えばきっと楽しめるはずね!
そうインサと話していると、準備が出来たようで、ルドが呼びに来てくれる。
「終わったので来て下さい。長老が挨拶されたいようですよ。」
呼ばれた先は、火が焚かれた簡易かまどを囲んで敷物が引いてあるところだった。
そこに、白い髪をした腕の筋肉がムキムキとしたお爺さんが座っていて、この集落の長老だと紹介される。
そして、集落の人達も一緒にどうやら宴を開いてくれるそうだ。
何だか、家が今にも風が吹けば崩れて飛びそうな建物で、言ってはいけないかもしれないが家も直せないような貧しそうな人達に宴を開いてもらうってとても申し訳ないのだけど…。
と、思っていたけれど。
意外にも、様々な種類の川魚、色とりどりの花で飾り付けられた山菜、パン、果物など、この近辺で採れた食べ物をたくさん提供してくれた。そして、集落の人達は意外にも屈強な体つきの人も多くて。
私の隣に座ったルドが教えてくれた。
「ここの集落は、一見今にもすぐに陥落しそうな場所でしょう?でも、実は屈強な砦なんですよ。」
「砦?」
「そう。彼ら集落の人達は、皆体つきがいいでしょう?元は軍人や、その家族なんです。ここにもし、悪い輩が来たとしても家屋を見てきっと廃れた村だと油断しているでしょうし、彼らは強いので一瞬で相手が降参してしまいますよ。まぁ、ここはドルトムンボン国側ですし、デューレンケルンの人達もこちらへ攻め入ろうなんてされてなかったので、彼らは良い意味で役目を果たしていないですけれどね。」
なるほど…だからあんな、風が吹いたら飛んでいきそうな家の見た目だったのね。私も失礼ながら、騙されてしまったわ。
「まぁ、普段は鍛錬がてら、畑仕事に精を出してくれているのですけれどね。」
そう教えてもらっていると、先ほど長老だと紹介された男性が私の元へ来て、コップへと注いでくれるという。
「ご婚約、おめでとうございます。ささ、ここで作った新鮮なビアです。どうぞ。」
「ビア?」
「ここの畑で作られる大麦を使ったお酒ですよ。お酒、良く飲まれると聞きましたが、ビアは飲んだ事ありますか?」
そうなの!?〝エルヴィーラ様〟は良く飲むのね…私、飲めたかしら。外見は同じだけれど、きっとエルヴィーラ様は逃げたと言っていたから、〝エルヴィーラ様〟の体ではないもの。
多分…飲んでいたとは思うわ。舞台がうまくいった日は、ぷはーって飲んでいた気がするもの。ただ、何をかは覚えていないのだけれど。
でも、どんな味なのか飲んでみたいわ。
「そうなのですね。ありがとう、頂くわ。」
注いでもらうと、白い泡がシュワシュワとしていて美味しそうに見える。
「では。乾杯!」
グイッと飲んでみると、のどに当たるようにシュワシュワとくる。美味しいというか…苦いわ。でも皆美味しそうに飲んでいる。飲み込むと確かにさっぱりとする気はするけれど、味は少し苦くて…。でもなんだか懐かしい。
「ささ、どうぞどうぞ。」
まぁ、皆楽しそうだし。
私もしばしこの世界へ来た不安を忘れられるかともう一杯、もう一杯と頂く事にした。
隣のルドと、長老と一緒に飲みながら食べながら話をする。
今日も、男女二人組が通ったが怪しくは無かったので放っておいただのなんだのと話していた。
どうやら、見るからに怪しい人が通らない限りは黙認しているのだそう。この先の渓谷や森を抜けると帝都があり、そこではきちんとした警備もしているからだそうだ。
数年前はマルニクス様率いる軍がここを通ってデューレンケルンに攻め入っていたと言っていた。マルニクス様が率いる軍といっても、父のディーデリック皇帝陛下に正式に依頼された軍ではないので統制がいつも取れていない感じだったと言っていた。
「私達がお止め出来れば良かったのでしょうが、さすがに難しくて。武力で戦えば我々が勝つと思ってはいましたが、先代皇帝陛下のご子息と戦うなんて…いつも歯がゆい思いで見ておりました。」
と言われ頭を下げられたから、
「過ぎた事です。あなた達には、あなた達の立場がありますから。そう思ってくれていただけで充分ですわ。」
と微笑んでおいた。あまり数多く語るのも良くないわよね、私はそれと戦っていた〝エルヴィーラ様〟ではないのだもの。さすがに嘘をペラペラと話すのは気が引けるわ。
そう思ってふと簡易かまどの方を見ると、隊員が集落の人と一緒になって輪になり踊っていた。どんな踊りなのかは分からないけれど、とても楽しそう。
見ていたら、私も体がうずうずとして一緒に踊りたくなってきた。
この世界へ来る前、役者を目指していて、大きな声を出して身振り手振り演じていた事が少しだけ頭をかすめたの。もうどんな台詞とか、歌とかは覚えていないのだけれど。
「エルヴィーラ様も、どうぞ!」
私がじっと見ていたからか、踊っている人に手招きして言われたの。だからなんとなく、立ち上がって近寄っていったのよ。
周りを見ながら体を少し真似て動かしてみる。するとなんだか楽しくって!
皆も楽しいのね。笑いながら掛け声もかけながら体を動かしているの。
…のだけれど。何だか…頭が痛くなってきたような…
私は、慌てて先ほど座っていた場所へ戻った。
「エルヴィーラ様、大丈夫ですか?お顔が…」
インサが、近くへと来て心配してくれているようだけど、何だか顔が熱くなってポワポワとして…眠くなって……
「……!………!!」
「…!………!!」
何か、体を揺すられている気がするけれど、眠くなってきて私はそこで意識を手放した。
1
お気に入りに追加
335
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。

【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです

死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話
みっしー
恋愛
病弱な公爵令嬢のフィリアはある日今までにないほどの高熱にうなされて自分の前世を思い出す。そして今自分がいるのは大好きだった乙女ゲームの世界だと気づく。しかし…「藍色の髪、空色の瞳、真っ白な肌……まさかっ……!」なんと彼女が転生したのはヒロインでも悪役令嬢でもない、ゲーム開始前に死んでしまう攻略対象の王子の婚約者だったのだ。でも前世で長生きできなかった分今世では長生きしたい!そんな彼女が長生きを目指して乙女ゲームの舞台に突然参加するお話です。
*番外編も含め完結いたしました!感想はいつでもありがたく読ませていただきますのでお気軽に!

【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢は7年前の姿をしている
五色ひわ
恋愛
ドラード王国の第二王女、クラウディア・ドラードは正体不明の相手に襲撃されて子供の姿に変えられてしまった。何とか逃げのびたクラウディアは、年齢を偽って孤児院に隠れて暮らしている。
初めて経験する貧しい暮らしに疲れ果てた頃、目の前に現れたのは婚約破棄寸前の婚約者アルフレートだった。

乙女ゲームは見守るだけで良かったのに
冬野月子
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した私。
ゲームにはほとんど出ないモブ。
でもモブだから、純粋に楽しめる。
リアルに推しを拝める喜びを噛みしめながら、目の前で繰り広げられている悪役令嬢の断罪劇を観客として見守っていたのに。
———どうして『彼』はこちらへ向かってくるの?!
全三話。
「小説家になろう」にも投稿しています。

記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。
ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。
毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる