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マルンセン国へ
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屋敷の裏には、タヤックがいて馬が二頭用意してあった。ガーベラもこの屋敷に来て私と馬の乗り方を一緒に習ったんだけど、さすがに三頭も準備出来なかったのかしらね。
「さぁ、出発しましょう。」
そう、タヤックが言って、ガーベラと共に馬に乗る。馬にはすでに昨夜準備した、最低限の荷物が括り付けてあった。
私は、一人乗りの練習しかしていないのでガーベラと一緒に乗るには不安があったから有難い。
…なんか、ガーベラが顔が赤い気がするけど、体調悪いわけじゃないよね?
山頂を越え、平原に出た。あれからたまに来るけれど、イヤリングをくれた人の事を毎回思い出す。あれからまた会えるかしらと思った事もあるけれど、一度も会えなかった。
そこを横目に、走って行く。少しして、国境を越える。ここまで来るのは初めてだ。けれど意外にも国境には何も無くて、マルンセン国に入ったという実感はない。木の板に書かれた看板があって、矢印と共にどちらがバストン国、マルンセン国と書いてあるだけだ。
もう少し進むと、検問所がある村がある。
「一旦、あそこで止まります!あ、その時イヤリングを付けて下さいね。ガーベラ、よろしくな。」
タヤックが私に聞こえるように叫ぶ。
「分かったわ!」
「はい。」
思ったよりあっけなく通過でき、休む間もなく次へ進む。せっかくだしこの村にゆっくりしてもと思ったけれど、急いだ方がいいらしい。万が一伯爵家の者が追ってきたら確かに嫌だわ。
「さぁ、そろそろ王都ですよ。」
日が大きく傾き始めた頃、タヤックが言った。ここまでは平原を走ったり、荒野を走ったりしてきた。そしてだんだんと高い壁に囲まれた王都がなんとなく視界にとらえはじめた。そして、奥に高い塔があるのが王宮だろうか。
王都に入る時に、騎士団が門に立っていて検問された。そこでも普通に通る。友好国であるから、拒否されるとかは無いのだろう。
「今日は、あちらのお宿にしましょう。1階に食堂もあるらしいですよ。」
「食堂…!」
ここまで、無理して走ってきた。馬に少し休憩を与えたり、持ってきてくれた軽食を食べたりした位で急いできたので、ゆっくりできるのがとても嬉しい。
「早く食べたいと顔に書いてありますよ。」
と、ガーベラにも言われた。
その宿は豪華でもなく、質素でもなく。それなりな感じであった。こういう隠れ家的なのが、バレなくていいわね。万が一伯爵家の者が探しに来ても、ここに居るとは、思わないでしょう。
乗って来た馬も、併設されていた厩舎にお願いして、3人で中に入った。
部屋は、ガーベラと私で一つ、タヤックで一つを取った。ベッドが隣同士にありガーベラはしきりと『一緒の部屋ですみません。』と言っていたけれど、『これからはそんな事言ってられないわ。むしろ私は嬉しいのよ。今日はお話しながら寝ましょうね。』と言うと恐縮していた。一人で寝るより、本当に嬉しいのよ。
汗をかいたので、ガーベラと2階にあるお風呂に入りに行った。その後、食堂に行く。まだそこまで混んでないので先にタヤックが入っていって奥の丸い机の、4人掛けの席を選んで呼んでくれた。
「座れて良かったですね。」
タヤックが席に座りながら言った。
「さぁ、食べましょう!何がいいかしら。」
私もウキウキしてしまうわ。
「美味しそうな匂いがしていて、悩んでしまいますね。」
ガーベラも気持ち、ウキウキしている気がする。
「お客さん、初めてかな?上で泊まる人達かい?」
男性の店員さんが、水を持ってきがてら話しかけてきた。
「はい。おすすめは何ですか?」
タヤックが聞いてくれた。分からない時は、聞くに限るわね。
「今日は、仔牛のシチューか、川魚の塩焼きかな。あと、ベーコンのサラダもあるよ。どうしますかね。」
「どれも美味しそう。」
どちらにしようか迷うわね。
「そうですね。では、それを三つずつ下さい。」
タヤックが言ってくれた。タヤック、太っ腹ね!
「あ、私はちょっと…。」
とタヤックが言って、厨房に行った店員さんの後を追いかけて行った。
「美味しい!!」
「ええ、本当に。」
「素晴らしいですね。」
テーブルに持ってきたお勧めを食べていると、不意に誰かが空いた席に座ってきた。
「やぁ、ここは美味しいだろう?どう?口に合ったかな?」
えっどちら様?
「さぁ、出発しましょう。」
そう、タヤックが言って、ガーベラと共に馬に乗る。馬にはすでに昨夜準備した、最低限の荷物が括り付けてあった。
私は、一人乗りの練習しかしていないのでガーベラと一緒に乗るには不安があったから有難い。
…なんか、ガーベラが顔が赤い気がするけど、体調悪いわけじゃないよね?
山頂を越え、平原に出た。あれからたまに来るけれど、イヤリングをくれた人の事を毎回思い出す。あれからまた会えるかしらと思った事もあるけれど、一度も会えなかった。
そこを横目に、走って行く。少しして、国境を越える。ここまで来るのは初めてだ。けれど意外にも国境には何も無くて、マルンセン国に入ったという実感はない。木の板に書かれた看板があって、矢印と共にどちらがバストン国、マルンセン国と書いてあるだけだ。
もう少し進むと、検問所がある村がある。
「一旦、あそこで止まります!あ、その時イヤリングを付けて下さいね。ガーベラ、よろしくな。」
タヤックが私に聞こえるように叫ぶ。
「分かったわ!」
「はい。」
思ったよりあっけなく通過でき、休む間もなく次へ進む。せっかくだしこの村にゆっくりしてもと思ったけれど、急いだ方がいいらしい。万が一伯爵家の者が追ってきたら確かに嫌だわ。
「さぁ、そろそろ王都ですよ。」
日が大きく傾き始めた頃、タヤックが言った。ここまでは平原を走ったり、荒野を走ったりしてきた。そしてだんだんと高い壁に囲まれた王都がなんとなく視界にとらえはじめた。そして、奥に高い塔があるのが王宮だろうか。
王都に入る時に、騎士団が門に立っていて検問された。そこでも普通に通る。友好国であるから、拒否されるとかは無いのだろう。
「今日は、あちらのお宿にしましょう。1階に食堂もあるらしいですよ。」
「食堂…!」
ここまで、無理して走ってきた。馬に少し休憩を与えたり、持ってきてくれた軽食を食べたりした位で急いできたので、ゆっくりできるのがとても嬉しい。
「早く食べたいと顔に書いてありますよ。」
と、ガーベラにも言われた。
その宿は豪華でもなく、質素でもなく。それなりな感じであった。こういう隠れ家的なのが、バレなくていいわね。万が一伯爵家の者が探しに来ても、ここに居るとは、思わないでしょう。
乗って来た馬も、併設されていた厩舎にお願いして、3人で中に入った。
部屋は、ガーベラと私で一つ、タヤックで一つを取った。ベッドが隣同士にありガーベラはしきりと『一緒の部屋ですみません。』と言っていたけれど、『これからはそんな事言ってられないわ。むしろ私は嬉しいのよ。今日はお話しながら寝ましょうね。』と言うと恐縮していた。一人で寝るより、本当に嬉しいのよ。
汗をかいたので、ガーベラと2階にあるお風呂に入りに行った。その後、食堂に行く。まだそこまで混んでないので先にタヤックが入っていって奥の丸い机の、4人掛けの席を選んで呼んでくれた。
「座れて良かったですね。」
タヤックが席に座りながら言った。
「さぁ、食べましょう!何がいいかしら。」
私もウキウキしてしまうわ。
「美味しそうな匂いがしていて、悩んでしまいますね。」
ガーベラも気持ち、ウキウキしている気がする。
「お客さん、初めてかな?上で泊まる人達かい?」
男性の店員さんが、水を持ってきがてら話しかけてきた。
「はい。おすすめは何ですか?」
タヤックが聞いてくれた。分からない時は、聞くに限るわね。
「今日は、仔牛のシチューか、川魚の塩焼きかな。あと、ベーコンのサラダもあるよ。どうしますかね。」
「どれも美味しそう。」
どちらにしようか迷うわね。
「そうですね。では、それを三つずつ下さい。」
タヤックが言ってくれた。タヤック、太っ腹ね!
「あ、私はちょっと…。」
とタヤックが言って、厨房に行った店員さんの後を追いかけて行った。
「美味しい!!」
「ええ、本当に。」
「素晴らしいですね。」
テーブルに持ってきたお勧めを食べていると、不意に誰かが空いた席に座ってきた。
「やぁ、ここは美味しいだろう?どう?口に合ったかな?」
えっどちら様?
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