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森の賢人
「72話」
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結果から言うと割と何とかなった。
あれだ、某無双ゲームのキャラになった気分だった。
盾持って突っ込むだけでゴブリンがバラバラになるんだもん……もう全身返り血でぎっとぎとですわ。
ゲームだとそんな事は無かったけど、現実でやるとこうなるってことだね。
しっかし、俺の記憶ってどうなってるんだか……なんかどうでも良い記憶は割とあるんだどなー……まあいいや、とりあえず休もう……。
「……さすがに疲れた」
水筒の水で体についた返り血をざっと洗い流して、そのへんの地面に座り込む俺。
結局700近いゴブリンを連続で狩ることになったもんでさすがに疲れましたわ。
もうね、ゴブリンが途切れそうになるとタマさんが岩をテシテシと追加で叩くわけですよ。タマさんまじドS。
おかげで一気に盾の慣らしが終わりそうではあるんだけどねー。
「休んだら次行くぞニャ」
もっと休ませてぇっ!
せめて体力が……というか精神が癒されるまで……そっちは触らせてくれるんならすぐ癒されるんだけどなー?
あ、ダメですか。はい。
……しかし、改めて見るとすっごい数狩ったよね……。
「おー……ねえタマさん。 この死体どうしよう?」
辺り一面血の海です……。
さらには緑の何かがゴロゴロ転がってて、精神衛生上非常に宜しくない光景が出来上がってしまっている。
これ、このへんに居る虫やら小動物で処理できる量なのかね?
「さすがにこの数だと放っておくと不味いニャ。 タマが始末するニャー」
やっぱ無理だったぽい。
結局タマさんが魔法で血やら肉片やらかき集めてまとめて焼却処分してたよ。
魔法まじ便利。
早く使えるようにならないかなあ。
休憩も終わったので、俺はゴブリンに続いてコボルトの狩り場へと来ていた。
そして再び岩を連打するタマさん……。
「ああああ、やっぱ怖いってこいつらあ!!?」
「がんばれニャー」
俺はタマさんの呼び出したコボルトの大群に追われ逃げまくっていた。
いや、だってこいつら怖いんですもん。
黄ばんだ目が血走ってるし、よだれダラッダラだし。
攻撃されたとしてもノーダメなんだけど、怖いもんは怖いのである。
そんなわけで俺はちょっとした遠距離攻撃で戦うことにした。
具体的に言うと盾に触手……じゃない! 蔦です、蔦! ……蔦をですね、盾に絡ませてぐるんぐるん振り回す訳ですよ、でそのままコボルトにぶち当てると良い感じで真っ二つになります。
振り回してるだけで数が減っていくのでとても楽でした。まる。
「次はオークだニャー」
「……ちょっと休憩を所望するのです」
次はオークらしいけど、ちょっと休ませてタマさん……。
ずっと振り回すのって結構疲れるんす……。
ちょうどお昼時ってことで休憩兼ねて昼食を取ることになりました。
普段ならやったぜーって喜ぶところなんだけどぉ。
「血なまぐさ過ぎて食欲が……タマさん余裕そうね」
「ニャ」
鼻に血なまぐさいのがこびり付いててご飯が進まない。
タマさんもそばに居たから同じような状態のはずなんだけど……こっちは平気そうにもしゃもしゃりとご飯をもしゃってますね。
やっぱ年期違うねえ……俺はド新人なんで無理なのです。
「うー……さっぱりしたの食べたい。 水分も多めで……ミカンかな」
果物なら食えるかも。
匂いも誤魔化せるかもだし、柑橘系が良さそう……ってことでミカンにしたよ。
美味しいよね、ミカン。
「……ニャ?」
早速タマさんが反応したぞう。
……ところで猫って柑橘系大丈夫なのかな?
匂いが苦手そうなイメージがあるけど。
ま、まあ出してみよう。 ダメそうだったらタマさんのは別に用意すれば良いしね。
「新しい果物ニャー!」
ミカンがなった瞬間もがれました。痛い。
……匂いは大丈夫そうだね。スンスンって匂い嗅いでたけど嫌そうじゃないし。
「ミカン出したことなかったもんね……これも美味しいよ。 色々種類あるけどこいつは皮ごと食うタイプだね」
「皮ごとニャ?」
オレンジも美味しいけどあっちは皮がねえ……ちょっと口に残るのがいやだし、剥くのも面倒だし、その点ミカンは楽ちんでいいよね。
「うん、こんな感じで――うわ、顔すっごい」
「苦いニャ……騙したニャ」
タマさん皮ってそっちの皮じゃねーのです。
……ごめん、まさかそのままいくと思わなかった。顔すっごいな。
「ごめん、皮ってそっちのじゃなくてこっちのね……はい」
「……こっちは美味しいニャ」
タマさんが落としそうになったミカンを受け止め、皮を剥いて一房とってタマさんに手渡す。
ちょっと警戒してたけど食べてくれた。
すぐに次のに手を出したから気に入ってもくれたようだ。危ない危ない。
「でしょ? ……んん。 久しぶりに食うと美味しいなあ」
もう1個作って俺も食べるのだ。
ミカン美味しいなあ。
さっぱりしてて食欲なくても食える。 次はもっとまともな状況で食べたいものだ。
タマさんと魚とりに行ったときとかいいかもね。
……あ、そうだ魚と言えばあれだ。
「これの仲間でね、甘味がほとんどないのあるんだけど」
「ニャー?」
柑橘系とお魚はあうのだ。
「焼いた魚にかけると美味しい」
スダチとかいいよね。
レモンでもいいけど……両方試せばいいか。
「まじかニャ」
「まじまじ」
タマさんにも試して貰おう。
間違ってそのまま食わないように予め言っておかないと。
いやあ、楽しみですな。お魚。
あれだ、某無双ゲームのキャラになった気分だった。
盾持って突っ込むだけでゴブリンがバラバラになるんだもん……もう全身返り血でぎっとぎとですわ。
ゲームだとそんな事は無かったけど、現実でやるとこうなるってことだね。
しっかし、俺の記憶ってどうなってるんだか……なんかどうでも良い記憶は割とあるんだどなー……まあいいや、とりあえず休もう……。
「……さすがに疲れた」
水筒の水で体についた返り血をざっと洗い流して、そのへんの地面に座り込む俺。
結局700近いゴブリンを連続で狩ることになったもんでさすがに疲れましたわ。
もうね、ゴブリンが途切れそうになるとタマさんが岩をテシテシと追加で叩くわけですよ。タマさんまじドS。
おかげで一気に盾の慣らしが終わりそうではあるんだけどねー。
「休んだら次行くぞニャ」
もっと休ませてぇっ!
せめて体力が……というか精神が癒されるまで……そっちは触らせてくれるんならすぐ癒されるんだけどなー?
あ、ダメですか。はい。
……しかし、改めて見るとすっごい数狩ったよね……。
「おー……ねえタマさん。 この死体どうしよう?」
辺り一面血の海です……。
さらには緑の何かがゴロゴロ転がってて、精神衛生上非常に宜しくない光景が出来上がってしまっている。
これ、このへんに居る虫やら小動物で処理できる量なのかね?
「さすがにこの数だと放っておくと不味いニャ。 タマが始末するニャー」
やっぱ無理だったぽい。
結局タマさんが魔法で血やら肉片やらかき集めてまとめて焼却処分してたよ。
魔法まじ便利。
早く使えるようにならないかなあ。
休憩も終わったので、俺はゴブリンに続いてコボルトの狩り場へと来ていた。
そして再び岩を連打するタマさん……。
「ああああ、やっぱ怖いってこいつらあ!!?」
「がんばれニャー」
俺はタマさんの呼び出したコボルトの大群に追われ逃げまくっていた。
いや、だってこいつら怖いんですもん。
黄ばんだ目が血走ってるし、よだれダラッダラだし。
攻撃されたとしてもノーダメなんだけど、怖いもんは怖いのである。
そんなわけで俺はちょっとした遠距離攻撃で戦うことにした。
具体的に言うと盾に触手……じゃない! 蔦です、蔦! ……蔦をですね、盾に絡ませてぐるんぐるん振り回す訳ですよ、でそのままコボルトにぶち当てると良い感じで真っ二つになります。
振り回してるだけで数が減っていくのでとても楽でした。まる。
「次はオークだニャー」
「……ちょっと休憩を所望するのです」
次はオークらしいけど、ちょっと休ませてタマさん……。
ずっと振り回すのって結構疲れるんす……。
ちょうどお昼時ってことで休憩兼ねて昼食を取ることになりました。
普段ならやったぜーって喜ぶところなんだけどぉ。
「血なまぐさ過ぎて食欲が……タマさん余裕そうね」
「ニャ」
鼻に血なまぐさいのがこびり付いててご飯が進まない。
タマさんもそばに居たから同じような状態のはずなんだけど……こっちは平気そうにもしゃもしゃりとご飯をもしゃってますね。
やっぱ年期違うねえ……俺はド新人なんで無理なのです。
「うー……さっぱりしたの食べたい。 水分も多めで……ミカンかな」
果物なら食えるかも。
匂いも誤魔化せるかもだし、柑橘系が良さそう……ってことでミカンにしたよ。
美味しいよね、ミカン。
「……ニャ?」
早速タマさんが反応したぞう。
……ところで猫って柑橘系大丈夫なのかな?
匂いが苦手そうなイメージがあるけど。
ま、まあ出してみよう。 ダメそうだったらタマさんのは別に用意すれば良いしね。
「新しい果物ニャー!」
ミカンがなった瞬間もがれました。痛い。
……匂いは大丈夫そうだね。スンスンって匂い嗅いでたけど嫌そうじゃないし。
「ミカン出したことなかったもんね……これも美味しいよ。 色々種類あるけどこいつは皮ごと食うタイプだね」
「皮ごとニャ?」
オレンジも美味しいけどあっちは皮がねえ……ちょっと口に残るのがいやだし、剥くのも面倒だし、その点ミカンは楽ちんでいいよね。
「うん、こんな感じで――うわ、顔すっごい」
「苦いニャ……騙したニャ」
タマさん皮ってそっちの皮じゃねーのです。
……ごめん、まさかそのままいくと思わなかった。顔すっごいな。
「ごめん、皮ってそっちのじゃなくてこっちのね……はい」
「……こっちは美味しいニャ」
タマさんが落としそうになったミカンを受け止め、皮を剥いて一房とってタマさんに手渡す。
ちょっと警戒してたけど食べてくれた。
すぐに次のに手を出したから気に入ってもくれたようだ。危ない危ない。
「でしょ? ……んん。 久しぶりに食うと美味しいなあ」
もう1個作って俺も食べるのだ。
ミカン美味しいなあ。
さっぱりしてて食欲なくても食える。 次はもっとまともな状況で食べたいものだ。
タマさんと魚とりに行ったときとかいいかもね。
……あ、そうだ魚と言えばあれだ。
「これの仲間でね、甘味がほとんどないのあるんだけど」
「ニャー?」
柑橘系とお魚はあうのだ。
「焼いた魚にかけると美味しい」
スダチとかいいよね。
レモンでもいいけど……両方試せばいいか。
「まじかニャ」
「まじまじ」
タマさんにも試して貰おう。
間違ってそのまま食わないように予め言っておかないと。
いやあ、楽しみですな。お魚。
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