216 / 304
「216話」
しおりを挟む「ダンジョンの中に入るのは、翌日からだ。まずメンバーを決めるのと、俺たちは装備を整えるのもあるな」
「装備?」
なんだろ。アメリカの兵士の服に着替えるとか?
いや、それはさすがに無いな。隊員さんはいつもの自衛隊の恰好でいくだろうし。
「今回、俺たちがするのは特大ダンジョンだ。島津であれば普段の装備でも問題はないだろうが……用意しておくに越したことはない」
「確かに」
ああ、そうか。特大ダンジョンなのね。
なんだっけ、身体能力があがる……それこそドラゴンカードみたいな効果がついてるんだっけ?
さすがにそこまでいくと、つけたほうが良い気がするね。
これもアメリカが用意してくれるんだろうか? それとも自前?
自前だとかなーりポイント使う気がするんだけど、どうすんだろ。
50人分の装備揃えるのって、半端じゃなくポイント使うと思うんだけどなあ。
まあ、ついたら現地で話あるじゃろ。
さ、ねよねよ。寝ておきたらアメリカだ!
「飛行機の後は車かあ」
ついたけど、まだ移動しないといかんみたい。
さすがにちょっと疲れてきたぞう。
「3時間ぐらいで着くようだ」
「地味に遠いな」
2~300キロぐらい離れてるんかね?
アメリカの速度制限とか知らんから、いまいち分からんね。
道中は初めてきた土地ということもあり、風景を眺めるだけでもそれなりに時間を潰すことができた。
体感的には思ったより早く目的地へとたどり着く。
「ダンジョン周辺の施設を借りてるみたいっすね」
「そこで寝泊りするのかな?」
「ああ」
特大ダンジョンができたのは、それなり規模の街中らしい。
ダンジョン周辺には日本と同様に、関連する施設が作られ、もしくは借り上げているようで、俺たちが泊まる宿もそこにあるそうだ。
「なんかずいぶん立派なホテルで……」
わー。
超でけえホテルだ……プールとかついてるんですけど、ここ泊まっていいのか。
嬉しいけど、立派すぎて逆に落ち着けなさそう。
そのうちダンジョン引きこもっちゃうぞ。
……まあ、ぼーっと見ていてもしかたない。とりあえず荷物置くかね。
すごい上の階だったわ!
無駄に広くて豪華な部屋なもんで、これを一人で使うのはちょっと……いや、かなり気が引けるぞ。
寝るだけならぶっちゃけ四畳半もあれば十分なのよな。
まあ、用意してくれた以上は泊まるっきゃないけど……荷物おいて集合場所に向かうか。
集合場所……まあ、一階のロビーなんだけどね。ロビーに向かうとそこにはもう隊員さん達が集まっていた。はやいよ。
「14時から顔合わせだ。その後はこれからの予定について説明。そして飯だな」
ふむふむ。
「ダンジョンは明日からなんすね」
まだ昼だから、てっきり潜るのかなーと思ったら、違ったんね。
「移動で疲れているだろうと、気を使ってくれたんだろう。一応な」
なるほど。
確かにずっと移動だったし、疲れてはいるもんなあ。
ポーション飲めば肉体的な疲労は消えるけどね、精神的な疲れはなかなかね。
空港の人ごみの中を移動したりとか、荷物もって順番待ちしたりとか、結構疲れるんよ。
とりあえず顔合わせだっけ? さくっと終わらせて、ご飯にしたいところである。
説明中うっかり寝そうなのが怖いね。
時間になったので、隊員さん達の後ろをついていくと、何やらちょっとしたホールに案内された。
立食パーティーとかやる場所? そんな感じのところだ。
俺たちが入ったときには既に先客がいた。
まあ、アメリカのダンジョン攻略組だね。その数ざっと……200人ぐらい? 結構いるね。
「みたことある面子がいるなあ」
その中には、前に日本のダンジョンにきた人の姿もあった。全員ではないけど……半分もいないかな?
隊長の……なんだっけ、ウィリアムさんだったかは居る。あと、俺とクロに突っかかってきた例の隊員もいた。なんか雰囲気変わってるねえ、すっかりベジタリアンになってそう。あ、目が合った……青くなって顔そらしおったで。俺は悪くない。
まあ、知り合いがいるのは助かる。
あの隊長さん日本語も話せたし、通訳通さなくていいのはありがたい。
0
お気に入りに追加
932
あなたにおすすめの小説
追放されたら無能スキルで無双する
ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。
見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。
僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。
咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。
僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!

スキル:浮遊都市 がチートすぎて使えない。
赤木 咲夜
ファンタジー
世界に30個のダンジョンができ、世界中の人が一人一つスキルを手に入れた。
そのスキルで使える能力は一つとは限らないし、そもそもそのスキルが固有であるとも限らない。
変身スキル(ドラゴン)、召喚スキル、鍛冶スキルのような異世界のようなスキルもあれば、翻訳スキル、記憶スキルのように努力すれば同じことができそうなスキルまで無数にある。
魔法スキルのように魔力とレベルに影響されるスキルもあれば、絶対切断スキルのようにレベルも魔力も関係ないスキルもある。
すべては気まぐれに決めた神の気分
新たな世界競争に翻弄される国、次々と変わる制度や法律、スキルおかげで転職でき、スキルのせいで地位を追われる。
そんななか16歳の青年は世界に一つだけしかない、超チートスキルを手に入れる。
不定期です。章が終わるまで、設定変更で細かい変更をすることがあります。

チートを貰えなかった落第勇者の帰還〜俺だけ能力引き継いで現代最強〜
あおぞら
ファンタジー
主人公小野隼人は、高校一年の夏に同じクラスの人と異世界に勇者として召喚される。
勇者は召喚の際にチートな能力を貰えるはずが、隼人は、【身体強化】と【感知】と言うありふれた能力しか貰えなかったが、しぶとく生き残り、10年目にして遂に帰還。
しかし帰還すると1ヶ月しか経っていなかった。
更に他のクラスメイトは異世界の出来事など覚えていない。
自分しか能力を持っていないことに気付いた隼人は、この力は隠して生きていくことを誓うが、いつの間にかこの世界の裏側に巻き込まれていく。
これは異世界で落ちこぼれ勇者だった隼人が、元の世界の引き継いだ能力を使って降り掛かる厄介ごとを払い除ける物語。

生まれる世界を間違えた俺は女神様に異世界召喚されました【リメイク版】
雪乃カナ
ファンタジー
世界が退屈でしかなかった1人の少年〝稗月倖真〟──彼は生まれつきチート級の身体能力と力を持っていた。だが同時に生まれた現代世界ではその力を持て余す退屈な日々を送っていた。
そんなある日いつものように孤児院の自室で起床し「退屈だな」と、呟いたその瞬間、突如現れた〝光の渦〟に吸い込まれてしまう!
気づくと辺りは白く光る見た事の無い部屋に!?
するとそこに女神アルテナが現れて「取り敢えず異世界で魔王を倒してきてもらえませんか♪」と頼まれる。
だが、異世界に着くと前途多難なことばかり、思わず「おい、アルテナ、聞いてないぞ!」と、叫びたくなるような事態も発覚したり──
でも、何はともあれ、女神様に異世界召喚されることになり、生まれた世界では持て余したチート級の力を使い、異世界へと魔王を倒しに行く主人公の、異世界ファンタジー物語!!
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
転生者は冒険者となって教会と国に復讐する!
克全
ファンタジー
東洋医学従事者でアマチュア作家でもあった男が異世界に転生した。リアムと名付けられた赤子は、生まれて直ぐに極貧の両親に捨てられてしまう。捨てられたのはメタトロン教の孤児院だったが、この世界の教会孤児院は神官達が劣情のはけ口にしていた。神官達に襲われるのを嫌ったリアムは、3歳にして孤児院を脱走して大魔境に逃げ込んだ。前世の知識と創造力を駆使したリアムは、スライムを従魔とした。スライムを知識と創造力、魔力を総動員して最強魔獣に育てたリアムは、前世での唯一の後悔、子供を作ろうと10歳にして魔境を出て冒険者ギルドを訪ねた。
アルファポリスオンリー

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!(改訂版)
IXA
ファンタジー
凡そ三十年前、この世界は一変した。
世界各地に次々と現れた天を突く蒼の塔、それとほぼ同時期に発見されたのが、『ダンジョン』と呼ばれる奇妙な空間だ。
不気味で異質、しかしながらダンジョン内で手に入る資源は欲望を刺激し、ダンジョン内で戦い続ける『探索者』と呼ばれる職業すら生まれた。そしていつしか人類は拒否感を拭いきれずも、ダンジョンに依存する生活へ移行していく。
そんなある日、ちっぽけな少女が探索者協会の扉を叩いた。
諸事情により金欠な彼女が探索者となった時、世界の流れは大きく変わっていくこととなる……
人との出会い、無数に折り重なる悪意、そして隠された真実と絶望。
夢見る少女の戦いの果て、ちっぽけな彼女は一体何を選ぶ?
絶望に、立ち向かえ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる