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私達の未来は
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「やっと卒業式典が終わったわね。」
「本当ですわ。残念ですけれど、これからはなかなか会えなくなるわね。私の事、たまには呼び出しなさいよ?私からは立場的に呼び出せないのだから。」
サイメーラとラリアーが言っております。
元々、サイメーラとラリアーは珍しい外国の商人を呼びつける窓口としてラリアーのお父様のハルスリン男爵が営む貿易会社に話を持ち掛けた事がきっかけで知り合ったそうです。
お互い、初めは猫を被っていたそうですがある時にうっかり地が出てしまったそうで、歯に衣着せぬ物言いの二人が意気投合するのに時間が掛からなかったそうですわ。
何となく、そんな二人に私はお世話してもらっている感覚ではありますけれど、とても楽しい学校生活を送れたのは間違いなく二人がいたからですわ。
「そうですわね。淋しくなりますが、また誘い合いましょうね。」
私はそう言いました。
「そうよね。エレナールとはこれからも会えるけれど、ラリアーは貿易会社としてそれなりに国外へも飛び渡るのでしょう?なかなか会えないわよ。旦那様について行くのでしょう?」
そう、ラリアーはなんと、卒業間際に学生結婚をした。
元々、学生で結婚していても通えれば問題はない為、そういう人もいないわけではなかった。卒業する時に年齢が15歳と若い為、結婚する人は卒業後にする人が多いだけだ。
そしてラリアーの相手は、男爵家の会社の社員だとか。ハルスリン男爵の重役としてここ数年でメキメキと頭角を現してきた人らしい。10歳ほど年上の庶民だとか。でも、そんな年齢とか立場とか関係なく人を好きになったのはラリアーらしい。
「まぁ…ね。お互い何となく離れ難いというか何というか…。」
珍しく、ラリアーは顔を赤らめて歯切れの悪い言い方をした。照れているのね。
「でも、エレナールも侯爵夫人になるのでしょう?全く、侮れないわね。」
ラリアーは私にそう言った。でも、ニッコリと笑ってとても優しい笑顔だった。
「ええ。いつになるかは分からないけれど。」
「良く言うわ。ラルフレッドはものすごく努力なされているわよ。今のキンヴァリー侯爵が隠居されるのも時間の問題らしいわ。エレナール、あなたと早く一緒になる為よね。良かったわね!」
と、サイメーラに言われた。なので私も、負けじと言い返す。
「あら。サイメーラも、キャスパー王子といつにご結婚なさるのかしら?二人を見るのは、目も当てられないもの。」
最近はキャスパー王子がサイメーラに人目も憚らずいちゃいちゃとしだしている。さすがに二人の世界には入らないが、キャスパー王子がやたらとサイメーラに声を掛けに来たり、頭を撫でたり。二人で帰るのも見慣れたものとなった。
「もう!いいじゃないの!ま、みんな幸せって事よね!さ、卒業披露会、頑張りましょ!二人も出るのでしょ?」
「ええ。そのつもりですわ。」
「私も、勧誘しないといけないからね。」
勧誘?ラリアーは何をするのでしょうか。楽しみですわね。
「そういえば、あの女は出ない見たいよ。」
相変わらず情報が早いわ。サイメーラがそう言った。
「あら、珍しいわね。本当に、鳴りを潜めたのね。」
「それもあるけれど、どうやら、結婚するらしいわよ。それで、その準備が忙しいみたいなの。男爵家に婿入りするらしいわ。」
「はぁ?誰が?」
ラリアーが眉を潜めて言った。
「カルデインだって。」
「えー!?」
ラリアーが、大きな声を上げて驚いている。
私もびっくりしたわ!カルデインさんって、キャスパー王子と、ラルフレッドさんと仲が良かった庶民の人よね。まぁ庶民って言ったら失礼かもしれないけれど。
「どういういきさつで?」
私も思わず聞いてしまったわ。
「それがね、どうやら『俺が躾ける』らしいわよ。まぁ、キャスパーもラルフレッドも似たような性格じゃない?カルデインもそうみたいで。キャスパーがあの女が言い出した合同練習の件を怒っていたら、『どうしようもない女だな。ちょっくらコーデル男爵を脅そうか。キャスパー、付き合ってくれ。』とカルデインが言ったそうよ。あの女も、カルデインは庶民だから初めは相手にしなかったそうだけど、どこをどう転んだのかすっぽり収まったみたい。それで、彼が婿入りして、男爵家を支えるらしいわ。…以前ラリアーが言っていた事、なかなか当たっていたのよね。言えずにごめんなさいね。」
まぁ…!人生、何が起こるかわからないものね。
「本当ですわ。残念ですけれど、これからはなかなか会えなくなるわね。私の事、たまには呼び出しなさいよ?私からは立場的に呼び出せないのだから。」
サイメーラとラリアーが言っております。
元々、サイメーラとラリアーは珍しい外国の商人を呼びつける窓口としてラリアーのお父様のハルスリン男爵が営む貿易会社に話を持ち掛けた事がきっかけで知り合ったそうです。
お互い、初めは猫を被っていたそうですがある時にうっかり地が出てしまったそうで、歯に衣着せぬ物言いの二人が意気投合するのに時間が掛からなかったそうですわ。
何となく、そんな二人に私はお世話してもらっている感覚ではありますけれど、とても楽しい学校生活を送れたのは間違いなく二人がいたからですわ。
「そうですわね。淋しくなりますが、また誘い合いましょうね。」
私はそう言いました。
「そうよね。エレナールとはこれからも会えるけれど、ラリアーは貿易会社としてそれなりに国外へも飛び渡るのでしょう?なかなか会えないわよ。旦那様について行くのでしょう?」
そう、ラリアーはなんと、卒業間際に学生結婚をした。
元々、学生で結婚していても通えれば問題はない為、そういう人もいないわけではなかった。卒業する時に年齢が15歳と若い為、結婚する人は卒業後にする人が多いだけだ。
そしてラリアーの相手は、男爵家の会社の社員だとか。ハルスリン男爵の重役としてここ数年でメキメキと頭角を現してきた人らしい。10歳ほど年上の庶民だとか。でも、そんな年齢とか立場とか関係なく人を好きになったのはラリアーらしい。
「まぁ…ね。お互い何となく離れ難いというか何というか…。」
珍しく、ラリアーは顔を赤らめて歯切れの悪い言い方をした。照れているのね。
「でも、エレナールも侯爵夫人になるのでしょう?全く、侮れないわね。」
ラリアーは私にそう言った。でも、ニッコリと笑ってとても優しい笑顔だった。
「ええ。いつになるかは分からないけれど。」
「良く言うわ。ラルフレッドはものすごく努力なされているわよ。今のキンヴァリー侯爵が隠居されるのも時間の問題らしいわ。エレナール、あなたと早く一緒になる為よね。良かったわね!」
と、サイメーラに言われた。なので私も、負けじと言い返す。
「あら。サイメーラも、キャスパー王子といつにご結婚なさるのかしら?二人を見るのは、目も当てられないもの。」
最近はキャスパー王子がサイメーラに人目も憚らずいちゃいちゃとしだしている。さすがに二人の世界には入らないが、キャスパー王子がやたらとサイメーラに声を掛けに来たり、頭を撫でたり。二人で帰るのも見慣れたものとなった。
「もう!いいじゃないの!ま、みんな幸せって事よね!さ、卒業披露会、頑張りましょ!二人も出るのでしょ?」
「ええ。そのつもりですわ。」
「私も、勧誘しないといけないからね。」
勧誘?ラリアーは何をするのでしょうか。楽しみですわね。
「そういえば、あの女は出ない見たいよ。」
相変わらず情報が早いわ。サイメーラがそう言った。
「あら、珍しいわね。本当に、鳴りを潜めたのね。」
「それもあるけれど、どうやら、結婚するらしいわよ。それで、その準備が忙しいみたいなの。男爵家に婿入りするらしいわ。」
「はぁ?誰が?」
ラリアーが眉を潜めて言った。
「カルデインだって。」
「えー!?」
ラリアーが、大きな声を上げて驚いている。
私もびっくりしたわ!カルデインさんって、キャスパー王子と、ラルフレッドさんと仲が良かった庶民の人よね。まぁ庶民って言ったら失礼かもしれないけれど。
「どういういきさつで?」
私も思わず聞いてしまったわ。
「それがね、どうやら『俺が躾ける』らしいわよ。まぁ、キャスパーもラルフレッドも似たような性格じゃない?カルデインもそうみたいで。キャスパーがあの女が言い出した合同練習の件を怒っていたら、『どうしようもない女だな。ちょっくらコーデル男爵を脅そうか。キャスパー、付き合ってくれ。』とカルデインが言ったそうよ。あの女も、カルデインは庶民だから初めは相手にしなかったそうだけど、どこをどう転んだのかすっぽり収まったみたい。それで、彼が婿入りして、男爵家を支えるらしいわ。…以前ラリアーが言っていた事、なかなか当たっていたのよね。言えずにごめんなさいね。」
まぁ…!人生、何が起こるかわからないものね。
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