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後日談?

「アフター6話」

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お尻を擦りながらタマさんの後を付いて行くことしばし……しばし?


「なんでこんな広い……?」

我が家は確かに広いが、こんなに歩かなくとも玄関まで着くはずだ。
ここ、本当に我が家だよね……?


なんて不安になってきた訳だけど……そのまま少し歩くと森がふっと途切れて建物が見えてくる。……ついでに半端じゃなく広くなった畑も。

「うおー……まじで我が家だ。どうなってんのこれ?割とちゃんとした川まであるし……」

ちょっと色々と気になることはあるが、確かに我が家である。
あまり長い期間住んでいた訳じゃ無いけど、見間違えることはない……しかしなあ……畑広がってるし、川とかあるんだよなあ。タマさんと川遊びしたら楽しそうですね?


「ハナの魔法ニャ」

なんでもありだな、魔法って。

やはりと言うか何というか、この我が家周辺の不思議空間はハナが何かしでかした結果によるものらしい。

……まあ、広くなったし、別に文句は無いのだけどね。
街中にあんな森が現れたらちょっと邪魔にならないかなーって気になるぐらいだ。近所の評判が怖い。

「っへー……肝心のハナは?どこだろ」

「あそこニャ」

「おっ……寝ながら草くってる」

やらかした本人はどこに居るのやら、と思ったら……草むらで寝そべってむしゃむしゃと草を食んでいた。
鼻ちょうちん出てるから、寝てるね完全に!
暢気なもんである。


「おーい、ハナおきろー。帰ったぞー」

寝ているハナに手を掛けてゆさゆさと揺らすと、ぱちんと鼻ちょうちんが割れて、ハナがのそりと身を起こす。



「ハハハ……一瞬忘れかけてたの気のせいかなっ」

そして起こした張本人である俺をじーっと見つめ……くりっと首を傾げた。
俺のこと忘れてませんかね!?


「この森?全部ハナがやったんだよね?」

その後、ちょっとしたら俺のことを思い出したらしく、頭をすり寄せてきたので撫でながらこの森について聞いてみた。

「あ、やっぱり……嬉しそうね」

ハナがやったことで間違いは無いらしい。
そしてどこか得意気にみえる……確かに凄い魔法だとは思うけどね。
タマさんの魔法とは別方向でだけど。

魔法が未だに使えない俺にはなんとなーくしか分からんけど、様は空間を歪めていたって事でしょ?それ、相当難しいと思うんだ。

その使い道が畑を広げて川を造るってのが、なんとなくハナっぽいけど。


まあ、とりあえずご飯にしよう。

「米のストックぱないな。野菜は干してあるんかな、これ」

食材ある?とハナに尋ねると、庭に何時の間にか建っていた小屋……小屋と言うか倉庫だなこれ。
倉庫に連れていかれ、中を覗けば大量のお米やらなんやらがぎっしりと詰まっていた。

全部ハナが育てた作物である。
日保ちしない物は乾燥させたりして、長期間保存できるようにしたとかなんとか。

いや、凄いねこの子。
なんであんなところで尻尾切られる生活をしていたのだろうか……謎だ。




「うまうま」

それはそうとご飯ですよ!
どれも大変美味しゅうございます。

ギルドのご飯も美味しいけど、野菜とか食うならこっちのが断然おいしい。

あ、ちなみに作ったのはハナである。


「おいしいニャ」

「……タマさん野菜は相変わらず苦手か」

「ニャ!」

タマさんも美味しそうに食っていたのだけど、流れるような動作で俺の皿に野菜を入れていく……まあ、全部ではないんだけどね。美味しかろうが苦手なものは苦手らしい。



「ほいほいデザートね。たんと食べるのよー」

でも果物は好き。
野菜も甘いのは甘いんだけどねー。苦味成分が嫌なのかなーと思う。

んま、久しぶりの果物だしたっぷり食べると良いのですよ。
タマさんもハナも果物好きだから、がんがん売れていく。

俺は果物は1個も食えば十分なので、果物出すだけ出してお酒飲んでる。

日常に戻ってきたって感じがするね。
さて、明日はギルドの再建のお手伝いしないとだし、お風呂入って寝るとしますかね!


タマさんお風呂に連れてこうとしたら全力で逃げられたよ、こんちくしょう。

久しぶりの一緒にお風呂タイムはしばらくお預けのようである……。



そして翌朝。

ギルド再建しないとーって事で、ギルド跡地に向かうと、そこには既にキンバリーさんの姿があった。

誰かと話してるみたいだけどー……あ、どっか行ったね。
さて、挨拶挨拶っと。

「キンバリーさん、おはようございます」

「お?ウッドか……それにタマさんも」

ご無沙汰してます。

あ、今日はギルドの再建のお手伝いがお仕事なんだけど、タマさんも心配だからって着いてきてくれたんだよねー。
もう、タマさんってば心配性なんだから。ぐへへ。


あ、ハナはお留守番だよ。
種をおくれーと要求されたので、一杯渡しておいた。
植えるのかなって思ったらポリポリ食べてたけどなっ。

あれだ、ひまわりの種的な?意外といける可能性はある。
食おうとは思わんけどっ。

「本当に良かったよ復活して……」

「なんとか戻ってこれました」

いや、ほんと、まじでね。
かなーり危ない橋を渡ったと自覚はある。
もう二度とやらないかんなっ。無駄死にとかまっぴら御免である。

「そして戻って早々これとはなあ……相当飲んだんだな」

「ええ、5日続きましたからね!」

みんなあたまおかしい。

お酒飲みすぎて爆発炎上するとか、一体誰が想像できようか。
つまり俺は悪くないっ。

「そんなにか。俺も参加したかったが嫁さんがな……」

……ん?

「えっ嫁?誰のですか?」

「俺のだよ」

んんん?

「え……またまたご冗談を。分かってます、分かってます。ちょっとした小粋なジョークってやつですね。ハハハ」

「なんで冗談言わないといけないんだよ……」

嘘だろ……俺と同じロンリー野郎だと思ってたのに裏切ったね!

ちくしょう……どうも例の指導者との戦いで、偶然居合わせた女性を助けたんだそうだ。
それで一目惚れからのお付き合いが始まり、結婚に至ったと……ぐぎぎぎ。

「いいもん。俺にはタマさんがいたああああ!?」

お腹に顔を埋めようとしたら噛まれたっ!
てか鼻はあかん!鼻は噛んだらあかん!!




「はよ働くニャー」

「ハイ」

タマさんに見送られ、ギルド跡地へと向かう俺。
悲しさと嬉しさがミックスされて俺の心は今混沌と化している。
我ながら何言ってんだろう。

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