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第1話
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あ、柳井だ。
珍しく1本早い電車に乗った朝、同じクラスの柳井を満員電車の中で見つけた。
柳井は俺より長身で、整った顔をしていて、色が白く、中性的で・・・、俺の密かな想い人だったりする。
3メートルほどの距離のドア付近にいる柳井はどうも様子がおかしかった。怪訝な表情をしたかと思えば、きょろきょろと周りを見回し、身をよじり、困ったような顔をしたかと思えば俯いてしまった。
まさか、な・・・。
俺がそういう風に想っているからかもしれないが、柳井は美人である。変な気を起こす輩がいてもおかしくない。
満員電車の中、少しずつしか柳井の元へは近づけない。
やっとの思いであと1メートルというところで見てしまった。
柳井の尻に腰を密着させ、両手は既に柳井の下腹部の前にまわしている40代くらいの男。
男の手はここからではよく見えないが、かなり忙しなく上下に動いているようだった。
やばい。
「柳井!次降りるぞ」
「・・・!田島くんっ!?」
残りの距離を強引に詰める。柳井に声をかけながら、男の足を踏み睨みを効かせる。男はすごすごと手を離し俺たちから距離を取っていった。
腹立たしい。
こんな行きずりの男なんかに柳井を好きにされて。
柳井はお前のような痴漢が気軽に触って良い男じゃない。
「田島くん・・・、もしかして見てました・・・?」
俯いた柳井が今にも泣きだしそうな小声で聞いてきたが、駅に到着したので返事の代わりに腕を引いて電車を降りた。
腕を引いて降りたものの、どうしたらよいのか分からず、とりあえず人目の付かない場所を探して目に入った寂れた便所に入る。
「あの、ありがとうございました・・・。」
柳井は鞄で下腹部を隠しながら、おずおずと感謝を口にした。
その顔は羞恥で頬を少し染め、目は潤み、俯きがちだ。それは何とも加虐心をそそるもので・・・。
あのままあの男に好きなようにされていたら、柳井はどうなってしまっていたのだろう。
電車内で好き勝手された?それとも強引にどこかに連れて行かれて犯されていた?それとも・・・。
「あ・・・」
柳井の声で意識が戻る。
「田島くんもその・・・。」
柳井は一層顔を赤らめ、震えた声を響かせる。
言わんとするところが分からず、俺はただただ柳井の潤んだ瞳を見つめた。
「僕を、そういう目で見てるんですか?」
下腹部を指さされ我に返る。
そこは今にもはち切れんばかりに隆起していた。
「い、いや、違うんだ、柳井これは・・・!」
違うことなんて何もない。
俺は柳井が好きだ。もちろんそういった妄想をしたことは1度や2度じゃない。
ついさっきだって柳井が男に犯される妄想をしたばかりだ。
だが、それは柳井を想う気持ちが根底にあるからこそだ。
あの男のように、己の欲だけで柳井を見ているのは違う。
それだけは分かって欲しかった。
なんとか誤解を解こうと言葉を探している俺の頭。
それを真っ白にしたのは、思いがけない柳井の一言だった。
「田島くんも一緒に処理、しますか・・・?」
珍しく1本早い電車に乗った朝、同じクラスの柳井を満員電車の中で見つけた。
柳井は俺より長身で、整った顔をしていて、色が白く、中性的で・・・、俺の密かな想い人だったりする。
3メートルほどの距離のドア付近にいる柳井はどうも様子がおかしかった。怪訝な表情をしたかと思えば、きょろきょろと周りを見回し、身をよじり、困ったような顔をしたかと思えば俯いてしまった。
まさか、な・・・。
俺がそういう風に想っているからかもしれないが、柳井は美人である。変な気を起こす輩がいてもおかしくない。
満員電車の中、少しずつしか柳井の元へは近づけない。
やっとの思いであと1メートルというところで見てしまった。
柳井の尻に腰を密着させ、両手は既に柳井の下腹部の前にまわしている40代くらいの男。
男の手はここからではよく見えないが、かなり忙しなく上下に動いているようだった。
やばい。
「柳井!次降りるぞ」
「・・・!田島くんっ!?」
残りの距離を強引に詰める。柳井に声をかけながら、男の足を踏み睨みを効かせる。男はすごすごと手を離し俺たちから距離を取っていった。
腹立たしい。
こんな行きずりの男なんかに柳井を好きにされて。
柳井はお前のような痴漢が気軽に触って良い男じゃない。
「田島くん・・・、もしかして見てました・・・?」
俯いた柳井が今にも泣きだしそうな小声で聞いてきたが、駅に到着したので返事の代わりに腕を引いて電車を降りた。
腕を引いて降りたものの、どうしたらよいのか分からず、とりあえず人目の付かない場所を探して目に入った寂れた便所に入る。
「あの、ありがとうございました・・・。」
柳井は鞄で下腹部を隠しながら、おずおずと感謝を口にした。
その顔は羞恥で頬を少し染め、目は潤み、俯きがちだ。それは何とも加虐心をそそるもので・・・。
あのままあの男に好きなようにされていたら、柳井はどうなってしまっていたのだろう。
電車内で好き勝手された?それとも強引にどこかに連れて行かれて犯されていた?それとも・・・。
「あ・・・」
柳井の声で意識が戻る。
「田島くんもその・・・。」
柳井は一層顔を赤らめ、震えた声を響かせる。
言わんとするところが分からず、俺はただただ柳井の潤んだ瞳を見つめた。
「僕を、そういう目で見てるんですか?」
下腹部を指さされ我に返る。
そこは今にもはち切れんばかりに隆起していた。
「い、いや、違うんだ、柳井これは・・・!」
違うことなんて何もない。
俺は柳井が好きだ。もちろんそういった妄想をしたことは1度や2度じゃない。
ついさっきだって柳井が男に犯される妄想をしたばかりだ。
だが、それは柳井を想う気持ちが根底にあるからこそだ。
あの男のように、己の欲だけで柳井を見ているのは違う。
それだけは分かって欲しかった。
なんとか誤解を解こうと言葉を探している俺の頭。
それを真っ白にしたのは、思いがけない柳井の一言だった。
「田島くんも一緒に処理、しますか・・・?」
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