上 下
82 / 304

「82話」

しおりを挟む
ゲートを通って5階に行き、そこから通常ゴブリン、剣ゴブリンをしばきながら8階へと向かう。
10階から行った方が早い気がしなくもないけど……まあ、次回からはそうしよう。

さて、これから1時間ほどタイムアタックをするわけだけど、目標としては全部屋を回りきる事である。

ちなみにこのフロアの広さだけど、大体一辺1kmの正方形だと思ってくれて良い。
そんなフロアに部屋が100個ほどあるのだ。

それを1時間で回るとなると、部屋に入って敵を倒し、ドロップ確認して次の部屋へ向う。これを30秒ちょいでやらないといけない。

敵を倒すのは10秒あれば十分だ。
例え10体居ようがもはや敵では無い。

ドロップ確認も10秒あれば……と言うか倒してからカードが出るまで少しタイムラグがあるんだよね、カード出ているのに気付かずうっかり次の部屋へ……なんてのを避ける為に10秒待つのだ。

部屋から部屋移動は距離的には10秒あれば平気だと思う。
問題は道を間違えたりとかだね。そこでタイムロスしそうな気がする。


ま、初日だしそこまで気張らずに頑張りまっしょい。

んじゃ、時計をセットして……とっつげきー!



「ほっと」

部屋に入るなり飛んでくる矢を盾で弾いて、鉈で切り払う。
飛んでくる矢がよく見える。体調はばっちりだ。

「ひさしぶりっ! 死ぬが良いなのだ」

俺はゴブリン達に挨拶すると、そのままの勢いで鉈を振るうのであった。





「んー……もっと詰めれば1時間余裕で切るな」

時計を見てそう独り言ちる俺。
針は1時間をちょっと過ぎた辺りを指している。

全部の部屋を回ろうとすると、どうしても同じ道を通ったり引き返したりする場面が出て来る。

地図の確認が甘かったのか、その辺りで思ったより時間を取られてしまったのである。


ただ次回からは最適ルートを探しておくつもりなので、時間はぐんと短縮される事だろう。

「精神的にきそうだから、1日1回までだなこれ」

ただね、急いでいるせいか、戦い方が雑になるんだよね。で、結果として血を浴びたり、内臓おっ被ったり……といった場面がチラホラとあったりする。

洗えば良いんだけど、精神的にあまりよろしくない。
匂いも酷いしね、食欲が無くなってしまう。

丁寧に戦うと時間が掛かるし、難しいところだね。
とりあえずはルートの最適化と、出来るだけ早く丁寧に倒すように心掛ける。と、いったところかな?


カード? 勿論出なかったよっ!
分かっていたけど、やっぱ早々出るもんじゃないんだよね……ま、気長にやりまっしょい。





休憩所へと戻り、装備はランドリーで洗い、ついでにシャワーも浴びてしまう。

本当に便利だよねここ。
あんな血だらけのやつとか、洗濯機で洗いたくないし、かといって外のコインランドリーとか持っていったら、下手すりゃ通報されるしね。

お縄になはなりたくねーのです。

「どれにすっかなー」

シャワー浴びて着替えた俺は家に戻る……前にカフェルームに向かった。
とりあえず紅茶をいれ、ショーケースに入っているケーキをいくつか取ると椅子に腰掛ける。

とりあえず一口……うん、ケーキも紅茶も結構行けるね。
追加でポイント使えばもっと美味しいのが出て来るんかね? まあ、今のままでも十分なので他を優先するけどねー。


んで、ここに何をしに来たかと言うと、別に紅茶とケーキが目当てって訳じゃ無い。

「まだゆっくり端末見てなかったんだよねー」

端末をじっくり見ようと思ったのだ。
最近忙しい……って実際にはそれ程では無いけど、精神的に忙しい感じで、端末をじっくり見る気になれなかったのよねー。

でも昨日端末を隊員さんと見て、結構面白い武器が追加されてたのと、今日はお休みだからなー、と見てみることにしたのである。


「お、ナイフだ」

ロマン武器の欄を過ぎると、ナイフ類の欄になった。
リーチ短いしメインで使う気にはならないが、投げナイフであれば使えるんじゃないかなーと思い眺めて見ることにする。

すると興味の引かれる機能がついたナイフがいくつか見つかる。


「誘導機能付き? やっば」

特に良いなと思ったのは誘導機能がついているやつだ。

正直そこまで自分のコントロールに自信があるわけでは無いので、この機能はすごくありがたい。

それにもし相手が避けようとしても、誘導機能付きなら当たるんでないかな?

盾に仕込んでおいて、いざって時に投げると良いかも知れない。
結構格好良いんじゃないだろうか? こう、しゅっと投げてぐさぁっと刺さる感じが。


とりあえずこいつは確保だな。
他にも良さそうなのあればー……あった。

「属性付きナイフだ……あ、でも切れ味とか強度はそんなんでも無いのかな?」

火とか氷とか雷とか、色んな属性のついたナイフも売ってた。
毒とかもあったけど、ちょっと扱うの怖いな。

ぱっと見は普通のナイフなんで、切れ味とか強度はそこまでじゃーないかも知れない。

その内、属性武器じゃ無い倒せない!って敵が出るかもだし、これも一応確保しておきたい。


あと気になるのはー……背中につけるとちょっと空が飛べるようになる翼とか。

重量を大幅に軽減する、護符?みたいのがあった。

これ外で使えたら良いのになあ……確保だけしとくかな。

「あとでクロと相談だなー」

ま。なんにせよ一度クロと相談しないといけない。
ダンジョンで入手したアイテムのほとんどが、ポイントに変換して俺の端末に入っているんだよね。

クロは改造とかに必要なポイントだけ確保してる感じ。

だから俺の端末ポイントはクロとの共有財産な訳だ。
勝手に使うわけにはいかんのですよ。





「さて、チュールでも買いに行くか」

決して賄賂とかじゃないからね?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~

乃神レンガ
ファンタジー
 謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。  二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。  更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。  それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。  異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。  しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。  国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。  果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。  現在毎日更新中。  ※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。

死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜

猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。 ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。 そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。 それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。 ただし、スキルは選べず運のみが頼り。 しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。 それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・ そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。

孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる

シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。 そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。 なんでも見通せるという万物を見通す目だった。 目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。 これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!? その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。 魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。 ※他サイトでも連載しています。  大体21:30分ごろに更新してます。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

ゴミアイテムを変換して無限レベルアップ!

桜井正宗
ファンタジー
 辺境の村出身のレイジは文字通り、ゴミ製造スキルしか持っておらず馬鹿にされていた。少しでも強くなろうと帝国兵に志願。お前のような無能は雑兵なら雇ってやると言われ、レイジは日々努力した。  そんな努力もついに報われる日が。  ゴミ製造スキルが【経験値製造スキル】となっていたのだ。  日々、優秀な帝国兵が倒したモンスターのドロップアイテムを廃棄所に捨てていく。それを拾って【経験値クリスタル】へ変換して経験値を獲得。レベルアップ出来る事を知ったレイジは、この漁夫の利を使い、一気にレベルアップしていく。  仲間に加えた聖女とメイドと共にレベルを上げていくと、経験値テーブルすら操れるようになっていた。その力を使い、やがてレイジは帝国最強の皇剣となり、王の座につく――。 ※HOTランキング1位ありがとうございます! ※ファンタジー7位ありがとうございます!

平和国家異世界へ―日本の受難―

あずき
ファンタジー
平和国家、日本。 東アジアの島国であるこの国は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、 政府は戦闘機搭載型護衛艦、DDV-712「しなの」を開発した。 「しなの」は第八護衛隊群に配属され、領海の警備を行なうことに。 それから数年後の2035年、8月。 日本は異世界に転移した。 帝国主義のはびこるこの世界で、日本は生き残れるのか。 総勢1200億人を抱えた国家サバイバルが今、始まる―― 何番煎じ蚊もわからない日本転移小説です。 質問などは感想に書いていただけると、返信します。 毎日投稿します。

処理中です...