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木の中にいる
「43話」
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「素晴らしく美味しい果物でした……これ、いくつでも作ることが出来るのですか?」
布巾で口元をぬぐい、落ち着いた雰囲気でそう話すリタさん。
でもさっきまでの取り乱した様子はばっちり脳内に保管済みなのでもう手遅れだと思います!
「あ、いやそう言うわけじゃないです」
作れはするんだけどね。
ここは嘘ついちゃおう、禿げ山量産する気はねーのです。神様のならいくらでも歓迎するけど。
「そうでしたか……残念ですが安心しました。相場が崩れるようなことは無さそうですね」
残念てのは自分が食えないからだろう。ふふふ、お願いしてくれたら何時でも出しますよ?
お礼はデートでいいでひゅぅっ!? ちょ、タマさんいきなりなんで猫パンチを……え、タマの分が減る? あ、はい分かりました。爪にょきってしないでっ!
「自分達の分を確保するので精一杯ですからね」
タマさんとの無言の会話によりそうなりました。
んもータマさんてば欲張りなんだからー。
「それではお時間取らせてすみません、こちら今回提供頂いた情報への報酬となります……どうぞお納めください」
「ありがとうございます」
結構ずっしりと重たい袋を手渡された。
中身確認したいけど我慢である。
あとで寝る前にでもこっそりのぞいてみよう。
リタさんは袋を俺に渡すとぺこりと頭を下げ、そして再び受付へと戻っていった。
見えなくなったのを確認してふいーと息を吐く。
美人と話すのは緊張しますなあ。……納品してとか言われるかなと少しだけ身構えてたけど杞憂に終わった。
そうは見えなかった? 身構えて態度に出ちゃってもあれだしね、そのへん気を付けてたのですよ。ふふり。
「そろそろ梨が食べたいニャー」
「あいあい」
タマさん本当マイペースね。
そこが良いんだけどね! あ、梨食べているあいだモフっていいです? ……タマさん? あれ、さっきまで意思疎通出来てたのにおっかっしいなー? タッマさーん?
手を伸ばしたらはたかれた。ひどい。
オーガを狩り始めてからそろそろ1週間が経とうとしていた。
だが未だに装備持ちはその姿を現さない。
「装備持ち本当にいないねえ」
「そんな簡単にでたら苦労しないニャ」
そろそろ500匹近く狩ってることになるんだけどね。
オーガとの戦闘にも慣れて大分狩る速度も上がってきたよ。
あとレベルも結構上がってきてる。ガードの上から昏倒させるたりも出来るようになったし、徐々にだけど強くなってきてるなと実感する。
徐々にといっても他の人と比べたらとんでもなく成長早いらしいけどね。
「そういやさタマさん」
「ニャ?」
狩りをしていると時々敵がまったく居ないタイミングがあったりする。
ずっと待ってるのも暇なんでこんな時はタマさんとおしゃべりするに限るのです。
コミュニケーションは大事だからね、モフれる確率が大分変わってくる。
「向こうに見える建物って何なんだろ?」
中層にきてからずーっと気になっていたあの建物について尋ねてみる。
それなりに距離があるにも関わらずしっかり見えているので、結構な規模の建物があるはずだ。
「集落ニャ」
「へー……へ? しゅ、集落? ダンジョンの中に?」
え、誰か住んでるってこと?
こんなモンスターわきまくりな場所なのに……。
「オーガのニャ」
……うん。ソーダヨネ。
こんなとこに人が住むわけないじゃん!ちょっと考えれば分かるだろ俺ぇ。
しかし集落ね。
……特別な個体とかいるのかな?装備持ちとかいたら嬉しいけども。
「あーなるほど。 ……もしかしてそこに装備持ちがいたり?」
「居ることもあるニャ。 でもまず居ないニャー」
まーそうだよね。
居たら真っ先に狙われるもんね。
集落がしばらくの間健在ってことはそこまで攻める旨味がないってことだろう。
それか旨味があっても手を出せない理由があるか。
「残念、そう上手くはいかないか。 でも集落ねえ……宝物があったり、ボス的なものがいたりするのかな?」
「死んだシーカーの荷物があったりするニャ。 あとは集落には大抵長が居るニャ」
「荷物かー……それはちょっち気まずいなあ。 長はやっぱ強いのかな?」
荷物はちょっと。
亡くなった方の持ち物だし……手をつけるのは気が引ける。
それよりも長ですって奥さん。
いかにもって感じですごく良い。
「強いのニャ。 倒すなら単体でも推奨レベル40ぐらいニャ。集落丸ごとやるなら50ぐらいニャ」
「わー厳しい。それってしかもパーティー組んでだよね? しばらくは無理だねー」
割と無理ゲーな感じだった。
今ソロで突っ込んでも確実に死ぬね。
タマさんと一緒ならいけるだろうけど、それだと俺はただの足手まといだしー。
当面の間は行くことなさそうだ。
「ニャ。焦りは禁物ニャ。 まずは5体に囲まれても大丈夫になるニャ」
「5体はさすがにまだきつい……」
4体までは何とかいけるんだけどね。
蔦の扱い大分慣れてきたし、出会い頭に1体は潰せる。
武器か防具を叩きつけたと同時に蔓を這わせて目に突っ込むのである。あとは中身をシェイクするだけの簡単なお仕事です。
んで、残りの3体を無理せず蔦を駆使して削っていけば無傷ですんでしまう。
これが1体追加になっただけで、攻撃する余裕がなくなるんだよね。
蔦を這わせてどうにかする前に、相手の攻撃をどうにか防ぐ必要があってどうしても後手に回ってしまうのだ。
5体同時に相手にするにはもう少し基礎能力上げないとダメそうである。
それか新たな能力を見つけるかだ。
新たな能力については時間が空いた時に色々と検証はしているけど、まだ分かっていない。
何となくまだまだありそうな気はしてるんだけどね。
布巾で口元をぬぐい、落ち着いた雰囲気でそう話すリタさん。
でもさっきまでの取り乱した様子はばっちり脳内に保管済みなのでもう手遅れだと思います!
「あ、いやそう言うわけじゃないです」
作れはするんだけどね。
ここは嘘ついちゃおう、禿げ山量産する気はねーのです。神様のならいくらでも歓迎するけど。
「そうでしたか……残念ですが安心しました。相場が崩れるようなことは無さそうですね」
残念てのは自分が食えないからだろう。ふふふ、お願いしてくれたら何時でも出しますよ?
お礼はデートでいいでひゅぅっ!? ちょ、タマさんいきなりなんで猫パンチを……え、タマの分が減る? あ、はい分かりました。爪にょきってしないでっ!
「自分達の分を確保するので精一杯ですからね」
タマさんとの無言の会話によりそうなりました。
んもータマさんてば欲張りなんだからー。
「それではお時間取らせてすみません、こちら今回提供頂いた情報への報酬となります……どうぞお納めください」
「ありがとうございます」
結構ずっしりと重たい袋を手渡された。
中身確認したいけど我慢である。
あとで寝る前にでもこっそりのぞいてみよう。
リタさんは袋を俺に渡すとぺこりと頭を下げ、そして再び受付へと戻っていった。
見えなくなったのを確認してふいーと息を吐く。
美人と話すのは緊張しますなあ。……納品してとか言われるかなと少しだけ身構えてたけど杞憂に終わった。
そうは見えなかった? 身構えて態度に出ちゃってもあれだしね、そのへん気を付けてたのですよ。ふふり。
「そろそろ梨が食べたいニャー」
「あいあい」
タマさん本当マイペースね。
そこが良いんだけどね! あ、梨食べているあいだモフっていいです? ……タマさん? あれ、さっきまで意思疎通出来てたのにおっかっしいなー? タッマさーん?
手を伸ばしたらはたかれた。ひどい。
オーガを狩り始めてからそろそろ1週間が経とうとしていた。
だが未だに装備持ちはその姿を現さない。
「装備持ち本当にいないねえ」
「そんな簡単にでたら苦労しないニャ」
そろそろ500匹近く狩ってることになるんだけどね。
オーガとの戦闘にも慣れて大分狩る速度も上がってきたよ。
あとレベルも結構上がってきてる。ガードの上から昏倒させるたりも出来るようになったし、徐々にだけど強くなってきてるなと実感する。
徐々にといっても他の人と比べたらとんでもなく成長早いらしいけどね。
「そういやさタマさん」
「ニャ?」
狩りをしていると時々敵がまったく居ないタイミングがあったりする。
ずっと待ってるのも暇なんでこんな時はタマさんとおしゃべりするに限るのです。
コミュニケーションは大事だからね、モフれる確率が大分変わってくる。
「向こうに見える建物って何なんだろ?」
中層にきてからずーっと気になっていたあの建物について尋ねてみる。
それなりに距離があるにも関わらずしっかり見えているので、結構な規模の建物があるはずだ。
「集落ニャ」
「へー……へ? しゅ、集落? ダンジョンの中に?」
え、誰か住んでるってこと?
こんなモンスターわきまくりな場所なのに……。
「オーガのニャ」
……うん。ソーダヨネ。
こんなとこに人が住むわけないじゃん!ちょっと考えれば分かるだろ俺ぇ。
しかし集落ね。
……特別な個体とかいるのかな?装備持ちとかいたら嬉しいけども。
「あーなるほど。 ……もしかしてそこに装備持ちがいたり?」
「居ることもあるニャ。 でもまず居ないニャー」
まーそうだよね。
居たら真っ先に狙われるもんね。
集落がしばらくの間健在ってことはそこまで攻める旨味がないってことだろう。
それか旨味があっても手を出せない理由があるか。
「残念、そう上手くはいかないか。 でも集落ねえ……宝物があったり、ボス的なものがいたりするのかな?」
「死んだシーカーの荷物があったりするニャ。 あとは集落には大抵長が居るニャ」
「荷物かー……それはちょっち気まずいなあ。 長はやっぱ強いのかな?」
荷物はちょっと。
亡くなった方の持ち物だし……手をつけるのは気が引ける。
それよりも長ですって奥さん。
いかにもって感じですごく良い。
「強いのニャ。 倒すなら単体でも推奨レベル40ぐらいニャ。集落丸ごとやるなら50ぐらいニャ」
「わー厳しい。それってしかもパーティー組んでだよね? しばらくは無理だねー」
割と無理ゲーな感じだった。
今ソロで突っ込んでも確実に死ぬね。
タマさんと一緒ならいけるだろうけど、それだと俺はただの足手まといだしー。
当面の間は行くことなさそうだ。
「ニャ。焦りは禁物ニャ。 まずは5体に囲まれても大丈夫になるニャ」
「5体はさすがにまだきつい……」
4体までは何とかいけるんだけどね。
蔦の扱い大分慣れてきたし、出会い頭に1体は潰せる。
武器か防具を叩きつけたと同時に蔓を這わせて目に突っ込むのである。あとは中身をシェイクするだけの簡単なお仕事です。
んで、残りの3体を無理せず蔦を駆使して削っていけば無傷ですんでしまう。
これが1体追加になっただけで、攻撃する余裕がなくなるんだよね。
蔦を這わせてどうにかする前に、相手の攻撃をどうにか防ぐ必要があってどうしても後手に回ってしまうのだ。
5体同時に相手にするにはもう少し基礎能力上げないとダメそうである。
それか新たな能力を見つけるかだ。
新たな能力については時間が空いた時に色々と検証はしているけど、まだ分かっていない。
何となくまだまだありそうな気はしてるんだけどね。
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