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高校一年生、桜川高等学校合唱部
33話「コンクール前日2」
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関東コンクールの前日、
合唱部の部室は朝から夜まで歌が響いていた。
星空の麗は、とても綺麗で可憐な歌だ。
優しいリズムに身を乗せ、ゆらりと揺れる。
「ねえルア」
歌乃が声をかけてくる。
「なんでソロ、悔しくなかったの?」
ああ、それか。
「だって、あれAパートのソロじゃん。
私Bだし」
「あっ、そうだった」
そう、歌乃はAパート、ルアはBなのだ。
サビを歌う。
癖になる歌詞に身を任せる。
絶対全国に行くんだ。
ぎゅっと握った拳。
手のひらには赤い跡がついていた。
夜9時まで練習を続ける。
寮に戻って、夕飯の、パンを食べる。
お風呂に入る。
シャワーとボディーソープを足につけながら、思う。
いよいよ明日だ。
クシで髪をとかす。
シャンプーをつけながら、ルアは、星空の麗を口ずさむ。
いつも、ずっと。流す。
トリートメントを、髪に滑らかにつけて、ながす。
コンディショナーをつけて、サッと流す。
ルアの癖っ毛な茶色の毛は、黒髪のように、しめっていた。
毛を剃る。
湯船につかると、
また、星空の麗を口ずさむ。
風呂から上がると、すぐ、タオルでふき、
ドライヤーとスキンケアをする。
生まれて、ニキビは、数個しかできたことがないはずだったが、
花に誕生日から貰ったお菓子はチョコの詰め合わせ、
心に貰った巨大バケツプリンで、顔中ニキビになった。
クリームをつけながら、思う。
明日、全てが決まるんだ。
パジャマになると、
すぐ歯磨きして、ベッドに寝ころぶ。
アラームをセットして、ベッドに横たわる。
その時も、ルアは、星空の麗を口ずさんでいた。
つづく
合唱部の部室は朝から夜まで歌が響いていた。
星空の麗は、とても綺麗で可憐な歌だ。
優しいリズムに身を乗せ、ゆらりと揺れる。
「ねえルア」
歌乃が声をかけてくる。
「なんでソロ、悔しくなかったの?」
ああ、それか。
「だって、あれAパートのソロじゃん。
私Bだし」
「あっ、そうだった」
そう、歌乃はAパート、ルアはBなのだ。
サビを歌う。
癖になる歌詞に身を任せる。
絶対全国に行くんだ。
ぎゅっと握った拳。
手のひらには赤い跡がついていた。
夜9時まで練習を続ける。
寮に戻って、夕飯の、パンを食べる。
お風呂に入る。
シャワーとボディーソープを足につけながら、思う。
いよいよ明日だ。
クシで髪をとかす。
シャンプーをつけながら、ルアは、星空の麗を口ずさむ。
いつも、ずっと。流す。
トリートメントを、髪に滑らかにつけて、ながす。
コンディショナーをつけて、サッと流す。
ルアの癖っ毛な茶色の毛は、黒髪のように、しめっていた。
毛を剃る。
湯船につかると、
また、星空の麗を口ずさむ。
風呂から上がると、すぐ、タオルでふき、
ドライヤーとスキンケアをする。
生まれて、ニキビは、数個しかできたことがないはずだったが、
花に誕生日から貰ったお菓子はチョコの詰め合わせ、
心に貰った巨大バケツプリンで、顔中ニキビになった。
クリームをつけながら、思う。
明日、全てが決まるんだ。
パジャマになると、
すぐ歯磨きして、ベッドに寝ころぶ。
アラームをセットして、ベッドに横たわる。
その時も、ルアは、星空の麗を口ずさんでいた。
つづく
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