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あれからせっかくだからとサーリン姉様とテラスでお茶をした。
その日の夜。
お父様に聞いてみる事にした。
コンコンコン
「お父様?私、レフィアです。」
「どうした?入れ。」
「はい。」
「どうした?珍しいな。」
執務室では、お父様は机に向かって書類を見ていた。
「今日、サーリン姉様がいらしたのですけれど。」
と、お父様に話し出した。
「ああ。セージルに聞いた。」
セージル、執事の鑑ね。今日あった出来事をちゃんと報告しているのね。
「それで、サーリン姉様が、兄様と婚約したような事を言ってたのですけれど。」
「何!?…それは知らないな。」
お父様は、目を見開き驚いた様子で答えた。
「ええ。あの…サーリン姉様から兄様に迫ったとか。それで、兄様は承諾して、月に一度のお茶会を承認したらしいのです。」
「なるほどな。それで…。ふぅむ…。」
お父様は、考え込んでいる。
「でも、お父様。サーリン姉様は跡取りですよね?兄様が伯爵家を継ぐのでしたら難しいのでは?」
サーリン姉様の辺境伯領地は、男児が生まれず一人娘だった。だから、跡取り同士では結婚なんて難しいのではないかしら。
まぁ、兄様みたいなアレな人には、サーリン姉様みたいな引っ張っていってくれる人のがお似合いだと思いますけれども。
「レフィアよ。よく教えてくれた。大丈夫だ。二人の事を考えてくれたんだな。偉いな。よし、ブルフェスがそう言ったのだったら、サーリン嬢もそう言ってくれたのなら私に考えがある。」
と言って、うんうんと頷いているわ。
考えって、大丈夫なのかしら?
「早速、ガウヴァンに手紙を書いて話してみるか。話はそれだけかな?」
ガウヴァンとは、サーリン姉様のお父様よね。どんなお手紙を書かれるのかしら。上手くいくといいのですけれど…でないとまた、サーリン姉様が押しかけて来ても大変ですもの。
「はい、お父様。」
「そうか。じゃあ私は手紙を書くからな。レフィア、おやすみ。」
「はい。おやすみなさいませ、お父様。」
そう言って私は部屋を出ようとした。
「あ!そうだった。レフィア。お前は誰かいい人いないのか?」
「え!?」
お父様とは、そんな話をした事がなかったので少しびっくりしたわ。
「いや。お前もゆっくりではあるが、婚約者を見繕っていかないといけないからな。誰かいい人がいるなら、対応しないといけないかと思ってな。」
いい人と聞いて、なぜかケイフィス様の顔を思い浮かべてしまった。けれど、私には過ぎた人であるし、公爵家であるから無理でしょう。
「…いいえ、お父様。まだちょっと分かりませんわ。」
「そうか。気持ちが変わったら教えなさい。じゃあおやすみ。」
「はい。お父様も遅くなりませんよう。おやすみなさいませ。」
婚約者の話で、ケイフィス様の事を思い出すなんて…!
私はその日、ベッドの中でケイフィス様の事を考えてなかなか寝られなかった。
その日の夜。
お父様に聞いてみる事にした。
コンコンコン
「お父様?私、レフィアです。」
「どうした?入れ。」
「はい。」
「どうした?珍しいな。」
執務室では、お父様は机に向かって書類を見ていた。
「今日、サーリン姉様がいらしたのですけれど。」
と、お父様に話し出した。
「ああ。セージルに聞いた。」
セージル、執事の鑑ね。今日あった出来事をちゃんと報告しているのね。
「それで、サーリン姉様が、兄様と婚約したような事を言ってたのですけれど。」
「何!?…それは知らないな。」
お父様は、目を見開き驚いた様子で答えた。
「ええ。あの…サーリン姉様から兄様に迫ったとか。それで、兄様は承諾して、月に一度のお茶会を承認したらしいのです。」
「なるほどな。それで…。ふぅむ…。」
お父様は、考え込んでいる。
「でも、お父様。サーリン姉様は跡取りですよね?兄様が伯爵家を継ぐのでしたら難しいのでは?」
サーリン姉様の辺境伯領地は、男児が生まれず一人娘だった。だから、跡取り同士では結婚なんて難しいのではないかしら。
まぁ、兄様みたいなアレな人には、サーリン姉様みたいな引っ張っていってくれる人のがお似合いだと思いますけれども。
「レフィアよ。よく教えてくれた。大丈夫だ。二人の事を考えてくれたんだな。偉いな。よし、ブルフェスがそう言ったのだったら、サーリン嬢もそう言ってくれたのなら私に考えがある。」
と言って、うんうんと頷いているわ。
考えって、大丈夫なのかしら?
「早速、ガウヴァンに手紙を書いて話してみるか。話はそれだけかな?」
ガウヴァンとは、サーリン姉様のお父様よね。どんなお手紙を書かれるのかしら。上手くいくといいのですけれど…でないとまた、サーリン姉様が押しかけて来ても大変ですもの。
「はい、お父様。」
「そうか。じゃあ私は手紙を書くからな。レフィア、おやすみ。」
「はい。おやすみなさいませ、お父様。」
そう言って私は部屋を出ようとした。
「あ!そうだった。レフィア。お前は誰かいい人いないのか?」
「え!?」
お父様とは、そんな話をした事がなかったので少しびっくりしたわ。
「いや。お前もゆっくりではあるが、婚約者を見繕っていかないといけないからな。誰かいい人がいるなら、対応しないといけないかと思ってな。」
いい人と聞いて、なぜかケイフィス様の顔を思い浮かべてしまった。けれど、私には過ぎた人であるし、公爵家であるから無理でしょう。
「…いいえ、お父様。まだちょっと分かりませんわ。」
「そうか。気持ちが変わったら教えなさい。じゃあおやすみ。」
「はい。お父様も遅くなりませんよう。おやすみなさいませ。」
婚約者の話で、ケイフィス様の事を思い出すなんて…!
私はその日、ベッドの中でケイフィス様の事を考えてなかなか寝られなかった。
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