【完結】それはダメなやつと笑われましたが、どうやら最高級だったみたいです。

まりぃべる

文字の大きさ
上 下
2 / 24

13歳での入学

しおりを挟む
 私が13歳の頃でございます。
 ヴァレンチス学校に入学いたしました。

 

 この国の13歳の男女が、ヴァレンチス学校に通います。
 貴族も庶民も、学校の中では皆平等という精神の元、通う事になります。

 交友関係を広げたり、読み書きを学んだり、計算やそれの応用や、の扱い方を学んだりします。




「おはようございます。」

「おはようございます。」

 入学式はとてもドキドキいたします。お友達が出来るのかしら。勉強は難しくないかしら。は扱いが難しくないかしら…。

「きゃ…!」

 私は、体育館へ続く道でお友達を探す為立ち止まっておりましたら、後ろに強い衝撃があり、前に転びそうになった。

「あーらごめんなさい!そんな所に突っ立ておられたら、皆様の妨げになりますわよ!」

 ふん!

 そういう形容詞が似合いそうな、思い切り顔を逸らされまして、その女性は「」カツカツと靴音を鳴らして進んでいきました。

 私は呆気に取られ、ボーッとその様子を見ておりました。あの方はどちら様でしょうか。

「ちょっと!エレナール、大丈夫だった?あの女、最近コーデル男爵家に養女に迎え入れられた、シュタリーと言うらしいわよ。ちょっと前までは庶民だったからか人にぶつかるなんて礼儀がなってないわ!何あの桃色の髪の色。目立つわよね!」

 声を掛けてきてくれたのは、私の数少ないお友達、公爵家のサイメーラ=ヒスリスティンですわ。
 彼女はいつも、私を心配して下さるし、ありがたいお友達でございます。

 公爵家であるからか、あらゆる情報をご存じですのよね。今も、あの桃色の髪のぶつかってきた女性の名前や素性まで教えて下さるし、いつも助けられていますの。

「サイメーラ、心配して下さってありがとう。ええ、ものすごい勢いだったので背中が痛いですけれど、あの方も痛いのではないかしら?」

「まぁ!エレナールは本当に心が清らかね!でも言ったでしょう?あの女なら庶民だったのだもの。体も丈夫だから心配無用よ!」

 そ、そうなのかしら?庶民だからって体も丈夫なのかしら…。まぁ、痛そうに歩いたりはしてなかったから、サイメーラが言ったように大丈夫よねきっと。

「それにしても相変わらずサイメーラは情報通ね。だから見た事がない人だったのね。」

「私を誰だと思っているの?うふふ。」

 サイメーラはとても可愛らしい笑顔で私に笑いかけてくれる。
 サイメーラはきっと、この学校でも人気者になるでしょうね。

「エレナールが大丈夫でしたら、そろそろ体育館へ参りましょう。」
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?

伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します 小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。 そして、田舎の町から王都へ向かいます 登場人物の名前と色 グラン デディーリエ(義母の名字) 8才 若草色の髪 ブルーグリーンの目 アルフ 実父 アダマス 母 エンジュ ミライト 13才 グランの義理姉 桃色の髪 ブルーの瞳 ユーディア ミライト 17才 グランの義理姉 濃い赤紫の髪 ブルーの瞳 コンティ ミライト 7才 グランの義理の弟 フォンシル コンドーラル ベージュ 11才皇太子 ピーター サイマルト 近衛兵 皇太子付き アダマゼイン 魔王 目が透明 ガーゼル 魔王の側近 女の子 ジャスパー フロー  食堂宿の人 宝石の名前関係をもじってます。 色とかもあわせて。

豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。

下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。 豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。 小説家になろう様でも投稿しています。

通称偽聖女は便利屋を始めました ~ただし国家存亡の危機は謹んでお断りします~

フルーツパフェ
ファンタジー
 エレスト神聖国の聖女、ミカディラが没した。  前聖女の転生者としてセシル=エレスティーノがその任を引き継ぐも、政治家達の陰謀により、偽聖女の濡れ衣を着せられて生前でありながら聖女の座を剥奪されてしまう。  死罪を免れたセシルは辺境の村で便利屋を開業することに。  先代より受け継がれた魔力と叡智を使って、治療から未来予知、技術指導まで何でこなす第二の人生が始まった。  弱い立場の人々を救いながらも、彼女は言う。 ――基本は何でもしますが、国家存亡の危機だけはお断りします。それは後任(本物の聖女)に任せますから

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

学園首席の私は魔力を奪われて婚約破棄されたけど、借り物の魔力でいつまで調子に乗っているつもり?

今川幸乃
ファンタジー
下級貴族の生まれながら魔法の練習に励み、貴族の子女が集まるデルフィーラ学園に首席入学を果たしたレミリア。 しかし進級試験の際に彼女の実力を嫉妬したシルヴィアの呪いで魔力を奪われ、婚約者であったオルクには婚約破棄されてしまう。 が、そんな彼女を助けてくれたのはアルフというミステリアスなクラスメイトであった。 レミリアはアルフとともに呪いを解き、シルヴィアへの復讐を行うことを決意する。 レミリアの魔力を奪ったシルヴィアは調子に乗っていたが、全校生徒の前で魔法を披露する際に魔力を奪い返され、醜態を晒すことになってしまう。 ※3/6~ プチ改稿中

今度こそ幸せになります! 小話集

斎木リコ
ファンタジー
『今度こそ幸せになります!』の小話集です。

処理中です...