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神様Help!
筆頭剣闘士決定戦! ……誠の覚悟
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「ぐわッ!」
何だ? 今のは!?
通り過ぎた剣圧が、したたかに俺を打った。
大きなダメージではないが、確かに剣圧が俺の身体に打撃を与えていた。
デビッド自体は相も変わらず、どこを見ているのかもわからないようなボーッとした状態だ。
だが人によっては明鏡止水の域に達した達人のようにも見えるかも知れない。
……どちらにしても全方位迎撃が可能と見て間違いないだろう。
斬撃の早さだけならヴリンダのほうが上だが、彼の斬撃に籠もっている力は彼女のものとはまったく違うモノだ。
どちらかといえば俺の剣技に近い。やはりバルバロイから鍛えられただけのことはあると云うべきか。
しかし、これだと迂闊に近づけないな。ヴリンダと戦ったときのように何合も打ち合っていたら剣を折られるのは俺のほうが先になりそうだ。
仕方がない、バルバロイの言葉どおりならば、早く決着を付けたほうがよさそうだし、使って見ようかな、地上ならば使うことができると思うんだよねこのスキル。俺の想像通りなら……、いまの状況にぴったりなスキルだろう。
「憑獣の術!」
唱えると、俺の身体から力が拡散した、それはたぶん魔力と呼ばれるものだろう。
ゴウッ! と風が鳴る。
観客たちからは分からないだろうが、俺の全身に力が満ちてくる……良かった。発動して。
思いっきり叫んだのに発動しなかったら公開羞恥責めだったよ。
でも、……コレはやっぱり。
次の瞬間、俺はヴリンダばりの出足でデビッドに突進した。
【憑獣の術】これはどうやら、俺がペルカたち狼人族の一族を守護したことによって手にいれたスキルだったらしい。
身体が軽い。まるで本当に獣にでもなったようだ。
いま俺にはペルカたち狼人族、彼らの身体能力が宿っている状態だ。
しかもそれは、現在の俺の力を元にして発現されている。
あっという間に、デビッドの間合いに入った。今度はデビッドが迎撃に動くよりも早い。
俺は彼の剣の持ち手を狙って剣を振るった。
だがその攻撃は、デビッドの盾で弾かれ、今度は彼の攻撃がやってくる。だが、その剣が振るわれる前に俺はデビッドの間合いから飛び退っていた。
いけるな。
俺は、数度同じ攻撃を繰り返し確信する。
停滞していた状態からのこの攻防に、観客たちが昂奮の歓声を上げた。……相も変わらずわかりやすい観客たちだ。
ヴリンダと俺の試合を見た観客が多いのか、一昨日のような驚愕を示している人は少ない。
意外に適応力高いなこいつら。
圧倒的な素早さで相手の懐に入って攻撃し、相手の攻撃を受ける前にその場から去る。この戦い方は、前の試合でブリンダがしてきた攻撃を、今度は俺がデビッドにしているかたちだ。
さすがは戦女神というべきか、彼女ここまで考えていたんだな。
もちろん俺が【憑獣の術】を持っていることは知らなかっただろうが、デビッドと俺が戦う事になったときの為に、その戦い方のヒントも見せていてくれたらしい。
ヴリンダさんは俺を試すということもあって、受けに徹していればなんとか対応できるレベルの攻撃でおさめてくれていた。しかし俺の実力はいまのデビッドより少しばかり上というだけなので【憑獣の術】が使えなければ、いまのデビッドの全方位迎撃にかなり手こずることになったろう。
俺は、ヒットアンドウェイの攻撃をデビッドに繰り返した。彼の身体に、細かいキズが増えていく。
いまの状態でいけばそのうち痛撃を与える攻撃が通るだろう……だがそれだけだ。
クソッ! どうする。
バルバロイの言うようにデビッドを斃すチャンスはこの試合中しかないようだし、もう覚悟を決めるしかないのか……。
彼らの言うとおりならば、この世界では間違いなく魂の転生があるということだ。
アンジェラも愛するデビッドと生きていくことを諦めて、彼の魂を救う決意をしている。
クッ、いつまでも決断できずにグジグジしているのは俺だけだ。
これまでその時になったらと言い続けていたが、本心では人を殺すという覚悟が決まらなかった。それは、結局俺の――自分の気持の方が大事だってことだ。
「グォ! グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
デビッドが咆哮をあげた。
と同時に、グオゥッ! と吹き上がるような闘気が、巨大な質量を持って放出された!
俺は、剣でその闘気を断ち切るようにしてなんとかその場に踏ん張った。
だがその闘気は観客席にまで及び、席から立ち上がっていていた観客たちが吹き飛ばされた。
座っていた観客たちも突然襲ってきた圧力に身体が椅子に打ち付けられる。
湧きあがる悲鳴、席を立ち逃げ惑う観客たち――アレーナは一気にパニック状態になった。
『不味い! 急げヤマト、使徒化が始まる! 奴を人として殺してやってくれ! 頼む!!』
バルバロイが切実な訴えを発するのと同時に控え通路から試合場に駆けだしてきた。
パニック状態のアレーナを見る。すでに試合がどうのといっていられる状況ではない。
ヴリンダのいた観客席を見ると、彼女は手を前方に差し出し自分のまわり一帯に、不可視の防壁を築いて防御していた。
闘気が通り過ぎると、彼女は隣の少女に声を掛けて、観客席から跳ねるように試合場に飛び降りてきた。
巫女風の少女は、小さな身体で懸命に声を張りあげて、近場にいる観客たちを出入り口に誘導しはじめた。
良く見れば、巫女や神職らしき人々が要所に配置されていたらしく、少女と同じように観客を誘導していた。
バルバロイもヴリンダも、もしもの事態に備えていたらしい。
闘神と戦女神、二柱の神は試合場に到ると、大きく手を広げ試合場と観客席を遮る不可視の壁を展開した。
観客たちはこの場から逃げ出すのに必死で、気付いていないだろうが、ふたりは黄金色の気を身体から発散している。
【神気降臨】ふたりは人化降臨の状態から神としての降臨に自分たちの状態を切り変えたのだ。以前アースドラゴンをサテラが斃したときも、この【神気降臨】を使ったらしい。
俺はまだこの神気降臨を使うことはできないので、自力で何とかしなければならない。
デビッドは、まだコロッセオを細かく振るわせるような雄叫びを上げ続けている。
彼の身体からは、薄黒い靄のように邪気が漏れ出し、その周りを渦巻くように漂いだした。
バルバロイとヴリンダが展開した不可視の壁がその邪気に反発するようにときおり黄金色の光が走る。
その中にキラリと澄んだ光が瞬いた。
あれは……
いまは二柱の神がその力でこの試合場と隔てているが、そこはバルバロイが飛び出してきた控え通路だった。
その場所ではアンジェラが胸の前で手を握り合わせて俺を見つめていた。
光は……瞳に浮かぶ彼女の覚悟だ。
「クソッ! 俺はいつまでもいつまでも――情けない!!」
…………彼女の瞳を見て、俺は自分を叱咤した。
キッっとデビッドを見る。
観客席では観客の退避は終わり、いまはこのアレーナを封鎖する神官や巫女たち以外の人は居なくなっている。
デビッドはよいよ濃い邪気を身体から発散させ、彼の咆哮はさらに大地が震えるほどのものになっていく。
しかしそれ以外はまったくの無防備で、いまならば彼の心臓を一突きで貫くことも可能だろう。
「いくぞ!!」
俺は、アンジェラの夫への想い――そして、デビッドの人としての尊厳を守るために、心の底から覚悟を決めた。
何だ? 今のは!?
通り過ぎた剣圧が、したたかに俺を打った。
大きなダメージではないが、確かに剣圧が俺の身体に打撃を与えていた。
デビッド自体は相も変わらず、どこを見ているのかもわからないようなボーッとした状態だ。
だが人によっては明鏡止水の域に達した達人のようにも見えるかも知れない。
……どちらにしても全方位迎撃が可能と見て間違いないだろう。
斬撃の早さだけならヴリンダのほうが上だが、彼の斬撃に籠もっている力は彼女のものとはまったく違うモノだ。
どちらかといえば俺の剣技に近い。やはりバルバロイから鍛えられただけのことはあると云うべきか。
しかし、これだと迂闊に近づけないな。ヴリンダと戦ったときのように何合も打ち合っていたら剣を折られるのは俺のほうが先になりそうだ。
仕方がない、バルバロイの言葉どおりならば、早く決着を付けたほうがよさそうだし、使って見ようかな、地上ならば使うことができると思うんだよねこのスキル。俺の想像通りなら……、いまの状況にぴったりなスキルだろう。
「憑獣の術!」
唱えると、俺の身体から力が拡散した、それはたぶん魔力と呼ばれるものだろう。
ゴウッ! と風が鳴る。
観客たちからは分からないだろうが、俺の全身に力が満ちてくる……良かった。発動して。
思いっきり叫んだのに発動しなかったら公開羞恥責めだったよ。
でも、……コレはやっぱり。
次の瞬間、俺はヴリンダばりの出足でデビッドに突進した。
【憑獣の術】これはどうやら、俺がペルカたち狼人族の一族を守護したことによって手にいれたスキルだったらしい。
身体が軽い。まるで本当に獣にでもなったようだ。
いま俺にはペルカたち狼人族、彼らの身体能力が宿っている状態だ。
しかもそれは、現在の俺の力を元にして発現されている。
あっという間に、デビッドの間合いに入った。今度はデビッドが迎撃に動くよりも早い。
俺は彼の剣の持ち手を狙って剣を振るった。
だがその攻撃は、デビッドの盾で弾かれ、今度は彼の攻撃がやってくる。だが、その剣が振るわれる前に俺はデビッドの間合いから飛び退っていた。
いけるな。
俺は、数度同じ攻撃を繰り返し確信する。
停滞していた状態からのこの攻防に、観客たちが昂奮の歓声を上げた。……相も変わらずわかりやすい観客たちだ。
ヴリンダと俺の試合を見た観客が多いのか、一昨日のような驚愕を示している人は少ない。
意外に適応力高いなこいつら。
圧倒的な素早さで相手の懐に入って攻撃し、相手の攻撃を受ける前にその場から去る。この戦い方は、前の試合でブリンダがしてきた攻撃を、今度は俺がデビッドにしているかたちだ。
さすがは戦女神というべきか、彼女ここまで考えていたんだな。
もちろん俺が【憑獣の術】を持っていることは知らなかっただろうが、デビッドと俺が戦う事になったときの為に、その戦い方のヒントも見せていてくれたらしい。
ヴリンダさんは俺を試すということもあって、受けに徹していればなんとか対応できるレベルの攻撃でおさめてくれていた。しかし俺の実力はいまのデビッドより少しばかり上というだけなので【憑獣の術】が使えなければ、いまのデビッドの全方位迎撃にかなり手こずることになったろう。
俺は、ヒットアンドウェイの攻撃をデビッドに繰り返した。彼の身体に、細かいキズが増えていく。
いまの状態でいけばそのうち痛撃を与える攻撃が通るだろう……だがそれだけだ。
クソッ! どうする。
バルバロイの言うようにデビッドを斃すチャンスはこの試合中しかないようだし、もう覚悟を決めるしかないのか……。
彼らの言うとおりならば、この世界では間違いなく魂の転生があるということだ。
アンジェラも愛するデビッドと生きていくことを諦めて、彼の魂を救う決意をしている。
クッ、いつまでも決断できずにグジグジしているのは俺だけだ。
これまでその時になったらと言い続けていたが、本心では人を殺すという覚悟が決まらなかった。それは、結局俺の――自分の気持の方が大事だってことだ。
「グォ! グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
デビッドが咆哮をあげた。
と同時に、グオゥッ! と吹き上がるような闘気が、巨大な質量を持って放出された!
俺は、剣でその闘気を断ち切るようにしてなんとかその場に踏ん張った。
だがその闘気は観客席にまで及び、席から立ち上がっていていた観客たちが吹き飛ばされた。
座っていた観客たちも突然襲ってきた圧力に身体が椅子に打ち付けられる。
湧きあがる悲鳴、席を立ち逃げ惑う観客たち――アレーナは一気にパニック状態になった。
『不味い! 急げヤマト、使徒化が始まる! 奴を人として殺してやってくれ! 頼む!!』
バルバロイが切実な訴えを発するのと同時に控え通路から試合場に駆けだしてきた。
パニック状態のアレーナを見る。すでに試合がどうのといっていられる状況ではない。
ヴリンダのいた観客席を見ると、彼女は手を前方に差し出し自分のまわり一帯に、不可視の防壁を築いて防御していた。
闘気が通り過ぎると、彼女は隣の少女に声を掛けて、観客席から跳ねるように試合場に飛び降りてきた。
巫女風の少女は、小さな身体で懸命に声を張りあげて、近場にいる観客たちを出入り口に誘導しはじめた。
良く見れば、巫女や神職らしき人々が要所に配置されていたらしく、少女と同じように観客を誘導していた。
バルバロイもヴリンダも、もしもの事態に備えていたらしい。
闘神と戦女神、二柱の神は試合場に到ると、大きく手を広げ試合場と観客席を遮る不可視の壁を展開した。
観客たちはこの場から逃げ出すのに必死で、気付いていないだろうが、ふたりは黄金色の気を身体から発散している。
【神気降臨】ふたりは人化降臨の状態から神としての降臨に自分たちの状態を切り変えたのだ。以前アースドラゴンをサテラが斃したときも、この【神気降臨】を使ったらしい。
俺はまだこの神気降臨を使うことはできないので、自力で何とかしなければならない。
デビッドは、まだコロッセオを細かく振るわせるような雄叫びを上げ続けている。
彼の身体からは、薄黒い靄のように邪気が漏れ出し、その周りを渦巻くように漂いだした。
バルバロイとヴリンダが展開した不可視の壁がその邪気に反発するようにときおり黄金色の光が走る。
その中にキラリと澄んだ光が瞬いた。
あれは……
いまは二柱の神がその力でこの試合場と隔てているが、そこはバルバロイが飛び出してきた控え通路だった。
その場所ではアンジェラが胸の前で手を握り合わせて俺を見つめていた。
光は……瞳に浮かぶ彼女の覚悟だ。
「クソッ! 俺はいつまでもいつまでも――情けない!!」
…………彼女の瞳を見て、俺は自分を叱咤した。
キッっとデビッドを見る。
観客席では観客の退避は終わり、いまはこのアレーナを封鎖する神官や巫女たち以外の人は居なくなっている。
デビッドはよいよ濃い邪気を身体から発散させ、彼の咆哮はさらに大地が震えるほどのものになっていく。
しかしそれ以外はまったくの無防備で、いまならば彼の心臓を一突きで貫くことも可能だろう。
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