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20. 馬子にも衣装というか
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百合子の家は和洋折衷の屋敷で、増改築により東側にはダンスホールも備え付けてある。会場はすでに招待客が溢れかえり、ボーイに招待状を見せて中に入った。
「多いですね」
詠介のつぶやきに同意し、パーティーの主役である百合子の姿を探す。
彼女は奥で招待客の対応に追われているようだった。彼女の横には、微笑みを絶やさない婚約者の八尋の姿もある。
(挨拶は後にしたほうがよさそうね……)
きらめくシャンデリアの下、色とりどりの華やかなドレスが目を引く。絃乃は自分の衣装を見下ろし、色味を抑えすぎたかもと後悔した。
夜会巻きの下には、星空をイメージした藍色の夜会服。後ろのスカートにはボリュームがあり、年配の淑女たちは孔雀の扇を片手に談笑している。
男性は燕尾服に身を包んでおり、詠介も例外ではない。
(ああ、まさか……詠介さんの燕尾服を見ることができるなんて……)
白い蝶ネクタイに白いベスト、黒のジャケットとズボンに白のポケットチーフ。自然と着こなしている姿もポイントが高い。
自分の連れの姿にときめいていると、陽気な声がかかる。
「よっ!」
声のほうに振り返れば、髪を後ろに撫でつけて固めた篝が片手を挙げていた。
いつものくたびれたスーツではなく、品のよいグレーの三つ揃いは、借り物の服を着てきたような印象がぬぐえない。
「どうして、篝さんが……?」
「百合子お嬢さんの父君から招待されたんだよ。ダンスは参加しないけどな」
篝は上から下まで一通り眺めると、にやりと笑う。
「なかなか似合っている。馬子にも衣装というか」
「それって、褒めてないじゃないですか」
「おかしいな。褒めているつもりだったんだけど」
昔なじみに会ったように話し込んでいると、横から詠介の声が割って入る。
「お二人は仲がいいんですね」
「……誰だ?」
「初めまして。絃乃さんのパートナーで、佐々波といいます」
握手を求められているのに気づき、篝が上着の裾で手を軽くぬぐって、その手を重ねる。
(不思議な光景だわ……攻略キャラクターと案内役の出会いを見ているなんて)
ゲームではお目にかかれないシーンだ。ある種の感動を胸に抱いていると、詠介がキラキラのエフェクトを背景に微笑んだ。
「……失礼ですが、お名前を伺っても?」
「あ、ああ。篝だ。新聞記者をやっている」
「そうなんですね」
いやいや、あなた、知っているでしょう。
攻略対象の基本情報など、ゲーム案内役の彼なら当然把握しているはずだ。初対面の篝に配慮しての挨拶だとわかるが、脳内ツッコミは止まらない。
(というか、雰囲気がいつもより刺々しい……? そりゃ、ヒロインの恋の相手候補だったけど、今はもう専用ルートだし、ゲームの障害になる可能性はほぼゼロなのに)
もしかして篝の行動で、決められたシナリオが狂う可能性を危惧しているのだろうか。
顎に手を当てて真剣に悩んでいると、おっとりとした声が現実に引き戻す。
「そんなに難しい顔をして、どうなさったの?」
「……雛菊。それに百合子も……」
「こんばんは。来てくれたのね。嬉しいわ」
百合子は、首元までレースで覆った紅のドレスを纏い、扇を片手に持っている。
反対に雛菊は胸元の開いた琥珀色のドレスに、膝下には黄緑の薄いレースが重ねてあり、可愛らしいデザインだ。
「それで、絃乃さんのパートナーはどなたなのかしら?」
代表して百合子が尋ねると、篝と対峙していた詠介が名乗りを上げる。
「僕です」
「まあ、あなたが?」
「はい。佐々波詠介と申します。ご友人方もどうぞお見知りおきを」
百合子は扇を広げ、驚いたように目を瞬かせている。
(無理もないわね。私が逆の立場だったら、絶対驚いていたと思うし)
いくらなんでも、ゲーム案内役が友人の知人だったとは思わなかっただろう。雛菊は興味深そうに、目礼する詠介を不躾に観察している。
その向こうで、篝がそろりと後退していくのが見えた。この場にいては女性陣の好奇の視線にさらされると思ったのだろう。賢明な判断といえる。
ふと雛菊が口を開きかけたところで、彼女を呼ぶ声が背後からした。
「ああ、雛菊さん。ここにいたんですね」
そこには二十代後半の優男がいた。燕尾服を着こなし、口元には小さな笑みを浮かべている。温厚そうな表情だが、初めて見る顔だ。
疑問が顔に出ていたのだろう。雛菊が慌てて彼の横に並ぶ。
「百合子、絃乃。……紹介するね。こちら、朽葉公隆さん。わたくしの婚約者よ。お仕事は警官で、八等警部でいらっしゃるのよ」
「ご紹介に与りました、朽葉です。どうぞよろしく」
軽く頭を下げて挨拶する彼は一見、穏やかだが、キビキビとした動作は職業の賜物だろうか。隙のない動きに圧倒されていると、百合子が口を開く。
「朽葉様のお話はかねがね……とても優しい方だと伺っておりますわ」
「そう言われると、面映ゆいものですね。私も雛菊さんからお二人の話をよく聞いておりますよ。絃乃さんの弟君についても……。及ばずながら、私も彼の力になりたいと思っています」
「あ、ありがとうございます」
申し出に面食らいながらお礼を述べていると、それまで無言で成りゆきを見守っていた詠介が小声で囁く。
「すみません。お客人の中に取引先の方がいるので、挨拶に行ってきますね」
「ああ、はい。わかりました」
大人は大変だ。社交辞令をしたり、相手の自慢話に相づちを打ったり、やりたくないことも愛想笑いでごまかして生きていかなければならない。
今は女学生の身だから挨拶回りも大してないが、他人事でいられる時間も少ないだろう。
去っていった詠介の後ろ姿を見送っていると、見慣れないボーイが近くにいた。年若い少年は真面目な顔で、淡々と用件を話す。
「実は、旦那様からお嬢様のご友人である絃乃様に、ぜひお目にかけたいものがあると。恐縮ですが、ご足労願えないでしょうか?」
「……わかりました」
ボーイのエスコートで、会場の外に出る。
百合子の父親は気さくな人で、海外で手に入れた珍しい舶来品をよく見せてくれる。今日も何か特別な品が手に入ったに違いない。
けれど、いつものように応接室に行くのかと思いきや、漆喰の壁に囲まれた土蔵の前に来ていた。
閂を開けて扉が開くと、奥には闇が広がるばかり。幽霊が出そうな雰囲気に怖じ気づきそうになっていると、ボーイはすたすたと闇の中に入っていく。仕方なしに後ろをついていくと、先に入っていたはずの彼の姿が見えない。
(明かりがないと、目当ての品物もわからないんじゃないかしら)
気配をたどろうと、ゆっくり奥まで足を進めたところで、不意に外の明かりが小さくなる。なんだろうと振り返れば、扉が閉まるところだった。呆然とその様子を見つめていると、扉が完全に閉まってしまう。
そこでようやく、閉じ込められた、という事実に遅れて気づく。
(……うう。一生の不覚! これじゃ、ゲームどおりに私は消される運命に? いやいや、そんなの願い下げなんですけど!)
断固として、不幸なナレーションがつく未来はいらない。
隠しキャラクターの書生は葵だと思っていたが、もしや彼の好感度が足りなかったか。もしくは回避イベントを起こしていなかったからか。
(謎解きイベントは、ヒロインである百合子じゃないとクリアできないってこと?)
所詮、今の自分はヒロインの友人という脇キャラクターである。好感度調整や、それに伴う専用イベントはヒロインでなければできない、ということか。
しかし、まだ諦めるのは早い。脇キャラクターとはいえ、前世の知識でここまでやってきた。実っていない恋もある。
こんなところで閉じ込められている場合ではないのだ。
絃乃は扉を開こうと指に全力を入れるが、重い扉は女の力ではびくともしない。
「誰か! 誰かいますか!?」
大声で助けを呼ぶが、当然ながら返る声はない。
目の前はどこまでも続く暗闇。埃っぽい空間の中、一人きりだ。
もう、手遅れなのかもしれない。すべてはゲームのシナリオどおりに、途中退場となるのだろう。ヒロインでもない自分を助けてくれるヒーローなんて、来るはずがないのだから。
一気に不安が体を駆け抜け、目尻に涙がたまる。
「……っ……」
諦めと悲しみで胸が支配されて、その場にうずくまる。すると、前触れもなく開かずの扉が開いた。
扉の隙間から光が差し込み、思わず目を細める。
「そこにいるのは絃乃さんですか?」
「……詠介、さん……」
彼はどこか焦ったような顔で、しゃがみ込んだ絃乃のもとへ駆け寄る。
「どこか痛いですか? 立てますか?」
「……どうしてここに……助けに来てくれたんですか?」
おそるおそる尋ねると、彼はこくりと頷く。それから手を差し伸べられ、自分の手をそっと重ねる。ぐいっと力任せに引っ張られ、彼の胸になだれ込むような形になる。
(助けに……来てくれた)
感動に胸を震わせていると、不意に視界が暗くなる。
左右を見渡すと、先ほど開いたはずの扉が閉まるところだった。思わず腕を伸ばすが、無情にも扉は閉ざされて、閂が通されたような音が絶望に落とす。
詠介が扉を開けようと何度か試みるが、扉が開くことはなかった。
「多いですね」
詠介のつぶやきに同意し、パーティーの主役である百合子の姿を探す。
彼女は奥で招待客の対応に追われているようだった。彼女の横には、微笑みを絶やさない婚約者の八尋の姿もある。
(挨拶は後にしたほうがよさそうね……)
きらめくシャンデリアの下、色とりどりの華やかなドレスが目を引く。絃乃は自分の衣装を見下ろし、色味を抑えすぎたかもと後悔した。
夜会巻きの下には、星空をイメージした藍色の夜会服。後ろのスカートにはボリュームがあり、年配の淑女たちは孔雀の扇を片手に談笑している。
男性は燕尾服に身を包んでおり、詠介も例外ではない。
(ああ、まさか……詠介さんの燕尾服を見ることができるなんて……)
白い蝶ネクタイに白いベスト、黒のジャケットとズボンに白のポケットチーフ。自然と着こなしている姿もポイントが高い。
自分の連れの姿にときめいていると、陽気な声がかかる。
「よっ!」
声のほうに振り返れば、髪を後ろに撫でつけて固めた篝が片手を挙げていた。
いつものくたびれたスーツではなく、品のよいグレーの三つ揃いは、借り物の服を着てきたような印象がぬぐえない。
「どうして、篝さんが……?」
「百合子お嬢さんの父君から招待されたんだよ。ダンスは参加しないけどな」
篝は上から下まで一通り眺めると、にやりと笑う。
「なかなか似合っている。馬子にも衣装というか」
「それって、褒めてないじゃないですか」
「おかしいな。褒めているつもりだったんだけど」
昔なじみに会ったように話し込んでいると、横から詠介の声が割って入る。
「お二人は仲がいいんですね」
「……誰だ?」
「初めまして。絃乃さんのパートナーで、佐々波といいます」
握手を求められているのに気づき、篝が上着の裾で手を軽くぬぐって、その手を重ねる。
(不思議な光景だわ……攻略キャラクターと案内役の出会いを見ているなんて)
ゲームではお目にかかれないシーンだ。ある種の感動を胸に抱いていると、詠介がキラキラのエフェクトを背景に微笑んだ。
「……失礼ですが、お名前を伺っても?」
「あ、ああ。篝だ。新聞記者をやっている」
「そうなんですね」
いやいや、あなた、知っているでしょう。
攻略対象の基本情報など、ゲーム案内役の彼なら当然把握しているはずだ。初対面の篝に配慮しての挨拶だとわかるが、脳内ツッコミは止まらない。
(というか、雰囲気がいつもより刺々しい……? そりゃ、ヒロインの恋の相手候補だったけど、今はもう専用ルートだし、ゲームの障害になる可能性はほぼゼロなのに)
もしかして篝の行動で、決められたシナリオが狂う可能性を危惧しているのだろうか。
顎に手を当てて真剣に悩んでいると、おっとりとした声が現実に引き戻す。
「そんなに難しい顔をして、どうなさったの?」
「……雛菊。それに百合子も……」
「こんばんは。来てくれたのね。嬉しいわ」
百合子は、首元までレースで覆った紅のドレスを纏い、扇を片手に持っている。
反対に雛菊は胸元の開いた琥珀色のドレスに、膝下には黄緑の薄いレースが重ねてあり、可愛らしいデザインだ。
「それで、絃乃さんのパートナーはどなたなのかしら?」
代表して百合子が尋ねると、篝と対峙していた詠介が名乗りを上げる。
「僕です」
「まあ、あなたが?」
「はい。佐々波詠介と申します。ご友人方もどうぞお見知りおきを」
百合子は扇を広げ、驚いたように目を瞬かせている。
(無理もないわね。私が逆の立場だったら、絶対驚いていたと思うし)
いくらなんでも、ゲーム案内役が友人の知人だったとは思わなかっただろう。雛菊は興味深そうに、目礼する詠介を不躾に観察している。
その向こうで、篝がそろりと後退していくのが見えた。この場にいては女性陣の好奇の視線にさらされると思ったのだろう。賢明な判断といえる。
ふと雛菊が口を開きかけたところで、彼女を呼ぶ声が背後からした。
「ああ、雛菊さん。ここにいたんですね」
そこには二十代後半の優男がいた。燕尾服を着こなし、口元には小さな笑みを浮かべている。温厚そうな表情だが、初めて見る顔だ。
疑問が顔に出ていたのだろう。雛菊が慌てて彼の横に並ぶ。
「百合子、絃乃。……紹介するね。こちら、朽葉公隆さん。わたくしの婚約者よ。お仕事は警官で、八等警部でいらっしゃるのよ」
「ご紹介に与りました、朽葉です。どうぞよろしく」
軽く頭を下げて挨拶する彼は一見、穏やかだが、キビキビとした動作は職業の賜物だろうか。隙のない動きに圧倒されていると、百合子が口を開く。
「朽葉様のお話はかねがね……とても優しい方だと伺っておりますわ」
「そう言われると、面映ゆいものですね。私も雛菊さんからお二人の話をよく聞いておりますよ。絃乃さんの弟君についても……。及ばずながら、私も彼の力になりたいと思っています」
「あ、ありがとうございます」
申し出に面食らいながらお礼を述べていると、それまで無言で成りゆきを見守っていた詠介が小声で囁く。
「すみません。お客人の中に取引先の方がいるので、挨拶に行ってきますね」
「ああ、はい。わかりました」
大人は大変だ。社交辞令をしたり、相手の自慢話に相づちを打ったり、やりたくないことも愛想笑いでごまかして生きていかなければならない。
今は女学生の身だから挨拶回りも大してないが、他人事でいられる時間も少ないだろう。
去っていった詠介の後ろ姿を見送っていると、見慣れないボーイが近くにいた。年若い少年は真面目な顔で、淡々と用件を話す。
「実は、旦那様からお嬢様のご友人である絃乃様に、ぜひお目にかけたいものがあると。恐縮ですが、ご足労願えないでしょうか?」
「……わかりました」
ボーイのエスコートで、会場の外に出る。
百合子の父親は気さくな人で、海外で手に入れた珍しい舶来品をよく見せてくれる。今日も何か特別な品が手に入ったに違いない。
けれど、いつものように応接室に行くのかと思いきや、漆喰の壁に囲まれた土蔵の前に来ていた。
閂を開けて扉が開くと、奥には闇が広がるばかり。幽霊が出そうな雰囲気に怖じ気づきそうになっていると、ボーイはすたすたと闇の中に入っていく。仕方なしに後ろをついていくと、先に入っていたはずの彼の姿が見えない。
(明かりがないと、目当ての品物もわからないんじゃないかしら)
気配をたどろうと、ゆっくり奥まで足を進めたところで、不意に外の明かりが小さくなる。なんだろうと振り返れば、扉が閉まるところだった。呆然とその様子を見つめていると、扉が完全に閉まってしまう。
そこでようやく、閉じ込められた、という事実に遅れて気づく。
(……うう。一生の不覚! これじゃ、ゲームどおりに私は消される運命に? いやいや、そんなの願い下げなんですけど!)
断固として、不幸なナレーションがつく未来はいらない。
隠しキャラクターの書生は葵だと思っていたが、もしや彼の好感度が足りなかったか。もしくは回避イベントを起こしていなかったからか。
(謎解きイベントは、ヒロインである百合子じゃないとクリアできないってこと?)
所詮、今の自分はヒロインの友人という脇キャラクターである。好感度調整や、それに伴う専用イベントはヒロインでなければできない、ということか。
しかし、まだ諦めるのは早い。脇キャラクターとはいえ、前世の知識でここまでやってきた。実っていない恋もある。
こんなところで閉じ込められている場合ではないのだ。
絃乃は扉を開こうと指に全力を入れるが、重い扉は女の力ではびくともしない。
「誰か! 誰かいますか!?」
大声で助けを呼ぶが、当然ながら返る声はない。
目の前はどこまでも続く暗闇。埃っぽい空間の中、一人きりだ。
もう、手遅れなのかもしれない。すべてはゲームのシナリオどおりに、途中退場となるのだろう。ヒロインでもない自分を助けてくれるヒーローなんて、来るはずがないのだから。
一気に不安が体を駆け抜け、目尻に涙がたまる。
「……っ……」
諦めと悲しみで胸が支配されて、その場にうずくまる。すると、前触れもなく開かずの扉が開いた。
扉の隙間から光が差し込み、思わず目を細める。
「そこにいるのは絃乃さんですか?」
「……詠介、さん……」
彼はどこか焦ったような顔で、しゃがみ込んだ絃乃のもとへ駆け寄る。
「どこか痛いですか? 立てますか?」
「……どうしてここに……助けに来てくれたんですか?」
おそるおそる尋ねると、彼はこくりと頷く。それから手を差し伸べられ、自分の手をそっと重ねる。ぐいっと力任せに引っ張られ、彼の胸になだれ込むような形になる。
(助けに……来てくれた)
感動に胸を震わせていると、不意に視界が暗くなる。
左右を見渡すと、先ほど開いたはずの扉が閉まるところだった。思わず腕を伸ばすが、無情にも扉は閉ざされて、閂が通されたような音が絶望に落とす。
詠介が扉を開けようと何度か試みるが、扉が開くことはなかった。
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