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ソーラー魔法学校一年生

1 少女は走る 

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「やっばぁい!入学式なのに遅刻しちゃうよー」
パンもくわえず、学校まで全速力で走る少女。

目の前で校門が閉まりかけているのを、
ギリギリ入る。

「えーと、私のクラスは…C!Cね!えーと」

彼女はクラスへ行くが、誰もいない。

「もう皆入学式してる!?嘘ー!」

彼女はまた猛ダッシュし、さまよった後
体育館にこっそりひっそり忍び込んだ。


「みなさん、こんにちは」
校長が喋る。
「わたくちは、アクマといいます。校長です。
どうぞ、よろしく。」
髪の毛のない白髭のじいさんが言うもんなので、
彼女は(天使みたいだけどな)
と失礼極まりなさすぎる事を言った。


彼女の名前はアズ。アズ・リードだ。
魔法学校という所に記念受験で受けたつもりだったが、
なぜか受かり、なぜか試験は陸上と筆記だった。
中学受験でもない、魔法受験でもない、普通の何かだった。

「えー、この度は、皆さんの、ご入学を、
わたくち、心より祝辞申し上げます」
校長はぐだくだ喋る。

(校長の話ってどこでも長いんだな)

アズは自身のセミロングの淡い髪を弄りながら考える。

「えー、魔法学校の説明をします」

校長は、黒の三角ボウシを着る。月がついていた。

「えー、見ていてください」
校長がくるりと一回転すると、
真っ赤なルビーのくっついた木の杖が出てきた。

わあ、と体育館が熱気に包まれる。

「杖を生み出す方法は魔力です。
真に成長した魔法使いの杖にはそれぞれに合う宝石がつきます」

そして彼は、三角ボウシを指さす。
「これは学校を卒業した魔法使いに送られるボウシです。
まあ、詳しくはクラスで後に聞いてもらいましょ」

明らかにだるそうな顔で校長は椅子に座る。
「担任の発表をするぞ。」

体育館は熱気だった。

「A組。ゼミ先生」
イケメンの茶髪が現れ、女子の黄色い悲鳴があがる。
「B組 チョコ先生」
厳しそうなメガネの女の人が現れ、悲鳴が上がる。
「C組    猫先生」

え?

皆が見た視線の先生は、猫だった。
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