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森の賢人

「71話」

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「珍しいニャ。 魚食べたいなんてニャー」

「そなの? このへんだと獲れないからかな?」

俺をみて意外そうに話すタマさん。

別に珍しくはないだろうと一瞬考えたけど、そもそもお魚がメニューに出てこないから食べたくなったんだった。
やっぱ珍しいのか。

川でもあれば別なんだろうけど、この辺りにでかい川なんてないし、海なんかもないと思う。
この辺りに何があるとかさっぱりだからただの予想だけどね。

魚がとれないけど、他の食材は一杯あるし別に魚食べなくていいや、って感じなのかねー?


……ん?
なんかタマさんがそわそわしだしたぞ。
なんだろ、トイレかな?

「魚ニャー。 食べたくなってきたニャ。 明日とりに行くニャ」

トイレじゃなかった。
めんご。

タマさんやっぱにゃんこだけあってお魚好きなのね。
実は俺も好きなんですよ。奇遇ですね、ふふふ。


……てか。
明日とりに行くってどういうことなの。
まさか海まで駆け抜ける気じゃ……どれだけ遠いか知らないけどタマさんなら行けそうな気がしなくもない。

……いやまあ、海なんて行かずにたぶんあそこでとるんだろうけど。

「取りに行くってもしかしてダンジョン?」

果物なってるんだし、お魚ぐらいとれるだろう。 なんて意味不明な理論だけど、たぶんダンジョンなんだろうなーと思ったのです。

「そうだニャ」

「へー!」

やっぱそうか、俺も行きたいなー……まてよ? ……果物はメニューに載っているけどお魚は載ってない。
これってつまりタマさんがとってきた果物よりもお魚のほうが難易度高いってことなんじゃ……?

「……ちなみに推奨レベルはおいくつなので」

「65ニャ。 ウッドも行くぞニャ」

「死ぬわっ!!?」

俺まだ15越えたばかりだからねっ!?
木の補正あっても50届かないから、下手したら一撃で死ぬから。

「ウッドのあれとタマの魔法使えばいけるニャー」

「ああそれなら……それでも5足らねーのデスヨ!?」

一瞬いけるかと思ったけど足らないやないかーい!
桃で10。タマさんの魔法で確か5だったはず。足しても60ぐらいにしかならない。

……んまあ、触手使えばいけるんだろうけどぉ。
ちょっとばかし不安がね?

それにだ。まだやらなきゃいけないことがある。

「いや、それよりもまだ盾のならし中だし、行ったとしても盾壊れちゃうよ」

まだゴブリン狩りはじめたばっかだし、ついさっき1000は狩らないとダメと言われたばかりである。
てか言ったのタマさんだから……。

「ニャー。 しょうがないにゃあ」

にゃあ。

「がんがん狩って、盾鍛えて、魚とりに行くニャ」

「おー」

とりあえずいきなりお魚とりに行くのは中止ぽい。
まずは狩りまくって盾を鍛えないとだからね。

明日から気合い入れて狩りまくろうと思ふ。

そしてタマさんと二人でのんびり釣りタイムと洒落込むのだ。

お弁当と飲み物もって、果物は現地でだして。
釣れたてをその場で焼いて食ってもいいし、なんなら現地に調理器具持ち込んで……俺、料理出来ないじゃん。

ならばタマさんに……いや、なんか嫌な予感するからやめておこう。

とりあえず明日から狩りまくらねば。
早めに出発して狩る時間も長くしたい。そうとなれば今日は早めに飯を食って就寝せねばならないだろう。

俺は明日早くからダンジョンに潜ろうとタマさんに提案する。

そして飯をかっこみ、タマさんを抱えて部屋へと戻りベッドにダイブ、蹴り出されるのであった。



んで翌朝。
俺とタマさんは早速例のゴブリン狩りまくりな場所へと来ていた。

回りには他に誰もいないし、好きなだけ狩れそうである。

それじゃ始めますかーというわけで、武器……じゃなくて盾を構えてタマさんへ頷きかける。

するとタマさんは岩にとととっと駆け寄り……。

「早速狩るニャー」

と言って岩をテシテシテシシシッと……連打した。

「タマさああああんっ!?」

いや、まってまって!
普通それ一回しか押さない奴だよね!?

「ニャ?」

「何連打してるの!?? てか音むっちゃデカ!!」

連打しまくったからだろう、辺りに響き渡るアラームような音は何時もの比ではない程に大きい。
近くにいる俺の鼓膜がびりびりするほどだ。

「この辺り一帯の全部くるニャ。 気合い入れて狩るニャー」

「まじで!?」

くそう、やっぱタマさんドSじゃないかっ!
後で絶対もふらせて貰うんだからね!
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