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Ⅲ
クリフ視点 決心
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その後も俺の学園生活は暗いままだった。
一度授業に遅れ始めるとどんなに一生懸命勉強しようと思っても、理解することが出来ない。そもそも基礎が怪しいためどんなに勉強しても頭に入ってこないということは分かったが、どの辺りから理解出来ていないのかもよく分からない。
そして勉強についていけなくなると周囲と話しづらくなり、元々狭かった人間関係はさらに狭くなっていき、誰とも口を利かない日々が増えていった。
隣の席を見ると、リアナの方は女友達のイヴやクラスの中心にいるカーティスと順調に仲を深めている。放課後は今や三人で勉強会をしているという。
イヴやカーティスは元々俺よりも成績が良かったからリアナに教えてもらえばすぐに成績が上がるのだろう。
その上リアナは今の地位に満足することなく、放課後はニコラス先生の個別指導まで受けているという。法律の勉強は特に覚えることが多くて面倒くさいし、ニコラス先生は苦手だから俺にはリアナの決断が信じられなかった。
リアナほどの成績と理解力なら授業と宿題だけ普通にこなしていれば(俺にはそれすらきついが)、今の成績を維持できるだろうに、わざわざ自分で勉強量を増やすというのは俺には信じられなかった。
当然やらなくても何とかなる勉強をわざわざ自分からしていることに対する驚きや尊敬というのもある。
それと同時にニコラス先生の個人指導はリアナを法務官や教師にすることも視野に入れているということも知り、俺は愕然とした。
今更ではあったが、俺は一応リアナの婚約者だ。だからもしリアナがそのまま俺と結婚するつもりがあるのならばそんな勉強をする必要はない。だからリアナがわざわざ難しい勉強をしているというのは俺との結婚はしないという意志の表れなのだろう。
とはいえ、それを聞いて俺は目が覚めた。
昔はともかく今の俺とリアナは何一つ釣り合っていない。スポーツで活躍し、最近は成績も上がり始めたカーティスのよほどリアナにはふさわしいだろう。それでもリアナはどれだけカーティスと仲良くしても、彼と会うときは必ずイヴや他のクラスメイトと一緒だった。それは一応婚約者がいる以上、それがどれほど冷え切った関係であれ他の男子と二人きりにはなってはいけないという強い意志があるためだろう。リアナは俺と違ってそういうマナーも律儀に守っている。
前にリアナの父親がうちにやってきて父上と何かをしかめつらしい表情で話していたが、それももしかしたら婚約の話かもしれない。
もしもリアナとの婚約がどうこうなるという話が来たらその時は潔くそれに応じよう、俺はそう決意した。
そう思うと少しだけ気が楽になった。
リアナがカーティスと仲良くしたり、カーティスが試合で活躍したりすると、これまでは毎回嫉妬の気持ちが芽生えてきた。
しかしリアナと自分が釣り合わないことを認めてしまうと、不思議とそんな気持ちもなくなっていくのだった。
そんな訳で、他のクラスメイトたちがカーティスとオスカーが試合で対決すると盛り上がっている時も、俺は一人で少しでも後れを取り戻そうと自習に励んでいた。
とはいえ、かつて仲が良かったカーティスがオスカーとどう戦うのかには興味がある。そんな訳で俺は人垣の後ろからこっそり試合を観戦した。
途中色々あったものの、圧倒的な技術と運動神経でカーティスはオスカーを圧倒し、反則もものともせずに勝利を収めた。それを見てとりあえず俺はほっとする。
それを見届けて俺はコートを離れようとしたが、試合後、足早にコートを立ち去っていくオスカーとそれについていくリアナを見て眉をひそめた。
エルマのやつ、まだあんな奴に興味を抱いていたのか。
それを見て俺はなぜかまだ胸がざわつくのを感じた。
一度授業に遅れ始めるとどんなに一生懸命勉強しようと思っても、理解することが出来ない。そもそも基礎が怪しいためどんなに勉強しても頭に入ってこないということは分かったが、どの辺りから理解出来ていないのかもよく分からない。
そして勉強についていけなくなると周囲と話しづらくなり、元々狭かった人間関係はさらに狭くなっていき、誰とも口を利かない日々が増えていった。
隣の席を見ると、リアナの方は女友達のイヴやクラスの中心にいるカーティスと順調に仲を深めている。放課後は今や三人で勉強会をしているという。
イヴやカーティスは元々俺よりも成績が良かったからリアナに教えてもらえばすぐに成績が上がるのだろう。
その上リアナは今の地位に満足することなく、放課後はニコラス先生の個別指導まで受けているという。法律の勉強は特に覚えることが多くて面倒くさいし、ニコラス先生は苦手だから俺にはリアナの決断が信じられなかった。
リアナほどの成績と理解力なら授業と宿題だけ普通にこなしていれば(俺にはそれすらきついが)、今の成績を維持できるだろうに、わざわざ自分で勉強量を増やすというのは俺には信じられなかった。
当然やらなくても何とかなる勉強をわざわざ自分からしていることに対する驚きや尊敬というのもある。
それと同時にニコラス先生の個人指導はリアナを法務官や教師にすることも視野に入れているということも知り、俺は愕然とした。
今更ではあったが、俺は一応リアナの婚約者だ。だからもしリアナがそのまま俺と結婚するつもりがあるのならばそんな勉強をする必要はない。だからリアナがわざわざ難しい勉強をしているというのは俺との結婚はしないという意志の表れなのだろう。
とはいえ、それを聞いて俺は目が覚めた。
昔はともかく今の俺とリアナは何一つ釣り合っていない。スポーツで活躍し、最近は成績も上がり始めたカーティスのよほどリアナにはふさわしいだろう。それでもリアナはどれだけカーティスと仲良くしても、彼と会うときは必ずイヴや他のクラスメイトと一緒だった。それは一応婚約者がいる以上、それがどれほど冷え切った関係であれ他の男子と二人きりにはなってはいけないという強い意志があるためだろう。リアナは俺と違ってそういうマナーも律儀に守っている。
前にリアナの父親がうちにやってきて父上と何かをしかめつらしい表情で話していたが、それももしかしたら婚約の話かもしれない。
もしもリアナとの婚約がどうこうなるという話が来たらその時は潔くそれに応じよう、俺はそう決意した。
そう思うと少しだけ気が楽になった。
リアナがカーティスと仲良くしたり、カーティスが試合で活躍したりすると、これまでは毎回嫉妬の気持ちが芽生えてきた。
しかしリアナと自分が釣り合わないことを認めてしまうと、不思議とそんな気持ちもなくなっていくのだった。
そんな訳で、他のクラスメイトたちがカーティスとオスカーが試合で対決すると盛り上がっている時も、俺は一人で少しでも後れを取り戻そうと自習に励んでいた。
とはいえ、かつて仲が良かったカーティスがオスカーとどう戦うのかには興味がある。そんな訳で俺は人垣の後ろからこっそり試合を観戦した。
途中色々あったものの、圧倒的な技術と運動神経でカーティスはオスカーを圧倒し、反則もものともせずに勝利を収めた。それを見てとりあえず俺はほっとする。
それを見届けて俺はコートを離れようとしたが、試合後、足早にコートを立ち去っていくオスカーとそれについていくリアナを見て眉をひそめた。
エルマのやつ、まだあんな奴に興味を抱いていたのか。
それを見て俺はなぜかまだ胸がざわつくのを感じた。
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