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5章 放浪の弟子と誰もいない世界
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「 誰もいない世界 」
バーで働きながら、あの世界の手掛かりがないか探し続けてたけど…
「全然見つかんないじゃん!クソー。」
今日はお客さんから聞いた凄腕の占い師っていう人に会いに行く。
もしかしたらあたしみたいに何か能力を持ってる可能性もあるかもって
予約を取ったんだけど。
30分で200ドルだって。高い!
占いとかやったことないから相場もわかんないけど。
そんなに評判ならそんなもんか。
都市部の中心から少しだけずれたところにあるビルの前で住所を確認する。
「ここだよね。」
入っていくと入口の前で女性が一人立っていた。
なんかそのサイキック占い師のアシスタントらしい。
殆ど廃墟にちかいようなビルの一室に通される。
家具もない、今日運び入れたんじゃないかというくらい
軽くて安っぽい折り畳み出来る椅子と机が部屋の真ん中にあった。
机の上に黒い遮光カーテンらしき布でその占い師と客だけの狭い空間になるように
狭く仕切られている。
「来なさい…」
「こちらへ来なさい…」
「はい。」
カーテンの中から声がしたので恐る恐るその仕切りの中に入る。
「今日はどんな悩みをわたぁしにぃ、持ってきたの?」
「言わなくていい!わかるから。」
言おうとした瞬間止められる。
「男ね?」
鋭い目でこちらを見てくる。
妙齢の女性。
「うん…」
「恋愛ね?」
「いや、違います。」
一瞬間が開いて、
「もちろん、そういうでしょうね。 今のあなたならね?」
意味深な空気をかもし出す。
「あたしの悩みは… あたしは、違う世界にいたの。」
一瞬占い師が固まる
「もともとはこの世界にいたんだけど、いや当たり前だけど。
でも違う世界に行って。そこでみんなが死んだの。」
「え? みんなが死んだ?」
「そう、この都市の人々ほとんど多分全員。みんなが死んじゃった。人類の多く?かも。
それでモンスターとかエイリアンがいっぱい現れたりして」
「エイリアン? いっぱい?」
「そう、それで2人だけ仲間が見つかって。」
「ん? うん、うん…」
だんだんと占い師は話にのめりこみだす。
ものすごい前のめりで聞いてる。
「その二人はあたしの師匠になってくれてアムス師匠とカトー師匠。」
「で、なんだっけ。そうだみんな離れ離れになっちゃって。」
「それで気づいたらなぜかこの世界に戻ってきたの、それとも世界が戻った?」
「はぁ。ちょっとよくわからないけど。あなたもスピリットを感じるのね?」
「……まぁ、うん。」
占い師はまぁ! 大変これはただ事ではないことが起きてるよー!
あたしには、わかる!
とかいってなんか元気になっている。
それで二人のもしくはあの世界やエイリアンの手掛かりがほしい。というと
任せて!胸を張って占いを始めた。
なんか、むむむとか言いながら。
「むむむ、むむむのむぅ… 来た! 来ました! 見えた! ダイスとライブラリーや!
この二つが大事! 」
それどういう意味なの?
「もうあなたにはわかっているはず…」
いやわからないけど…
ビルを出る。
もう3時すぎか。
200ドルの価値はあったのかな…
ダイスとライブラリーね。
ふーん。
図書館か…
図書館は行ってみたらいいかもしれないね。
エイリアンとかモンスター関係の本とか見てみようかな。あるかな。
ダイスは何だろう。買えばいいのかな?
ダイスってそういえばどういうところで売ってるんだろう。
よくわからなかったけど、いったん家に帰ってから図書館に向かう。
凄く雰囲気があっていいかんじのとこを知ってるからそこへ向かおう!
図書館へ着くと館内に人はいなかった。
夕方の黄金色の光が図書館内を満たしていていた。
少し人の気配があったけど、実際に見たのは司書の女性だけだった。
まだ若いといってもあたしと同年代より何個か上くらいの茶髪で眼鏡のすこし背の高い女性。
真面目そうで、すこし疲れてる感じ。
白いワイシャツに黒いスカートにストッキングをはいてる。
それにしても人がいない。
昔子供のころに夕方図書館で過ごしてた時もこんな感じの時あったな。
この特別な雰囲気が好きだったのを覚えてる。
なぜかちょっと怖くもあったんだけど。
違う世界に来てしまったかのように思えて。
とりあえずオカルト関係の本を探し始めてみる。
異世界とか、エイリアンとか。神話のモンスターとか。
いくつか気になった本を適当に見繕って黄金に染まる図書館の窓際の机で本をぱらぱらとめくる。
はぁ、面白いけど何か手掛かりになりそうな情報がない。
世界のシンボルとかいう本とかも見てみる。
へぇ。こんな感じなんだ。
気が付くと…
……誰もいない。
館内にだれかいないか見渡してみる。
最初からほとんど人がいなかったけど、
さすがに誰もいないなんてことはないでしょ。
近くにあるマーケティングの本が目に入る。
マーケティング、メイク イット ハプン 100の秘密だって。
いや、そんなことはいい。
それより誰かいないか見てみようかな。
なぜかはわからないけど不安になっていた…
ほんとに誰もいない。
なんの気配もない。
近くの本棚の陰のほうに何か見えた。
少し近づいてそこを覗いて見る。
さっき見た人が倒れていた。
司書の女の人?
白いシャツに黒いスカートの眼鏡の女性。
頭からペンキのようなねっとりとした血を流している。
マナの動きでまだかろうじて死んでいないことがわかった。
どうしよう。
続いて頭を動かして周囲に何かいないか確認していく。
女性をどうしていいかがわかんない。
えーと。止血したほうがいいんだろうけど、動かさないようにしたほうがいいの? わかんない。
スマホで救急車を呼ぼうとすると電話がつながらない!
?
ネットもつながらない…
なんでよ!
この人は何かに襲われたの?
その時何かが館内を歩いてるような気配を感じた。
女の人に肩を貸そうとした時また人間の気配が再度漂った。
バーで働きながら、あの世界の手掛かりがないか探し続けてたけど…
「全然見つかんないじゃん!クソー。」
今日はお客さんから聞いた凄腕の占い師っていう人に会いに行く。
もしかしたらあたしみたいに何か能力を持ってる可能性もあるかもって
予約を取ったんだけど。
30分で200ドルだって。高い!
占いとかやったことないから相場もわかんないけど。
そんなに評判ならそんなもんか。
都市部の中心から少しだけずれたところにあるビルの前で住所を確認する。
「ここだよね。」
入っていくと入口の前で女性が一人立っていた。
なんかそのサイキック占い師のアシスタントらしい。
殆ど廃墟にちかいようなビルの一室に通される。
家具もない、今日運び入れたんじゃないかというくらい
軽くて安っぽい折り畳み出来る椅子と机が部屋の真ん中にあった。
机の上に黒い遮光カーテンらしき布でその占い師と客だけの狭い空間になるように
狭く仕切られている。
「来なさい…」
「こちらへ来なさい…」
「はい。」
カーテンの中から声がしたので恐る恐るその仕切りの中に入る。
「今日はどんな悩みをわたぁしにぃ、持ってきたの?」
「言わなくていい!わかるから。」
言おうとした瞬間止められる。
「男ね?」
鋭い目でこちらを見てくる。
妙齢の女性。
「うん…」
「恋愛ね?」
「いや、違います。」
一瞬間が開いて、
「もちろん、そういうでしょうね。 今のあなたならね?」
意味深な空気をかもし出す。
「あたしの悩みは… あたしは、違う世界にいたの。」
一瞬占い師が固まる
「もともとはこの世界にいたんだけど、いや当たり前だけど。
でも違う世界に行って。そこでみんなが死んだの。」
「え? みんなが死んだ?」
「そう、この都市の人々ほとんど多分全員。みんなが死んじゃった。人類の多く?かも。
それでモンスターとかエイリアンがいっぱい現れたりして」
「エイリアン? いっぱい?」
「そう、それで2人だけ仲間が見つかって。」
「ん? うん、うん…」
だんだんと占い師は話にのめりこみだす。
ものすごい前のめりで聞いてる。
「その二人はあたしの師匠になってくれてアムス師匠とカトー師匠。」
「で、なんだっけ。そうだみんな離れ離れになっちゃって。」
「それで気づいたらなぜかこの世界に戻ってきたの、それとも世界が戻った?」
「はぁ。ちょっとよくわからないけど。あなたもスピリットを感じるのね?」
「……まぁ、うん。」
占い師はまぁ! 大変これはただ事ではないことが起きてるよー!
あたしには、わかる!
とかいってなんか元気になっている。
それで二人のもしくはあの世界やエイリアンの手掛かりがほしい。というと
任せて!胸を張って占いを始めた。
なんか、むむむとか言いながら。
「むむむ、むむむのむぅ… 来た! 来ました! 見えた! ダイスとライブラリーや!
この二つが大事! 」
それどういう意味なの?
「もうあなたにはわかっているはず…」
いやわからないけど…
ビルを出る。
もう3時すぎか。
200ドルの価値はあったのかな…
ダイスとライブラリーね。
ふーん。
図書館か…
図書館は行ってみたらいいかもしれないね。
エイリアンとかモンスター関係の本とか見てみようかな。あるかな。
ダイスは何だろう。買えばいいのかな?
ダイスってそういえばどういうところで売ってるんだろう。
よくわからなかったけど、いったん家に帰ってから図書館に向かう。
凄く雰囲気があっていいかんじのとこを知ってるからそこへ向かおう!
図書館へ着くと館内に人はいなかった。
夕方の黄金色の光が図書館内を満たしていていた。
少し人の気配があったけど、実際に見たのは司書の女性だけだった。
まだ若いといってもあたしと同年代より何個か上くらいの茶髪で眼鏡のすこし背の高い女性。
真面目そうで、すこし疲れてる感じ。
白いワイシャツに黒いスカートにストッキングをはいてる。
それにしても人がいない。
昔子供のころに夕方図書館で過ごしてた時もこんな感じの時あったな。
この特別な雰囲気が好きだったのを覚えてる。
なぜかちょっと怖くもあったんだけど。
違う世界に来てしまったかのように思えて。
とりあえずオカルト関係の本を探し始めてみる。
異世界とか、エイリアンとか。神話のモンスターとか。
いくつか気になった本を適当に見繕って黄金に染まる図書館の窓際の机で本をぱらぱらとめくる。
はぁ、面白いけど何か手掛かりになりそうな情報がない。
世界のシンボルとかいう本とかも見てみる。
へぇ。こんな感じなんだ。
気が付くと…
……誰もいない。
館内にだれかいないか見渡してみる。
最初からほとんど人がいなかったけど、
さすがに誰もいないなんてことはないでしょ。
近くにあるマーケティングの本が目に入る。
マーケティング、メイク イット ハプン 100の秘密だって。
いや、そんなことはいい。
それより誰かいないか見てみようかな。
なぜかはわからないけど不安になっていた…
ほんとに誰もいない。
なんの気配もない。
近くの本棚の陰のほうに何か見えた。
少し近づいてそこを覗いて見る。
さっき見た人が倒れていた。
司書の女の人?
白いシャツに黒いスカートの眼鏡の女性。
頭からペンキのようなねっとりとした血を流している。
マナの動きでまだかろうじて死んでいないことがわかった。
どうしよう。
続いて頭を動かして周囲に何かいないか確認していく。
女性をどうしていいかがわかんない。
えーと。止血したほうがいいんだろうけど、動かさないようにしたほうがいいの? わかんない。
スマホで救急車を呼ぼうとすると電話がつながらない!
?
ネットもつながらない…
なんでよ!
この人は何かに襲われたの?
その時何かが館内を歩いてるような気配を感じた。
女の人に肩を貸そうとした時また人間の気配が再度漂った。
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