98 / 156
生を受けた理由
「97話」
しおりを挟む
ま、まあとりあえず挨拶しよう……あまりにも酔っぱらってる様なら退散かな。
そこまで正気を失っているところ見たこと無いし、たぶん大丈夫だとは思うけど。
「おーウッド! どこか出かけるのかあ?」
「ベロンベロンじゃないですか……」
いつにも増して陽気ですねゴリさん。
……ゴリさんの前に並んでるボトル、相当度数高いやつだと思ったんだけど……5本あるんですが。
普通に致死量な気がするんですが、ゴリさん肝臓強すぎない?
吐いた息に火付けたら燃えるんじゃないのこれ。
……ま、まあ。高レベルの人は内臓も強いんだろう。たぶん。
とりあえずお出かけすることを伝えないと。
「ええっと、タマさんの故郷までお出かけですね」
「おーそうかそうか! まあ、気ぃつけて行けや」
わー、思ってたより軽い反応!
まあタマさんの故郷行くだけだしね……遠いと行っても気合入れて走れば1日で着いちゃう距離だしー。
「お土産よろしくー」
「何か面白いものがいいわねえ」
お、お土産……毛玉でいい?
いや、まあ冗談だけど……うーん、面白いもの面白いもの……ネタに走り過ぎてもあれだし、難しいぞ!
「……まあ気にせず行ってこい」
おう……ベルトラムさん、一人だけ素面だぞ!
皆と同じぐらい飲んでるけど素面だぞ! どういうことなの……とりあえずお言葉に甘えてここはささっと退散しちゃおう。
お土産は……お酒か何かで良いんじゃないかなと思います。
お酒なければおつまみか何か……たぶん喜ぶと思う。皆お酒好きだし。
「それじゃ行ってきますー!」
ゴリさん達に手を振ってギルドを抜け出す俺とタマさん。
このまま街の外に出て街道をひたすら走る……と思ってたんだけど、何か行き先が違うような?
「……あ、あれ」
街の外と言うよりこっちって……。
「タマさんこっちってダンジョンじゃ……」
ダンジョンに向かう道だこれ。
「ニャ。 桃作って食べてから行くニャ。 そっちの方が早く着くニャー」
「あー、なるほどね」
桃を作るのはたぶん1時間も掛からないだろうし、そのぐらい遅れたとしても上がる身体能力を考えれば桃を作ってから行ったほうが早い。 と、思う。
んで、例によってゴブリン大量発生する岩についたんだけど……。
「どんだけ連打するのっ!?」
てしてしてししってレベルじゃないぞタマさん。
そして音でけえっ!? これ、このフロア中のゴブリン集まるんじゃない……?
まじで来たわ!
まあでも何とかなっちゃうんだけどね。
いやー、最初の頃が嘘のようだ。
寄ってくるゴブリンを刺して吸って投げて、そしてまた刺してと繰り返し桃を育てていく。
この間みたいに地面から根っこを槍の様に突き出して、一気にやってるもんでサクサク進みますなあ。
「ひぃ…………っ」
ただ、問題と言うか気になる点としてはやっぱ見た目やばいよねってことで。
この光景を見た人がどう感じるのか……さっきこっち見て顔真っ青にして駆けていった子が居たけど、たぶん俺のことあまり知らない人が見たら皆ああなるんでしょうなあ。 ハハハ。
あれ、たぶんギルドに報告しに行ったんだろうなあ。
……よし、桃作って逃げよう。 たぶんリタさんがフォローしてくれるじゃろっ!
さくっと桃を作ってバクゥッと食べる。
大量に残ったゴブリンはタマさんが魔法で全部吹っ飛ばした。
ダンジョンから出たのは目撃されてから10分後とかそんなもんだね。これならまだ騒ぎにはなってないでしょ。
つーわけで走るのです。
「とりあえずお昼まで走るニャ。 ペースはウッドにまかせるニャー」
「あいさ」
バテない程度に速度を調整して街道を爆走する俺とタマさん。
森と違って障害がないから走りやすいぞう。
景色がぐんぐん後ろに流れて行きますなあ……これ何キロ出てるんだろね?
後ろをちらっと見れば街はもう地平線の向こうだ。
ちょこっと見えてるのがたぶん世界樹だろうね。 いやあ、早い早い。
進んで行くにつれ、小さめの街?村?がちょこちょこあったけど、たぶんあれって宿場町ってやつじゃないかなあ?
普通は宿場町で休んで、翌日に次の宿場町に行くっ……って感じで進んで行くんだろうけど、もうそんなのお構いなしである。
お。また前方に宿場町が……ぬ?
「……? 街かな?」
宿場町にしてはでっかい。
壁もあるし、門番ぽいのも居るし。これ普通の街っぽいなあ。
さてどーしよ。
とりあえずタマさんに相談かな。
「タマさんどーする? よってく?」
「ちょうどお昼だし、何か食べていくニャ」
「あいさ」
ずっと走っててお腹も空いてきたし丁度良いね。
夜は野宿だろうし、お昼は街中で食べちゃおう。
野宿で野外料理ってのも良い物だけどね。
「んー?」
街に近付くと何か様子がおかしい事に気が付いた。
最初門番二人だけだったのが、門の奥からワラワラと出て来て……皆武器持ってるぞう。 何かあったんかね?
「と、止まれぇっ!」
「何者だ!」
門の前まで来たので速度を落とす俺とタマさん。
そんな俺達に門番達は声を上げると一斉に武器を向けてきた。
…………これ俺達を警戒して出て来たんかい!
そこまで正気を失っているところ見たこと無いし、たぶん大丈夫だとは思うけど。
「おーウッド! どこか出かけるのかあ?」
「ベロンベロンじゃないですか……」
いつにも増して陽気ですねゴリさん。
……ゴリさんの前に並んでるボトル、相当度数高いやつだと思ったんだけど……5本あるんですが。
普通に致死量な気がするんですが、ゴリさん肝臓強すぎない?
吐いた息に火付けたら燃えるんじゃないのこれ。
……ま、まあ。高レベルの人は内臓も強いんだろう。たぶん。
とりあえずお出かけすることを伝えないと。
「ええっと、タマさんの故郷までお出かけですね」
「おーそうかそうか! まあ、気ぃつけて行けや」
わー、思ってたより軽い反応!
まあタマさんの故郷行くだけだしね……遠いと行っても気合入れて走れば1日で着いちゃう距離だしー。
「お土産よろしくー」
「何か面白いものがいいわねえ」
お、お土産……毛玉でいい?
いや、まあ冗談だけど……うーん、面白いもの面白いもの……ネタに走り過ぎてもあれだし、難しいぞ!
「……まあ気にせず行ってこい」
おう……ベルトラムさん、一人だけ素面だぞ!
皆と同じぐらい飲んでるけど素面だぞ! どういうことなの……とりあえずお言葉に甘えてここはささっと退散しちゃおう。
お土産は……お酒か何かで良いんじゃないかなと思います。
お酒なければおつまみか何か……たぶん喜ぶと思う。皆お酒好きだし。
「それじゃ行ってきますー!」
ゴリさん達に手を振ってギルドを抜け出す俺とタマさん。
このまま街の外に出て街道をひたすら走る……と思ってたんだけど、何か行き先が違うような?
「……あ、あれ」
街の外と言うよりこっちって……。
「タマさんこっちってダンジョンじゃ……」
ダンジョンに向かう道だこれ。
「ニャ。 桃作って食べてから行くニャ。 そっちの方が早く着くニャー」
「あー、なるほどね」
桃を作るのはたぶん1時間も掛からないだろうし、そのぐらい遅れたとしても上がる身体能力を考えれば桃を作ってから行ったほうが早い。 と、思う。
んで、例によってゴブリン大量発生する岩についたんだけど……。
「どんだけ連打するのっ!?」
てしてしてししってレベルじゃないぞタマさん。
そして音でけえっ!? これ、このフロア中のゴブリン集まるんじゃない……?
まじで来たわ!
まあでも何とかなっちゃうんだけどね。
いやー、最初の頃が嘘のようだ。
寄ってくるゴブリンを刺して吸って投げて、そしてまた刺してと繰り返し桃を育てていく。
この間みたいに地面から根っこを槍の様に突き出して、一気にやってるもんでサクサク進みますなあ。
「ひぃ…………っ」
ただ、問題と言うか気になる点としてはやっぱ見た目やばいよねってことで。
この光景を見た人がどう感じるのか……さっきこっち見て顔真っ青にして駆けていった子が居たけど、たぶん俺のことあまり知らない人が見たら皆ああなるんでしょうなあ。 ハハハ。
あれ、たぶんギルドに報告しに行ったんだろうなあ。
……よし、桃作って逃げよう。 たぶんリタさんがフォローしてくれるじゃろっ!
さくっと桃を作ってバクゥッと食べる。
大量に残ったゴブリンはタマさんが魔法で全部吹っ飛ばした。
ダンジョンから出たのは目撃されてから10分後とかそんなもんだね。これならまだ騒ぎにはなってないでしょ。
つーわけで走るのです。
「とりあえずお昼まで走るニャ。 ペースはウッドにまかせるニャー」
「あいさ」
バテない程度に速度を調整して街道を爆走する俺とタマさん。
森と違って障害がないから走りやすいぞう。
景色がぐんぐん後ろに流れて行きますなあ……これ何キロ出てるんだろね?
後ろをちらっと見れば街はもう地平線の向こうだ。
ちょこっと見えてるのがたぶん世界樹だろうね。 いやあ、早い早い。
進んで行くにつれ、小さめの街?村?がちょこちょこあったけど、たぶんあれって宿場町ってやつじゃないかなあ?
普通は宿場町で休んで、翌日に次の宿場町に行くっ……って感じで進んで行くんだろうけど、もうそんなのお構いなしである。
お。また前方に宿場町が……ぬ?
「……? 街かな?」
宿場町にしてはでっかい。
壁もあるし、門番ぽいのも居るし。これ普通の街っぽいなあ。
さてどーしよ。
とりあえずタマさんに相談かな。
「タマさんどーする? よってく?」
「ちょうどお昼だし、何か食べていくニャ」
「あいさ」
ずっと走っててお腹も空いてきたし丁度良いね。
夜は野宿だろうし、お昼は街中で食べちゃおう。
野宿で野外料理ってのも良い物だけどね。
「んー?」
街に近付くと何か様子がおかしい事に気が付いた。
最初門番二人だけだったのが、門の奥からワラワラと出て来て……皆武器持ってるぞう。 何かあったんかね?
「と、止まれぇっ!」
「何者だ!」
門の前まで来たので速度を落とす俺とタマさん。
そんな俺達に門番達は声を上げると一斉に武器を向けてきた。
…………これ俺達を警戒して出て来たんかい!
0
お気に入りに追加
1,462
あなたにおすすめの小説
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
転生王子の異世界無双
海凪
ファンタジー
幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。
特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……
魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!
それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活
ゼウママ
ファンタジー
50歳目前、突然異世界生活が始まる事に。原因は良く聞く神様のミス。私の身にこんな事が起こるなんて…。
「ごめんなさい!もう戻る事も出来ないから、この世界で楽しく過ごして下さい。」と、言われたのでゆっくり生活をする事にした。
現役看護婦の私のゆっくりとしたどたばた異世界生活が始まった。
ゆっくり更新です。はじめての投稿です。
誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。
異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる