【完結】それはダメなやつと笑われましたが、どうやら最高級だったみたいです。

まりぃべる

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私の家族

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 『探索の儀』が終わると、二日間のお休みです。普段山登りなんてしない人もいるから、休息日なのでしょうか。

 今日は私は家で過ごします。天気も良いですから、テラスで本でも読みましょうか。それともお父様やお兄様達とお話が出来ますかしら?などと今日の日程を考えながら、私は朝食に向かいました。





 侯爵家には、お父様、お母様、お兄様、妹と弟が一人ずつおります。
 
 お父様は王宮でも官僚としてお仕事を任されておりますから、この領地には信頼する代官を置いております。なので、領地に帰ってくるのは毎日ではないため、お父様が領地に帰ってくる日はやっぱり嬉しいです。

 お母様は、高位貴族のお勤めをそれなりに果たしております。
お茶会をしたり、夜会に出席なされたり、観劇を観に行かれたり。女の人の集まりは苦手、行きたくない、といわれておりますがそうは見えないのが素晴らしいと思います。
けれどその反動か、家に帰ってくると部屋に引きこもったり、テラスでひたすら花を眺めていたりとゆったりとした時間を過ごしております。

 お兄様は、私より5歳年上です。お兄様も王宮で働いております。王宮魔術団と言って、石に込められた魔力を駆使したり武力を使って治安を維持する部隊です。ヴァレンチス学校を卒業してすぐ、王宮魔術団に入団したのでそれなりに優秀な成績だったのだと思います。

 妹と弟は双子です。5歳年下で、遊びたい盛りみたいで、二人でいつも喧嘩しては笑い合って領地を駆け回っております。とても気が合うみたいです。お互いは、そう思っていないみたいですけれども。


 昨日は、珍しくお父様とお兄様も夜遅くに帰ってきてくれました。私が石を持って帰って来たため、見たかったのでしょう。お休みを取ってまで帰ってきてくれました。それほどまで、このレインヴォー国では石を手に入れる事は最大の行事という事でございましょう。




「おはよう。みんな大きくなったな。さぁ、とりあえず食事をしよう。そのあとで今日はたくさん話をしようじゃないか。」

 お父様がそう声を掛けて下さり、家族揃って久し振りの食事を堪能いたしました。




「はぁ、やっとゆっくり顔を見て話せるね。」

 今は朝食も終わって、今日は良いお天気なのでテラスに家族連れだって座っております。そしてお父様が久し振りの一家団らんだからでしょうか、穏やかな顔つきで言いました。

「本当ねぇ。いつもガヴェインは忙しいものね。けれど、昨夜は遅くなったけれど帰って来て下さって嬉しかったわ。ウフフ。今日も久し振りに家族全員そろったし。ああ、昔を思い出すわ。子ども達が小さい頃はここでいつもお茶してましたものね。」

 ガヴェインとは、お父様の事です。にこやかにお父様の方を向いて話しておられます。

「おいおい。私はお前達のために渋々仕事をしているんだよ。しかしそうだね、時間がある時はここでよくお茶会や、昼ご飯を食べたりしていたよね。はぁー。私もゆっくりとバーバラとこうやって過ごしたいよ。」

 バーバラとはお母様の事です。お父様はわざとらしく大きなため息をついて、そう言いました。

「あら!あなたったら…!じゃあ早くオーヴィルに家督を譲って、余生をゆっくりと過ごしましょう?侯爵夫人も楽じゃないのよ。」

 お父様とお母様は、普段からとても仲がよろしいので、今日も隣で話しております。
オーヴィルとはお兄様の事です。お兄様に家督を早く譲って隠居したかったのですね、知りませんでした…。

「ウォッホン!お母様!僕はもう少し魔術団にいたいのですけれど!せめてまだあと五年は頑張って下さいよ!」

「五年かぁ…ちょっと長いなぁ。早くゆっくりしたいよ。なぁバーバラ。」

「ええ、あなた…!あ、でもね、昨日はエレナールの探索の儀だったのよ。見てあげてちょうだい。」

「おお、そうだったのか!よく頑張ったな。登るの大変じゃなかったか?せっかくだから見せてもらってもいいかな?」

 あら?お父様。私の石を見に帰って来たのだと思ったけれど、それだけでなくてちゃんと家族との時間を取ろうと帰ってきて下さっていたのね。
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