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「125話」

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「島津さん、貴方はこのダンジョンについてどう考える?」

え?なにそれ原稿にないやつじゃん。
てか、えらく抽象的な質問だな……。


どう答えようかと悩んでいたが、別にこちらの答えを期待していた訳ではなかったらしい。
俺の答えを待つこと無く話を続けるスクルージさん。

「我々は、ダンジョンが現れた時はなんて厄介なものが……と、正直に話すとそう考えたよ。だがその認識はポーションの存在を知って一気に覆った。さらにダンジョンマスターと言う存在がいて、ダンジョンの在り方について交渉が可能だと聞いてからは」

そこまで一気に話すと、一息つく。
これ通訳の人大変だな。

実は一息ついたのは通訳さんで、スクルージさんはまだ話し続けていたりする。

そういやこの通訳さんもチュートリアル突破してるのかな?
じゃないと全部は通訳出来ないよな。

「まさに夢だよ。人類が願ってやまない物が沢山揃っている。不老に病や怪我を癒やす薬……だからこそ我々はこの交渉を進め、その後に国民のダンジョン攻略への関心を集めねばならない」

ぐっと拳を握り締めるスクルージさん。
こう、海外の人って話すときに身振り手振りが激しいよね。俺が勝手に思っているだけかもしれんけど。

「今有るポーションだけでも、非常に大きなインパクトを与えられるが……まだ弱い」

インパクトねー。
なんだろ。生放送でポーション使ってみるつもりとか?
骨折とかがすっと治ってもインパクトありそうだけどなー。手足でも生やすつもりかねえ。


「島津さん、貴方は現在3カ国で最も深い階層で活動している方だ……確か16階以降で活動していると聞いてます」

「いま19階ですね」

こちらの最新情報が行ってないのかな?
16階と19階じゃ大分違うよね。


19階聞いたスクルージさんだけど、驚いた表情を浮かべると、両手をばっと開いて驚き?喜び?を現している。

「実に素晴らしい!20階で手に入るポーションはより強力な物となるだろう。それこそ欠損すら治すような……我々は出来る限り早く、より良い形で交渉をまとめたい。貴方がダンジョン攻略を進め得た物は、国民がダンジョンに入るという選択を受け入れる……その後押しとなることでしょう。島津さん、貴方にはダンジョンの最前線を開拓していくことを期待しています」

「ええ、勿論。私もそのつもりです」

長い。でも終わった。
最前線にはずっといるつもりだし、ダンジョンを最初に制覇するつもりでもある。
譲る気は無いから安心していいよ?

とりあえず差し伸べられた手を握り返し、そこで俺とスクルージさんのお話は終わりとなった。




「それじゃ俺らは俺らで会談するからよ……と言ってもあの様子じゃ午後にずれ込みそうだがな」

「何時まで笑ってん……」

アマツ、まだ笑ってるし。
笑い転げてはいないけど、時々思い出したように噴き出している。
今度辛子入りのシュークリームでも差し入れしちゃおうかしら。



まあ、あとはお偉いさん方にまかせて、俺は俺でメインの目的を済ませてしまおう。
どうも日本から得られる情報が最新って訳じゃ無いらしく、ダンジョンの話を直接いろいろ聞きたいらしい。

隊員さんでも良いじゃんって思ったけど、折角だから一番進んでいる人から聞きたい、だそうだ。

なんか攻略で行き詰まっているような話もちらっと聞いた。

お偉いさん方は5階に移動したので、俺はそのまま休憩所で待つことにした。
そして程なくして、ぞろぞろと大勢で歩く音が聞こえてきた。
それに話し声も……何言ってるかさっぱりだけどね。


「初めまして島津さん。隊長のウィリアムです今日はよろしくお願いします」

「島津です。よろしくお願いします」

ニカッと歯を見せ笑みを浮かべる隊長さん。
俺も笑みを浮かべ……ってフェイスガードで見えないか。

まあ、外さないでおこう……とりあえず握手っと。


部屋には俺と隊長さんを除いて、10人程の攻略組の人が集まっている。
まあ、全員軍人だねー。
ちなみにさっきの通訳さんもここに混ざっていたりする。まだかの軍人さんだったのか。


んで、挨拶を終え、ざっと皆の反応を窺ってみたけれど……まあ色々な反応だね。

俺の頭と腰を見てヒソヒソ話している者が半分ぐらい。
島津と聞いてテンション上がっているのが一人。サムラーイとか言ってる。
俺とクロに熱い視線を向ける者が3割ぐらい……変な意味の視線じゃ無いといいけど。
あとクロを見て、ヘッと鼻で笑った奴が一人。殺そう。




彼らとの話は当然だけどダンジョンの話がほとんどだ。
どんなモンスターが出て来るか、どうやって戦うのか、ドロップは何があるのか。
強化素材は手に入ったのかとか、カードの効果について何かもかなりぐいぐい聞いてきた。


勿論こちらが話すだけでは無く、向こうからのいくつか俺の知らない情報を聞けたりした。

彼らが潜っているのはまさかの特大ダンジョンだった。
彼らから聞いたのは、大きいダンジョンほど、敵が強く数も多くなる傾向にある……その程度についてだ。

浅い階層はそうでもないが、潜るに連れてその傾向が強まり、現在6階に居るそうだが、モンスターの強さとしてはこっちの牛さん並みらしい。

よくそんなダンジョンで短期間でそこまで潜ったなーと思ったけど、これには理由があって……特大ダンジョンに持ち込める鎧や武器などは特別な補正が付くんだそうだ。それは階で購入出来る装備についても同様とのこと。

どんな効果がつくかと言うと、身体能力が向上したり、耐性が上がったり、中には特殊なスキルがついたり……と、カードセットしたような効果がつくみたいだ。

それで低レベルでも強いモンスター倒せている、と言うことらしい。

軽装でいったら死ぬやつだこれ。



「ダンジョン産の物は本当に食べられるんですね……」

「食えますよ。昼に食べてみますか?美味しいですよ」

あ、なんか6階まで食えそうなモンスターは出てないらしい。
なのでモンスターは食べたことが無いそうだ。

なのでお昼はBBQする事にした。
アメリカはBBQの本場だけど、マーシーが作った料理なら彼らも満足することだろう。
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