家の猫がポーションとってきた。

熊ごろう

文字の大きさ
上 下
25 / 304

「25話」

しおりを挟む
ポイントはかなりたまったけれど足りるか分からない。

武器と防具どっちを優先するか? って言ったらやっぱ防具かな。

爪と牙だけじゃその内限界がくるだろうから、武器も必須ではあるのだけどね。

まあ、とりあえず防具を見てみよう。
ポイント余ったら武器も買えばいいし。

そう思い購入の画面に行ってざーっと防具を眺めていたのだけど……。

「どれがいいかなー? まずは防具から見て……防具、か……ら?」

なんか変なのあるんですけど。

「あの、これって」

画面を指さして思わずアマツに聞いてしまった。

俺の指先にあるのは……蛙の着ぐるみ(猫用)だった。

こんなのおかしいよっ。


「この世界にはペット用の服がもうあるみたいだったからね、それを参考にしてみたんだよ。 どうだい?」

「んう゛っ……い、いいと思います」

「あっははは! そうだろう?」

変な声出たわ。
すんごい良い笑顔で言われると本音は言えない……。

くそ、これどっかで見たことあると思ったら、ペットショップだわ。
よく見たら他のも全部変なのばっかじゃん!
ふりふりドレスとか、タキシードとか、なんだよケルベロスって! クロは猫だぞっ!?


いかん……落ち着け、落ち着くんだ俺。
まだ他にもある、全部見たわけじゃ無いんだ。 中にはちゃんと防具っぽいものが…………あ、あった! あったぞ! 

「こ、これだ! これなら……一式25000ポイント??」

ポイントたけぇっ!?
ためたポイント半分持ってくとかどんだけ。

でも、これはちゃんと見た目が防具っぽいんだよな……あれだ、某モンスター狩っちゃうゲームのお供が着ている服、あんな感じだ。
二足か四足かの違いはあれど似合うのは間違いないだろう。

もうこれ買うしか無い。
でもお高い……これ、こいつだけが高いのか? もしかしてさっきの蛙とかは安いのだろうか?

「ど、どれもお高い」

そう思いちょっとスクロールバーを戻してみると……蛙もふりふりドレスとかも全部同じ値段だった。まじかい。

「いやー、何せ装備だからねえ。 ちゃんと実用出来ないとダメでしょ? だからどうしても要求ポイントが高くなっちゃうんだよ」

「なるほど……よし、これ買います!」

見た目はあれだけどちゃんと防具として機能すると。
なら見た目だけで選んで問題ないなっ。

さっきの一番防具っぽいやつ買っちゃおう。


俺はアマツに買うと宣言し、決定をぽちっとさわる。


すると俺の前の前にちょっと大きめの箱が現れ……ポイントが一気に半分になった。

猫部屋は遠のいたけれど、ポイントはまた貯めればいいし。なによりこれでクロの安全は確保出来たのがでかい。




「じゃあ次は武器だね……と言ってもそっちは2つしか用意できてないんだけどね」

おや、防具はこんなに多いのに。

それだけすごいの用意したってことかな?

「あら? 腕輪と首輪……ぶ、武器だよね?」

すごいの……?

何で武器の欄に腕輪と首輪が……?これどっちか言うと防具とかのカテゴリーな気が。

「武器だよ。 それをつけると巨大な爪と牙の形をした力場が発生するようになってね、猫の爪と牙じゃ不利な相手にも戦える様になるよ」

「すっご……ポイントもすっご」

何かむっちゃすごい武器だった。

あれでしょ、手とかぶんって振ったら触れてもいないのに、スパッと切れるやつでしょ。

ちょっぴり羨ましいぞっ。


てか、これもポイントがやべえ。
2個で15000だと……?

「買わないの?」

「買います」

買うに決まってるじゃない。

合計40000かー、高かったけれどこれでクロの装備が揃ったね。
あとはチュートリアルクリアしてカードをスロットにぐさっとやれば完璧かな。

あ、いやまだ改造が残ってたか。

いやー……ポイントかっつかつだねえ。
もっと深いところまで潜ればそうでもないのかなー……。


と、言った感じで買い物も終わったし、今後のことについてちょいと妄想していたのだけどね。



「じゃ、最後はアクセサリーだね」

「アクセサリー……ヘアピンとかですか? あれって防御力無いような……」

まだ何か用意していたらしい。

でもアクセサリーってヘアピンとかそんなんで、防御力とか皆無だった気がしたけれど……?

「盾とか持てない分やっぱ不利だからね、それを補うのにペット用アクセサリーだけカードスロットがあるよ。あ、人間がつけてもカードスロット使えないから気を付けて」

「あ、なるほど」

そう言うことかっ!

レベルが上がればカードスロットも増えるし、これは絶対あったほうが良いね。

カード使えるのはクロがチュートリアル突破してからになるけれど、これは買いだね。

ちなみにどんなアクセサリーあるのかな?


と、画面をスクロールしていったのだけど、とんでもない物を見つけてしまった。

「……んん!? ね、猫の尻尾???」

「あ、それはお勧めだよ。 猫又って尻尾が2本の猫がいるって聞いてね、作って見たんだ。 特殊効果も悪くないよ?」

尻尾だ!

てか特殊効果って何……? 弱点看破とか書いてあるんですけどっ!?

……いや、それはいい。それよりもだ。 これをつけるとクロの尻尾が増えるってこと??

俺がつけたら尻尾が生えるってことか!??

クロとペアルックに出来るじゃないかっ。



「か、かかか買います! 2個買います!」

2個ください!

「残念。 ポイント足らないから買えるのは一つだけだね」

「ああああぁぁ!?」

1個10000ポイントだぁぁあああ……。

足らない、ゴブリン2000匹分足らない。


「……50000ポイントためたのにぃ……無念」

「それじゃまた作業に戻るよ。 頑張ってね!」

俺が両手を床について項垂れていると、アマツはすっごい笑顔で去って行った。

ちくせう。
またゴブリンに犠牲になって貰うか……。


「……戻るか」

とりあえずクロに装備渡さないと。

あ……アマツに色々聞きたい事があったんだけど……クロのチュートリアル終わってからでいっか。


ゲートを潜るとクロがにゃーにゃー言いながら近寄ってきた。

「クロの装備手に入ったよー」

クロは箱が気になるらしく、しきりに匂いを嗅いでいる。

「ほら、これだよ」

そういって箱を開けて中を見せるがクロは匂いを嗅ぎ続けている……中身よりも箱に興味が有るらしい。 入りたいのかな?


「……これだよ?」

とりあえず箱から中身を取り出して、クロの前に並べてみる。

さすがに目の前に置かれるとそっちに興味が行くらしく、クロは装備をじっと見つめて、前足でそっと突いて……え、お前本気で言ってるの? みたいな顔で俺を見てきた。



そうだよね!
人間で言ったらダンジョン用の装備だよってコスプレ衣装を渡される様なもんだし!

「まった、気持ちは分かるけど! これ見ためはとにかくちゃんと防御力あるからっ!」


そう俺が必死にクロを説得すると、渋々……ほんっとに渋々と言った感じで装備を身につけてくれた。

……まあ、俺が着せたんですけどね。



装備はかなり似合っていた。かなり可愛い。

なんつーか思いっきり某ゲームのお供だねこれ。この状態で駆け寄ってこられたら悶え死ぬ自信がある。


まあ、俺の反応は上々だったんですけどね。
問題はクロの反応でして。


「クロがやさぐれてしまった……」

すんごいムスッとした表情でこっち見てる。
無言なのがまた……いいね。 とか言ったら噛まれそうだな。


……クロには悪いけれど我慢して貰うっきゃない。
クロも装備は重要だと分かっているので、ムスッとはしていても脱ぎだしたりはしないのだ。

さて。あとはおたのし……じゃなくて、これも重要な装備のアクセサリーをつけないとだ。



「これどうやっつけるんだ……? クロちょっといいかい」

尻尾なんだけどね、どうやって着けるのか分からん。

こうクリップ的な物で止めるのかなーと思ったけれど、そう言った物は一切無い。


とりあえずクロのお尻に押し当ててみよう。
ぴとって着いたら良いなーっと。

「ぴとっと……おう、まじでついた」

ついたわ。


まさかそれで本当につくとはねえ。

クロも増えた尻尾を不思議そうにクネクネと動かしている。

……まって動いてる!??

「ちょっ、それ動くの!?」


俺の問いににゃあと応え、尻尾をさらに動かしてみせるクロ。
やべえぇぇえ。何この高性能なアクセサリー。無茶苦茶欲しいんだけどっ!?

こうしちゃ居られん! さっそく狩ってポイント貯めないとだっ。


「いよっし! じゃあ、ならしも兼ねて1階からいこうか?」

勿論いきなり奥に突っ込んだりはしないよっ。
クロも戦闘は久しぶりだし、慣らしていかないとだからね。

さあ、狩るぞー!
しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

追放されたら無能スキルで無双する

ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。 見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。 僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。 咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。 僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

生まれる世界を間違えた俺は女神様に異世界召喚されました【リメイク版】

雪乃カナ
ファンタジー
世界が退屈でしかなかった1人の少年〝稗月倖真〟──彼は生まれつきチート級の身体能力と力を持っていた。だが同時に生まれた現代世界ではその力を持て余す退屈な日々を送っていた。  そんなある日いつものように孤児院の自室で起床し「退屈だな」と、呟いたその瞬間、突如現れた〝光の渦〟に吸い込まれてしまう!  気づくと辺りは白く光る見た事の無い部屋に!?  するとそこに女神アルテナが現れて「取り敢えず異世界で魔王を倒してきてもらえませんか♪」と頼まれる。  だが、異世界に着くと前途多難なことばかり、思わず「おい、アルテナ、聞いてないぞ!」と、叫びたくなるような事態も発覚したり──  でも、何はともあれ、女神様に異世界召喚されることになり、生まれた世界では持て余したチート級の力を使い、異世界へと魔王を倒しに行く主人公の、異世界ファンタジー物語!!

目覚めた世界は異世界化? ~目が覚めたら十年後でした~

白い彗星
ファンタジー
十年という年月が、彼の中から奪われた。 目覚めた少年、達志が目にしたのは、自分が今までに見たことのない世界。見知らぬ景色、人ならざる者……まるで、ファンタジーの中の異世界のような世界が、あった。 今流行りの『異世界召喚』!? そう予想するが、衝撃の真実が明かされる! なんと達志は十年もの間眠り続け、その間に世界は魔法ありきのファンタジー世界になっていた!? 非日常が日常となった世界で、現実を生きていくことに。 大人になった幼なじみ、新しい仲間、そして…… 十年もの時間が流れた世界で、世界に取り残された達志。しかし彼は、それでも動き出した時間を手に、己の足を進めていく。 エブリスタで投稿していたものを、中身を手直しして投稿しなおしていきます! エブリスタ、小説家になろう、ノベルピア、カクヨムでも、投稿してます!

孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる

シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。 そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。 なんでも見通せるという万物を見通す目だった。 目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。 これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!? その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。 魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。 ※他サイトでも連載しています。  大体21:30分ごろに更新してます。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~

夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。 が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。 それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。 漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。 生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。 タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。 *カクヨム先行公開

処理中です...