【完結】それはダメなやつと笑われましたが、どうやら最高級だったみたいです。

まりぃべる

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サイメーラの嘆き

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 サイメーラが悔しそうだったから(本人は悔しくないと言っておりましたが。)、私は思わず口を開いておりました。

「え?」

 サイメーラは、顔をこちらに向け、少しの間呆けておりましたが、途端にモジモジとし出しました。

「でも…私達あまり、接点を持たないようにしていたのに…しゃしゃり出たりしたら嫌がられないかしら…キャスパーが怒ったら困るわ。」

 顔を隠し、イヤイヤと左右に首を振っている様は本当に可愛らしいですわ。

「サイメーラが言わなければいいのですよね。では、私が聞いて参りますわ。」

「あ、ちょっとエレナール?」

 私は、ちょうどラルフレッドさんの姿を見たので聞いてみようと思ってそちらへ向かいました。
以前、ラルフレッドさんがキャスパー王子と毎日練習していると言われていたし、その時に一緒に練習するかとも聞かれたので、聞いてみようと思ったのです。

「ラルフレッドさん。」

「ん?え!エレナール嬢!?ど、どうした?」

 あら?どうしてそんなにしろどもどろなのかしら。

「あの…少しよろしいでしょうか?」

 あまり、人に聞かれるのも良くありませんよね。だから、教室の外へと視線をやった。

「あ、ああ。行こう。」


「あの。キャスパー王子と、シュタリーさんが練習すると聞いたのですけれど、その時にご一緒してもよろしいでしょうか?」

「え…と、エレナール嬢が?どうして…。」

「理由は…えっと…い、言えませんけれど、サイメーラともしかしたらラリアーも行きたいのです。」

 そういえば、ラリアーには聞いてませんでしたね。ラリアーは、家業の手伝いをやられていると言っていたから来ないかもしれませんが、一応許可をもらっておきましょう。

「そうか…。俺としては、毎日練習しているから、エレナール嬢も一緒にやるのは全く構わない。ただ、一応キャスパーに聞いてみるよ。ちなみに、コーデル嬢の事は誰から?」

「サイメーラですわ。その…とても悲しんでいたので、完全な私のお節介ですわ。ですので、キャスパー王子に言われるのでしたら、私がどうしても、と伝えて下さいまし。」

「なるほど…。では今回の事は、サイメーラ嬢の為と…?」

「えと…まぁ…。で、でも、まだ内緒らしいのです!だから内緒でお願いしますね?」

「あ、ああ…。も、もちろんだよ。良かった-!そういうことか!じゃあこれは、二人だけの秘密な。」

 え!?二人だけの秘密って…!なんだか意味深ですわ…けれど、そんなことないわよね。ラルフレッドさんも深い意味はなく言っただけですわよね?
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