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その後のふたり
指先に宿る愛(神原視点)
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「……おっと」
「ん?」
デスクで昼食をとっていた時のこと。
不意に月島さんが声を上げたので、僕は思わず視線を上げた。
パソコンの向こうに座る月島さんは、少し眉を顰めて指先を睨んでいる。
右手にカッターナイフを持ったまま、左手を眺めているところから察するに、指を切りでもしたのだろうか。
こんな時に篠崎先輩がいれば真っ先に飛んでいくのだろうが、あいにく今は外に出かけている最中だ。
代わりに……という訳ではないが、何となく放っておけなくて、僕は声をかけた。
「大丈夫ですか? 絆創膏ならありますよ」
「いや、問題ない。少し爪が欠けてしまっただけだ」
デスクから引っ張り出した絆創膏を掲げるが、月島さんはひらりと手を振ってそれを断った。
そして、鞄からおもむろに爪切りを取り出すと、パチンと小気味良い音をさせながら爪を整え出す。
「準備いいですねぇ」
「まぁね」
驚いた。月島さんのことは完璧人間だと思ってはいたが、まさか爪切りまで常備しているとは予想していなかった。
もしかしてソーイングセットとかも持っているのだろうか。そんな益体の無いことを考えているうちに、月島さんの爪はどんどん短く切られていく。
やがて、ちょっと深爪過ぎるのではと感じるほど短く爪を切り揃えた月島さんは、それだけでは終わらず、今度はヤスリを取り出して丹念に角を取り始めた。
流石は几帳面な月島さんだ。爪切り1つ取っても妥協を許さない。
……とはいえ、少々気にしすぎではないだろうか。
しきりに爪の先の感触を確かめては唸る月島さんを見て、僕は首を捻った。
「そんなに気になります、爪?」
思わず零れた僕の疑問に、月島さんはにやりと笑って応えた。
「ふ、『男』のマナーだよ」
「……?」
「おや、君もまだ青いようだね。神原君」
意味深に囁かれた言葉の意味をはかりかねて疑問符を浮かべる僕に、月島さんは薄く微笑む。
そんな会話を端から聞いていた女性職員から黄色い声が上がったが、僕にはその理由も分からなかった。
「――と、いうことがあったんですけど」
「……ッ!!」
昼休みが明け、外に出て行った月島さんと入れ替わるようにして帰ってきた篠崎先輩に先ほどの話をしたところ、顔を覆って机に突っ伏してしまった。
不思議に思って理由を問いただそうとしたが、それは何故か周囲の同僚に止められた。
曰く、「そのくらいで勘弁してやれ」とのこと。
どうやら僕以外の人は、月島さんの台詞の意味を察しているらしい。
「どうして赤くなってるんですか、先輩?」
「お前の……ああいや、月島のせいだな、これは……」
珍しく歯切れの悪い篠崎先輩は、何か苦悩するように額を押さえていた。
「妙に意味深に『男』のマナーって言ってましたけど、何なんでしょうか」
「…………ぅ」
こてんと首を傾げた僕を、篠崎先輩は何とも言えない半目で眺めている。
そして、何やら深く考え込んだ後、言いにくそうに口を開いた。
「……神原、お前彼女が居たことは?」
「ありますよ。中学生の頃でしたが」
脈絡のない質問に戸惑いつつ、素直に答えを口にする。
僕の回答を聞いてまた悩み込んだ篠崎先輩は、「中学か……経験あるか微妙だな」などと小声で呟いていたが、何が微妙なのだろうか。
益々不思議に思っていると、決意を固めるように頷いた篠崎先輩が、僕へと語り掛けた。
「その、な。お前の後学のために話すんだが……もし将来彼女が出来たら、お前もちゃんと爪を整えるんだぞ。それが『男』がするべき配慮ってヤツだからな」
「でも篠崎先輩はそこまで熱心に整えてないですよね?」
「バカ、大きな声で言うな! お、俺はちょっと特殊なんだよ……!」
「『男』だと気にしなきゃいけないのに、篠崎先輩は違うんですか?」
「ぐっ……!」
何がそこまで刺さったのか、篠崎先輩は珍しく動揺しきって、助けを求めるように周囲に視線をやっていた。
気の毒なことに、そっと視線を逸らされてしまっているのだが。
誰も助け船を出してくれないと悟った篠崎先輩は、苛立たし気にガシガシと髪を掻き回した後、半分やけっぱちな口調でこう言った。
「ああもう! 恋人は大事にしたいだろ? 傷つけたくないだろ?」
「そうですね」
「だから、爪は、短く丸くしておくんだよ!」
「ちょっと話が飛躍してる気がするんですけど」
「行間を読んでくれよ……!!」
恋人をうっかり傷つけないように爪を短く整えるというのなら、篠崎先輩もそうするべきだろう。
でも、していない。果たして月島さんと篠崎先輩の違いとは何なのか。僕はしばし悩み込んだが、やはり答えは見つからなかった。
まだピンときていない様子の僕を見て、篠崎先輩は天を仰いでいる。
そして、大きな溜息を吐くと、僕の首根っこを引っ掴んで壁際へ引きずり、周囲に聞こえないほどの声量で囁いた。
「恋人同士だと、普通触れないところに触れたりするだろ?」
「はあ」
「その……繊細なところに触れた時、爪の先が荒いと痛いんだよ。だから、さぁ……ちくしょう、なんで俺は職場でこんな話をしてるんだ」
段々尻すぼみになりながらも核心に触れた篠崎先輩は、話の半ばでぐったりと力無く俯いてしまった。
流石の僕も、そこまで言われれば分かった。
月島さんが、あれほど熱心に爪を整えていた理由が。
篠崎先輩の身体を傷つけたくないという、その想いが。
「……!」
途端に、今まで自分がトンデモない質問を繰り返していたことに気が付き赤面する。
篠崎先輩が滅茶苦茶言い淀んでいた訳を理解した。
オマケに、余計なことにまで気付いてしまった。
篠崎先輩は先ほど、「爪の先が荒いと痛い」と言った。触れられる側の、当事者目線ではないと出てこない台詞だ。
その上、少し前には「男だけど自分は特殊だ」とも話していた。
つまり篠崎先輩は、月島さんに『繊細なところ』を触られていて、『男』としての配慮が必要ない立場だという訳で……まあ、そういうことだ。
そして、僕はそんな夜の事情を課内でつまびらかにしてしまった訳で――、
「すっ、すいません! 先輩にとんだセクハラを……むぐッ!」
「いいから、もうお前は黙れ!!」
眦を吊り上げた篠崎先輩が、謝罪の言葉ごと僕の顔面を握り潰す。
顔の形が変わりそうなほどの握力に呻きながらも、文句は言えないなと猛省するのであった。
◆ ◆ ◆
「――おい、亮介」
「なんだい?」
「今日、神原に変なこと言っただろ」
「ん?」
「つ、爪がどう、とか……」
「ああ、ほんの冗談だったのだが」
「お前はいい加減、冗談が下手くそなことを自覚しろ……!!」
「それはすまなかった。――でも、」
ひたり、と濡れた指先が俺の身体に触れる。
反射的に息を詰めた俺に、月島は意地の悪い笑みを向けた。
「今はこちらに集中してくれないか? せっかく爪も綺麗に整えたのだ」
「てめ、全く悪びれてないな……!? ……くっ」
ふてぶてしい男に向けた悪態は、体内に滑り込まされた指先によって遮られる。
繊細なところに潜り込まされたその指は、昼に爪が欠けたことなど感じさせないほど滑らかで。
「どうだ?」と言わんばかりの月島を、俺は精一杯睨み付けた。
指先に宿った愛情を感じて嬉しくなったなど、口が裂けても言ってやらないのだ。
「ん?」
デスクで昼食をとっていた時のこと。
不意に月島さんが声を上げたので、僕は思わず視線を上げた。
パソコンの向こうに座る月島さんは、少し眉を顰めて指先を睨んでいる。
右手にカッターナイフを持ったまま、左手を眺めているところから察するに、指を切りでもしたのだろうか。
こんな時に篠崎先輩がいれば真っ先に飛んでいくのだろうが、あいにく今は外に出かけている最中だ。
代わりに……という訳ではないが、何となく放っておけなくて、僕は声をかけた。
「大丈夫ですか? 絆創膏ならありますよ」
「いや、問題ない。少し爪が欠けてしまっただけだ」
デスクから引っ張り出した絆創膏を掲げるが、月島さんはひらりと手を振ってそれを断った。
そして、鞄からおもむろに爪切りを取り出すと、パチンと小気味良い音をさせながら爪を整え出す。
「準備いいですねぇ」
「まぁね」
驚いた。月島さんのことは完璧人間だと思ってはいたが、まさか爪切りまで常備しているとは予想していなかった。
もしかしてソーイングセットとかも持っているのだろうか。そんな益体の無いことを考えているうちに、月島さんの爪はどんどん短く切られていく。
やがて、ちょっと深爪過ぎるのではと感じるほど短く爪を切り揃えた月島さんは、それだけでは終わらず、今度はヤスリを取り出して丹念に角を取り始めた。
流石は几帳面な月島さんだ。爪切り1つ取っても妥協を許さない。
……とはいえ、少々気にしすぎではないだろうか。
しきりに爪の先の感触を確かめては唸る月島さんを見て、僕は首を捻った。
「そんなに気になります、爪?」
思わず零れた僕の疑問に、月島さんはにやりと笑って応えた。
「ふ、『男』のマナーだよ」
「……?」
「おや、君もまだ青いようだね。神原君」
意味深に囁かれた言葉の意味をはかりかねて疑問符を浮かべる僕に、月島さんは薄く微笑む。
そんな会話を端から聞いていた女性職員から黄色い声が上がったが、僕にはその理由も分からなかった。
「――と、いうことがあったんですけど」
「……ッ!!」
昼休みが明け、外に出て行った月島さんと入れ替わるようにして帰ってきた篠崎先輩に先ほどの話をしたところ、顔を覆って机に突っ伏してしまった。
不思議に思って理由を問いただそうとしたが、それは何故か周囲の同僚に止められた。
曰く、「そのくらいで勘弁してやれ」とのこと。
どうやら僕以外の人は、月島さんの台詞の意味を察しているらしい。
「どうして赤くなってるんですか、先輩?」
「お前の……ああいや、月島のせいだな、これは……」
珍しく歯切れの悪い篠崎先輩は、何か苦悩するように額を押さえていた。
「妙に意味深に『男』のマナーって言ってましたけど、何なんでしょうか」
「…………ぅ」
こてんと首を傾げた僕を、篠崎先輩は何とも言えない半目で眺めている。
そして、何やら深く考え込んだ後、言いにくそうに口を開いた。
「……神原、お前彼女が居たことは?」
「ありますよ。中学生の頃でしたが」
脈絡のない質問に戸惑いつつ、素直に答えを口にする。
僕の回答を聞いてまた悩み込んだ篠崎先輩は、「中学か……経験あるか微妙だな」などと小声で呟いていたが、何が微妙なのだろうか。
益々不思議に思っていると、決意を固めるように頷いた篠崎先輩が、僕へと語り掛けた。
「その、な。お前の後学のために話すんだが……もし将来彼女が出来たら、お前もちゃんと爪を整えるんだぞ。それが『男』がするべき配慮ってヤツだからな」
「でも篠崎先輩はそこまで熱心に整えてないですよね?」
「バカ、大きな声で言うな! お、俺はちょっと特殊なんだよ……!」
「『男』だと気にしなきゃいけないのに、篠崎先輩は違うんですか?」
「ぐっ……!」
何がそこまで刺さったのか、篠崎先輩は珍しく動揺しきって、助けを求めるように周囲に視線をやっていた。
気の毒なことに、そっと視線を逸らされてしまっているのだが。
誰も助け船を出してくれないと悟った篠崎先輩は、苛立たし気にガシガシと髪を掻き回した後、半分やけっぱちな口調でこう言った。
「ああもう! 恋人は大事にしたいだろ? 傷つけたくないだろ?」
「そうですね」
「だから、爪は、短く丸くしておくんだよ!」
「ちょっと話が飛躍してる気がするんですけど」
「行間を読んでくれよ……!!」
恋人をうっかり傷つけないように爪を短く整えるというのなら、篠崎先輩もそうするべきだろう。
でも、していない。果たして月島さんと篠崎先輩の違いとは何なのか。僕はしばし悩み込んだが、やはり答えは見つからなかった。
まだピンときていない様子の僕を見て、篠崎先輩は天を仰いでいる。
そして、大きな溜息を吐くと、僕の首根っこを引っ掴んで壁際へ引きずり、周囲に聞こえないほどの声量で囁いた。
「恋人同士だと、普通触れないところに触れたりするだろ?」
「はあ」
「その……繊細なところに触れた時、爪の先が荒いと痛いんだよ。だから、さぁ……ちくしょう、なんで俺は職場でこんな話をしてるんだ」
段々尻すぼみになりながらも核心に触れた篠崎先輩は、話の半ばでぐったりと力無く俯いてしまった。
流石の僕も、そこまで言われれば分かった。
月島さんが、あれほど熱心に爪を整えていた理由が。
篠崎先輩の身体を傷つけたくないという、その想いが。
「……!」
途端に、今まで自分がトンデモない質問を繰り返していたことに気が付き赤面する。
篠崎先輩が滅茶苦茶言い淀んでいた訳を理解した。
オマケに、余計なことにまで気付いてしまった。
篠崎先輩は先ほど、「爪の先が荒いと痛い」と言った。触れられる側の、当事者目線ではないと出てこない台詞だ。
その上、少し前には「男だけど自分は特殊だ」とも話していた。
つまり篠崎先輩は、月島さんに『繊細なところ』を触られていて、『男』としての配慮が必要ない立場だという訳で……まあ、そういうことだ。
そして、僕はそんな夜の事情を課内でつまびらかにしてしまった訳で――、
「すっ、すいません! 先輩にとんだセクハラを……むぐッ!」
「いいから、もうお前は黙れ!!」
眦を吊り上げた篠崎先輩が、謝罪の言葉ごと僕の顔面を握り潰す。
顔の形が変わりそうなほどの握力に呻きながらも、文句は言えないなと猛省するのであった。
◆ ◆ ◆
「――おい、亮介」
「なんだい?」
「今日、神原に変なこと言っただろ」
「ん?」
「つ、爪がどう、とか……」
「ああ、ほんの冗談だったのだが」
「お前はいい加減、冗談が下手くそなことを自覚しろ……!!」
「それはすまなかった。――でも、」
ひたり、と濡れた指先が俺の身体に触れる。
反射的に息を詰めた俺に、月島は意地の悪い笑みを向けた。
「今はこちらに集中してくれないか? せっかく爪も綺麗に整えたのだ」
「てめ、全く悪びれてないな……!? ……くっ」
ふてぶてしい男に向けた悪態は、体内に滑り込まされた指先によって遮られる。
繊細なところに潜り込まされたその指は、昼に爪が欠けたことなど感じさせないほど滑らかで。
「どうだ?」と言わんばかりの月島を、俺は精一杯睨み付けた。
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