6 / 45
追放と新天地
ハリス王子
しおりを挟む
「大丈夫か?」
そう言って私の前に降り立ったのは一人の青年でした。鋭い目つきに引き締まった口元という凛々しい顔立ち、体つきも逞しく、腰には上質の剣を帯びています。今は旅装をしていますが、相応の服装を纏えば王族や貴族にも見えるでしょう。
そんな人物がすぐ近くに降りたので思わず心臓が高鳴ってしまいます。
しかもそれだけではありません。隣には彼が今まで跨っていた若い竜がいます。体長は三メートルほどで、一般的にイメージされる竜よりは少し小ぶりですが、鋭い爪と牙、そして体を覆う固い鱗と大きな翼はそのままです。さらに青年によくなついているようで、今も彼の隣で大人しく座っています。基本的には誇り高い種族と言われる竜がここまで人に懐いているのは初めて見たかもしれません。もっとも、竜自体数回ちらっと見たことがある程度ですが。
「は、はい。私は大丈夫です」
突然そんな高貴な男性が隣に現れたので戸惑ってしまい、そんな頼りない答えになってしまいます。こういうとき、もっと堂々と答えられれば良かったのですが。
私の答えを聞いて彼は少し安心したようでした。
「それなら良かった」
が、彼がそう言った時でした。
ブーン、という鈍い羽音とともに先ほど追い散らされた虫が再び群れを作ってこちらに戻ってきます。
「あの、虫が」
「分かってる。安心してくれ」
そう言って彼は剣を抜くと私の前に立ちます。そして虫の群れに向かって目にも留まらぬ速さで剣を振り回します。
素人の私からすると、人間の指ほどの大きさの虫を狙って斬るのは至難の業ですが、彼はいともたやすく次々と虫を斬っていきました。彼が剣を振るうたびにぼたぼたと真っ二つになった虫が落ちていきます。
やがて虫の群れは全滅し、悪い気配も消えてしまいました。その剣裁きは戦闘というよりも演武を見ているかのように美しかったのです。
私はそれをただ感心しながら眺めていることしか出来ませんでした。
「あの、助けていただきありがとうございます」
「いやいや、たまたま通りかかっただけだ」
虫を全滅させた後、彼は先ほどの私と似たようなことを言ってこちらを振り向きます。
「改めて自己紹介をしよう。僕の名はハリス。エルドランの第一王子だ」
「何と!」
その名乗りに私は変な声を上げてしまいました。ネクスタ王国の東側にある隣国のエルドラン王国と言えばこの王国とほぼ同じくらいの大きさです。確かに一目見たときから只者ではないと思っていましたが、まさか隣国の第一王子だったとは。
とはいえ驚きはしたものの、よくよく考えてみると納得でした。
というのも、エルドラン王国は別名竜国とも呼ばれ、竜が守護する国として有名です。そこの王子ともなれば竜を乗りこなしていても不思議ではありません。
が、そこで私は我に帰ります。向こうが名乗った以上私も名乗らなければ無礼です。
「は、初めまして。私は元聖女のシンシアと申します」
「何だと!?」
私の名乗りを聞いて今度はハリス殿下の表情が変わります。まるで殿下の名を聞いた時の私のようです。
「……色々言いたいことがあるが、まずは元聖女というのはどういうことだ? まだ引退する年齢でもないだろう? それにそもそもなぜこんなところにいるんだ?」
「実は、私は聖女の地位についていたのですが、聖女の加護を持っていた訳ではなかったのです」
そう言って私は加護の話とバルク王子との関係がこじれていたところにアリエラが現れ、追い出されたということをかいつまんで話します。それを聞いていたハリス殿下は複雑な表情をしました。
「そうか、そんなことがあったのか。加護が得られるのはネクスタ王国のことだけのことなので神巫についてはよく分からないが、僕はあなたの話を信じよう」
「本当ですか!?」
ハリス殿下とは初対面なのにすぐに信じていただけたことに感動しました。何せ何度も会話したことのあるハリス王子に追放されたのです。その後に初めて話した方に自分の話を信じていただけるとは思いませんでした。
「ああ。僕は相手が信じるに足る人物かどうかはある程度判断出来るつもりだ」
「ありがとうございます」
「とはいえ、自分の勘以外にきちんとした理由もあるのだが」
私がお礼を言うと彼は少し気恥ずかしそうに苦笑します。
「一つ目はこのように邪気をまとった存在が出現しているということ。こんなものが出るという話はこれまであまり聞いたことがなかった。その理由は聖女の交代が神の怒りに触れたと考えると辻褄が合う」
「なるほど」
言われてみればその通りです。
隣国のことなのに鋭い洞察と言わざるを得ません。
「そして二つ目はこちらの事情なのだが、実は今、竜の巫女を探してるんだ」
「竜の巫女と言うと、竜国の守護竜様とお言葉をやりとりする方のことですよね?」
「そうだ」
そういう意味では我が国の聖女と似た役割かもしれませんが、こちらの神様は明確な言葉よりは加護という形で国に恵みをもたらすのに対し、守護竜は竜の巫女と言葉をかわし、その時々に応じた恵みをもたらすと言われています。特に竜国周辺には危険な魔物が棲んでおり、竜の力を借りてその魔物を撃退しているそうです。
そう言えば竜国では昨年巫女の方が病に倒れ、色々大変だという話を聞きました。
「それでこのヘルメスにそれらしい人物がいないか気配を探らせていたところ、こちらから反応があったから来てみたという訳だ」
そう言って彼は軽く竜を撫でます。どうやらこの竜がヘルメスという名のようです。竜だからこそ竜の巫女の素質がある方が分かるということでしょうか。
「なるほど、ではこの近くに竜の巫女候補がいらっしゃるということですね」
すると私の言葉にハリス殿下はぽかんとします。
「何を言っているんだ? 僕は君の話をしているんだが」
「ええ、私ですか!? 私はそもそもエルドランの生まれではありませんが……」
思わぬ展開に目を白黒させてしまいます。
なぜこの国生まれの私が隣国の巫女候補なのでしょうか。
「僕も他国出身の巫女候補は初めて聞くが、別に巫女が我が国出身でなければならないという決まりはない。守護竜様と対話することが出来るならどの国の出身でも大差はない。もっとも、まだ候補というだけで本当にそうなるかは分からないが」
「なるほど」
「とはいえ先ほどこの辺りを守っていた土地神の白熊を鎮めた手腕は見事だった。もしかすると神巫というのは超常的な存在とやりとりすることに長けた加護なのかもしれないな」
殿下の言葉に私は思わず納得してしまいます。そう考えれば神様に祈りを捧げることについて聖女以上の力があるのも説明がつきます。
「言われてみればそうかもしれません……あの時確かにあの熊の声が聞こえた気がしました」
「本当か!? 試しに、ヘルメスが今何を思っているか分かるか?」
言われるがままに私はヘルメスの顔を見てみます。彼は竜のイメージには合わない穏やかな視線で私を見てきます。
するとおもむろに私の脳裏に肉のイメージが浮かんできました。
「えーと……お腹空いた?」
言ってしまってから私は慌てて口を閉じます。ハリス殿下の竜がこの重要な時にそんなことを考えているとは思えません。さすがに少し失礼です。
が、そんな私の問いに彼はははっ、と笑います。
「正解だ。実はこいつは先ほどからずっとお腹を空かしているようでな。しきりに空腹を訴えていたんだ。でも竜の巫女候補に会うまでは、と無理を言って飛ばせていたんだ」
「本当にそうだったのですか!?」
正解してしまった私も驚きます。
「と言う訳で君には素質があることが分かった訳だ。だからもしよろしければ我が国に来てみないか?」
ハリス殿下との出会いは突然でしたが、聖女でなくなった今私に行く当てはありません。とはいえ、このまま故郷に帰れば私が持つ聖女を超えるほどの力を腐らせてしまうことになります。
それに殿下は私のためにわざわざ国境を越えてまで飛んできてくださいました。
だったら私は私を必要としてくれているところに行き、この力を役に立てたいのです。
「はい、では是非お邪魔させていただきます」
「ありがとう」
こうして私は思いがけない経緯で竜国へ赴くことになったのでした。
そう言って私の前に降り立ったのは一人の青年でした。鋭い目つきに引き締まった口元という凛々しい顔立ち、体つきも逞しく、腰には上質の剣を帯びています。今は旅装をしていますが、相応の服装を纏えば王族や貴族にも見えるでしょう。
そんな人物がすぐ近くに降りたので思わず心臓が高鳴ってしまいます。
しかもそれだけではありません。隣には彼が今まで跨っていた若い竜がいます。体長は三メートルほどで、一般的にイメージされる竜よりは少し小ぶりですが、鋭い爪と牙、そして体を覆う固い鱗と大きな翼はそのままです。さらに青年によくなついているようで、今も彼の隣で大人しく座っています。基本的には誇り高い種族と言われる竜がここまで人に懐いているのは初めて見たかもしれません。もっとも、竜自体数回ちらっと見たことがある程度ですが。
「は、はい。私は大丈夫です」
突然そんな高貴な男性が隣に現れたので戸惑ってしまい、そんな頼りない答えになってしまいます。こういうとき、もっと堂々と答えられれば良かったのですが。
私の答えを聞いて彼は少し安心したようでした。
「それなら良かった」
が、彼がそう言った時でした。
ブーン、という鈍い羽音とともに先ほど追い散らされた虫が再び群れを作ってこちらに戻ってきます。
「あの、虫が」
「分かってる。安心してくれ」
そう言って彼は剣を抜くと私の前に立ちます。そして虫の群れに向かって目にも留まらぬ速さで剣を振り回します。
素人の私からすると、人間の指ほどの大きさの虫を狙って斬るのは至難の業ですが、彼はいともたやすく次々と虫を斬っていきました。彼が剣を振るうたびにぼたぼたと真っ二つになった虫が落ちていきます。
やがて虫の群れは全滅し、悪い気配も消えてしまいました。その剣裁きは戦闘というよりも演武を見ているかのように美しかったのです。
私はそれをただ感心しながら眺めていることしか出来ませんでした。
「あの、助けていただきありがとうございます」
「いやいや、たまたま通りかかっただけだ」
虫を全滅させた後、彼は先ほどの私と似たようなことを言ってこちらを振り向きます。
「改めて自己紹介をしよう。僕の名はハリス。エルドランの第一王子だ」
「何と!」
その名乗りに私は変な声を上げてしまいました。ネクスタ王国の東側にある隣国のエルドラン王国と言えばこの王国とほぼ同じくらいの大きさです。確かに一目見たときから只者ではないと思っていましたが、まさか隣国の第一王子だったとは。
とはいえ驚きはしたものの、よくよく考えてみると納得でした。
というのも、エルドラン王国は別名竜国とも呼ばれ、竜が守護する国として有名です。そこの王子ともなれば竜を乗りこなしていても不思議ではありません。
が、そこで私は我に帰ります。向こうが名乗った以上私も名乗らなければ無礼です。
「は、初めまして。私は元聖女のシンシアと申します」
「何だと!?」
私の名乗りを聞いて今度はハリス殿下の表情が変わります。まるで殿下の名を聞いた時の私のようです。
「……色々言いたいことがあるが、まずは元聖女というのはどういうことだ? まだ引退する年齢でもないだろう? それにそもそもなぜこんなところにいるんだ?」
「実は、私は聖女の地位についていたのですが、聖女の加護を持っていた訳ではなかったのです」
そう言って私は加護の話とバルク王子との関係がこじれていたところにアリエラが現れ、追い出されたということをかいつまんで話します。それを聞いていたハリス殿下は複雑な表情をしました。
「そうか、そんなことがあったのか。加護が得られるのはネクスタ王国のことだけのことなので神巫についてはよく分からないが、僕はあなたの話を信じよう」
「本当ですか!?」
ハリス殿下とは初対面なのにすぐに信じていただけたことに感動しました。何せ何度も会話したことのあるハリス王子に追放されたのです。その後に初めて話した方に自分の話を信じていただけるとは思いませんでした。
「ああ。僕は相手が信じるに足る人物かどうかはある程度判断出来るつもりだ」
「ありがとうございます」
「とはいえ、自分の勘以外にきちんとした理由もあるのだが」
私がお礼を言うと彼は少し気恥ずかしそうに苦笑します。
「一つ目はこのように邪気をまとった存在が出現しているということ。こんなものが出るという話はこれまであまり聞いたことがなかった。その理由は聖女の交代が神の怒りに触れたと考えると辻褄が合う」
「なるほど」
言われてみればその通りです。
隣国のことなのに鋭い洞察と言わざるを得ません。
「そして二つ目はこちらの事情なのだが、実は今、竜の巫女を探してるんだ」
「竜の巫女と言うと、竜国の守護竜様とお言葉をやりとりする方のことですよね?」
「そうだ」
そういう意味では我が国の聖女と似た役割かもしれませんが、こちらの神様は明確な言葉よりは加護という形で国に恵みをもたらすのに対し、守護竜は竜の巫女と言葉をかわし、その時々に応じた恵みをもたらすと言われています。特に竜国周辺には危険な魔物が棲んでおり、竜の力を借りてその魔物を撃退しているそうです。
そう言えば竜国では昨年巫女の方が病に倒れ、色々大変だという話を聞きました。
「それでこのヘルメスにそれらしい人物がいないか気配を探らせていたところ、こちらから反応があったから来てみたという訳だ」
そう言って彼は軽く竜を撫でます。どうやらこの竜がヘルメスという名のようです。竜だからこそ竜の巫女の素質がある方が分かるということでしょうか。
「なるほど、ではこの近くに竜の巫女候補がいらっしゃるということですね」
すると私の言葉にハリス殿下はぽかんとします。
「何を言っているんだ? 僕は君の話をしているんだが」
「ええ、私ですか!? 私はそもそもエルドランの生まれではありませんが……」
思わぬ展開に目を白黒させてしまいます。
なぜこの国生まれの私が隣国の巫女候補なのでしょうか。
「僕も他国出身の巫女候補は初めて聞くが、別に巫女が我が国出身でなければならないという決まりはない。守護竜様と対話することが出来るならどの国の出身でも大差はない。もっとも、まだ候補というだけで本当にそうなるかは分からないが」
「なるほど」
「とはいえ先ほどこの辺りを守っていた土地神の白熊を鎮めた手腕は見事だった。もしかすると神巫というのは超常的な存在とやりとりすることに長けた加護なのかもしれないな」
殿下の言葉に私は思わず納得してしまいます。そう考えれば神様に祈りを捧げることについて聖女以上の力があるのも説明がつきます。
「言われてみればそうかもしれません……あの時確かにあの熊の声が聞こえた気がしました」
「本当か!? 試しに、ヘルメスが今何を思っているか分かるか?」
言われるがままに私はヘルメスの顔を見てみます。彼は竜のイメージには合わない穏やかな視線で私を見てきます。
するとおもむろに私の脳裏に肉のイメージが浮かんできました。
「えーと……お腹空いた?」
言ってしまってから私は慌てて口を閉じます。ハリス殿下の竜がこの重要な時にそんなことを考えているとは思えません。さすがに少し失礼です。
が、そんな私の問いに彼はははっ、と笑います。
「正解だ。実はこいつは先ほどからずっとお腹を空かしているようでな。しきりに空腹を訴えていたんだ。でも竜の巫女候補に会うまでは、と無理を言って飛ばせていたんだ」
「本当にそうだったのですか!?」
正解してしまった私も驚きます。
「と言う訳で君には素質があることが分かった訳だ。だからもしよろしければ我が国に来てみないか?」
ハリス殿下との出会いは突然でしたが、聖女でなくなった今私に行く当てはありません。とはいえ、このまま故郷に帰れば私が持つ聖女を超えるほどの力を腐らせてしまうことになります。
それに殿下は私のためにわざわざ国境を越えてまで飛んできてくださいました。
だったら私は私を必要としてくれているところに行き、この力を役に立てたいのです。
「はい、では是非お邪魔させていただきます」
「ありがとう」
こうして私は思いがけない経緯で竜国へ赴くことになったのでした。
32
お気に入りに追加
3,535
あなたにおすすめの小説

「自分より優秀な部下はいらない」と国を追い出されました。それから隣国で大成した私に「戻って来て欲しい」なんてよく言えましたね?
木山楽斗
恋愛
聖女の部下になったレフィリアは、聖女以上に優秀な魔法使いだった。
故に聖女は、彼女に無実の罪を着せて国から追い出した。彼女にとって「自分より優秀な部下」は、必要がないものだったのである。
そんなレフィリアは、隣国の第二王子フォルードによって救われた。
噂を聞きつけた彼は、レフィリアの能力を買い、自国に引き入れることにしたのだ。
フォルードの狙い通り、レフィリアは隣国の発展に大きく貢献した。
それを聞きつけたのか、彼女を追い出した王国は「戻って欲しい」などと言い始めた。
当然、レフィリアにとってそれは不快な言葉でしかない。彼女は王国を批判して、その要求を突っぱねるのだった。

聖女じゃないと追い出されたので、敵対国で錬金術師として生きていきます!
ぽっちゃりおっさん
恋愛
『お前は聖女ではない』と家族共々追い出された私達一家。
ほうほうの体で追い出され、逃げるようにして敵対していた国家に辿り着いた。
そこで私は重要な事に気が付いた。
私は聖女ではなく、錬金術師であった。
悔しさにまみれた、私は敵対国で力をつけ、私を追い出した国家に復讐を誓う!

婚約破棄されたので、聖女になりました。けど、こんな国の為には働けません。自分の王国を建設します。
ぽっちゃりおっさん
恋愛
公爵であるアルフォンス家一人息子ボクリアと婚約していた貴族の娘サラ。
しかし公爵から一方的に婚約破棄を告げられる。
屈辱の日々を送っていたサラは、15歳の洗礼を受ける日に【聖女】としての啓示を受けた。
【聖女】としてのスタートを切るが、幸運を祈る相手が、あの憎っくきアルフォンス家であった。
差別主義者のアルフォンス家の為には、祈る気にはなれず、サラは国を飛び出してしまう。
そこでサラが取った決断は?

異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。

聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています
【完結】無能な聖女はいらないと婚約破棄され、追放されたので自由に生きようと思います
黒幸
恋愛
辺境伯令嬢レイチェルは学園の卒業パーティーでイラリオ王子から、婚約破棄を告げられ、国外追放を言い渡されてしまう。
レイチェルは一言も言い返さないまま、パーティー会場から姿を消した。
邪魔者がいなくなったと我が世の春を謳歌するイラリオと新たな婚約者ヒメナ。
しかし、レイチェルが国からいなくなり、不可解な事態が起き始めるのだった。
章を分けるとかえって、ややこしいとの御指摘を受け、章分けを基に戻しました。
どうやら、作者がメダパニ状態だったようです。
表紙イラストはイラストAC様から、お借りしています。
修道女エンドの悪役令嬢が実は聖女だったわけですが今更助けてなんて言わないですよね
星里有乃
恋愛
『お久しぶりですわ、バッカス王太子。ルイーゼの名は捨てて今は洗礼名のセシリアで暮らしております。そちらには聖女ミカエラさんがいるのだから、私がいなくても安心ね。ご機嫌よう……』
悪役令嬢ルイーゼは聖女ミカエラへの嫌がらせという濡れ衣を着せられて、辺境の修道院へ追放されてしまう。2年後、魔族の襲撃により王都はピンチに陥り、真の聖女はミカエラではなくルイーゼだったことが判明する。
地母神との誓いにより祖国の土地だけは踏めないルイーゼに、今更助けを求めることは不可能。さらに、ルイーゼには別の国の王子から求婚話が来ていて……?
* この作品は、アルファポリスさんと小説家になろうさんに投稿しています。
* 2025年2月1日、本編完結しました。予定より少し文字数多めです。番外編や後日談など、また改めて投稿出来たらと思います。ご覧いただきありがとうございました!

似非聖女呼ばわりされたのでスローライフ満喫しながら引き篭もります
秋月乃衣
恋愛
侯爵令嬢オリヴィアは聖女として今まで16年間生きてきたのにも関わらず、婚約者である王子から「お前は聖女ではない」と言われた挙句、婚約破棄をされてしまった。
そして、その瞬間オリヴィアの背中には何故か純白の羽が出現し、オリヴィアは泣き叫んだ。
「私、仰向け派なのに!これからどうやって寝たらいいの!?」
聖女じゃないみたいだし、婚約破棄されたし、何より羽が邪魔なので王都の外れでスローライフ始めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる