【完結】それはダメなやつと笑われましたが、どうやら最高級だったみたいです。

まりぃべる

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探索の儀 石場

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 あれからは特に何事もなく、頂上の石場に全員が着くと先生が言われました。

「石は、ここにあるものだったらどれでもよろしいです。ただし、光って見えたもの一つだけでございますよ。違反した者は、ここは、国有地ですから投獄されます。見つけたら、あとで確認の時間を取りますから報告してもらいますからね。さぁ、少し早いですがお昼ご飯と合わせて自由時間といたします。2時間後にまたここに集合。以上!」


 「エレナール。先にお弁当にいたします?それとも石探しにいたします?」

 と、サイメーラが聞いてきました。石は、自分だけに光って見えるそうですので早い者勝ちというわけではないと聞いています。ですから、ゆっくり探す為にも先に食べた方がいいかなと思いました。

「先に食べて、あとでゆっくり探せたらと思うのですがいかがですか?」

「そうね、そうしましょう。」

「ええ。そうしましょう。他の、探している人達も見ながら、ですわね。」

 人間観察が好きなラリアーがニヤニヤとしながら言いました。
両親がやられている仕事を、幼い頃より手助けしているラリアーは、流行に聡い。
それはひいては、人間をよく見て欲しいものや動向を感じ取り商売に役立てているそうですわ。


 お弁当は、学校にある食堂が準備して下さり、先ほど配られたもの。食べやすくサンドイッチになっている。時間も早めなのでたくさんはないけれど、外で食べるのはとても美味しかった。

「あら、見てごらんなさいな。あの女、また諍いを起こしているわよ。」

 事ある毎に突っかかって話しているシュタリーさんは、お友達がいるのかしら?

「どこですの?…あら本当。あれはまた、何を言っているのかしら?」

 どうやら、石を拾っている子に話しかけ…いえ、どこからどう見ても喧嘩腰で怒鳴り込んでいっているわ。

「何かしら。石って、唯一無二なのでしょう?だから、他の人とは取り合う事はないって先生も言われていたわよね。」

 と、私は疑問に思った事を口にした。

「ええその通りよ。でも、どうしたのかしらね。あれじゃぁまるで、『それは私が先に見つけた石よ!返しなさい!』って言っているように見えますわね。」

 と、ラリアーも言っている。

「稀に重なる事もあるとは聞くけれど…見えている本人同士にしか輝きが見えないから証明のしようがないわね。国の文献によれば、重なる事はないはずですわ。」

「と言う事は、サイメーラが言った、、を逆手に取って口論しているという事かしら?どうなるの…あ!」

 石を取られそうになっていた子の友達が来たわ。それで二言三言シュタリーさんへと話したら急いで別の方に向かって行ったわ。
残った二人は笑い合っている。

「大方、『あっちにもっと大きな綺麗な石があったわよ』とか言っているんじゃないかしら?」

 あり得そうね…。彼女は何故そんなに貪欲なのかしら?
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