相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴

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その後のふたり

悪魔への捧げ物

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 月島の誕生日を近くに控えた、ある日のこと。
 俺は神原と共に駅前の居酒屋を訪れ、頭を抱えていた。


「もうすぐ月島の誕生日らしいが、何をあげていいか分からん」
「篠崎先輩、それマジで言ってるんですか?」

 何てことないぼやきに、神原が心の底から信じられないものを見る目でこちらを見た。
 俺を差し置いて月島が喜ぶものを知っているような神原の態度に、少し機嫌が傾く。

「なんだよ。じゃあお前言ってみろよ」
「決まってるじゃないですか、先輩自身ですよ」

 そう言って、自信に溢れた表情で俺を指さす神原を見て、
「なるほど……!」

 俺は深く頷いた。
 言い忘れていたが、この手にあるのは今日何杯目かも分からない日本酒である。

 こうしてはいられない。善は急げだ。
 早速携帯を取り出して、月島へ電話をかけた。


「月島、喜べ。今度のお前の誕生日、プレゼントが決まったぞ」
「もしかして君、酷く酔っぱらっているのではないか? 呂律が回ってないぞ。酒はほどほどにしろとあれだけ……」

 ぐちぐちと呆れた様子の月島の説教を聞き流して、マイペースに話を続ける。

「俺だ」
「は?」
「プレゼントは俺だ。なんでも言うこと聞いてやるぞ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ」

 俺がそう言うと、何故か電話口の向こうで慌ただしく荷物をひっくり返す音が聞こえてきた。
 数秒の後、再び月島の声が聞こえてくる。


「……もう一回言ってくれるか?」

「何でも、言うこと、聞いてやる。これでいいか?」
「ああ……バッチリだ。――準備しておく」

 言質は取ったぞ。その囁きと共に通話は切られた。

「月島さん喜んでました?」
「……言質とったって」
「ひぇ……篠崎先輩、体張りますね~」

 愛ですねと茶化されて、恥ずかしさを誤魔化すようにグラスをかち合わせる。
 呑気に笑う俺は、地獄の縁に自ら足をかけたことなど露知らずに杯を傾けていた。


 ◆


「さて、思い出していただけただろうか」
「俺の……馬鹿……ッ!!」


 そして迎えた月島の誕生日、11月9日の当日。
 月島の手によって、しっかり録音されていた音声データを聞かされた俺は、心の中で神原に激しく八つ当たりをしていた。
 神原にとってはいい迷惑である。

 ……いや、やっぱりアイツも悪い気がするのだが。


「ぐう……」


 しかし、言ってしまったものは仕方がない。

 月島は、俺が本気で嫌だと言ったら無理強いすることは無いだろう。多分。きっと。……恐らく?
 ちょっと信じきれないが。仮に、思いとどまってくれるとしてもだ。

 せっかくの誕生日なのだ。
 今日くらい、コイツの要求を素直に聞いてやってもいいかもしれない。


(それに……なあ)


 何より、朝から浮足立っていたコイツをがっかりさせるような真似はできなかった。

 ここは男らしく覚悟を決めてやるべきところだろう。
 その結果、男らしくない痴態を晒す羽目になろうとも、だ。

 深呼吸をして腹をくくり、月島へと向き直る。


「俺も男だ、二言はない。泣き言は、言うかもしれないけど……」
「聞き入れなくてもいいか?」
「お前は鬼か? 分かったよ、泣くし叫ぶし喚くかも知らんけど……聞かなくて、いいぞ」

 精一杯の勇気を振り絞った俺の言葉に、月島は至極嬉しそうに破顔する。
 その笑顔を見られただけで、何でもしてやれる気がした。

 開き直って笑い、自ら月島に問いかける。


「それで? お前の願いは何だ」

「君の限界が見たい」
「――――」


 月島の願いは、たった一言で俺を震え上がらせるだけの威力があった。
 あっという間に凍り付いた俺の顔を見て、悪魔がにんまりと口角を吊り上げる。


「ふふ、君をいただけるなんて光栄だね。明日は休みを取っていることだし、たっぷり楽しもうじゃないか」
「お、おう……」

 声を裏返らせた俺に構うことなく、月島は腕を引いて寝室へと向かっていく。
 ベッドに向けて歩を進める間、俺は自ら断頭台に上る時の心境はこんな感じなのだろうかなどと益体の無い考えを抱いていた。




「篠崎君」
「……ッ」


 バタンと扉が閉じられた音に肩を跳ねさせて振り返る。
 いつの間にか月島は、その手に真っ赤な麻縄を握っていた。


 それは、何に、使うのだろうか。


 問いかける前に答えが分かり切っている、絶対藪蛇にしかならない質問が脳内を占める。


「大丈夫、しっかり練習してきたから安心して身を任せてくれ」


 俺の怯えをどう受け取ったのか、月島は慰めにもならない言葉を吐いた。
 恐ろしい笑みを浮かべながらゆっくりと歩み寄ってくる月島に威圧され、思わず後ずさる。

 しかし、すぐに足がベッドの縁へと当たって逃げ場を失ってしまい、息を詰まらせた。


「プレゼントは君なのだろう?ラッピングは自分でさせてもらうから、まずは余計な服を脱いでくれ」
「つ、月島……お前、本気か?」

「私が本気でなかったことなど一度も無いよ。さあ、自分で脱いでくれ」


 低く、甘く囁かれて、スイッチが入る。
 戸惑う心を置いてけぼりにして、身体は月島に征服される悦びを求めていた。

 言われたとおりに、震える手でシャツのボタンを外し、足元に服を脱ぎ捨てていく。
 月島の視線を痛いほど感じながら、インナーを脱ぎ、スラックスを下着と共にずり下ろした。

 そうして一糸まとわぬ姿になった俺を、ジャケットを脱いだだけの月島が見下ろしている。
 それだけで緩く勃ち上がった自身を隠すことも出来ないまま、俺は赤くなった顔を背けてベッドへと潜り込んだ。


「君の身体は、相変わらず素直だな」
「う、うるさい! それで、次はどうすればいいんだよ」
「……いきなり本番というのも悪いからね。まずは簡単な型から披露しようか」

 軽く手を打ち鳴らして、月島は俺の両腕を前に突き出させた。
 緊張で固くなる俺を宥めながら、月島は練習の成果とやらを目の前で披露していく。

 慣れた手つきで縄を操る月島は、みるみるうちに俺の両腕を見事に縄で彩っていった。


「……おお」

 それは、最早芸術の域だった。
 手首から二の腕にかけて、赤い縄がまるで梯子のような網目を形成しつつ俺の両腕を戒めている様は……美しい。そう感じた。
 思わず口から漏れた感嘆の響きに、月島が自慢げに胸を張る。


「やはり君には赤い縄が良く映えるな」


 その言葉に、出会い系サイトで交わしていたDMの一節を思い出した。
 『とーる』が俺だと知らない内から、「君には赤い縄が映えそうだ」などと述べていたこの男は、今までずっと欲望を実現する機会を待ち続けていたのだろうか。何処までも執念深い男である。

 俺の呆れを余所に、月島はせっかく結んだ縄をあっという間に解いて、次々と別の縛り方を披露していく。
 淀みない手つきはプロと呼んでも差支えがない。

 相変わらず、有り余るスペックを無駄遣いしている男に益々呆れかえって溜息を吐いた。


「お前、準備しておくってまさか」
「君に怪我をさせる訳にはいかないからな。その手の教室に通い詰めてきた」
「…………」

 真顔で述べられた言葉に、開いた口が塞がらない。

 なんというか、もう。
 そこまで熱意を見せられると、どうぞ縛ってくれとすら言いたくなってしまう。


「今披露できる簡単な縛り方は以上だな。どうだ、大分慣れてきたか?」
「ああ、まぁ。見た目はえげつないけど痛くも苦しくもないし……縛られ慣れたくもないが、気分は落ち着いてきたよ」
「そうかそうか」

 鷹揚に頷いた月島は、再び腕の縄を解いて手繰りながら、にんまりと微笑んだ。
 その笑顔を見て、落ち着いた気分が再び騒めきだす。
 そうだ。これは準備運動にしか過ぎないのだ。身体が整ったのなら、次は。

「それでは本番と行こうか」
「え、ちょ……っ」

 言うが早いか月島は、俺の両腕を後ろにまとめて縛り上げていく。
 今度は腕だけではなく胴にまで縄をかけられて、息が苦しくなりそうな焦りに襲われた。
 しかし、身体を縛る縄は思いの外心地良く……まるで月島に抱き締められているような錯覚を抱きながら、絡み付いた執着の糸に身を任せた。

「……ぅ」

 念入りになめされた縄が肌を滑り、身体を戒めていく非日常的な体験に、目を細めて陶然と浸り込む。
 なかなか……悪くは、ない。

 けれども、そんな穏やかな気分でいられたのは一瞬のことだった。


「え、おいおいおい、この格好は……ッ」


 突如月島に強要された体勢の恥ずかしさに、身を捩って抵抗を試みる。
 俺の両腕を縛り終えた月島は、あろうことか俺の脚を大きく開かせたのだ。

「大人しくしていてくれ」
「で、できるか! こんな格好で!」
「何でも言うことを聞いてくれるのだろう?」
「…………ッ!!」

 その言葉に、唇を噛んで羞恥を押し殺す。

「う、うぐ」
「なあ、篠崎君……お願いだよ」

 しゅんと眉を垂らした月島は、俺がその顔に弱いことを知った上で、わざとらしくしょぼくれて見せている。
 本当は絶対に落ち込んでなどいない。そう分かっていても、月島の縋るような目に見詰められると、どうしても強く反抗が出来なかった。


 今日だけ。
 今日だけだ。
 今日だけなのだから。

 そう必死で自分に言い聞かせ……俺は、自ら大きく脚を開いた。


 俗に言う、M字開脚というヤツだ。


 こちらが折れた瞬間に、月島は気弱な表情を引っ込めて愉悦で口元を歪めた。
 まるで淫乱さを詰るような瞳で俺を見下し、少し息を荒げて呟く。

「ふ……縛って強要するのもいいが、君が自らそんな格好をしてくれるというのも、そそるな」
「……いいからさっさと縛れよ!」

 人がせっかく譲歩してやっているというのに、手を止めて俺の痴態を愉しむばかりの月島に腹が立って荒い言葉を吐く。
 屹立した自身を月島に見せ付けるようなこの姿勢を維持するのは、酷く精神を消耗した。

 いっそ拘束されていた方が気は楽かもしれない。嫌なのにやらされていると逃げ道を得ることができるのだから。
 そんな言い訳も許されず、先走りで既に濡れそぼった自身を月島の眼前に晒し続けているのは苦痛だった。


 ごくりと生唾を飲み込んだ月島は、無言で俺の脚の間に跪いて、今までの比ではないほど複雑な結び目を形成していく。
 後ろ手に縛った縄を伸ばして脚まで縛り上げられ、やがて俺は一切脚を閉じることを許されなくなってしまった。


「ああ……堪らないね」
「ぅ……ッ」


 縛り終えた俺の全身を、月島が舐めるように見詰めている。
 ねっとりとした視線に全身を犯されていく心地がして、羞恥に涙が滲んだ。

 結び目の1つ1つを愛おしそうに撫でながら、熱っぽい目をした月島が恍惚とした表情を浮かべている。
 その瞳の奥で煮詰められた執着にあてられて、ぞくりと背筋が粟立った。


「これでもう、何処にも行けないな。――聡」
「……ぁ」


 どろどろに蕩けた口調で名前を呼ばれ、言葉を失う。
 何処までも深い独占欲を満たした男は、心の底から満足そうに微笑んでいた。


「今だけは私の物だ、君の身体も、心も、全て……好きにして良いのだろう?」
「……ああ、畜生……! 好きにしろよ……!」


 半ばヤケクソ気味に吐かれた言葉に笑い、月島は俺の唇をついばむ。そして、そのまま首に、胸に、腹に、赤い跡を散らしていく。
 ゆるゆると身を引いていった月島は、最後に股間へ顔を埋め、興奮で打ち震える俺のモノをぺろりと舐めた。

「んあっ……!」

 はじめて与えられた直接的な刺激に、身体が大袈裟な反応を示す。
 しかし、まともに動かせたのは首だけだった。

 これでは抵抗することはおろか、1ミリも逃げることが出来ない。
 そのことに深く実感する。今、俺の身体は、俺の物ではないのだ。

 ……月島の物である。


「――――」

 自らの想像に追い詰められ、ひくりと自身が揺れる。
 月島はこちらの興奮を見通すように舌なめずりしながら、ゆっくりと俺の性器に手を添えた。

 指の節で尿道を押しつぶすように、ゆるゆると先端だけを撫でられ、腰が浮くような快感に襲われる。
 精神的な興奮だけで既に硬くそそり勃っていた自身はそれだけで限界を迎えそうになったが、達する直前で月島の手が離されてしまった。


「うああ……」

 もどかしさに、甘えた声が口から零れる。
 月島はひくひくと波打つ腹部を撫でながら、俺の熱が落ち着くのを待っていた。
 そして波が過ぎ去った頃を見計らって、また手の動きが再開される。

 何度も何度も、昇り詰めては放り出され、落ち着こうとしては嬲られ、中途半端な快楽に理性を侵されていく。


「あぁ……! つき、しま……!!」


 あともう少し触っていて欲しくて、自由にならない身体で足掻く。しかし、身悶えるほど肌に食い込んでいく縄は、腰を揺らすことさえ許してはくれなかった。

 満たされる為には、月島の許可を得るしかない。
 涙の膜が張り始めた瞳で、目の前の男に縋るような視線を送るが、


「さあ、君の限界を見せてくれ」
「――ひっ」


 そこで満面の笑みを見せた月島と目が合い、恐ろしさに喉が引き攣る。

 ……縛られたときから、覚悟はしていた。
 俺が逃げたくなるようなことを、この男はするつもりなのだろうと。

 それでも、月島が満たされるならいいと。
 正直に言えば、この男の執着心に翻弄されるのも悪くないと思っていたけれども。


「…………っ」


 ちょっと手加減してくれと頼んでおけば良かった。
 そう思ったが、全ては手遅れだった。

 月島は恍惚とした笑みを浮かべながら俺を絶頂寸前まで追いやっては、満たされる直前で無慈悲に手を離す。
 苦痛に一筋流れた涙を嬉しそうに舐めとって、先走りで濡れた手を俺の後ろへと這わせた。

「は……はぁ……っ!」
「ふ、後ろにまで垂れてきているぞ」
「誰の、せいだと……!!」

 月島を詰る言葉は、体内に滑り込んできた指によって無理矢理に遮られる。
 知り尽くした場所を我が物顔で進む指先は、的確に俺の弱点を暴き立てていった。


「あ、あう……ひッ」
「そんなに物欲しそうに締め付けないでくれ、今すぐ突っ込んでやりたくなる」
「……うあッ」


 ぐりっと内壁を抉られ、つま先を丸めて身を震わせる。
 いっそさっさと突っ込んでくれと叫び出したくなったが、唇を噛んで耐え忍んだ。

 恨みがましそうな俺の目を見て、月島が昏い光を宿した瞳で微笑んでいる。


「まだまだ余裕そうだな」
「ど、こがだ……!!」


 先走りだけで下半身をぐっしょり濡らし、真っ赤になって羞恥に打ち震える俺を見下ろして、「余裕」と評する月島の神経を疑う。

 しかし、そう遠くない内に俺は嫌でも認めさせられることになる。
 羞恥を感じられていたこの時は、まだ「余裕」であったと……


 ◆




 耐久試験。


 情事には似つかわしくない、そんな単語が脳裏に浮かんでいた。

 試されているのは、俺の理性だ。
 負荷を徐々に強めて、いつか粉々に打ち砕くまで……限界を迎えるまで、この責め苦は終わらないのだろう。


「いや、もぅ、やだぁあ……!!」


 地獄の始まりから寸分違わぬ姿勢のまま、俺は月島に甚振られ続けていた。
 無論、前でも後ろでもイくことはまだ許されていない。

 俺は全身の穴という穴から体液を垂れ流したまま、唯一自由になる口を動かして必死に月島へ限界を訴えていた。


「まだだ、まだ頑張れるだろう?」


 しかし、この地獄から俺を救える唯一の人間は、恍惚とした表情を浮かべて俺を責め苛むばかりであった。
 悲鳴に興奮した様子で、胸に滲んだ汗を舐めとり、軽く歯を立てていく。

「んぁぁ……ッ!!」

 そんな僅かな刺激でも達せそうなほど昇り詰めているというのに、月島はまた張り詰めた熱を放り出して笑った。

 がむしゃらに身体を揺すり、離れていこうとする月島の手に自身を擦りつけようと試みるが、縄が軋むばかりで俺の身体は言うことを聞いてくれない。

 もうどうにかなりそうだった。
 いや、必死で腰を振ろうとしている時点で、とっくにおかしくなっていた。


「ふー……ッは、うぅ……!」


 荒い呼吸を繰り返して苦痛を和らげようとする俺を嘲笑うように、容赦のない鬼は収縮を繰り返す後ろへと手を伸ばす。
 もう何度繰り返されたか分からない責め苦だ。前を、後ろを、交互に何度も何度も嬲られ続けていた。

 たっぷり犯されて抵抗無く月島の指を受け入れた秘部は、指の数本では満足できず、気が狂いそうなほど物足りなさを訴えている。
 月島は俺の限界が見たいとほざいていたが、限界ならとうの昔に迎えていた。

 指なんかでは足りない、もっと強く熱い刺激が欲しくて堪らなかった。


「ゆび、指じゃ嫌だぁ……足りない、ってばぁ……!!」

「もう少し我慢しような」
「も、限界だって、月島ぁ……!!」

 差し込まれた指を締め付けて強請るが、月島は優しく微笑んだまま無慈悲に俺の願いを拒む。
 すっかり快楽に溺れた身体が満たされてしまわないよう、浅いところを抜き差ししては、時たま気まぐれのようにイイところを掠めていった。


「あう……ああっ……! おねが……触って……!!」


 小さく懇願するが、月島は俺の泣き声に陶然と耳を澄ませるばかりで、その願いを聞き届けようとはしない。
 もどかしさでしゃくり上げながら、それでも縋ることしか出来ず、ひたすら言葉を紡いだ。


「頼む……からぁ……! 奥、いれて……前も、触って……ッ!」
「……どうして欲しい?」

「あ、あ……ッおく、もっと奥、きて……! も、イかせてくれ……ぇ!!」

 月島の問いかけに、やっと許してもらえるかもしれないという希望を見出し、直接的な言葉で強請る。
 しかし月島は焦らすようにゆっくりと指を奥まで差し込み、ぴたりと動きを止めた。

「そら、奥まで挿れたぞ……?」
「まだぁ……もっと奥……! なぁ、動いて、なか、気持ちよくして……!!」

 動いてくれない月島の指をぎゅうぎゅうと締め付けて、僅かでも快楽を得ようと死に物狂いで身体を動かす。
 当然その程度では望むような刺激は得られず、俺は汗で湿った髪を振り乱しながら懇願を繰り返した。


「んあああ……ッお願い……! もう、挿れてッ、おまえのをくれよぉ……!!」


 恥じらいをかなぐり捨てた俺の言葉に、月島がぐっと息を詰める。
 ごくりと生唾を飲み込んだ様子と、欲望で歪んだ瞳を目にして……俺は地獄の突破口を見出した気分になった。

 満たされたいのなら、コイツの理性を打ち壊してやればいいのだ。
 俺を焦らしていられないくらい、この男の余裕を削ってやればいい。

 それは諸刃の剣であったが、今の俺にまともな思考能力など残っている訳が無かった。
 とにかく現状から脱却したい。その思いで一杯になっていた。


「つきしまぁぁ……」


 甘ったれた俺の声に、月島が衝動を堪えるように唇を噛む。
 どろどろの欲望を押し込めた上に薄ら笑いを貼り付けてはいるが、視線を下げれば月島のモノがすっかり張り詰めているのがスラックス越しにもハッキリと分かった。


 アレが。
 アレが欲しくて堪らない。


 飢える心に突き動かされ、ひくつく秘部がよく見えるように縛られた脚を胸元まで持ち上げて、淫らに身体を揺らす。


「つき、しま……おねがい、挿れてくれ……もっと奥まで犯してくれよ、なあ……!!」
「……ッ」
「もう、欲しい、お前が欲しくて欲しくて、おかしくなりそうなんだ……ッ」

 
 俺の言葉を聞けば聞くほど、月島が頬を紅潮させて余裕を失っていく。
 もう少しだ、もう少し、強請って、突き崩して、そして――

「おれのこと、めちゃくちゃにしてくれよ……!!」
「さ、とる……」

 熱に浮かされた声で名前を呟いた月島は、手を動かすことも忘れて、俺の痴態を食い入るように見詰めている。

 挿れたくて堪らない。
 そんな顔をしている癖に、未だ動こうとしない男に我慢の限界を迎えて怒鳴りつけた。


「さっさとお前を寄越せって言ってるんだ、亮介ッ! 聞いてるのかよ……!!」
「――――ッ」


 それが理性の糸を焼き切る最後の一押しとなったのか、薄ら笑いをかなぐり捨ててきつく歯を食いしばった月島が、スラックスのファスナーに手をかける。
 ベルトを外す手間すら惜しんでファスナーの隙間から自身を取り出した月島は、俺の腰を抱えて一気に熱を突き入れた。

「あっ、うああ……ひい……ッ!!」

 待ち焦がれた熱と質量に体内を犯され、挿れられただけで果ててしまう。
 それでも、まだまだ足りなくて仕方がない。

 早く、早く、もっと強い快感に翻弄されたい。


「あ、あ、はやく、早く動いて……! おねが……奥、突いて、早く……ぅ!」


 自分が発した言葉のはしたなさも自覚出来ないまま、うわ言のようにひたすら望みを繰り返す。

 この脚と腕が自由であったなら、きっと今頃月島にしがみついて夢中で腰を振っていただろう。
 それが許されていない今の俺には、月島に強請ることしか出来ないのだが。

「君のおねだりには、逆らえないな……!」

 幸い、月島はようやく俺の願いに耳を傾ける気になったようである。
 眉を寄せて衝動を堪えながら、ゆっくりと律動が開始される。


「んあ、うぁぁ……! あっ、あああ……!」

 指では届かない奥の奥まで満たされていく感覚に、開きっぱなしになった口元からだらしなく唾液が溢れ伝っていく。
 垂れ流しになっているのは涙と唾液だけではない。
 浅ましく快楽を求める心の内まで口から溢れ出してしまっていた。


「そこ、きもちい、もっと、ちょうだい……! あう……俺のも、触ってぇ……!」
「どう触って欲しい?」
「先っぽ、ぐりぐりして……あッ、爪立てちゃだめ……!!」
「止めて欲しいのか」

「やだ、やだぁぁ、やめないで……! お願い、りょうすけ……っもっと、もっと、虐めてくれ……ッ!!」
「……素直でいい子だな」


 甘く低い声で褒められて目を細める。
 言葉にすればするほど望んだ快楽を与えられることに気を良くして、俺は羞恥心をかなぐり捨てて欲望を露にした。
 普段なら絶対に言わないような台詞の数々を恥ずかしげもなく口にしてしまうほど……俺の頭には、理性なんて一欠けらも残されていなかった。


「君が好きなことを全部教えてくれ。聡」
「あ……キス、してくれ……! 胸も、弄って……好きだって、言って……ッ」

 欲しいものを素直に強請ると、月島は望みどおり顔を寄せて口付けを降らせた。
 舌を食らうように深く口付けられ、月島に求められる悦びが俺の心を満たしていく。

「んんぅ……!!」

 片手で胸を摘まみ上げられて痛み交じりの快感に襲われるが、叫び声すら月島に食らいつくされてしまった。
 上も下も、前も後ろも、月島で一杯だ。
 全身を余すことなく嬲られ、頭が真っ白になる程の快感を甘受する。


「……好きだよ、聡」
「ぁ――――」


 不意に耳元で囁かれた言葉にぞくりと身が震え、何よりも強い快感で胸が一杯になる。
 がくがくと震える足と濡れた感触を不思議に思って視線を落とせば、気付かぬうちに吐き出していた精が月島の手とシャツを汚していた。


「は……ッ、たくさん出たな」
「う……!」

 月島がべったりと汚れた手を眼前に掲げ、俺に見せ付けるように手の中でぐちゅりと水音を立てた。
 それだけでは飽き足らず、手首を伝っていく白濁を赤い舌で掬い取り、まるで味わうように舌先で転がしていく。

 自らが出した精を目の前で堪能され、俺は忘れていた羞恥心を嫌でも思い出させられた。


「や、やめろ……っ!」
「どうしてだ?もったいないだろう」
「なに、馬鹿なこと言ってるんだよ……!!」

 月島の戯言に、顔を紅潮させて身を捩る。
 しかし、月島は至極真面目な表情でこう宣った。

「君のものなら、なんでも独り占めしていたい。叶うなら、一滴も余さずこの身の一部にしてしまいたいよ」
「……ッ!」

 その言葉どおり、月島は手に付いた白濁をすっかり綺麗に舐めとると、シャツのボタンを外しながら今度は俺の頬にまで舌を這わしていく。
 枯れかけた涙まで奪っていく熱い吐息に、俺は堪らず目を閉じて顔を背けた。

 やがて、満足げに離れていったことを確認して薄く瞼を開くと、目の前にはシャツを脱ぎ捨て、スラックスを膝まで下ろした月島の姿があった。


「は……」

 露わになった月島の肢体を前にして、思わず溜息が漏れる。

 鍛え上げられた身体は力強く、均整が取れていて、どれだけ眺めていても飽きない美しさを保っている。
 見た目だけではない、その肌は滑らかで心地よく、少し高めの体温を持っていることも俺は知っていた。

 ああ、あの広い背中にしがみついて、互いの境目が分からなくなるほどに密着して、肌の熱を分かち合いたい――


「りょう、すけ、お願い……も、解いて」
「痛くなってきたか?」
「ちが……俺も、お前に、触りたい」
「……っ」

 心配そうに俺の様子を伺った月島が、俺の言葉を受けて目を見開き、緩んだ口元を片手で覆い隠す。
 そうして大きな感情の波をどうにか飲み込んだらしい月島は、性急さが滲む手つきで縄の結び目に手をかけた。

 しかし、繋がったままでは上手く身動きが取れないらしい。
 もどかしそうに身をよじった月島は、一度抜くぞと囁いて身体を離した。

「あっ、待って、やだ、抜かないでぇ……!!」

 離れていく熱の心細さに突き動かされ、必死で月島を引き留める。

「しかし……」
「やだ、やだぁ……ッ行くなよ、抜くなぁ……!」
「う……ぐっ、お、おい。分かったから、そんなに締め付けるな……!」

 自分の中から月島の熱が失われることが寂しくて、子どものように駄々をこね、追い縋る代わりに体内の月島をきつく締め上げた。
 眉根を寄せて困った顔をした月島が、根負けして身を引くことをやめ、苦戦しながらも繋がったまま縄を解いていく。

 胸を焼く衝動に我慢が出来ず、解放された側から月島に絡みついていくと、自由を奪われた月島は益々困った顔をして俺を宥めた。


「そ、そんなにしがみつかれては、解けるものも解けないのだが……!」
「はやく、早く……!」
「ま、待ってくれ……!」

 腕の戒めを解いていく月島に脚を絡ませ、お構いなしに腰を振る。
 快感に指先を鈍らせながらも何とか月島が縄を解き切った頃には、互いの息はすっかり上がっていた。

「まったく君は、我がままだな……!!」

 月島の恨み節など俺の耳には全く届いてはいなかった。
 ようやく四肢の自由を取り戻した俺の頭の中には、月島の素肌に触れたいという思いだけしか浮かんでおらず、絡まった縄もそのままに月島の背中にしがみついた。
 腕の中に手に入れた肌の熱の温かさを、逃さないよう強く抱き締める。


「痛……ッ」
「ぁ……ごめん」

 夢中になり過ぎて月島の背に思い切り爪を立ててしまったらしく、月島が痛みに小さく呻く。
 慌てて手を離そうとしたが、それは月島本人の手によって遮られた。

「――いいよ、構わない。私のことも好きにしてくれ」
「亮介……ッ!」

 離しかけた腕を掴まれ、甘く囁かれる。
 月島の許しを得た俺は、遠慮なく目一杯の力で月島に抱き付いた。


「ぐ……動くぞ……!」
「ん、あ――――!!」


 力一杯しがみついていても振り落とされてしまいそうなほど激しい動きに、声にならない声で叫ぶ。
 焦らしに焦らされた身体は貪欲に快楽を拾い上げ、まるでイきっぱなしになっているかのような錯覚すら抱かせられる。

「んあああッ、ひっ、ひいぃ……っ!!」
「は……吸いついてくるようだ……!!」

 ひっきりなしに跳ね動く俺の身体を掻き抱いて、月島が恍惚と呟く。
 その声に隠し切れない劣情を感じ取って、俺は夢中で月島に口付けた。


「あ、イく、イっちゃう……!!」
「私も……もう……ッ」

 月島が苦し気に呻いて俺の体内に熱を吐き出す。
 快感で歪んだ男の顔を見詰めながら、俺も続くように絶頂を迎え――


「あ、ひ、あぁぁ――! あ、もっと、もっと欲しい……!!」
「勿論だ、全然、全然足りないな……!」


 底なしの欲望に突き動かされるまま、どちらからともなく続きへともつれ込んだ。


 ◆


「…………はっ!」

 互いに求め合い、散々貪りあった挙句に半分気を失いかけていた俺は、言い忘れていた言葉があったことを思い出して慌てて飛び起きた。


「どうした?」


 焦った様子の俺に驚き、月島が目を丸くしてこちらを見詰めている。
 俺はそんな月島に構わずベッドの縁へにじり寄り、時計を確認した。

 時刻は、午後11時半を過ぎている。
 だが、まだ11月9日だ。


「月島!」 
「な、なんだ?」

 勢いよく振り向いて腕を掴んだ俺に気圧されて、月島がたじろぐ。
 不思議そうに眼をしばたたかせる男に笑って、俺は大切な言葉を伝えた。


「誕生日、おめでとう」
「……!」


 その言葉に意表を突かれたらしい月島が、目を見開き、そして一瞬の後に破顔した。

「……そういえば、まだ祝いの言葉を聞いてなかったな」
「そうだろ? お前ががっつくからこんなギリギリになったんだぞ」
「私のせいか?」
「絶対そうだろ……」

 責めるような視線を受けても意に介していない様子の月島は、不思議そうに首を傾けている。

 誕生日もあと僅かな時間しか残されていない。
 今更過ぎる祝福に、二人しておかしくなって笑った。
 

「ふ、はは……! しかし、本当に嬉しかったよ。ありがとう、篠崎君」
「まぁ、満足してくれたなら俺も身体を張った甲斐があるよ」

 身体中にくっきりと刻まれた縄の跡から目を逸らし、月島の幸せそうな笑顔だけを目に焼き付ける。
 これほど満たされた顔をしてくれるのなら、年に一回くらい身体を張ってもいいかもしれないとも思ったが……


「来年は別のお願いをしてもいいか?」
「いや、それはちょっと、考えさせてくれ」



 にやりと口元を歪めた月島を見て、そんな思いは胸に押し留めておくことにした。
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