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無職になった男と奴隷少女リン
襲撃
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宴会の翌日、俺はリンとともに街を出ることにした。
買い物をするときにいらないものを全て売り払ったおかげで、家の中には持っていくものを除けば古い家具しか残っていない。
面倒になった俺はゴルグにそのことを告げると、家ごとそこそこの値段で引き取ってくれた。
戻ってくるつもりはなかったので、たとえ安値と言えどもお金の方がうれしい。
そして俺たちはアルディナ方面に向かう乗合馬車に乗った。
乗客が乗る大き目な馬車の後ろに、護衛の兵士が乗る小さな馬車、そしてついでに運送していると思われる荷物を載せた馬車も続いていた。
馬車に乗り込むと、ロメルの街はどんどん小さくなっていき、周囲には見渡す限りの平原が広がっていく。
「わあ、すごい、きれいですね!」
「そんなにすごいか?」
リンのはしゃぎっぷりに俺は少し驚く。
考えてみると、俺は馬車で街の外に出るのは初めてだったかもしれない。
せいぜい街の近くの村にお使いに行ったぐらいだろうか。多分リンも同じぐらいだろう。
「何でそんなに落ち着いているんですか? わあ、ほら、あそこに動物もいますよ!? 見てください!」
いや、景色は所詮ただの景色だ、と思ったが無邪気にはしゃいでいるリンの姿を見てその言葉を飲み込む。
「確かに街中では全然見かけないな」
「こんな広い世界があると思うと、今まで悩んでいたことがちっぽけに思えてきますね」
「……そうだな」
リンがそう思ってくれたのであれば嬉しい。
とはいえ、職業の問題はロメルの街を出たところでずっとついて回るだろうが。
そんなことを思いつつ、俺たちは馬車に揺られた。
昼頃に一度小さな村に停まって休憩を挟んだ後、馬車は平原から小高い山の中に差し掛かる。山道はでこぼこが多いため、揺れが激しくなり、俺は酔いそうになる。さらに道もだんだん狭くなっていき、馬車の速度も少しずつ遅くなっていった。
が、突然馬車は急停止した。そして前方からは何か怒鳴り声のような声が聞こえてくる。
見ると、前方には山賊らしき男たちが十人ほど集まって馬車の行く手を塞いでいる。そして後方にも賊が数人見えた。完全に囲まれており、それを見た乗客たちは騒然とする。
が、
「皆様は中でじっとしていてください!」
そう言って後ろの馬車から護衛の兵士たちが武器を構えて飛び出していく。
そう、こちらには本職の兵士がついている以上山賊なんかに負ける訳がない、と乗客たちは安心する。
兵士たちは武器を構えると逆に山賊に向かって叫んだ。
「今すぐ逃げ帰るなら許してやる!」
「誰が逃げ帰るか! そちらこそ武器を捨てて降参すれば命まではとらない!」
山賊が逃げ帰る意志はないと知った兵士たちは、馬車を山賊たちに斬りかかろうとする。
が、その時だった。
突然ひゅんひゅんと風を切る音とともに左右の山の中から矢が飛んできて、兵士たちを射抜く。
「ぐわっ」
「ぎゃあっ」
兵士たちは次々と悲鳴を上げて倒れていく。どうやら目の前に出てきた賊の他に、隠れて弓を構えていた賊もいたらしい。
数人が矢を回避したものの、こうなっては多勢に無勢だ。さらに山の中からぞろぞろと賊が降りてきて、馬車は完全に包囲される。
あっという間の出来事に乗客たちは逃げる暇もなかった。
敵のリーダー的な山賊が前に進み出て叫ぶ。
「兵士たちは武器を捨ててこちらに来い! 乗客は大人しくしていれば命まではとらない!」
その声につられて兵士たちは武器を捨てて歩いていく。
そして賊のうちから数人が馬車の中に入ってきた。こいつらも『山賊』『ならず者』『ごろつき』といった職業だったが、グローリア神の聖印をつけた白ローブの男が一人混ざっていた。
山賊に味方する神官がいるのか、と思ったが、山賊も神から与えられた役割を全うしようとしている、と思う神官もいるのかもしれない。
