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20. フレドリカの緊張
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(やだやだ!どうして!?ロルフ様って侯爵家の人じゃなかった?どうしていきなり?私、見初められたの!?きゃー!)
フレドリカは昔から、物怖じせず自分の気持ちに正直に生きていた。
学校では、フレドリカに話し掛ける人はいつも一緒にいる四人以外基本的にはいなかった。奔放なフレドリカは、気分によって意見がコロコロと変わる為になかなか付き合う者は少なかった。
しかし準備学校から一緒だったその四人は、なんとなく付き合いが続いていた。
フレドリカからすれば全て格下の友人であり、少しばかりワガママを言っても皆許してくれる、自分にとってとても居心地の良い友人だった為に、学校へ行けばすぐに話し掛けていた。
その中のアブラハムは男であっても子爵家、ブロルも男であるが商人の家であったから、異性として見た事は一度もなかった。フレドリカからすれば弟のような存在であった。
しかし、今この時、普段全く話した事のない格上の男性と二人きりになった事でフレドリカは珍しく緊張していた。
「フレドリカ嬢。君とは一度、ゆっくりと話がしたかったんだ。けれど、学校ではいつも友人達と一緒にいただろう?だからこんな、少しばかり強引とも見える手口で誘い出して済まない。」
そう言ったロルフに、次に何を言われるのかドキドキと胸が高鳴っていた。
(ロルフ様は侯爵家であるから格上だし、結婚相手としたら申し分ないわよね!顔も整っていて格好いいし。髪も、男性にしては珍しく長髪でそれがまた似合うものね!)
「あのね、フレドリカ嬢。前から気にはなっていたのだけれどね、君は、好きな人とかいるの?」
ニッコリと笑ったロルフにそう言われたフレドリカは、胸を打ち抜かれたように衝撃を受けた。そして、それはいつもハキハキと答えるフレドリカにしては珍しく、もじもじとどう答えようか悩みながら口を開いた。
「えっと…それってもしかして…?やだ!ロルフ様?どのような意味で言われておりますの?」
「どのような意味?そのままの意味さ。フレドリカ嬢に特に好きな人がいないのであれば、僕が婚約者として立候補していいかなと思って聞いたのだよ。」
「!!!」
(まぁ!え?聞き間違いでは無いわよね!?婚約者として立候補!?それって、私を見初めたという事ね!?)
「どうだい?フレドリカ嬢の気持ちを教えてもらえないだろうか。」
「え、ええ…。ロルフ様が、私の婚約者に?それは冗談ではありませんの?」
「やだなぁ。僕は冗談なんて言わないよ。いつも本音しか言わないさ。
フレドリカ嬢はとても可愛いよ。気の強いところも含めてね。
だから、僕を婚約者にしてみない?」
目を真っ直ぐに見つめられ、そのように愛の告白をされまフレドリカは、顔を真っ赤にさせている。それでも、いつものように強気に言葉を繋いだ。
「よ、よろしくてよ?ロルフ様、私の婚約者にして差し上げますわ!」
「本当かい?あぁ、良かった!とても緊張したよ。
じゃあ話を進めていくけれど大丈夫だね?もう、そう簡単には白紙に戻せないよ?」
「えぇ、もちろんですわ。ロルフ様こそ、途中でこの話は無かった事に、なんて言わないで下さるかしら?」
「僕はそんな事絶対にあり得ないさ!あぁ良かった!
…あぁ、今日のメインイベントが始まるようだね。国王陛下が話されているよ。どうやら、歴史的価値が有ると言われるコインが発見されたそうだね。フレドリカ嬢、興味は?」
ロルフは、部屋の入り口近くにある舞台で国王陛下が話し出したのを目の端に捉えるとそのようにフレドリカへと質問する。
「…そうですねぇ。興味は無いと言えば嘘になりますけれど、でも過去の遺物ですもの。
それよりもロルフ様に興味がありますわ。」
「僕?そう…嬉しいよ。じゃあもう少し話そうか。」
「本当ですの!?嬉しいですわ!」
ーーー
ーー
ー
ロルフとフレドリカは、しばらくそこでお互いの事を話していた。
フレドリカは昔から、物怖じせず自分の気持ちに正直に生きていた。
学校では、フレドリカに話し掛ける人はいつも一緒にいる四人以外基本的にはいなかった。奔放なフレドリカは、気分によって意見がコロコロと変わる為になかなか付き合う者は少なかった。
しかし準備学校から一緒だったその四人は、なんとなく付き合いが続いていた。
フレドリカからすれば全て格下の友人であり、少しばかりワガママを言っても皆許してくれる、自分にとってとても居心地の良い友人だった為に、学校へ行けばすぐに話し掛けていた。
その中のアブラハムは男であっても子爵家、ブロルも男であるが商人の家であったから、異性として見た事は一度もなかった。フレドリカからすれば弟のような存在であった。
しかし、今この時、普段全く話した事のない格上の男性と二人きりになった事でフレドリカは珍しく緊張していた。
「フレドリカ嬢。君とは一度、ゆっくりと話がしたかったんだ。けれど、学校ではいつも友人達と一緒にいただろう?だからこんな、少しばかり強引とも見える手口で誘い出して済まない。」
そう言ったロルフに、次に何を言われるのかドキドキと胸が高鳴っていた。
(ロルフ様は侯爵家であるから格上だし、結婚相手としたら申し分ないわよね!顔も整っていて格好いいし。髪も、男性にしては珍しく長髪でそれがまた似合うものね!)
「あのね、フレドリカ嬢。前から気にはなっていたのだけれどね、君は、好きな人とかいるの?」
ニッコリと笑ったロルフにそう言われたフレドリカは、胸を打ち抜かれたように衝撃を受けた。そして、それはいつもハキハキと答えるフレドリカにしては珍しく、もじもじとどう答えようか悩みながら口を開いた。
「えっと…それってもしかして…?やだ!ロルフ様?どのような意味で言われておりますの?」
「どのような意味?そのままの意味さ。フレドリカ嬢に特に好きな人がいないのであれば、僕が婚約者として立候補していいかなと思って聞いたのだよ。」
「!!!」
(まぁ!え?聞き間違いでは無いわよね!?婚約者として立候補!?それって、私を見初めたという事ね!?)
「どうだい?フレドリカ嬢の気持ちを教えてもらえないだろうか。」
「え、ええ…。ロルフ様が、私の婚約者に?それは冗談ではありませんの?」
「やだなぁ。僕は冗談なんて言わないよ。いつも本音しか言わないさ。
フレドリカ嬢はとても可愛いよ。気の強いところも含めてね。
だから、僕を婚約者にしてみない?」
目を真っ直ぐに見つめられ、そのように愛の告白をされまフレドリカは、顔を真っ赤にさせている。それでも、いつものように強気に言葉を繋いだ。
「よ、よろしくてよ?ロルフ様、私の婚約者にして差し上げますわ!」
「本当かい?あぁ、良かった!とても緊張したよ。
じゃあ話を進めていくけれど大丈夫だね?もう、そう簡単には白紙に戻せないよ?」
「えぇ、もちろんですわ。ロルフ様こそ、途中でこの話は無かった事に、なんて言わないで下さるかしら?」
「僕はそんな事絶対にあり得ないさ!あぁ良かった!
…あぁ、今日のメインイベントが始まるようだね。国王陛下が話されているよ。どうやら、歴史的価値が有ると言われるコインが発見されたそうだね。フレドリカ嬢、興味は?」
ロルフは、部屋の入り口近くにある舞台で国王陛下が話し出したのを目の端に捉えるとそのようにフレドリカへと質問する。
「…そうですねぇ。興味は無いと言えば嘘になりますけれど、でも過去の遺物ですもの。
それよりもロルフ様に興味がありますわ。」
「僕?そう…嬉しいよ。じゃあもう少し話そうか。」
「本当ですの!?嬉しいですわ!」
ーーー
ーー
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ロルフとフレドリカは、しばらくそこでお互いの事を話していた。
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