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12. 結果

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 次の日。

 夕方にもパンを売る事になり、営業に向けて準備をする。
今日はカレーパンならぬシチューパンだ。

 早朝販売する前に、『今日は夕方も営業します。販売する物は試作品の惣菜パンです。中に具材が入るから日持ちはしませんが、斬新で美味しいですよ。試作品なので一ダリで販売する予定です。是非来て下さい!』と宣伝をする。

 ケルンにも宣伝をお願いした。友達や、裏通りにいらっしゃる女性達に知らせてもらった。




 ………結果は、上々すぎでしょ。

 早朝も店は人が溢れかえるけれど、夕方もまたすごかった!
販売する前から店の前に、並ぶ人が出来るほど。

三の鐘が鳴ってしばらくすると、人通りは少し減ってくる(日本では午後だと思う。)から、歩道では避ければ歩けるが、それでも並ばれるとなんとなく気が引ける。
それも、子供が並んでいるのだ。
夕方は母親が食事の支度で忙しいからかもしれない。



「あんた…驚いたよ!疲れただろ。ほら、紅茶あるから入れなよ!」

 夕方の販売を終えて戸締まりもして、二階に上がると、マルアさんが、椅子に座って労いの言葉を掛けてくれた。

「ありがとうございます。ディヴィスさんのパンが美味しいからですね。売れて本当に良かったです!」

「なに言ってるんだい!ディヴィスの腕だけじゃあんなに売れないよ!ありがとうね!こりゃ、ふっかふかのベッドを買ってあげないと!」

「止めてください!マルアさん、まだ一日目ですから。ディヴィスさんの睡眠も減らないか心配…あれ?ディヴィスさんは?」

「ディヴィスは、寝室ですでに売り上げで何を購入しようか考えているよ。気が早いねぇ本当に。」

 そうなんだ…。でもまぁ確かに私もびっくりしたわ。
確かに、いつも買いに来てくれるお客さんに告知もした。ケルンにも宣伝をお願いした。
ただそれだけだったのに、閑古鳥が鳴いていた昨日とは全く違って、今日は店が潰される勢いだった。

 並ばれるのを考えて、明日から整理券を配った方がいいのか…。けれどそれを私一人でやるのも大変だよなーと考えていると、ディヴィスさんが寝室から出てきて、野菜屋に行って明日の惣菜パンを考えてくるとニマニマしながら出て行った。
途中、『カスガリン、ありがとう!本当にありがとう!』と言いながら。

 でも、私一人の力では無理だったのよね。
昨日、クスファーさんとダグラスさんに相談したからこそ…やっぱり騎士団に所属していると頭の回転も早いのだろうか?

 今度お礼に行こうかなー。
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