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3. 感謝の会で
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学院に着くと、早速大ホールに向かった。
その途中、声を掛けて下さる仲の良かった学友と少し話しながら。
すると、大ホールに入ろうとしたまさにその時、中から大きな声が聞こえた。
「オリーフィア=ホーキンス!待ちくたびれたぞ!!」
私は、いきなり大きな声が掛かったので体を一瞬震わせて、立ち止まってしまった。
「まぁ。大きな声で。どうなさったのかしら。」
隣にいた、侯爵家のアニータ=スミスが怪訝そうに言った。
「ええと、あの声はゲオルク様ですわね。」
「それにしても、何故そんな大きな声で…。」
続いて言ったのは、同じく一緒にいつも一緒にいたお友達の伯爵家の二人、イメルダ=トムソンと、コレット=フランクリン。
私も声のする方を見ると、私の婚約者であり、このサンダイズ王国の王太子であるゲオルク様が、一番奥のテラスへと続く場所に置かれたソファに座っていた。…隣には、なぜかジャネットがいて、肩を抱いている。
ジャネット、ドレスを着ているわ。いつの間に…?ニューマン男爵様が用意されたにしてはずいぶん高級そうですが、まさかゲオルクが…?
それに、よくあんな遠くから声が届いたわね。
そう思っていると、ゲオルク様は立ち上がりジャネットと一緒にこちらへ歩いて来た。
「オリーフィア=ホーキンス!お前は、またもジャネットを口汚く罵ったのか!国母となる身で、なんたる体たらく!今日という今日は許しておけん!前々からいつもそうだ!人を見下しおって!そんなお前は、国母となる資格はない!婚約破棄だ婚約破棄!」
そう言ったゲオルク様は、ジャネットの肩を未だ抱いて強く引き寄せ、なぜかジャネットと見つめ合いだした。
はぁ…。
私はため息をつき、言い返そうか迷った。言われっぱなしでは、公爵家の名に傷が付かないかしら?
けれど言い返しても、いつもゲオルク様は私の言う事なんて聞かない。ジャネットの言う事を鵜呑みにして、私が悪い事をしているからと何度も恫喝してくる。
ゲオルク様は、いつの間にかジャネットと接点を持ち、事ある毎にジャネットがゲオルク様に助けを求めているようだった。
そして、学院で顔を合わせるとゲオルク様は、そう言って私を正そうとしてくる。
『ジャネットを虐めるな』『ジャネットを罵るな』『ジャネットに口うるさく言うな』何度言われたでしょうか。そちらの方が口うるさいと思うのですけれど。
けれど、仕方ないじゃない!?
何度言っても、聞かないのはジャネットの方なんだもの。男爵令嬢とはいっても、公爵家である私の家にいるのだからもっと礼儀作法をしっかりしてくれないと困るわ。
どう言い返そうか迷っていると。
「おい、聞いておるのか!?」
ドンッ!!!
私がすぐに答えなかったのが癪に触ったのか、いつの間にか私に触れられる位近づいて来ていて、私の肩をドンッと押した。
私は、高い靴を履いていた為に急に押されて体のバランスを崩し、その場に倒れてしまった。
「キャーッ!」
「イヤー!」
「なんてひどい!!」
私が倒れた事で、アニータやイメルダとコレットも、そして入場しようと入り口にいた人達も驚き、叫び声を上げた。
その途中、声を掛けて下さる仲の良かった学友と少し話しながら。
すると、大ホールに入ろうとしたまさにその時、中から大きな声が聞こえた。
「オリーフィア=ホーキンス!待ちくたびれたぞ!!」
私は、いきなり大きな声が掛かったので体を一瞬震わせて、立ち止まってしまった。
「まぁ。大きな声で。どうなさったのかしら。」
隣にいた、侯爵家のアニータ=スミスが怪訝そうに言った。
「ええと、あの声はゲオルク様ですわね。」
「それにしても、何故そんな大きな声で…。」
続いて言ったのは、同じく一緒にいつも一緒にいたお友達の伯爵家の二人、イメルダ=トムソンと、コレット=フランクリン。
私も声のする方を見ると、私の婚約者であり、このサンダイズ王国の王太子であるゲオルク様が、一番奥のテラスへと続く場所に置かれたソファに座っていた。…隣には、なぜかジャネットがいて、肩を抱いている。
ジャネット、ドレスを着ているわ。いつの間に…?ニューマン男爵様が用意されたにしてはずいぶん高級そうですが、まさかゲオルクが…?
それに、よくあんな遠くから声が届いたわね。
そう思っていると、ゲオルク様は立ち上がりジャネットと一緒にこちらへ歩いて来た。
「オリーフィア=ホーキンス!お前は、またもジャネットを口汚く罵ったのか!国母となる身で、なんたる体たらく!今日という今日は許しておけん!前々からいつもそうだ!人を見下しおって!そんなお前は、国母となる資格はない!婚約破棄だ婚約破棄!」
そう言ったゲオルク様は、ジャネットの肩を未だ抱いて強く引き寄せ、なぜかジャネットと見つめ合いだした。
はぁ…。
私はため息をつき、言い返そうか迷った。言われっぱなしでは、公爵家の名に傷が付かないかしら?
けれど言い返しても、いつもゲオルク様は私の言う事なんて聞かない。ジャネットの言う事を鵜呑みにして、私が悪い事をしているからと何度も恫喝してくる。
ゲオルク様は、いつの間にかジャネットと接点を持ち、事ある毎にジャネットがゲオルク様に助けを求めているようだった。
そして、学院で顔を合わせるとゲオルク様は、そう言って私を正そうとしてくる。
『ジャネットを虐めるな』『ジャネットを罵るな』『ジャネットに口うるさく言うな』何度言われたでしょうか。そちらの方が口うるさいと思うのですけれど。
けれど、仕方ないじゃない!?
何度言っても、聞かないのはジャネットの方なんだもの。男爵令嬢とはいっても、公爵家である私の家にいるのだからもっと礼儀作法をしっかりしてくれないと困るわ。
どう言い返そうか迷っていると。
「おい、聞いておるのか!?」
ドンッ!!!
私がすぐに答えなかったのが癪に触ったのか、いつの間にか私に触れられる位近づいて来ていて、私の肩をドンッと押した。
私は、高い靴を履いていた為に急に押されて体のバランスを崩し、その場に倒れてしまった。
「キャーッ!」
「イヤー!」
「なんてひどい!!」
私が倒れた事で、アニータやイメルダとコレットも、そして入場しようと入り口にいた人達も驚き、叫び声を上げた。
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