6 / 41
Ⅰ
呪い
しおりを挟む
「まず、呪いを解くのに比べて呪いを取り出すというのはかなり難しい作業になります。呪いというのは現象なので物のように扱うことは人間の体では困難です。そこで、今回は“聖なる腕”という魔法を扱います。この力があれば体内にある呪いを掴んで体の外へ取り出すことが出来るのです」
司祭の言葉は分かるような分からないようなものだった。
「ですが一つ問題があります。いくら“聖なる腕”とはいえ他人の体内に魔力で干渉することは難しいことです。そのため、それを行っている人は強い信頼を得ている必要があります。信用していない相手からの干渉であれば無意識に排除してしまうことがありますので」
基本的に人の体は他者からの魔法を拒絶するように出来ている。特に体内にまで干渉するような魔法であれば、よほど信頼している相手から出ないと無意識の拒絶が発動してしまうということだろう。
「司祭様でも難しいのか?」
「もちろん全力を尽くしますし、失敗した場合こちらの魔法が打ち消されるだけでレミリアさんに被害が及ぶことはありません」
アルフの問いに司祭は答える。
が、そこで私は一つの案を思いつく。
「その魔法は司祭様が他の人にかけることは出来る?」
「はい、可能です。私がかけてしまえばかけられた人の魔法の技術はほぼ関係ありません」
「だったらアルフ、あなたに頼んでもいい?」
「僕がか?」
私の言葉にアルフは驚いた顔をする。
確かにアルフは魔法を使うのはからっきしだと言っていた。
ただ魔法の成功に私の気持ちが関係するというのであれば、私はアルフにやって欲しかった。
「僕は魔法に関しては素人だし、君とも出会ったばかりだ」
「魔法は司祭様がかけてくれるから大丈夫。元々アルフは自分の任務があるから学園内では目立たない方が良かったはずなのに、あの時わざわざ私のことを助けてくれたでしょう?」
「それはそうだが……さすがにあそこまでいくと見過ごせなくてな」
私の言葉に彼は照れたように頬をかく。
近衛騎士としての務めよりも私を助けることを優先してくれたことは、いいか悪いかはともかく私にとってすごく嬉しかった。
「そう。そういう人だからこそ信用出来るし、最初の時も私の言葉をきちんと信じてくれた。それにこれから私たちは一緒にシルヴィアと対峙する訳だから絆を深めておきたい」
私が見つめると、アルフはやがて根負けしたように頷く。
「分かった。そこまで言われては断る訳にもいかない。それに、僕の方も君のような女性にそう言ってもらえて嬉しい」
「え?」
そんな風に言われたのは初めてだったので私の方も少し恥ずかしくなってしまう。これまで学園で会った男子はオルクも含めて私の魔法の腕だけを見て近づいて来て、オルクと婚約すれば離れていくような男たちばかりだったのだから。
私は初めて自分のことをちゃんと見てもらったような気がした。
「では始めよう。ミラ、魔力を頼む」
「はい」
「『聖なる腕』よ」
司祭様が呪文を唱えるとアルフの右腕の先に聖なる魔力が集まっていき、魔力で構成された光の腕のようなものが形成されていく。
アルフが腕を持ち上げたり、指を閉じたり開いたりすると聖なる腕の方もそれに連動して動く。
それを見てアルフは驚きながら尋ねる。
「これが聖なる腕か」
「そうです。その腕をレミリアさんの胸にかざしてみせてください」
「分かった」
司祭の言葉に、アルフが私の前に腕を持ってくる。聖なる腕の魔力で私の胸が照らされた。
すると、光に照らされるようにして私の体内に黒い塊が埋まっているのが見える。これがシルヴィアが私にかけた呪いだろうか。その禍々しい気配に思わず背筋に寒気が走る。
アルフや司祭様もそのおぞましい気配に眉をひそめる。
「こんなものがレミリアの中にあったなんて許せん」
「このような呪いを放置しておけばいずれ他の者にも害をなすでしょう。アルフ殿、是非出所を突き止めてください」
「分かった。ここからはもう腕を動かして呪いを取り出すだけでいいのか?」
「はい、その通りでございます」
司祭様が頷くとアルフも決意を固める。
「では行くぞレミリア」
「分かりました」
私が頷くと、ゆっくりと腕が動き私の腕に触れる。
その瞬間、肉体で直接触れたような感覚が一瞬私の中を駆け抜け、続いて肌を異物感が走る。が、それもすぐに慣れてしまい、やがて腕はゆっくりと私の中へ入っていく。そして慣れていくにつれて異物感は温かさに変わっていく。
そんな私の表情を見てアルフは少し心配そうに私に声をかける。
「大丈夫か? 痛くはないか?」
「ありがとう。でも大丈夫、むしろ慣れてくると温かく感じるぐらい」
「そうか、何かあったらいつでも言ってくれ」
そう言ってアルフの腕はゆっくりと私の中を進んでいき、やがて黒い塊を掴む。その瞬間、一瞬だけびりびりという感覚が胸の辺りを走っていき、思わず私は胸元を抑える。
それを見てアルフは一瞬、不安そうな表情になった。
「大丈夫か?」
しかしここでやめる訳にはいかない。
「うん、続けて」
「分かった」
アルフは黒い魔力を掴むとそのままゆっくりと腕を引いていく。
そして魔力が全て体外に出ると、私が感じていた温もりや違和感は全て消えた。が、依然として呪いの効果が続いているせいか、大きく感覚が変わった気はしない。
取り出した黒い魔力をアルフがテーブルに置くと、ことりという音とともにそれは禍々しい黒い光を発する石に変わる。
「おお、成功のようです」
それを見て司祭はほっと息をつく。
「よく頑張ったな、レミリア」
「アルフこそ、ありがとう」
「この塊については一応こちらの箱に入れておいてください。そしていざというときは金槌か何かで強く叩けば割れ、呪いは解けます」
そう言って司祭様はマジックアイテムと思われる箱に魔力の塊をしまってくれる。
「じゃあ私は早速シルヴィアに手紙を書くから」
呪いの証拠は手に入れたものの、シルヴィアがやったという証拠はない。素直に自白してくれればいいのだけど、と思いつつ私は手紙に筆を走らせるのだった。
司祭の言葉は分かるような分からないようなものだった。
「ですが一つ問題があります。いくら“聖なる腕”とはいえ他人の体内に魔力で干渉することは難しいことです。そのため、それを行っている人は強い信頼を得ている必要があります。信用していない相手からの干渉であれば無意識に排除してしまうことがありますので」
基本的に人の体は他者からの魔法を拒絶するように出来ている。特に体内にまで干渉するような魔法であれば、よほど信頼している相手から出ないと無意識の拒絶が発動してしまうということだろう。
「司祭様でも難しいのか?」
「もちろん全力を尽くしますし、失敗した場合こちらの魔法が打ち消されるだけでレミリアさんに被害が及ぶことはありません」
アルフの問いに司祭は答える。
が、そこで私は一つの案を思いつく。
「その魔法は司祭様が他の人にかけることは出来る?」
「はい、可能です。私がかけてしまえばかけられた人の魔法の技術はほぼ関係ありません」
「だったらアルフ、あなたに頼んでもいい?」
「僕がか?」
私の言葉にアルフは驚いた顔をする。
確かにアルフは魔法を使うのはからっきしだと言っていた。
ただ魔法の成功に私の気持ちが関係するというのであれば、私はアルフにやって欲しかった。
「僕は魔法に関しては素人だし、君とも出会ったばかりだ」
「魔法は司祭様がかけてくれるから大丈夫。元々アルフは自分の任務があるから学園内では目立たない方が良かったはずなのに、あの時わざわざ私のことを助けてくれたでしょう?」
「それはそうだが……さすがにあそこまでいくと見過ごせなくてな」
私の言葉に彼は照れたように頬をかく。
近衛騎士としての務めよりも私を助けることを優先してくれたことは、いいか悪いかはともかく私にとってすごく嬉しかった。
「そう。そういう人だからこそ信用出来るし、最初の時も私の言葉をきちんと信じてくれた。それにこれから私たちは一緒にシルヴィアと対峙する訳だから絆を深めておきたい」
私が見つめると、アルフはやがて根負けしたように頷く。
「分かった。そこまで言われては断る訳にもいかない。それに、僕の方も君のような女性にそう言ってもらえて嬉しい」
「え?」
そんな風に言われたのは初めてだったので私の方も少し恥ずかしくなってしまう。これまで学園で会った男子はオルクも含めて私の魔法の腕だけを見て近づいて来て、オルクと婚約すれば離れていくような男たちばかりだったのだから。
私は初めて自分のことをちゃんと見てもらったような気がした。
「では始めよう。ミラ、魔力を頼む」
「はい」
「『聖なる腕』よ」
司祭様が呪文を唱えるとアルフの右腕の先に聖なる魔力が集まっていき、魔力で構成された光の腕のようなものが形成されていく。
アルフが腕を持ち上げたり、指を閉じたり開いたりすると聖なる腕の方もそれに連動して動く。
それを見てアルフは驚きながら尋ねる。
「これが聖なる腕か」
「そうです。その腕をレミリアさんの胸にかざしてみせてください」
「分かった」
司祭の言葉に、アルフが私の前に腕を持ってくる。聖なる腕の魔力で私の胸が照らされた。
すると、光に照らされるようにして私の体内に黒い塊が埋まっているのが見える。これがシルヴィアが私にかけた呪いだろうか。その禍々しい気配に思わず背筋に寒気が走る。
アルフや司祭様もそのおぞましい気配に眉をひそめる。
「こんなものがレミリアの中にあったなんて許せん」
「このような呪いを放置しておけばいずれ他の者にも害をなすでしょう。アルフ殿、是非出所を突き止めてください」
「分かった。ここからはもう腕を動かして呪いを取り出すだけでいいのか?」
「はい、その通りでございます」
司祭様が頷くとアルフも決意を固める。
「では行くぞレミリア」
「分かりました」
私が頷くと、ゆっくりと腕が動き私の腕に触れる。
その瞬間、肉体で直接触れたような感覚が一瞬私の中を駆け抜け、続いて肌を異物感が走る。が、それもすぐに慣れてしまい、やがて腕はゆっくりと私の中へ入っていく。そして慣れていくにつれて異物感は温かさに変わっていく。
そんな私の表情を見てアルフは少し心配そうに私に声をかける。
「大丈夫か? 痛くはないか?」
「ありがとう。でも大丈夫、むしろ慣れてくると温かく感じるぐらい」
「そうか、何かあったらいつでも言ってくれ」
そう言ってアルフの腕はゆっくりと私の中を進んでいき、やがて黒い塊を掴む。その瞬間、一瞬だけびりびりという感覚が胸の辺りを走っていき、思わず私は胸元を抑える。
それを見てアルフは一瞬、不安そうな表情になった。
「大丈夫か?」
しかしここでやめる訳にはいかない。
「うん、続けて」
「分かった」
アルフは黒い魔力を掴むとそのままゆっくりと腕を引いていく。
そして魔力が全て体外に出ると、私が感じていた温もりや違和感は全て消えた。が、依然として呪いの効果が続いているせいか、大きく感覚が変わった気はしない。
取り出した黒い魔力をアルフがテーブルに置くと、ことりという音とともにそれは禍々しい黒い光を発する石に変わる。
「おお、成功のようです」
それを見て司祭はほっと息をつく。
「よく頑張ったな、レミリア」
「アルフこそ、ありがとう」
「この塊については一応こちらの箱に入れておいてください。そしていざというときは金槌か何かで強く叩けば割れ、呪いは解けます」
そう言って司祭様はマジックアイテムと思われる箱に魔力の塊をしまってくれる。
「じゃあ私は早速シルヴィアに手紙を書くから」
呪いの証拠は手に入れたものの、シルヴィアがやったという証拠はない。素直に自白してくれればいいのだけど、と思いつつ私は手紙に筆を走らせるのだった。
17
お気に入りに追加
3,311
あなたにおすすめの小説

遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!
加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。
カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。
落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。
そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。
器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。
失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。
過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。
これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。
彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。
毎日15:10に1話ずつ更新です。
この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる