66 / 156
森の賢人
「65話」
しおりを挟む
ついたよダンジョン!
いやー、いつもとメンバー違うから何か気合はいるねえ。
タマさんの時とはまた違ったウキウキ感がある。
良いですなあ。うへへ。
「罠のところまでは走るが良いか?」
「問題ないです」
問題ないです。
今なら罠のところまで走るぐらい余裕ですよ。ふほほ。
「うぅ」
「早く着けばいっぱい狩れますね!」
「……」
って、ほかのメンバーはそうでもないか。
そうだよね、補正30ついてもちょっと疲れるし、補正10もない子なら相当きっついだろう。
現に結構げんなりしてる感じである。
一人元気だけどネ。
そしてやはりと言うか、走り始めてすぐにへばり出し、最後のほうは走るというか、もうへとへとで早歩きといった感じであった。
「よし、少し休憩したら始めるぞ」
「はい」
少しで良いのかなー?
もうちょい休んだほうがいい気がするけども。
……んん。
あれだ、盾の準備しないとだね。初めて使うし色々点検したほうがいいよネ。
そうそう、新しい盾だけど。見た目かなりごっつくなったよ。
前はいかにも普通の盾!って感じだったけど、今は武器の金棒と合わせてくれたのか、ちょっとトゲトゲが付いてて盾でぶん殴ってもかなりダメージ与えられそうな見た目になっている。
先端部分は特に尖ってて、ちょっとした杭みたいな感じです。
これ相手に突き刺してもいいし、地面にぶっさして踏ん張ったりも出来そうなのでよさげである。
「……あの」
「ほい?」
何か盾をごそごそいじっていると……えっと、確かペール君だったかな? 3人の内の1人が声を掛けてきた。
「それって鬼鉄製ですよね……?」
「ああ、そうですよー」
ほほう。
どうやらこの盾が気になるご様子。
そら鬼鉄製だし、高級品だもんね。
「! やっぱり! いいなー、私もいつか鬼鉄製の装備使うのが夢なんです!」
「鬼鉄製高いから……」
「確かに高いね。 狩れれば安く済むけど中々装備持ちは出ないしなあ」
もう一人元気な子も食いついてきた。
新人さんだろうが……いや新人だからこそいい装備に憧れるのだろう。
俺はこの体のおかげでしこたま狩ってお金稼げるけど、普通はそうもいかないはずである。
新人だと収支と出費がトントンな感じで結構きついんでないかなー?
中堅ぐらいにならないとあのお値段は手がでない気がする。
ってな感じで割とよさげな雰囲気でお話出来ていたのだけど……。
何か一人だけ警戒というか……なんだろうねじーっと睨む感じでこっちを見てくる子が一人いるんだけどぉ。
あんま見つめられると小心者なのでドキドキしちゃいますよ?
「……どうせタマさんが狩ったんでしょ」
おぉっとそう来たか。
タマさん強いしね。それに比べたら俺なんて雑魚もいいところである。
でも八つ目は俺が狩ったわけだし、そんなこと言われても知らんがなーである。
てかね、何かこうテンプレ的な感じが初めてでちょっとワクテカしている自分がいるのですが……タマさんに見られたら呆れた視線を投げてくれそうですね。ハハハ。
「キュカ……」
「何よ、別に間違ったこっいっだあ!?」
「キュカ、お前はもう少し考えてから喋れと言っただろう? 次何かあれば放り出すぞ」
おう。
まさに鉄拳制裁。
ゴンッていうかゴツゥッて音がしたんだけど、あれ大丈夫? 生きてるよね?
「悪いなウッドさん、こいつらには後で良く言い聞かせておく」
「あ、はい……」
スオウさんまじ顔怖い。
キュカちゃん……ちゃん付けでいっか。 キュカちゃんの頭を鷲掴みにして無理やり頭下げてらっしゃる。
何かもうためらいも無くてひぇぇーって感じですわ。怖い。
「それじゃ始めるがー……連携もくそも無いだろうからな。ウッドさん、こいつらには1~2匹いくようにして残りは狩っちまってくれないか?」
「ええ、ではそれで」
それぐらいお安い御用ですよっと。
んじゃやりますかー……っと、そうだった今日は盾の慣らしだった。
いつもの流れで金棒出しちゃったけど今日は使わないのでしまっておこう。
なんて感じでわちゃわちゃしているとあたりに大きな音が響き渡る。
例の罠を作動させたのだ。
途端に周囲の茂みがガサガサとゆれ、そこから緑色の小人……ゴブリンが飛び出してくる。
ゴブリンは俺たちを見ると間髪入れずに襲い掛かってきた。
「来るよ……!」
「一番手もっらいー!」
「……ふんっ」
最初は1匹だけだったので相手は彼らに譲ろう。
3対1だし大丈夫だよね?さすがに。
てかキュカちゃんまだつんつんしてるなあ、またぶん殴られても知らないヨ?
「おー……連携とれ、て……る?」
んで俺はまだやることないし、彼らの戦いぶりをじーっと見てたんだけどー……連携は取れてる、かな?
俺自身パーティで戦った経験がほぼないからよく分からんのよね。
なんとなーくお互いの邪魔をせず、一人が攻撃を引き付けている間にもう一人が攻撃してーといった感じで、連携取れてるかなーって気がする。
とかなんとか考えていたら再び茂みが揺れて……今度は3匹のゴブリンが飛び出してきた。
「ん、追加で3匹か……じゃ2匹もらうかな」
何故かは知らないけど、3匹とも彼らのほうへ一直線で向かっていったので辿り着く前にそのうち2匹を狩ってしまうことにする。
「ふんっ!」
まずは小手調べってことで一気に踏み込んで盾を正面から叩きつける。
「おわっ!? も、脆い……」
爆散した。
いや、まじで爆散した。
手足とか頭とかばらっばらになってすっとんで行きましたもん。
「よっと」
ちょっとびっくりして固まってしまったけど、残りの1匹も対処する。
こっちは蔦を足に引っ掛けて転ばせ、ついでなんで宙吊りにしたところを盾の先端をぶっさしてみる。
刺したのは胴体だったけど、上下に真っ二つに分かれました。
レベル上がって威力上がっているのか、いい防具だからか……鬼鉄製は最初普通の鉄製とあんま変わらないって話だし、たぶんレベル上がったせいだろうなあ。
いやー、自分で言うのもあれだけど強くなったもんだねー。
いやー、いつもとメンバー違うから何か気合はいるねえ。
タマさんの時とはまた違ったウキウキ感がある。
良いですなあ。うへへ。
「罠のところまでは走るが良いか?」
「問題ないです」
問題ないです。
今なら罠のところまで走るぐらい余裕ですよ。ふほほ。
「うぅ」
「早く着けばいっぱい狩れますね!」
「……」
って、ほかのメンバーはそうでもないか。
そうだよね、補正30ついてもちょっと疲れるし、補正10もない子なら相当きっついだろう。
現に結構げんなりしてる感じである。
一人元気だけどネ。
そしてやはりと言うか、走り始めてすぐにへばり出し、最後のほうは走るというか、もうへとへとで早歩きといった感じであった。
「よし、少し休憩したら始めるぞ」
「はい」
少しで良いのかなー?
もうちょい休んだほうがいい気がするけども。
……んん。
あれだ、盾の準備しないとだね。初めて使うし色々点検したほうがいいよネ。
そうそう、新しい盾だけど。見た目かなりごっつくなったよ。
前はいかにも普通の盾!って感じだったけど、今は武器の金棒と合わせてくれたのか、ちょっとトゲトゲが付いてて盾でぶん殴ってもかなりダメージ与えられそうな見た目になっている。
先端部分は特に尖ってて、ちょっとした杭みたいな感じです。
これ相手に突き刺してもいいし、地面にぶっさして踏ん張ったりも出来そうなのでよさげである。
「……あの」
「ほい?」
何か盾をごそごそいじっていると……えっと、確かペール君だったかな? 3人の内の1人が声を掛けてきた。
「それって鬼鉄製ですよね……?」
「ああ、そうですよー」
ほほう。
どうやらこの盾が気になるご様子。
そら鬼鉄製だし、高級品だもんね。
「! やっぱり! いいなー、私もいつか鬼鉄製の装備使うのが夢なんです!」
「鬼鉄製高いから……」
「確かに高いね。 狩れれば安く済むけど中々装備持ちは出ないしなあ」
もう一人元気な子も食いついてきた。
新人さんだろうが……いや新人だからこそいい装備に憧れるのだろう。
俺はこの体のおかげでしこたま狩ってお金稼げるけど、普通はそうもいかないはずである。
新人だと収支と出費がトントンな感じで結構きついんでないかなー?
中堅ぐらいにならないとあのお値段は手がでない気がする。
ってな感じで割とよさげな雰囲気でお話出来ていたのだけど……。
何か一人だけ警戒というか……なんだろうねじーっと睨む感じでこっちを見てくる子が一人いるんだけどぉ。
あんま見つめられると小心者なのでドキドキしちゃいますよ?
「……どうせタマさんが狩ったんでしょ」
おぉっとそう来たか。
タマさん強いしね。それに比べたら俺なんて雑魚もいいところである。
でも八つ目は俺が狩ったわけだし、そんなこと言われても知らんがなーである。
てかね、何かこうテンプレ的な感じが初めてでちょっとワクテカしている自分がいるのですが……タマさんに見られたら呆れた視線を投げてくれそうですね。ハハハ。
「キュカ……」
「何よ、別に間違ったこっいっだあ!?」
「キュカ、お前はもう少し考えてから喋れと言っただろう? 次何かあれば放り出すぞ」
おう。
まさに鉄拳制裁。
ゴンッていうかゴツゥッて音がしたんだけど、あれ大丈夫? 生きてるよね?
「悪いなウッドさん、こいつらには後で良く言い聞かせておく」
「あ、はい……」
スオウさんまじ顔怖い。
キュカちゃん……ちゃん付けでいっか。 キュカちゃんの頭を鷲掴みにして無理やり頭下げてらっしゃる。
何かもうためらいも無くてひぇぇーって感じですわ。怖い。
「それじゃ始めるがー……連携もくそも無いだろうからな。ウッドさん、こいつらには1~2匹いくようにして残りは狩っちまってくれないか?」
「ええ、ではそれで」
それぐらいお安い御用ですよっと。
んじゃやりますかー……っと、そうだった今日は盾の慣らしだった。
いつもの流れで金棒出しちゃったけど今日は使わないのでしまっておこう。
なんて感じでわちゃわちゃしているとあたりに大きな音が響き渡る。
例の罠を作動させたのだ。
途端に周囲の茂みがガサガサとゆれ、そこから緑色の小人……ゴブリンが飛び出してくる。
ゴブリンは俺たちを見ると間髪入れずに襲い掛かってきた。
「来るよ……!」
「一番手もっらいー!」
「……ふんっ」
最初は1匹だけだったので相手は彼らに譲ろう。
3対1だし大丈夫だよね?さすがに。
てかキュカちゃんまだつんつんしてるなあ、またぶん殴られても知らないヨ?
「おー……連携とれ、て……る?」
んで俺はまだやることないし、彼らの戦いぶりをじーっと見てたんだけどー……連携は取れてる、かな?
俺自身パーティで戦った経験がほぼないからよく分からんのよね。
なんとなーくお互いの邪魔をせず、一人が攻撃を引き付けている間にもう一人が攻撃してーといった感じで、連携取れてるかなーって気がする。
とかなんとか考えていたら再び茂みが揺れて……今度は3匹のゴブリンが飛び出してきた。
「ん、追加で3匹か……じゃ2匹もらうかな」
何故かは知らないけど、3匹とも彼らのほうへ一直線で向かっていったので辿り着く前にそのうち2匹を狩ってしまうことにする。
「ふんっ!」
まずは小手調べってことで一気に踏み込んで盾を正面から叩きつける。
「おわっ!? も、脆い……」
爆散した。
いや、まじで爆散した。
手足とか頭とかばらっばらになってすっとんで行きましたもん。
「よっと」
ちょっとびっくりして固まってしまったけど、残りの1匹も対処する。
こっちは蔦を足に引っ掛けて転ばせ、ついでなんで宙吊りにしたところを盾の先端をぶっさしてみる。
刺したのは胴体だったけど、上下に真っ二つに分かれました。
レベル上がって威力上がっているのか、いい防具だからか……鬼鉄製は最初普通の鉄製とあんま変わらないって話だし、たぶんレベル上がったせいだろうなあ。
いやー、自分で言うのもあれだけど強くなったもんだねー。
0
お気に入りに追加
1,462
あなたにおすすめの小説
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
転生王子の異世界無双
海凪
ファンタジー
幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。
特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……
魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!
それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活
ゼウママ
ファンタジー
50歳目前、突然異世界生活が始まる事に。原因は良く聞く神様のミス。私の身にこんな事が起こるなんて…。
「ごめんなさい!もう戻る事も出来ないから、この世界で楽しく過ごして下さい。」と、言われたのでゆっくり生活をする事にした。
現役看護婦の私のゆっくりとしたどたばた異世界生活が始まった。
ゆっくり更新です。はじめての投稿です。
誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる