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エピローグⅠ
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さて、そんな我が家の復興が決まると同時にもう一つ大きなニュースがあった。
国内を騒がせ、数多くの家を恐れさせたダンフォード公爵がついにこの世を去ったのである。そしてすぐにクラウスが跡を継いだ。
当初はダンフォード公爵が代替わりしたことにほっとしていた貴族たちだったが、バーンズ家を追い詰めた会議での立ち回りを見ていた貴族たちは友好的に接しながらもクラウスを侮ることはなかったという。
ちなみにバーンズ家が領地を失った後、国内で一人勝ちする形になってしまったクラウスは領地の一部を王国に寄付することでヘイトを避けようとした。
しかし寄付した領地の管理は引き続きバーンズ家に任されるとのことで、抜け目なくやっているようである。
それから数か月後、私たちは元々持っていたターナー家の領地にようやく戻ってくることが出来た。屋敷もダンフォード家が手入れして使っていたようで、多少様相は変わっているもののきれいに残っていた。
兄のクレフトを始め、幼いころに別れたきり遠地に流されていた両親とも久しぶりの再会をすることが出来た。
久しぶりに会った両親はずっと苦労していたためだろう、すっかり老けて見えた。
逆に私も五歳のころ以来だったので、恐らく別人のように見えていただろう。
復興を果たすとクレフトは休む間もなく他の貴族たちを集め、我が家が復活したことを示すパーティーを開催することにした。当然私はそれを間近で手伝うことになった。幸いスコット家でも大きなパーティーや社交会が開かれることはあったので、それを手伝うのは慣れていた。
招待する相手はダンフォード家やスコット家を始めとする今回の騒動に関わった家だけでなく、王国の貴族全員に及んだ。元々ターナー家は大貴族だったためそれくらい影響力のある家だったためである。
そんな訳で私たちは家を復興するだけでも大変なのに大規模なパーティーを開く準備まで必要になり、目が回るような忙しい日々が訪れた。
しかもターナー家に古くから仕えていた家臣たちも実家に戻ったり他家に仕えたりしている者も数多くおり、すぐに全員が戻ってくる訳ではない。
そんな中、準備を積極的に手伝ってくれたのは意外なことにアレク、というよりはバーンズ家の人々だった。
あれからバーンズ公爵は失意とアレクへの怒りが高じたせいなのか病に倒れ、アレクが実質的に当主代行の座についた。
そしてそんなアレクの命を受けて家臣の何人かが我が家に派遣されてきたという訳である。
「すみませんね、色々手伝ってもらって」
アレク本人ならともかく、バーンズ家の家臣には特に恨みはない。
むしろ申し訳なさの方があるぐらいだ。
「我らはアレク様から少しでも他家の役に立ち、我が家の印象をよくせよと命令されておりまして」
そう言って彼らは苦笑いする。
それを聞いて私は少し納得した。確かに今のバーンズ家はこれまでダンフォード家に向けられていた憎しみを一手に向けられている。その印象をよくするには地道な努力が大事なのだろう。もっとも、そうなったのは私のせいも大きいので申し訳なくはあるが。
「そういうことであれば、パーティーでは手伝ってもらったこともさりげなく来客の方々に伝えておきます」
「ありがとうございます」
また、私の第二の実家のようになっているスコット家からは結構なお祝いの品が届いた。お酒やお菓子が多く、是非パーティーに使って欲しいとのことで、そちらにも結構助けられた。
こうして様々な助けがありながらようやく私たちはターナー家の再興を祝うパーティーの準備を無事整えたのだった。
国内を騒がせ、数多くの家を恐れさせたダンフォード公爵がついにこの世を去ったのである。そしてすぐにクラウスが跡を継いだ。
当初はダンフォード公爵が代替わりしたことにほっとしていた貴族たちだったが、バーンズ家を追い詰めた会議での立ち回りを見ていた貴族たちは友好的に接しながらもクラウスを侮ることはなかったという。
ちなみにバーンズ家が領地を失った後、国内で一人勝ちする形になってしまったクラウスは領地の一部を王国に寄付することでヘイトを避けようとした。
しかし寄付した領地の管理は引き続きバーンズ家に任されるとのことで、抜け目なくやっているようである。
それから数か月後、私たちは元々持っていたターナー家の領地にようやく戻ってくることが出来た。屋敷もダンフォード家が手入れして使っていたようで、多少様相は変わっているもののきれいに残っていた。
兄のクレフトを始め、幼いころに別れたきり遠地に流されていた両親とも久しぶりの再会をすることが出来た。
久しぶりに会った両親はずっと苦労していたためだろう、すっかり老けて見えた。
逆に私も五歳のころ以来だったので、恐らく別人のように見えていただろう。
復興を果たすとクレフトは休む間もなく他の貴族たちを集め、我が家が復活したことを示すパーティーを開催することにした。当然私はそれを間近で手伝うことになった。幸いスコット家でも大きなパーティーや社交会が開かれることはあったので、それを手伝うのは慣れていた。
招待する相手はダンフォード家やスコット家を始めとする今回の騒動に関わった家だけでなく、王国の貴族全員に及んだ。元々ターナー家は大貴族だったためそれくらい影響力のある家だったためである。
そんな訳で私たちは家を復興するだけでも大変なのに大規模なパーティーを開く準備まで必要になり、目が回るような忙しい日々が訪れた。
しかもターナー家に古くから仕えていた家臣たちも実家に戻ったり他家に仕えたりしている者も数多くおり、すぐに全員が戻ってくる訳ではない。
そんな中、準備を積極的に手伝ってくれたのは意外なことにアレク、というよりはバーンズ家の人々だった。
あれからバーンズ公爵は失意とアレクへの怒りが高じたせいなのか病に倒れ、アレクが実質的に当主代行の座についた。
そしてそんなアレクの命を受けて家臣の何人かが我が家に派遣されてきたという訳である。
「すみませんね、色々手伝ってもらって」
アレク本人ならともかく、バーンズ家の家臣には特に恨みはない。
むしろ申し訳なさの方があるぐらいだ。
「我らはアレク様から少しでも他家の役に立ち、我が家の印象をよくせよと命令されておりまして」
そう言って彼らは苦笑いする。
それを聞いて私は少し納得した。確かに今のバーンズ家はこれまでダンフォード家に向けられていた憎しみを一手に向けられている。その印象をよくするには地道な努力が大事なのだろう。もっとも、そうなったのは私のせいも大きいので申し訳なくはあるが。
「そういうことであれば、パーティーでは手伝ってもらったこともさりげなく来客の方々に伝えておきます」
「ありがとうございます」
また、私の第二の実家のようになっているスコット家からは結構なお祝いの品が届いた。お酒やお菓子が多く、是非パーティーに使って欲しいとのことで、そちらにも結構助けられた。
こうして様々な助けがありながらようやく私たちはターナー家の再興を祝うパーティーの準備を無事整えたのだった。
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