「問題ありません。無職が混ざっていますが、こいつらに戦闘職業の者はおりません」
神官が他の賊に言う。
神官は職業を司っているため、他人の職業を分かる力を持っている。
「無職?」
それを聞いた山賊は眉をひそめる。俺は無職のままだしリンも奴隷なのだが、山賊にまで馬鹿にされると腹が立つ。
リンはおそらくこんな事態に陥ったのは初めてなのだろう、表情が青くなっている。しかし俺は神殿で袋叩きに遭ったりヤクザと商売したりで若干慣れてきていた。
「そうか、じゃあこいつらの見張りは俺一人で十分だな」
「任せた」
そう言って他の山賊たちは馬車を出ていく。おそらくだが、後ろの馬車に乗っている物資や馬が目当てで乗客をどうこうするつもりはないのだろう。
が、そこで俺は気づく。
こいつらは俺たちの職業を見て油断している。近くにいるのは見張り一人。それならうまくやれば倒せるのではないか。
そう考えた俺は無言で隣にいる人々にこの前手に入れた「兵士」の職業を与える。
そんなことが一方的に出来るのかと少し疑問に思ったが、奪うのではなく与えるだけなら俺の意志だけで出来るらしい。男は職業を受け取ったことが分かったのか一瞬はっとしたが、すぐに俺の意図を察したのか声はあげなかった。
うまくいったようなので、さらに俺は近くにいた乗客たちに、「ならず者」「兵士」「剣士」といった戦闘に役立ちそうな職業を次々と配っていく。
いきなりのことであったが、周囲の乗客たちは突如自分たちが新たな職業に目覚めたことに気づいたらしい。
そして小声で言う。
「剣を一振り貸してくれないか?」
「ああ」
こういう不測の事態があるため、旅人の中には心得がなくとも剣を携帯している者が多い。
そのうちの一人が剣を貸してくれたので、俺はそれをリンに渡す。
「頼む」
「はい」
リンは頷くとともに剣を構えると、一目散に山賊の見張りに突っ込んでいく。
「ふん、小娘が……ぐわっ」
男はリンに剣を向けようとしたが、その時にはすでにリンの剣により切り裂かれていた。
それを見て俺は叫ぶ。
「詳しい説明は後だが、皆に職業を配った! その力で山賊を倒そうではないか!」
「おおおおおっ!」
最初にリンが見張りを倒したこともあり、突然職業を配られた他の乗客は沸き立つ。
剣士の男は最初の見張りが落とした剣を拾い、外の山賊に斬りかかる。他の者たちもそれぞれ護身用のナイフや杖を構えて外に出た。
人によって温度差もあるが、新たな職業を得たことを喜ぶ者もいる。
この国で普通に暮らしていれば職業を得るのは人生で一度しかないことだからだ。
「すごい……私がこんなに強いなんて」
斬りつけた山賊を見ながらリンは驚愕と興奮に包まれている。
言われてみれば今の動きの速さはただの「剣士」「兵士」よりも上かもしれない。
「細かいことは後だ、とりあえず奴らを何とかするぞ」
「はい!」
すでに外には先ほどの見張りの悲鳴を聞いて駆け付けた山賊たちが他の乗客との戦いになっているが、突然逆襲してくる乗客に驚いている。
「な、何だ!?」
「こいつらは非戦闘職じゃなかったのか!?」
慌てて山賊が逆襲に移り、乗客との戦いになる。が、向こうは動揺している上に数はこちらの方が多い。
「覚悟!」
そしてリンも縦横無尽に剣を振るい、まるで一陣の風のように次々と賊を倒していく。俺は思わずリンの姿に見とれてしまった。もしかすると剣士奴隷というのはただの剣士と奴隷を合わせただけの職業ではなく、もっと可能性があるものなのかもしれない。
が、そんなことを考えていると一人の賊がこちらに迫ってくる。
「お前がこいつらの親玉か!?」
「うるさい、俺はただの乗客だ!」
そう言って俺は反射的に護身用のナイフを振るう。
カキンッ、と甲高い金属音が響き、俺のナイフは正確に賊の剣にぶつかって弾き飛ばしていた。
「何……だと!?」
それを見て賊は呆然とするが、俺の方も驚く。これまで俺は他人と戦ったことなんてないし、武器もナイフと剣では勝ち目がない。
だが、今の一撃はマグレではなく正確に俺の攻撃が賊の武器に命中していた。
ということは俺の力は職業のやりとりだけではなく、俺自身も強化できるのか?
とはいえ検証は後だ。
俺は武器を失って呆然としている賊に斬りつける。
「ぐわあっ」
賊は一際大きな悲鳴をあげてその場に倒れた。
「大丈夫ですかご主人様!? すみません、自分の戦いに夢中になってしまって……あれ?」
そこへ慌てて戻ってきたリンが、俺と目の前に倒れている賊を見比べて首をかしげる。
「ご主人様ってそんなに強かったでしたっけ?」
「俺も今知った。何にせよ、心配してくれてありがとうな」
「当然です。ご主人様を傷つける者は絶対に許しませんから」
そんなことを話していると、俺たちの逆襲の様子を見て、今度は最初に武器を捨てさせられていた兵士たちも山賊から武器を奪って反撃に出た。
こうなってしまうと戦いは勢いであり、すっかり形勢は逆転してしまう。
「一体何なんだ!?」
「確かに奴らは非戦闘職だったはずなのに!」
「くそ、いったん撤収だ!」
こうして予想外の反撃に不意を突かれた山賊たちは体勢を立て直せない。
「待て、逃げるな!」
「大人しく投降しろ!」
一方の兵士たちは一度負けかけたことを気にしているのか、恨みを晴らすように執拗に山賊を追いかける。こうして襲い掛かってきた賊のほとんどが負傷か投降したのだった。
買い物をするときにいらないものを全て売り払ったおかげで、家の中には持っていくものを除けば古い家具しか残っていない。
面倒になった俺はゴルグにそのことを告げると、家ごとそこそこの値段で引き取ってくれた。
戻ってくるつもりはなかったので、たとえ安値と言えどもお金の方がうれしい。
そして俺たちはアルディナ方面に向かう乗合馬車に乗った。
乗客が乗る大き目な馬車の後ろに、護衛の兵士が乗る小さな馬車、そしてついでに運送していると思われる荷物を載せた馬車も続いていた。
馬車に乗り込むと、ロメルの街はどんどん小さくなっていき、周囲には見渡す限りの平原が広がっていく。
「わあ、すごい、きれいですね!」
「そんなにすごいか?」
リンのはしゃぎっぷりに俺は少し驚く。
考えてみると、俺は馬車で街の外に出るのは初めてだったかもしれない。
せいぜい街の近くの村にお使いに行ったぐらいだろうか。多分リンも同じぐらいだろう。
「何でそんなに落ち着いているんですか? わあ、ほら、あそこに動物もいますよ!? 見てください!」
いや、景色は所詮ただの景色だ、と思ったが無邪気にはしゃいでいるリンの姿を見てその言葉を飲み込む。
「確かに街中では全然見かけないな」
「こんな広い世界があると思うと、今まで悩んでいたことがちっぽけに思えてきますね」
「……そうだな」
リンがそう思ってくれたのであれば嬉しい。
とはいえ、職業の問題はロメルの街を出たところでずっとついて回るだろうが。
そんなことを思いつつ、俺たちは馬車に揺られた。
昼頃に一度小さな村に停まって休憩を挟んだ後、馬車は平原から小高い山の中に差し掛かる。山道はでこぼこが多いため、揺れが激しくなり、俺は酔いそうになる。さらに道もだんだん狭くなっていき、馬車の速度も少しずつ遅くなっていった。
が、突然馬車は急停止した。そして前方からは何か怒鳴り声のような声が聞こえてくる。
見ると、前方には山賊らしき男たちが十人ほど集まって馬車の行く手を塞いでいる。そして後方にも賊が数人見えた。完全に囲まれており、それを見た乗客たちは騒然とする。
が、
「皆様は中でじっとしていてください!」
そう言って後ろの馬車から護衛の兵士たちが武器を構えて飛び出していく。
そう、こちらには本職の兵士がついている以上山賊なんかに負ける訳がない、と乗客たちは安心する。
兵士たちは武器を構えると逆に山賊に向かって叫んだ。
「今すぐ逃げ帰るなら許してやる!」
「誰が逃げ帰るか! そちらこそ武器を捨てて降参すれば命まではとらない!」
山賊が逃げ帰る意志はないと知った兵士たちは、馬車を山賊たちに斬りかかろうとする。
が、その時だった。
突然ひゅんひゅんと風を切る音とともに左右の山の中から矢が飛んできて、兵士たちを射抜く。
「ぐわっ」
「ぎゃあっ」
兵士たちは次々と悲鳴を上げて倒れていく。どうやら目の前に出てきた賊の他に、隠れて弓を構えていた賊もいたらしい。
数人が矢を回避したものの、こうなっては多勢に無勢だ。さらに山の中からぞろぞろと賊が降りてきて、馬車は完全に包囲される。
あっという間の出来事に乗客たちは逃げる暇もなかった。
敵のリーダー的な山賊が前に進み出て叫ぶ。
「兵士たちは武器を捨ててこちらに来い! 乗客は大人しくしていれば命まではとらない!」
その声につられて兵士たちは武器を捨てて歩いていく。
そして賊のうちから数人が馬車の中に入ってきた。こいつらも『山賊』『ならず者』『ごろつき』といった職業だったが、グローリア神の聖印をつけた白ローブの男が一人混ざっていた。
山賊に味方する神官がいるのか、と思ったが、山賊も神から与えられた役割を全うしようとしている、と思う神官もいるのかもしれない。
「問題ありません。無職が混ざっていますが、こいつらに戦闘職業の者はおりません」
神官が他の賊に言う。
神官は職業を司っているため、他人の職業を分かる力を持っている。
「無職?」
それを聞いた山賊は眉をひそめる。俺は無職のままだしリンも奴隷なのだが、山賊にまで馬鹿にされると腹が立つ。
リンはおそらくこんな事態に陥ったのは初めてなのだろう、表情が青くなっている。しかし俺は神殿で袋叩きに遭ったりヤクザと商売したりで若干慣れてきていた。
「そうか、じゃあこいつらの見張りは俺一人で十分だな」
「任せた」
そう言って他の山賊たちは馬車を出ていく。おそらくだが、後ろの馬車に乗っている物資や馬が目当てで乗客をどうこうするつもりはないのだろう。
が、そこで俺は気づく。
こいつらは俺たちの職業を見て油断している。近くにいるのは見張り一人。それならうまくやれば倒せるのではないか。
そう考えた俺は無言で隣にいる人々にこの前手に入れた「兵士」の職業を与える。
そんなことが一方的に出来るのかと少し疑問に思ったが、奪うのではなく与えるだけなら俺の意志だけで出来るらしい。男は職業を受け取ったことが分かったのか一瞬はっとしたが、すぐに俺の意図を察したのか声はあげなかった。
うまくいったようなので、さらに俺は近くにいた乗客たちに、「ならず者」「兵士」「剣士」といった戦闘に役立ちそうな職業を次々と配っていく。
いきなりのことであったが、周囲の乗客たちは突如自分たちが新たな職業に目覚めたことに気づいたらしい。
そして小声で言う。
「剣を一振り貸してくれないか?」
「ああ」
こういう不測の事態があるため、旅人の中には心得がなくとも剣を携帯している者が多い。
そのうちの一人が剣を貸してくれたので、俺はそれをリンに渡す。
「頼む」
「はい」
リンは頷くとともに剣を構えると、一目散に山賊の見張りに突っ込んでいく。
「ふん、小娘が……ぐわっ」
男はリンに剣を向けようとしたが、その時にはすでにリンの剣により切り裂かれていた。
それを見て俺は叫ぶ。
「詳しい説明は後だが、皆に職業を配った! その力で山賊を倒そうではないか!」
「おおおおおっ!」
最初にリンが見張りを倒したこともあり、突然職業を配られた他の乗客は沸き立つ。
剣士の男は最初の見張りが落とした剣を拾い、外の山賊に斬りかかる。他の者たちもそれぞれ護身用のナイフや杖を構えて外に出た。
人によって温度差もあるが、新たな職業を得たことを喜ぶ者もいる。
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言われてみれば今の動きの速さはただの「剣士」「兵士」よりも上かもしれない。
「細かいことは後だ、とりあえず奴らを何とかするぞ」
「はい!」
すでに外には先ほどの見張りの悲鳴を聞いて駆け付けた山賊たちが他の乗客との戦いになっているが、突然逆襲してくる乗客に驚いている。
「な、何だ!?」
「こいつらは非戦闘職じゃなかったのか!?」
慌てて山賊が逆襲に移り、乗客との戦いになる。が、向こうは動揺している上に数はこちらの方が多い。
「覚悟!」
そしてリンも縦横無尽に剣を振るい、まるで一陣の風のように次々と賊を倒していく。俺は思わずリンの姿に見とれてしまった。もしかすると剣士奴隷というのはただの剣士と奴隷を合わせただけの職業ではなく、もっと可能性があるものなのかもしれない。
が、そんなことを考えていると一人の賊がこちらに迫ってくる。
「お前がこいつらの親玉か!?」
「うるさい、俺はただの乗客だ!」
そう言って俺は反射的に護身用のナイフを振るう。
カキンッ、と甲高い金属音が響き、俺のナイフは正確に賊の剣にぶつかって弾き飛ばしていた。
「何……だと!?」
それを見て賊は呆然とするが、俺の方も驚く。これまで俺は他人と戦ったことなんてないし、武器もナイフと剣では勝ち目がない。
だが、今の一撃はマグレではなく正確に俺の攻撃が賊の武器に命中していた。
ということは俺の力は職業のやりとりだけではなく、俺自身も強化できるのか?
とはいえ検証は後だ。
俺は武器を失って呆然としている賊に斬りつける。
「ぐわあっ」
賊は一際大きな悲鳴をあげてその場に倒れた。
「大丈夫ですかご主人様!? すみません、自分の戦いに夢中になってしまって……あれ?」
そこへ慌てて戻ってきたリンが、俺と目の前に倒れている賊を見比べて首をかしげる。
「ご主人様ってそんなに強かったでしたっけ?」
「俺も今知った。何にせよ、心配してくれてありがとうな」
「当然です。ご主人様を傷つける者は絶対に許しませんから」
そんなことを話していると、俺たちの逆襲の様子を見て、今度は最初に武器を捨てさせられていた兵士たちも山賊から武器を奪って反撃に出た。
こうなってしまうと戦いは勢いであり、すっかり形勢は逆転してしまう。
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「確かに奴らは非戦闘職だったはずなのに!」
「くそ、いったん撤収だ!」
こうして予想外の反撃に不意を突かれた山賊たちは体勢を立て直せない。
「待て、逃げるな!」
「大人しく投降しろ!」
一方の兵士たちは一度負けかけたことを気にしているのか、恨みを晴らすように執拗に山賊を追いかける。こうして襲い掛かってきた賊のほとんどが負傷か投降したのだった。
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