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「225話」
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ぱっと見は被害が無さそうに見えるけど……くそう、米軍もフェイスガード着けているから表情が分からんのよな。
怒っているのか……それとも。わからんっ。
「お、おぉぉ??」
いっそ逃げるか……なんて考えていると、それまで俺を黙っていた米軍から急に大きな歓声が上がった。
歓声だ。罵倒なんかではない。どうやらやらかしてはいなかったらしい。
「げ」
そして俺は歓声を上げる米軍に囲まれもみくちゃにされる事になる。
逃げようにも後ろは灼熱地獄と化している。下手に避けたらみんなそこに突っ込みかねない。
「ちょ、何言ってんかわっかんない」
当然だけどみんな英語で話してるから何いってるかまじでわからん。
時々放送禁止用語が混ざってるのは分かるけど、それだけ分かっても意味ないし。
てかマイクを押し付けるんじゃねーですわ。嚙んじゃうぞ。
「お前ら落ち着け! 島津さんが困っているだろう!」
ほんとだよっ。
「一体どういうことなの」
とりあえずウィリアムさんがその場は収めてくれたので、どうにか囲みから抜け出せた。
しかし、この反応は予想外だ。てっきりドン引きして恐れられるとか覚悟してたんだけどなー。
「うちの連中がすみませんね……我々もレベルが上がり、多少強くなってはいますがあんな戦いは出来ませんからね。あれはそれこそ映画なり、アニメなり映像の中でしか見られない光景です」
「まあ、ですよね」
なるほど?
あれか、色々ぶっ飛びすぎて映画なりアニメなり見ている気分になったとか?
それでこの盛り上がりってことか……ああ、でもよく見ると中にはドン引きしてそうな人もいるな。表情は分からないけど、距離とってるし。
まあ、全員がああならなかったから、よしとしよう。
「ところで島津さん……」
ん?
急に改まってどうした、ウィリアムさん。
引き抜きは勘弁な。
「失礼ですが、いまレベルはおいくつですか?」
なるほど、そっちか。
大体のレベルは伝わってそうだけどー……まあ、隠すもんでもないか。
「ん。28ですね」
「28……我々の倍、ですか」
倍ってことはウィリアムさん達は14ってことか。
階層と同じレベルかー……アマツ基準では適正レベルだけど、装備整ってないっぽいし、そらキツイわな。
ん…・・まあ、それはウィリアムさんも分かってるんだろうな。
「装備が気になりますか?」
さっきからこっちの装備じーって見てるもんね。
「あ、はい……正直言うとかなり気になっています」
ふむ。
ならばこっちも見せてあげよう。
と言っても端末見せるぐらいだけどね。
……こんなんで尻尾直挿し事件がチャラになるとは思わないけど、まあちょいちょい向こうのお願いは聞いてこうと思う。ばれた時が怖いし。ほんと不幸な事故だった。
さて、端末をウィリアムさんに渡してっと。
どんな反応するかなーって、がっつり食いついてるね。
装備欄……主にカードの項目を真剣に見てる。
「……とんでもない数のカードですね」
「集められるだけ集めましたから」
カードがあるかないかで、結構戦力変わるからね。
レベル1は微妙でもレベル2とかになるとかなり有用なカードあるからさ。
俺もクロもそれは分かってるから、実は極小ダンジョン以外にもちょいちょい潜ってカード集めてたりするんだ、
おかげで空きスロットは結構埋まってる。
と、言ってもやっと7割埋まったかなーってぐらいだけど。
それでも米軍からみたら異常な枚数に見えるんだろう。
ウィリアムさんの額にうっすらと汗が浮かんでる。
自分たちがこれだけの枚数カード集めたら、どんだけ苦労するかとか考えてるのかな。
……あー。人数少なめでいくとカードが出る確率上がるよーって教えたほうが良いかなあ?
んー。さすがにこれは隊員さん達と相談してからだな。うん、そうしよう。
「でも枚数で言えば隊員さんも結構多いですよね?」
「まあ、ここに居る面子はそうだな。ただ全員がそうと言うわけではないぞ?」
あ、そうなのか。
あれかな、先行組にカード集めてるとかだろうか。
米軍でやってみるのもありかもね?
「レベルと装備が不十分なのは、分かっていたことなんですけどね……」
端末を見終えた
ウィリアムさんが、小さく息を吐いて、呟くように話す。
その顔はすごく複雑そうだ。色々あるんだろうねえ、色々。
例えば? とか言われると困るけど。
色々だよ、色々。
「突き上げがキツいので?」
「ええ、まあ」
そうそう、都丸さん。そういうの。
いや、まて。突き上げきついって、ポーション取ってくるの強制したりするとアマツから怒られるんでないのか? ポーションの効果でなくなっても知らんぞ。
その辺の情報がアメリカでは出回ってないのだろうか。
「これが負傷した者が実際に死ぬのであれば話は違ったのでしょうが、死なない以上は多少無理をしてでも……と」
「強制されている訳では無いのですが……まあ、色々とありまして」
ふーむ。
ちょっと気になって聞いてみたけれど、強制ではない……確かに強制ではないのだけど、自主的に潜るように仕向けてる感じ?
「最初はまだ良かったんですが、最近は死亡する者も多く、さらにはリタイアする者が続出しまして……」
「そりゃあ……」
思っていたよりなかなか厳しい状況だ。
もし尻尾直挿し事件がなければ……いや、さすがにそこまで変わらないか。
てか死亡者も出てるのか……実際には死んでないのだけどね。相当厳しい戦闘を繰り返してるってことだろう。
……うん、期間中は出来るだけ手伝うようにしよう。引き抜きは受けんけどなっ。
「デスペナは1レベルダウンかー」
「下手すりゃカードの効果無効になるし、装備の改造も1段階下がると……」
その後もウィリアムさん達と色々話していたのだけど、デスペナについて情報を貰うことができた。
実は俺とクロもだけど、自衛隊にも死者は出てないんで、その辺りの情報をあまり知らなかったんだよな。
まあ、一般の参加者には死者も出ているだろうし、そっちから情報は上がってるから……隊員さんはもう知ってるんだろうけどね。
てか1レベルダウンは地味にキツイ気が……いや、そうでもない?
数日あれば取り戻せる程度だし、キツすぎず緩すぎずで丁度良いかもね。
改造についてはレベル上がればすぐ戻せるし。
カードの効果無効ってのは……レベル3のカードをセットできるスロットは、レベル15にならないと無いわけで、仮にレベル15だった人がレベルダウンしてレベル14になったら、そのレベル3のスロットにセットしたカードが外れるからだ。
勿論外れるからといって、落としたりとかそんな心配はしなくても大丈夫。ちゃんと端末内に残ってるそうな。
「精錬はそのままなのは温情か」
「精錬値まで下がったら暴動もんですわ」
心配してた装備の精錬については影響はないそうだ。
ただでさえ、精錬値を上げるのきついのに、デスペナで精錬値下がったりしたらもうね……それで精錬しなおそうとして、さらに精錬値が下がったりなんかした日にゃあ……ねえ?
怒っているのか……それとも。わからんっ。
「お、おぉぉ??」
いっそ逃げるか……なんて考えていると、それまで俺を黙っていた米軍から急に大きな歓声が上がった。
歓声だ。罵倒なんかではない。どうやらやらかしてはいなかったらしい。
「げ」
そして俺は歓声を上げる米軍に囲まれもみくちゃにされる事になる。
逃げようにも後ろは灼熱地獄と化している。下手に避けたらみんなそこに突っ込みかねない。
「ちょ、何言ってんかわっかんない」
当然だけどみんな英語で話してるから何いってるかまじでわからん。
時々放送禁止用語が混ざってるのは分かるけど、それだけ分かっても意味ないし。
てかマイクを押し付けるんじゃねーですわ。嚙んじゃうぞ。
「お前ら落ち着け! 島津さんが困っているだろう!」
ほんとだよっ。
「一体どういうことなの」
とりあえずウィリアムさんがその場は収めてくれたので、どうにか囲みから抜け出せた。
しかし、この反応は予想外だ。てっきりドン引きして恐れられるとか覚悟してたんだけどなー。
「うちの連中がすみませんね……我々もレベルが上がり、多少強くなってはいますがあんな戦いは出来ませんからね。あれはそれこそ映画なり、アニメなり映像の中でしか見られない光景です」
「まあ、ですよね」
なるほど?
あれか、色々ぶっ飛びすぎて映画なりアニメなり見ている気分になったとか?
それでこの盛り上がりってことか……ああ、でもよく見ると中にはドン引きしてそうな人もいるな。表情は分からないけど、距離とってるし。
まあ、全員がああならなかったから、よしとしよう。
「ところで島津さん……」
ん?
急に改まってどうした、ウィリアムさん。
引き抜きは勘弁な。
「失礼ですが、いまレベルはおいくつですか?」
なるほど、そっちか。
大体のレベルは伝わってそうだけどー……まあ、隠すもんでもないか。
「ん。28ですね」
「28……我々の倍、ですか」
倍ってことはウィリアムさん達は14ってことか。
階層と同じレベルかー……アマツ基準では適正レベルだけど、装備整ってないっぽいし、そらキツイわな。
ん…・・まあ、それはウィリアムさんも分かってるんだろうな。
「装備が気になりますか?」
さっきからこっちの装備じーって見てるもんね。
「あ、はい……正直言うとかなり気になっています」
ふむ。
ならばこっちも見せてあげよう。
と言っても端末見せるぐらいだけどね。
……こんなんで尻尾直挿し事件がチャラになるとは思わないけど、まあちょいちょい向こうのお願いは聞いてこうと思う。ばれた時が怖いし。ほんと不幸な事故だった。
さて、端末をウィリアムさんに渡してっと。
どんな反応するかなーって、がっつり食いついてるね。
装備欄……主にカードの項目を真剣に見てる。
「……とんでもない数のカードですね」
「集められるだけ集めましたから」
カードがあるかないかで、結構戦力変わるからね。
レベル1は微妙でもレベル2とかになるとかなり有用なカードあるからさ。
俺もクロもそれは分かってるから、実は極小ダンジョン以外にもちょいちょい潜ってカード集めてたりするんだ、
おかげで空きスロットは結構埋まってる。
と、言ってもやっと7割埋まったかなーってぐらいだけど。
それでも米軍からみたら異常な枚数に見えるんだろう。
ウィリアムさんの額にうっすらと汗が浮かんでる。
自分たちがこれだけの枚数カード集めたら、どんだけ苦労するかとか考えてるのかな。
……あー。人数少なめでいくとカードが出る確率上がるよーって教えたほうが良いかなあ?
んー。さすがにこれは隊員さん達と相談してからだな。うん、そうしよう。
「でも枚数で言えば隊員さんも結構多いですよね?」
「まあ、ここに居る面子はそうだな。ただ全員がそうと言うわけではないぞ?」
あ、そうなのか。
あれかな、先行組にカード集めてるとかだろうか。
米軍でやってみるのもありかもね?
「レベルと装備が不十分なのは、分かっていたことなんですけどね……」
端末を見終えた
ウィリアムさんが、小さく息を吐いて、呟くように話す。
その顔はすごく複雑そうだ。色々あるんだろうねえ、色々。
例えば? とか言われると困るけど。
色々だよ、色々。
「突き上げがキツいので?」
「ええ、まあ」
そうそう、都丸さん。そういうの。
いや、まて。突き上げきついって、ポーション取ってくるの強制したりするとアマツから怒られるんでないのか? ポーションの効果でなくなっても知らんぞ。
その辺の情報がアメリカでは出回ってないのだろうか。
「これが負傷した者が実際に死ぬのであれば話は違ったのでしょうが、死なない以上は多少無理をしてでも……と」
「強制されている訳では無いのですが……まあ、色々とありまして」
ふーむ。
ちょっと気になって聞いてみたけれど、強制ではない……確かに強制ではないのだけど、自主的に潜るように仕向けてる感じ?
「最初はまだ良かったんですが、最近は死亡する者も多く、さらにはリタイアする者が続出しまして……」
「そりゃあ……」
思っていたよりなかなか厳しい状況だ。
もし尻尾直挿し事件がなければ……いや、さすがにそこまで変わらないか。
てか死亡者も出てるのか……実際には死んでないのだけどね。相当厳しい戦闘を繰り返してるってことだろう。
……うん、期間中は出来るだけ手伝うようにしよう。引き抜きは受けんけどなっ。
「デスペナは1レベルダウンかー」
「下手すりゃカードの効果無効になるし、装備の改造も1段階下がると……」
その後もウィリアムさん達と色々話していたのだけど、デスペナについて情報を貰うことができた。
実は俺とクロもだけど、自衛隊にも死者は出てないんで、その辺りの情報をあまり知らなかったんだよな。
まあ、一般の参加者には死者も出ているだろうし、そっちから情報は上がってるから……隊員さんはもう知ってるんだろうけどね。
てか1レベルダウンは地味にキツイ気が……いや、そうでもない?
数日あれば取り戻せる程度だし、キツすぎず緩すぎずで丁度良いかもね。
改造についてはレベル上がればすぐ戻せるし。
カードの効果無効ってのは……レベル3のカードをセットできるスロットは、レベル15にならないと無いわけで、仮にレベル15だった人がレベルダウンしてレベル14になったら、そのレベル3のスロットにセットしたカードが外れるからだ。
勿論外れるからといって、落としたりとかそんな心配はしなくても大丈夫。ちゃんと端末内に残ってるそうな。
「精錬はそのままなのは温情か」
「精錬値まで下がったら暴動もんですわ」
心配してた装備の精錬については影響はないそうだ。
ただでさえ、精錬値を上げるのきついのに、デスペナで精錬値下がったりしたらもうね……それで精錬しなおそうとして、さらに精錬値が下がったりなんかした日にゃあ……ねえ?
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