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23. 王宮生活は退屈?

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 せっかくならと、ヤマトテイに行く事になった。
今日は王宮からだし、日も暮れ始めて暗くなってきているので王宮にある馬車を使わせてもらって行く事になった。

「ヤマトテイも、領地へ行ったらなかなか行けなくなるからな。」

 そう言ってくれた。いつも気に掛けてくれるから本当に優しいわ。



「おや、また来てくれたのかい?」

 店に入ると、カウンターに座っていたおきよさんは、こちらに顔を向けると言ってくれた。

「はい、また来ました!」

「個室にするかい?奥へどうぞ。」

「ありがとう。おきよさん、実はリンと一緒に俺の領地へ行く事になってね。挨拶がてら来たんだ。」

 席へ案内してもらう間に、クスファーさんはおきよさんへ向けて言った。

「おや、そうなのかい?それは、二人結婚するのかな?いいねぇ!淋しくなるけど、誰かが幸せになる事は嬉しいもんだね。」

 おきよさんはそう話してくれた。

「おきよさん、そう言えば息子さんがなかなか会えないと淋しそうに言われてましたよ。」

「お!会ったのかい?元気だったかな?そうかねぇ。わたしには王宮は似合わないからね。ははは。」

 うーん、そんなものなのかしら。

「さぁ。今日は何を食べるかな?また決まったら呼んでおくれ。」

 そう言って、おきよさんは席へ案内してくれるとまたカウンターへ戻って行った。


「クスファーさんは、何が好きとかあります?」

 私はメニューを見ながらクスファーさんに訪ねた。メニューには、日本食っぽいのがずらりと並んでいる、と思う。
私はこの世界の文字が読めないから分からないけれど、文字っぽいのの下にイラストが書いてあるのでなんとなくだけど、定食や親子丼みたいなのがあるみたいだった。

「そうだな。おやこどんが俺は好きだな。あとは焼き魚セットかな。リンはどうだ?」

「うーん。迷うなぁ。焼き魚もこの前の、美味しかったわ!」

「そうだな。ニッポンで獲れるものとは違うものもあるみたいだが、どれも似せたメニューらしいぞ。」

 そうなんだ!うーん今日はこれにしよう。

「親子丼にするわ!」

「そうか。俺もそうしよう。」

 注文を早速し、今日あった事をお互いに話した。


「なんだ?今日一日暇だったのか。」

「はい。だって今まで日本でも働いてましたし、ここでもパン屋さんで働かせてもらってましたから、やる事がなくて…。」

「じゃあ、少し早いが明日、臨時の家庭教師をお願いするか?」

「え?家庭教師?」

「そうだ。まずは…所作かな。リンはそのままでもキチンとしているが、貴族の事やこの国の事を少しずつ学んで欲しいんだ。」

「したい!やれるなら、ぜひともしたいわ!」

「ははは。気合いが入っているな。無理しなくていいからな。よし、じゃあ早速手配しよう。」

「はい!ありがとうございます!!」

 やったわ!王宮の庭園を見ているのも楽しめたけれど、ずっとじゃあ飽きてくるもの。それに、もっとこの世界に馴染めるわよね!
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