相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴

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挿話 残されたもの

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「それなら……俺は、お前の側には居たくない」

 あの時の、篠崎君の表情が頭から離れない。
 もう二度と見たくないと思っていた、あの傷付いた表情が。



「篠崎君……」

 独りぼっちの病室で零れた呟きは、誰の耳に届くことも無く消えた。

 明日、私は退院となる。
 篠崎君は、喧嘩別れをした日から、一度も姿を見せてはくれなかった。
 彼との別れ際を思うと連絡を取るのも憚られ、電話すら掛けられないまま今日を迎えてしまっていた。
 明日は会社へ退院の挨拶に向かうつもりだ。そこで、否が応でも彼と顔を合わせることになるだろう。
 彼と会うのがとても待ち遠しくて……同時にとても恐ろしかった。
 彼はどんな表情で私を見るだろうか。怒るだろうか。悲しむだろうか。

「……笑って迎えては、くれないだろうな」

 彼が、両親を失った経験から、親しい人間を失うことに激しい恐怖心を抱いているのは知っていた。
 しかし、自分の身を呈しても恋人の無事を願うのは、自然な考えではないだろうか。
 例え私が居なくなっても、幸せに生きて欲しいと願ってはいけないのだろうか。
 自分の全てを相手に捧げて、見返りを求めない。それこそが無償の愛、最も尊い愛情の示し方だと思っていた。

 でも、その結果彼を傷付けてしまった、らしい。
 彼が思い描く愛と、私が彼に捧げてきた愛。そこにどんな差異があるのか。今の私には分からなかった。だからこそ、彼は怒っているのだろう。
 それだけは分かっているだけに、余計彼との向き合い方に悩んでいた。

「やっと退院か。長かったような、短かったような……」

 悩み込んでいる間に夜が明け、カーテンの向こうから薄っすらと朝日が差し込んできていた。結局、一睡もできないまま、両親に伴われて退院の手続きを済ませる。
 久しぶりに自宅へ帰ると、たった二週間程度離れていただけなのに、自宅の玄関が妙に懐かしく感じた。
 篠崎君と二人でこの扉をくぐった日までは、何もかも順調に進んでいたのに。

「玲二は?」

 私の問いかけに両親は揃って首を横に振る。
 あの夜から、玲二の行方は分からなくなっていた。

「そう、か……」

 冷静になった今、玲二の言葉もまた、私の胸に棘となって突き刺さっていた。
 弟に対する思いは複雑だ。先日の出来事は、互いに不幸な事故だったと思っているが、過去に苦しめられてきた記憶は、私の心に澱のように降り積もったままである。
 しかし、あれもまた色々な思いを抱えて生きてきたのだろう。今までそれに向かい合って来なかったのは、私の責だ。

 話し合いたい。

 今度こそ、恨みをぶつけ合うのではなく、言葉を尽くして話し合いたかった。
 今まで自分が押し隠し、伝えてこなかった言葉を伝えたい。聞いてこなかった声を聞かせてもらいたい。
 玲二とも、篠崎君とも。最も、それが何時になるか分からなかったが。

「……」

 物思いに耽りながら階段を上り、自室の扉を開ける。
 そこで私は、部屋の中を見て固まった。

「……な、に」

 そこには見慣れた――しかしこの部屋には無い筈の荷物が置かれていたからだ。
 私が彼の部屋に持ち込んだ、私物の数々。シャツに、ネクタイに、枕に、下着もブランケットも歯ブラシもワックスもペンの一本さえ余さず、全て。

 ……全て、返されていた。

 呼吸すら忘れ、硬直した身体の中で、心臓だけが早鐘を打ち続けている。
 下手な拒絶の言葉よりも余程堪えた。
 彼の心に踏み込んでいた自分の存在を根こそぎ否定され、隣に居ることを許されなくなってしまった気がして、身を切り裂かれる思いがした。

「……っ」

 力無く歩み寄り、呆然と荷物を見下ろす。その荷物を片付ける気には、なれなかった。
 これは、彼から私に対する、別れの意思表示なのだろうか。

「いや、違う。篠崎君は……!」

 呆気なく自分を見放すほど、冷たい人間じゃない。
 彼は偽悪的に振る舞っているが、情の深い人間だ。ただ一度の間違いを許さないような男じゃない。……はず、だ。

「……ぐ」

 それでも、不安は拭い切れなかった。
 先に手を離したのはお前の方だと、彼は言っていた。
 本当に、まだ愛想を尽かされていないと思ってもいいのだろうか。この気持ちは、まだ彼に拒まれていないと言えるだろうか。

「…………」

 元はと言えば、私が半ば強引に推し進めて来た恋だ。
 彼に愛されている自信が、無かった。

「明日、どんな顔で君に会えばいいのだろう……」

 布団に倒れ伏し、半ば意識を失うようにして眠りにつく。
 結局、それは悩むだけ無駄だったのだが。

 ◆

 翌日。
 挨拶の為に赴いた職場に、篠崎君の姿は無かった。
 最初は外出しているのかと思っていたが、予定表を見て休みを取っていると知った。
 彼の顔が見られなくて落ち込みながらも、どこか安堵している自分がいることに驚いた。
 まさか、彼に会えなくて喜ぶ日が来るなど、想像もしていなかった。

(もしかしたら、避けられているのかもしれないが)

 それは、あまり考えないようにしていた。
 課内の人間に話を聞いたところ、彼と私で協力して進めていたプロジェクトは、昨日終局を迎えたという。
 偶然、休みと被ってしまったのだろう。そう思い込んで内心の焦りから目を逸らしていたが、そんな浅はかな現実逃避は、神原君の言葉によって打ち砕かれた。

「篠崎君が、長期休暇に……?」

 告げられた事実に呆然と立ち尽くす。
 聞けば、彼は昨日から十日間の長期休暇に入ったらしい。それほどまで、私に会いたくないのだろうか。

「ええ、月島さんには会いたくないそうですよ」
「なっ……」

 奇しくも、胸中の疑問に答えを突き付けられる。
 彼は、実に素っ気ない態度で、私と目を合わせようとすらしなかった。

「少し遠出してくると聞きました」
「行き場所は」
「さあ?」
「……」

 妙に刺々しい対応に面食らう。神原君は、たじろぐ私を上目遣いで睨みつけて言った。

「月島さんが知らないなら、誰も知ってる訳ないじゃないですか。まあ、もし知ってても教えませんけど」
「……!?」

 彼に向けられたのは、あからさまな敵意だ。
 我が目を疑いたくなるが、神原君は怒っているようだった。

 普段あれほど篠崎君にこき使われ、私に振り回され、同僚にいじられても、困った顔をして受け流すだけだった彼が、こうも明瞭に怒りを露にするなんて。
 それほど私は、彼の不興を買うような真似をしてしまっただろうか。

「なんで僕が怒っているのか、分からないって顔ですね」

 様子を伺う私の姿が、更に彼を刺激してしまったようだ。
 あからさまに侮蔑の表情を浮かべて、神原君は舌打ちを零した。

「貴方は、篠崎先輩を泣かせました」

 いつもの調子からは考えられないほど平坦な声で、彼は話し続ける。

「あの人を散々苦しめておいて、やっと目を覚ましたと思ったら更に傷付けて、僕の前で取り繕えないほどぼろぼろにして。篠崎先輩を幸せにすると言っていたくせに。何ですかその体たらくは」

 正面からなじられ、頭を打ち据えられたような衝撃が走る。
 そこまで篠崎君を傷付けてしまっていたのか、私は。

「……」

 何も言えずに押し黙る私の胸に、何かが突き付けられる。
 それは、真っ白な封筒だった。


「あの人の気持ちを、少しは味わってください」


 渡された封筒は、裏も表も何も書いていない。
 猛烈に、嫌な予感がした。

「僕は中身を見ていませんが、書かれているのは恐らく――」

 神原君の言葉も待たずに、爪の欠けた指先で封を切る。封筒の中には、三つ折りの紙が一枚だけ入っていた。
 早まる鼓動を感じながら、紙を開いていく。
 そこには、たった一行。


『ひとりで幸せになってみやがれ』


 書き殴られていた。
 荒い筆跡に息が詰まる。彼に見放された気がして、頭が真っ白になった。

「別れの挨拶、でしょうね」

 畳みかけるような神原君の言葉が、深く胸に突き刺された。

「どう、して……?」

 呆然と手紙を握りしめ、神原君の顔を見詰める。
 だが、彼の顔には何の感情も浮かんでいなかった。

「先にあの人の手を離したのは、貴方ですよ」
「……」

 あの日、篠崎君にも言われた言葉だ。
 もう、何も言うことが出来なかった。
 俯く私を見て、神原君が溜息を吐く。
 逡巡の後、幾分か口調を和らげて彼が口を開いた。


「……一週間です」
「……は」
「一週間、貴方は篠崎先輩を苦しめた。これはその報いです」
「君は、何を知っているんだ? 篠崎君は、何を言っていたんだ……?」

 私の縋るような問いに、神原君は応えない。
 思わず、その肩を掴んで強く揺さぶる。しかし、彼は全く意に介さずに目を閉じた。

「僕が貴方を助ける理由なんてありません。あの人を泣かせた罪は重いですよ、月島さん」
「分かっている、分かっているが……!」
「何も分かっていないです。僕は貴方の味方じゃない、篠崎先輩の味方なんですよ」

 それは。
 神原君が、篠崎君の為に動いているとしたら。
 私に何も知らせず、姿をくらませたいというのが、彼の望みなのだろうか。

 嫌だ。胸中に、その言葉だけが溢れ出す。
 嫌だ、嫌だ、嫌だ。
 彼の顔が見られないなんて、彼の声が聞けないなんて、彼の温もりを感じられないなんて、嫌だ。

「……ッ」

 慌てて職場を飛び出していく私の背を、神原君が冷たい瞳で見送っていた。

 ◆

 電車に乗り、彼の住むマンションを目指して歩く。
 いつも心弾ませて歩いていた道のりだが、今は酷く気分が重たい。
 道中、何度も何度も彼に電話をかけたが、繋がることは無かった。
 無駄だと分かりつつも確かめずにはいられず、彼の部屋のチャイムを鳴らす。

 無反応だ。
 一拍置いて再度ボタンを押し込んだが、彼の声が聞こえてくることは無かった。

「……」

 結局、私は何も出来ないまま自宅へと帰ってきていた。
 目に見えて憔悴している私を見て、両親は事故の影響を心配していた。傷の心配をされたが、身体の痛みなど、彼を失った大きさに比べたら無に等しい。
 心配をさせたくなくて、大丈夫だと述べたが、両親を信じさせることは出来なかった。
 あれほど頑なに被っていた完璧な仮面が、今は見る影もなく剝がれ落ちてしまっていた。

(今日も、連絡はないか……)

 味のしない食事を噛み、体力を戻すため機械的に身体を動かし、包帯を取り換えて眠るだけの日々を送りながら、暇さえあれば暗いままの携帯の画面を眺め続けていた。
 しかし、二日、三日と時を重ねても、彼から何の音沙汰も無い。
 まるで以前の空虚な自分に戻ってしまったような気がして、徐々に足元が崩れていくような恐怖に襲われていた。


「……そうだ」

 久方ぶりに篠崎君の調査報告書を読み返そうとして、机の引き出しを開ける。今はすっかり解消されていた、昔の悪癖だ。
 現実逃避の為に思い出に浸ろうとして、報告書が、無いことに気が付いた。

「な……!」

 慌てて引き出しの中身をひっくり返し、ノートの間まで綿密に確認していく。
 何度確かめても報告書は、無い。

「何故……」

 そこで、ぷつりと気力が途絶えてしまった。
 呆然と椅子に崩れかかり、両手を垂らしたまま宙を見詰める。
 時計の音だけが聞こえる部屋で、無為に流れる時間がひんやりと身体の芯まで冷やしていく。
 気を紛らわそうにも、どんなふうに一人の時間を過ごしていたかなんて、もう忘れてしまった。彼が居ない時間を、どう過ごしていいか分からなかった。

「……そうか」

 私は、こんな寂しさを彼に味わわせていたのか。
 これは確かに、顔を合わせたら怒りたくもなる――
 そう考えた瞬間、彼の言葉を思い出した。

 「取り残される孤独をお前も味わってみろよ」と。
 「…………ッ」

 そういうこと、だったのか。
 これは意趣返し、もしくは、感情の機微に疎い私への荒療治と言った方が良いだろうか。
 彼の詰問する声が聞こえてくる気がした。

 「ひとり残された気分はどうだ?」と。

「こんな……」

 こんな苦しみを彼に与えてしまったことが、申し訳なかった。
 静かな寂しい部屋でもう一度手紙を眺める。


『ひとりで幸せになってみやがれ』


「…………なれるものか」

 そう、言いたいのだろう。彼も。

 自惚れても、いいのだろうか。
 私が居なくては彼も幸せになれないなんて、傲慢な考えを抱いてもいいのだろうか。
 今、私が彼の居ない部屋で打ちひしがれているように、彼も私が居なくて苦しんだと考えても許されるのだろうか。
 彼に助けてもらう価値が、頼る権利が自分にはあると思い上がっても、いいのだろうか。

「…………ぁ」

 ふと思い立ち、手を付けずに放置していた机の上の荷物を確認する。
 篠崎君の部屋に持ち込んでいた私物の数々。それは全て返されたと思っていたが。

「……無い」

 ただ一つ、彼の元に残されていた。
 君を想う私の心の表れだと言って手渡した、あのプルースタイトだけは。


「――――」


 深い安堵感に脱力し、床へと座り込む。
 私の気持ちは、まだ彼の側にあることを許されている。そして、ようやくまともに思考が動き出した。
 手紙を受け取った時の神原君の言葉を思い出す。

 一週間、彼をひとりにしたと言っていた。
 私が意識を失い、彼の語りかけに応えず眠り続け、彼を孤独に追いやった一週間だ。
 彼はやられたらやり返す人間だ。更に言うなら、やられた分だけやり返す人間でもある。妙にフェアなところがあるのだ。

 ……一週間経ったら、きっと顔を出してくれるのだろう。

「……信じて、いる」

 それまで私は、ゆっくり自分を見詰め直すことに決めた。
 次に会った時、彼にしっかりと向き合う為に。
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