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生を受けた理由
「101話」
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手を振ってそうウッドは否定するが、タマさんの瞳は冷たいままである。
どうにもウッドが何かやらかしそうではあるが、かと言ってずっと見張っていると言うわけにもいかない。
そこまで期間は空いてはいないが、それでも久しぶりに来た故郷である。タマさんも挨拶したい相手もいるのだ、ただウッドを一緒に連れていくつもりは無いらしい。
タマさんは軽くため息をつくと、ウッドから離れ道を進んでいく。
少し進み、歩みを止めた先には一際大きな建物があり、タマさんは躊躇うことなくその中へと入っていった。
建物内の廊下を歩き、いくつか角を曲がったその先、廊下の突き当たりに扉が一つあった。
「いるかニャ」
タマさんはその扉をノックし声を掛けると……返事を待つこと無くガチャリと開き、中へと入っていく。
扉の先には椅子に腰掛け本を読みふけるにゃんこの姿があった。
「おお、誰かと思えばタマか。 はて……少し前に会った気がしたが……」
部屋に入ってきたタマさんに気が付き顔を上げ、懐かしそうに声を掛けるにゃんこ。
その声色からして、おそらくかなりの高齢だろう。
その尻尾は二股であり、タマさんよりも高レベルであることが分かる。
「もう呆けたかニャ。1年前ぐらいに会ってるニャ。 醤油とか切らしたから買いに来たんだニャ」
にゃんこと話すタマさんの口調もどこか遠慮が無い。
タマさんと毛の柄が似ており、恐らくは身内の誰かなのだろう。
「なるほどの。 まあゆっくりしてくと良い」
そう言うにゃんこはどこか嬉しそうである。
タマさんは基本ダンジョンに潜り食っちゃ寝し、それ以外も基本食っちゃ寝している。
きっと滅多に故郷へは帰らないのだろう。
「ニャ。 今日は泊ってくニャ。 帰るのは明日だニャ」
「おほっー!」
「そうかえ……はて? 人の声が聞こえた気がしたが、気のせいかの」
タマさんとにゃんこが会話をしていると、不意にどこからか奇声が聞こえてくる。
にゃんこは首を傾げ気のせいかと言うが、タマさんにはそれが気のせいではないと分かってしまった。
その声にピンポイントで心当たりがある、というかもうウッドしか居ない。
「……タマの連れニャ」
「おぉ、お前さんにもそんな相手が出来たか……うむうむ」
恥ずかしさや、嬉しさ、怒り、様々な感情がタマさんの顔に浮かんでは消えていく。
ウッドをここに連れてこなかったのは自分の連れだと紹介するのが気恥ずかしかったからだろう……少しだけウッドに対する申し訳なさなんかもあったが、それは先ほどの奇声で吹き飛んでいる。
「オホッ! オホホッーー!」
……ウッドの奇声が大きくなる。
何事かと顔をガバッと上げるタマさんであったが……にゃんこが近くに連れが居るのならば顔でも見ようか、と窓開け放っていたのである。
「……あの奇声上げとるのがお前さんの連れかな」
しかも最悪なことに窓から見える位置にウッドが移動していたらしい。
にゃんこに群がられ恍惚とした表情を浮かべるウッドの姿がばっちり見えていた。
「…………ニャ」
こんなことなら連れてくるんだった……ちょっと泣きたくなるタマさんであった。
なんてやり取りがあったのを知らず、にゃんこ達と戯れるウッドです。 幸せです。
「いけませぬいけませぬ。 それ以上はいけませぬ」
俺が手に持つ猫じゃらしに向かってくる小っさいにゃんこ達。
簡単に取れないようにと俺の手は頭上に掲げてある……するとどうなるかと言うとですね、にゃんこ達が俺の服をよじ登ろうとする訳ですよ。 不可抗力でお腹に顔がモフッとついちゃったりする訳ですよ。
不可抗力で! いやあ、天国かなここはっ!
「楽しそうだニャ?」
ほわぁ!?
「!? タ、タマさん! こ、これは違うんです……」
めっちゃびびった!
急にかけられた声に驚いて振り返れば、そこには絶対零度の視線を俺へと向けるタマさんの姿が……あひィ。
い、いかん……単ににゃんこ達と猫じゃらしで遊んでいただけなんだけど、この状態はとてもまずい!
何か言い訳をしなければ……にゃんこ達が勝手に……いや、だめだこれ。浮気の言い訳じゃあるまいし……ど、どうすれば良い!?
「早く動かすニャー!」
「ニャー!」
俺が冷や汗だらっだらで必死に言い訳を考えていると、にゃんこ達が猫じゃらしを動かせーと顔をペチペチと叩いてくる。
可愛いな!もう!
「あ、はいはい待っててねー」
こうねだられたらやるしかないよね?
……でもタマさんが怖い。
なので俺は蔦で猫じゃらしを持って遊ぶことにした……時々蔦を噛まれたりするけどこれはこれで悪くない。
「……いや、思ったより食いつきが良くてですね」
とりあえずタマさんに言い訳を……嘘つくのやっぱあれなので、正直に話すことにする。
タマさんと別れてからその辺に座ってようかな?と振り返ると自分を興味深そうに見る小っさいにゃんこ達がいたこと。
挨拶がてらに猫じゃらしを出して振ってみると思いっきり食いついてきたので、ついつい自分も夢中になっていたと……やましい気持ちなんてほんのちょっぴりしかなかったと……あ、さらに視線が冷たくなりましたよっ!!?
「子供に手を出すとか追い出されても知らないニャ」
「手は出してないよっ!?」
猫じゃらし振ってただけなんです!信じてタマさんっっ!!?
どうにもウッドが何かやらかしそうではあるが、かと言ってずっと見張っていると言うわけにもいかない。
そこまで期間は空いてはいないが、それでも久しぶりに来た故郷である。タマさんも挨拶したい相手もいるのだ、ただウッドを一緒に連れていくつもりは無いらしい。
タマさんは軽くため息をつくと、ウッドから離れ道を進んでいく。
少し進み、歩みを止めた先には一際大きな建物があり、タマさんは躊躇うことなくその中へと入っていった。
建物内の廊下を歩き、いくつか角を曲がったその先、廊下の突き当たりに扉が一つあった。
「いるかニャ」
タマさんはその扉をノックし声を掛けると……返事を待つこと無くガチャリと開き、中へと入っていく。
扉の先には椅子に腰掛け本を読みふけるにゃんこの姿があった。
「おお、誰かと思えばタマか。 はて……少し前に会った気がしたが……」
部屋に入ってきたタマさんに気が付き顔を上げ、懐かしそうに声を掛けるにゃんこ。
その声色からして、おそらくかなりの高齢だろう。
その尻尾は二股であり、タマさんよりも高レベルであることが分かる。
「もう呆けたかニャ。1年前ぐらいに会ってるニャ。 醤油とか切らしたから買いに来たんだニャ」
にゃんこと話すタマさんの口調もどこか遠慮が無い。
タマさんと毛の柄が似ており、恐らくは身内の誰かなのだろう。
「なるほどの。 まあゆっくりしてくと良い」
そう言うにゃんこはどこか嬉しそうである。
タマさんは基本ダンジョンに潜り食っちゃ寝し、それ以外も基本食っちゃ寝している。
きっと滅多に故郷へは帰らないのだろう。
「ニャ。 今日は泊ってくニャ。 帰るのは明日だニャ」
「おほっー!」
「そうかえ……はて? 人の声が聞こえた気がしたが、気のせいかの」
タマさんとにゃんこが会話をしていると、不意にどこからか奇声が聞こえてくる。
にゃんこは首を傾げ気のせいかと言うが、タマさんにはそれが気のせいではないと分かってしまった。
その声にピンポイントで心当たりがある、というかもうウッドしか居ない。
「……タマの連れニャ」
「おぉ、お前さんにもそんな相手が出来たか……うむうむ」
恥ずかしさや、嬉しさ、怒り、様々な感情がタマさんの顔に浮かんでは消えていく。
ウッドをここに連れてこなかったのは自分の連れだと紹介するのが気恥ずかしかったからだろう……少しだけウッドに対する申し訳なさなんかもあったが、それは先ほどの奇声で吹き飛んでいる。
「オホッ! オホホッーー!」
……ウッドの奇声が大きくなる。
何事かと顔をガバッと上げるタマさんであったが……にゃんこが近くに連れが居るのならば顔でも見ようか、と窓開け放っていたのである。
「……あの奇声上げとるのがお前さんの連れかな」
しかも最悪なことに窓から見える位置にウッドが移動していたらしい。
にゃんこに群がられ恍惚とした表情を浮かべるウッドの姿がばっちり見えていた。
「…………ニャ」
こんなことなら連れてくるんだった……ちょっと泣きたくなるタマさんであった。
なんてやり取りがあったのを知らず、にゃんこ達と戯れるウッドです。 幸せです。
「いけませぬいけませぬ。 それ以上はいけませぬ」
俺が手に持つ猫じゃらしに向かってくる小っさいにゃんこ達。
簡単に取れないようにと俺の手は頭上に掲げてある……するとどうなるかと言うとですね、にゃんこ達が俺の服をよじ登ろうとする訳ですよ。 不可抗力でお腹に顔がモフッとついちゃったりする訳ですよ。
不可抗力で! いやあ、天国かなここはっ!
「楽しそうだニャ?」
ほわぁ!?
「!? タ、タマさん! こ、これは違うんです……」
めっちゃびびった!
急にかけられた声に驚いて振り返れば、そこには絶対零度の視線を俺へと向けるタマさんの姿が……あひィ。
い、いかん……単ににゃんこ達と猫じゃらしで遊んでいただけなんだけど、この状態はとてもまずい!
何か言い訳をしなければ……にゃんこ達が勝手に……いや、だめだこれ。浮気の言い訳じゃあるまいし……ど、どうすれば良い!?
「早く動かすニャー!」
「ニャー!」
俺が冷や汗だらっだらで必死に言い訳を考えていると、にゃんこ達が猫じゃらしを動かせーと顔をペチペチと叩いてくる。
可愛いな!もう!
「あ、はいはい待っててねー」
こうねだられたらやるしかないよね?
……でもタマさんが怖い。
なので俺は蔦で猫じゃらしを持って遊ぶことにした……時々蔦を噛まれたりするけどこれはこれで悪くない。
「……いや、思ったより食いつきが良くてですね」
とりあえずタマさんに言い訳を……嘘つくのやっぱあれなので、正直に話すことにする。
タマさんと別れてからその辺に座ってようかな?と振り返ると自分を興味深そうに見る小っさいにゃんこ達がいたこと。
挨拶がてらに猫じゃらしを出して振ってみると思いっきり食いついてきたので、ついつい自分も夢中になっていたと……やましい気持ちなんてほんのちょっぴりしかなかったと……あ、さらに視線が冷たくなりましたよっ!!?
「子供に手を出すとか追い出されても知らないニャ」
「手は出してないよっ!?」
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