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石の扱い方 対話
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対話、と言われ、演習ホールに集合しました。
演習ホールは、とても広く一年生の生徒が入っても余裕があります。
ホールの半分は屋根が付いていて、もう半分は屋根がありません。天候を扱う魔力もあるからでしょうか。
「さぁ皆さん!両手を広げて距離を取って。いいかしら?それでは、石と対話をしてみましょう。石を手に取って下さい。まずは…水。水系の魔力を引き出してみましょう。出来ないのが当たり前です。焦ってはいけません。」
そう先生に言われて、まず私は石を取り出した。すると、運の悪い事に左隣がシュタリーさんだったみたい。
「まぁ!あなた、それ?屑石じゃないの!!魔力、入っているのかしら?みて、私の石!桃色で、ほら!大きいでしょう?」
と、とても大きな声で言われた。するとすぐに先生が叱りつけた。
「そこ!コーデルさん?私の座学をしっかり聞いていましたか?見た目とは反すると。誰かと比べてはいけません。唯一無二の、これから人生を共にする相棒なのですから。」
「ははは。そうだよな。見た目とは反するって事は、見た目だけ大きいだけでは意味がないという事だ。」
先生に続き、声がしたその後ろを見ると、ラルフレッドさんだった。この前は、私嫌味を言われたような気がしたのだけど違ったのかしら?明らかに加勢してくれたように聞こえたのだけど。
「まぁ…!見ていなさい!私の石はこんなに大きいのだもの!魔力も膨大よ!!さぁ、水、水よ、出てきなさい!!」
シュタリーは顔を真っ赤にして怒り、石に向かって大きな声で対話しだした。
私は、気を取り直して、石を見つめ、頭の中で話しかける。《石よ、石。あなたはとても素敵な色ね。黒かと思ったけれどいろんな色に見えるわ。今、授業で水系の魔力を引き出してって言われているの。水…雨?降らせたり出来るのかしら。》って、さすがに雨はないか。蛇口をひねるようにここに水を出すとか………。そう考えていると…。
ポツポツと頭や体に何かが当たったような感触がして、すぐに激しい雨が降ってきた。
「きゃー!雨よ!!出来たわ!!雨が振ってきた!どう?私がやったのよ!!」
「またコーデルさんですか!?対話をしてと言ったでしょう。授業ですから静かにやってください!!けれど…こんなに激しく雨が降ってきたので皆さん今日は止めにしましょう。一旦教室へ戻りますよ。おかしいわね。今日は晴れるはずでしたのに…ブツブツ。」
え!?もしかして、私?
少し石が光を帯びているのが分かった。そして若干、温かい気がする。私は石を見つめたまま、もう一度語りかけた。《ねぇ、あなたが雨を降らせたの?止ませる事は出来る?》そうすると、土砂降りだった雨はシャワーのような雨に少し弱まってきた。
まぁ!本当に私が降らせたの?でも先生はすぐには出来ないとかなんとか言われていたし…。けれどもし自分が降らせて止まなかったら困るから、もう一度語りかけた。
《石よ。降らせてくれたならありがとう。お疲れさま。授業は終わりになったので、雨を止ませてくれる?ちょっと寒くなってきたのよね…。》
「おい!いつまでも雨に当たっていると風邪を引くぞ!」
語りかけていたら、いつの間にか生徒達はほとんど教室へと戻っていたみたいでラルフレッドさんが声を掛けてくれた。そして、私の腕を引っ張って連れて行ってくれた。
「ん?でも、お前、濡れてない?いや…乾いてきてないか?」
演習ホールは、とても広く一年生の生徒が入っても余裕があります。
ホールの半分は屋根が付いていて、もう半分は屋根がありません。天候を扱う魔力もあるからでしょうか。
「さぁ皆さん!両手を広げて距離を取って。いいかしら?それでは、石と対話をしてみましょう。石を手に取って下さい。まずは…水。水系の魔力を引き出してみましょう。出来ないのが当たり前です。焦ってはいけません。」
そう先生に言われて、まず私は石を取り出した。すると、運の悪い事に左隣がシュタリーさんだったみたい。
「まぁ!あなた、それ?屑石じゃないの!!魔力、入っているのかしら?みて、私の石!桃色で、ほら!大きいでしょう?」
と、とても大きな声で言われた。するとすぐに先生が叱りつけた。
「そこ!コーデルさん?私の座学をしっかり聞いていましたか?見た目とは反すると。誰かと比べてはいけません。唯一無二の、これから人生を共にする相棒なのですから。」
「ははは。そうだよな。見た目とは反するって事は、見た目だけ大きいだけでは意味がないという事だ。」
先生に続き、声がしたその後ろを見ると、ラルフレッドさんだった。この前は、私嫌味を言われたような気がしたのだけど違ったのかしら?明らかに加勢してくれたように聞こえたのだけど。
「まぁ…!見ていなさい!私の石はこんなに大きいのだもの!魔力も膨大よ!!さぁ、水、水よ、出てきなさい!!」
シュタリーは顔を真っ赤にして怒り、石に向かって大きな声で対話しだした。
私は、気を取り直して、石を見つめ、頭の中で話しかける。《石よ、石。あなたはとても素敵な色ね。黒かと思ったけれどいろんな色に見えるわ。今、授業で水系の魔力を引き出してって言われているの。水…雨?降らせたり出来るのかしら。》って、さすがに雨はないか。蛇口をひねるようにここに水を出すとか………。そう考えていると…。
ポツポツと頭や体に何かが当たったような感触がして、すぐに激しい雨が降ってきた。
「きゃー!雨よ!!出来たわ!!雨が振ってきた!どう?私がやったのよ!!」
「またコーデルさんですか!?対話をしてと言ったでしょう。授業ですから静かにやってください!!けれど…こんなに激しく雨が降ってきたので皆さん今日は止めにしましょう。一旦教室へ戻りますよ。おかしいわね。今日は晴れるはずでしたのに…ブツブツ。」
え!?もしかして、私?
少し石が光を帯びているのが分かった。そして若干、温かい気がする。私は石を見つめたまま、もう一度語りかけた。《ねぇ、あなたが雨を降らせたの?止ませる事は出来る?》そうすると、土砂降りだった雨はシャワーのような雨に少し弱まってきた。
まぁ!本当に私が降らせたの?でも先生はすぐには出来ないとかなんとか言われていたし…。けれどもし自分が降らせて止まなかったら困るから、もう一度語りかけた。
《石よ。降らせてくれたならありがとう。お疲れさま。授業は終わりになったので、雨を止ませてくれる?ちょっと寒くなってきたのよね…。》
「おい!いつまでも雨に当たっていると風邪を引くぞ!」
語りかけていたら、いつの間にか生徒達はほとんど教室へと戻っていたみたいでラルフレッドさんが声を掛けてくれた。そして、私の腕を引っ張って連れて行ってくれた。
「ん?でも、お前、濡れてない?いや…乾いてきてないか?」
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