6 / 61
無職になった男と奴隷少女リン
リンとの出会い
しおりを挟む
そして夕方、ゴルグは部下の他に、見るからに憔悴しきった男女と、俺と同い年ぐらいの娘を連れてくる。
「こっちの男が破産した『宝石商』だ。妻はただの『料理人』だ。大したことない職業だが、多少の返済の足しにはなるだろ」
「ではまず『宝石商』の方からもらおうか」
「あ、ああ」
そう言われても男はイメージが湧かないのか、生返事をする。
「ではこれよりお前の職業をもらう。同意してくれ」
「ああ」
男が頷くと、俺は「宝石商」になり、代わりに男が無職になる。
とはいえ、確かに俺が手に持っている「宝石商」の職業は俺が保持することが出来るようだ。じゃあ俺が「宝石商」になれるのかとも思ったが、俺は職業を持つことが出来ない体質か何かなのか、それは出来なかった。
そのため、俺は「宝石商」ではないが「宝石商」の職業を持っているというよく分からない状況になる。言い換えれば、職業を持っているが効果は発動していないのだ。
これも職業合成師の力に関係があるのだろうか。
「うわ、本当に職業がなくなった……」
生まれたときからずっと人は一つの職業を持つという常識で育ってきたせいだろう、晴れて無職になった男は肩を落とす。
「次はそちらだ」
「は、はい……」
同じようにして俺は妻から「料理人」を受け取る。俺は一人で「宝石商」「料理人」の二つを持っていることになったが、やはりどちらの効果も発動していない。
それが終わると、二人はその少し後ろにいる娘をちらっと見て気まずそうに去っていく。
会話から察するに宝石商の男が何かの取引で失敗し、多額の借金を負って娘を売りに出したがそれでもまだ足りなかったのだろう。
娘を手放した上によそよそしい態度をとるとはあまりに酷い。
とはいえリアナのようにいいやつだと思っていた人もすぐに手の平を返した以上、人というのはそんなものかもしれない。
「おら、リン、早く進め!」
「はい」
ゴルドに怒鳴られ、リンと呼ばれた奴隷の少女は恐る恐る俺の前へ歩いてくる。
粗末な下着に、ボロ布と見間違うようなマントを羽織っただけの格好で、体も汚れていたがその顔は思いのほか綺麗だった。特に首元につけられた首輪と鎖がその立場を如実に表している。
しかし、ちゃんとした服を着せて体をきれいにすれば貴族の令嬢といっても通るのではないか。
そして俺は彼女の職業を見てはっとした。
普通の奴隷かと思えば、「専門奴隷」という初めて聞く職業だったのだ。
俺が沈黙したのを見てゴルドがいぶかしげに尋ねてくる。
「どうかしたか?」
「なあ、こいつはただの奴隷なんだよな?」
「そうだが……やはり奴隷なんていらないと言うのか?」
今更そんなことは許さないぞ、とばかりにゴルドは語気を強める。
普通の「奴隷」は職業として持っていても特に何かがそこまで得意になることもない上に、主人と定められた人間の命令に逆らえなくなるという、本人からすれば最悪の職業だ。
だからゴルドは俺が「やっぱりいらない」と言い出すのではないかと思ったのだろう。
しかしこの反応からするにゴルドは彼女が「専門奴隷」という謎の職業であることは知らないらしい。俺たちが猫を見つけても何の猫かまでは判別できないように、ひとくくりに奴隷とだけ呼ばれていても実は俺にだけ分かるもっと細かい分類があるのだろうか。
余計なことを言って値段を上げられても困るし、ここはそのことは黙っておくか。
「いや、ちょっと彼女は可愛いと思ってな」
「いくら顔が良くても職業が奴隷ではな」
ゴルドはそう言って肩をすくめる。
この世界ではこのように職業差別が横行しているらしい。言われてみれば、夫婦で職業の何となくの価値にそこまで差があることはあまり聞いたことがない。
仮に職業に差があるとしても、価値がない職業を持っている側が地位か富を手に入れた場合、つまり他の何かで職業の差を埋めた場合が多い。
ならば娼館のようなところで働かせればいいかもしれないが、そういうところでも職業は娼婦、もしくは普通の職業が好まれ、奴隷は安いとか。
が、そこでゴルドは下卑た笑みを浮かべて思いもよらないことを言う。
「それなら職業と言わず、彼女自身も買うか?」
「え?」
「お前の力で娼婦とかにすればそれなりに役に立つだろ」
「それは確かにいいかもしれないな」
専門奴隷という他の人からは識別されない職業が何なのか俺は気になったが、俺は職業の効果を試すことは出来ない。ならばリン自身で試してみたいという意味で頷いたのが、会話の流れからすると俺は好色な意図で頷いたようにしか見えないだろう。とはいえそれはそれで話が早いかと思い、特には否定しない。
リンは警戒の表情を浮かべ、ゴルドはさらににやつく。
「いいだろう、とはいえこんな子供じゃ大した値段にならないし、売り先を見つける手間も省けるからこれぐらいでいいぞ」
「分かった」
提示された金額は人間の値段としてはあまりに安かったが、今は好都合だ。
俺は職業の代金と合わせてゴルドに銀貨を渡す。
「と言う訳で今日からお前のご主人様はこの男だ。せいぜい気に入られるようにな」
「は、はい」
そう言ってリンは硬い表情で俺を見た。
「ああ、よろしくな」
「は、はい」
そしてゴルドは俺にリンの首輪から伸びている鎖を渡して去っていった。
「こっちの男が破産した『宝石商』だ。妻はただの『料理人』だ。大したことない職業だが、多少の返済の足しにはなるだろ」
「ではまず『宝石商』の方からもらおうか」
「あ、ああ」
そう言われても男はイメージが湧かないのか、生返事をする。
「ではこれよりお前の職業をもらう。同意してくれ」
「ああ」
男が頷くと、俺は「宝石商」になり、代わりに男が無職になる。
とはいえ、確かに俺が手に持っている「宝石商」の職業は俺が保持することが出来るようだ。じゃあ俺が「宝石商」になれるのかとも思ったが、俺は職業を持つことが出来ない体質か何かなのか、それは出来なかった。
そのため、俺は「宝石商」ではないが「宝石商」の職業を持っているというよく分からない状況になる。言い換えれば、職業を持っているが効果は発動していないのだ。
これも職業合成師の力に関係があるのだろうか。
「うわ、本当に職業がなくなった……」
生まれたときからずっと人は一つの職業を持つという常識で育ってきたせいだろう、晴れて無職になった男は肩を落とす。
「次はそちらだ」
「は、はい……」
同じようにして俺は妻から「料理人」を受け取る。俺は一人で「宝石商」「料理人」の二つを持っていることになったが、やはりどちらの効果も発動していない。
それが終わると、二人はその少し後ろにいる娘をちらっと見て気まずそうに去っていく。
会話から察するに宝石商の男が何かの取引で失敗し、多額の借金を負って娘を売りに出したがそれでもまだ足りなかったのだろう。
娘を手放した上によそよそしい態度をとるとはあまりに酷い。
とはいえリアナのようにいいやつだと思っていた人もすぐに手の平を返した以上、人というのはそんなものかもしれない。
「おら、リン、早く進め!」
「はい」
ゴルドに怒鳴られ、リンと呼ばれた奴隷の少女は恐る恐る俺の前へ歩いてくる。
粗末な下着に、ボロ布と見間違うようなマントを羽織っただけの格好で、体も汚れていたがその顔は思いのほか綺麗だった。特に首元につけられた首輪と鎖がその立場を如実に表している。
しかし、ちゃんとした服を着せて体をきれいにすれば貴族の令嬢といっても通るのではないか。
そして俺は彼女の職業を見てはっとした。
普通の奴隷かと思えば、「専門奴隷」という初めて聞く職業だったのだ。
俺が沈黙したのを見てゴルドがいぶかしげに尋ねてくる。
「どうかしたか?」
「なあ、こいつはただの奴隷なんだよな?」
「そうだが……やはり奴隷なんていらないと言うのか?」
今更そんなことは許さないぞ、とばかりにゴルドは語気を強める。
普通の「奴隷」は職業として持っていても特に何かがそこまで得意になることもない上に、主人と定められた人間の命令に逆らえなくなるという、本人からすれば最悪の職業だ。
だからゴルドは俺が「やっぱりいらない」と言い出すのではないかと思ったのだろう。
しかしこの反応からするにゴルドは彼女が「専門奴隷」という謎の職業であることは知らないらしい。俺たちが猫を見つけても何の猫かまでは判別できないように、ひとくくりに奴隷とだけ呼ばれていても実は俺にだけ分かるもっと細かい分類があるのだろうか。
余計なことを言って値段を上げられても困るし、ここはそのことは黙っておくか。
「いや、ちょっと彼女は可愛いと思ってな」
「いくら顔が良くても職業が奴隷ではな」
ゴルドはそう言って肩をすくめる。
この世界ではこのように職業差別が横行しているらしい。言われてみれば、夫婦で職業の何となくの価値にそこまで差があることはあまり聞いたことがない。
仮に職業に差があるとしても、価値がない職業を持っている側が地位か富を手に入れた場合、つまり他の何かで職業の差を埋めた場合が多い。
ならば娼館のようなところで働かせればいいかもしれないが、そういうところでも職業は娼婦、もしくは普通の職業が好まれ、奴隷は安いとか。
が、そこでゴルドは下卑た笑みを浮かべて思いもよらないことを言う。
「それなら職業と言わず、彼女自身も買うか?」
「え?」
「お前の力で娼婦とかにすればそれなりに役に立つだろ」
「それは確かにいいかもしれないな」
専門奴隷という他の人からは識別されない職業が何なのか俺は気になったが、俺は職業の効果を試すことは出来ない。ならばリン自身で試してみたいという意味で頷いたのが、会話の流れからすると俺は好色な意図で頷いたようにしか見えないだろう。とはいえそれはそれで話が早いかと思い、特には否定しない。
リンは警戒の表情を浮かべ、ゴルドはさらににやつく。
「いいだろう、とはいえこんな子供じゃ大した値段にならないし、売り先を見つける手間も省けるからこれぐらいでいいぞ」
「分かった」
提示された金額は人間の値段としてはあまりに安かったが、今は好都合だ。
俺は職業の代金と合わせてゴルドに銀貨を渡す。
「と言う訳で今日からお前のご主人様はこの男だ。せいぜい気に入られるようにな」
「は、はい」
そう言ってリンは硬い表情で俺を見た。
「ああ、よろしくな」
「は、はい」
そしてゴルドは俺にリンの首輪から伸びている鎖を渡して去っていった。
0
お気に入りに追加
166
あなたにおすすめの小説
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
突然シーカーになったので冒険します〜駆け出し探索者の成長物語〜
平山和人
ファンタジー
スマートフォンやSNSが当たり前の現代社会に、ある日突然「ダンジョン」と呼ばれる異空間が出現してから30年が経過していた。
26歳のコンビニアルバイト、新城直人はある朝、目の前に「ステータス画面」が浮かび上がる。直人は、ダンジョンを攻略できる特殊能力者「探索者(シーカー)」に覚醒したのだ。
最寄り駅前に出現している小規模ダンジョンまで、愛用の自転車で向かう大地。初心者向けとは言え、実際の戦闘は命懸け。スマホアプリで探索者仲間とダンジョン情報を共有しながら、慎重に探索を進めていく。
レベルアップを重ね、新しいスキルを習得し、倒したモンスターから得た魔石を換金することで、少しずつではあるが確実に成長していく。やがて大地は、探索者として独り立ちしていくための第一歩を踏み出すのだった。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える
ジャック
ファンタジー
私立三界高校2年3組において司馬は孤立する。このクラスにおいて王角龍騎というリーダーシップのあるイケメンと学園2大美女と呼ばれる住野桜と清水桃花が居るクラスであった。司馬に唯一話しかけるのが桜であり、クラスはそれを疎ましく思っていた。そんなある日クラスが異世界のラクル帝国へ転生してしまう。勇者、賢者、聖女、剣聖、など強い職業がクラスで選ばれる中司馬は無であり、属性も無であった。1人弱い中帝国で過ごす。そんなある日、八大ダンジョンと呼ばれるラギルダンジョンに挑む。そこで、帝国となかまに裏切りを受け─
これは、全てに絶望したこの世界で唯一の「無」職の少年がどん底からはい上がり、世界を変えるまでの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カクヨム様、小説家になろう様にも連載させてもらっています。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
勇者召喚に巻き込まれたモブキャラの俺。女神の手違いで勇者が貰うはずのチートスキルを貰っていた。気づいたらモブの俺が世界を救っちゃってました。
つくも
ファンタジー
主人公——臼井影人(うすいかげと)は勉強も運動もできない、影の薄いどこにでもいる普通の高校生である。
そんな彼は、裏庭の掃除をしていた時に、影人とは対照的で、勉強もスポーツもできる上に生徒会長もしている——日向勇人(ひなたはやと)の勇者召喚に巻き込まれてしまった。
勇人は異世界に旅立つより前に、女神からチートスキルを付与される。そして、異世界に召喚されるのであった。
始まりの国。エスティーゼ王国で目覚める二人。当然のように、勇者ではなくモブキャラでしかない影人は用無しという事で、王国を追い出された。
だが、ステータスを開いた時に影人は気づいてしまう。影人が勇者が貰うはずだったチートスキルを全て貰い受けている事に。
これは勇者が貰うはずだったチートスキルを手違いで貰い受けたモブキャラが、世界を救う英雄譚である。
※他サイトでも公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる