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4章 魔女と湖畔の街と革命の鐘

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次の日。

 水魔法で傷口を浄化しながら回復に努める。
最近無理してばっかりだったな・・・
体を休ませながらウイッチクラフトでアイテムも作る。

魔女のモロトフを少し
狂気のスモークボムを少し
魔女の浄化水を少し
魔女の薬草団子を少し

魔女の回復薬も・・・


 結構つくっちゃった・・・
ちゃんと休めてないんじゃ・・・反省していると
イーヴィーが魔導ランチャーを3つ作ったというので、みんなで試射してみた。
弾は私のモロトフやボムを加工してイーヴィーが作る。

 弾を作るのも5分から10分かかる。
無駄撃ちとかはできない感じだ。

魔導ランチャー

射程 約100m~400m

 正直予想以上だった。
最高だったのは魔法は射程がそこまでないということ。
恐らく他の能力者や敵にも言えることだけど・・・

 魔法はそのまま加工できないみたいだから
ウィッチクラフトで作ったものを加工することになる。
でもこれはいい武器になる。


 その後は食事をして仮眠をとってスペルブックに魔法を込める作業をして過ごす。
ルーシーに頼んで魔法のコストを少し下げるようにコーディングしてもらおうとしたが
そんなに簡単じゃないらしい…
魔法のコーディングはかなり練習しないと使い物にならないかもとのこと。

 慣れるまであまり期待しないでとルーシーに言われた。
一日30分×2,3回だけでも
一緒にやっていこうということになった。
まぁ、時間がかかるものってあるよね、あまりプレッシャーはかけないであげたい。
それ以外はルーシーは主に雑用などをしてくれている。

 ルーシーはコーディングの作業が成功しなくてもマナをずっと使い続けて魔法を感じたり書き込もうとしたりしなければいけないみたいで。
正直かなり大変そうだった。

30分でもマナがコーディング練習中ずーと消費されつづけていたので心配になる。

思った以上に無理させてるんじゃないかと思って
ルーシーと話し合ってその日の夜には練習は一回につき10分に変更しようといった。
本人も予想以上に疲れたようだった。

「ありがとう。ごめんね・・・なかなか思うように出来なくて…」
「いや、いいよ。少しづつやっていこう。」

「うん!」

 2人の力は結構根気よく時間を使っていくタイプの力みたいだね。
さて次の目的をどうするかな。

 何が私たちの欲しいものなのか・・・
安全、生き残る。生活レベルの向上、安心できる環境。
霧は晴らしたい、ゾンビはいなくなってほしい。
あの巨人はいやだ。

 戦争、革命か・・・
ここら一帯を治めているあの巨人とゾンビの軍団に対しての革命?
そもそも私の地元を確認するために通りかかっただけなんだけど。

アイツ、あのネフィリムを倒してここら一帯を私のものにするか。
それともアイツらに殺されちゃうか。
逃げるって選択肢もあるかもしれないけど。
でもそうしたらゾンビの感染がどんどん広がっていっちゃう・・・
今アイツらと戦って勝つか、それとも後で世界がゾンビまみれになってから勝つか。


 今、勝ってみるか。

よし! あのでっかいヤツ倒しちゃうぞ!
目的を2人に伝える。
次の日から本格的に開いて領土に対してどのように攻勢を仕掛けていくか会議を開いていた。

「何か案はある?」
「特に無し!」
「なるほど。」

ルーシーは?
「うーん、あまり思いつかないけどゾンビは無視してもいいのかな?」
「良くないと思います!」
イーヴィーが言う。

「なんで?」
「なんとなく!」
自信満々に言う。

「ふざけてますか?イーヴィーちゃん?」
「いいえ!、でも次からちゃんとします!」
「ありがとう。」

 はぁ、とりあえずそこもだよね。
ネフィリムをもう一度探し出して叩くのか、それともゾンビを減らすか、領土を切り取ってゆくか。
領土を切り取ればアイツも弱くなるのかな?

いやゾンビが弱くなるのか?

 ネフィリムともう一度戦うのは気が引けた。
でも弱ってる今がチャンスな気もする。
うーん、わかんないけど。
何もせずに回復の時間を与えるのはない。

 ヤツがどのくらいで回復するのか、
もしくはかなり致命傷を負ってて本調子にはもう戻らないのかはわからない。
ただゾンビとずっと相対させられて分かってきたことがある。

 ゾンビは回復しない。
生き物のように回復したりしない・・・

 当たり前のようだけど。
昨日も20体くらい片足を落としてきたけど、何も変わらなそうだ。
しかもゾンビは少しづつだけど腐ってる、腐っていって体が明らかに脆い個体がいる。
 あとエネルギー総量があるっていうこと。
ゾンビは何か食べててもあまり自身のエネルギーに変えられていない。
明らかに動きがほとんどないゾンビもいるし、そうなっていくゾンビもいる。

 やっぱりこいつら、ゾンビは消費期限がある兵士だ。


 このゾンビ軍団生き物を襲うことに積極的だけど理由があるんだ。
多分ゾンビは常に他の動物や敵を感染させて拡大させていかないと
時間経過でどんどん弱くなってしまうから。

 ネフィリムからすると私たちは懐に入り込んだ、忌々しいネズミってかんじか。
そうだよね、もしこれがネフィリムの本音なら。
もしこのネフィリムの軍が弱体化するまえにゾンビを増やしては侵攻拡大していかないとまずいなら。
この軍勢は一定のスピードで感染拡大、領土拡大しなきゃいけない軍勢なんだ・・・

 私たちはそれなりの数の軍勢を外に向けるのをめっちゃ邪魔してる。
出来る限り早く排除したいはずだ。

 そっかネフィリムからすればあたしたちは”少人数で”一晩でかなりの数のゾンビを”領土内で”
倒したあげく逃げおおせた。
アイツは外に拡大していくために戦力を”領土外に”使いたいから出来るだけ
早急にこのネズミの問題を解決したかった。
だから大勢の軍を編成して差し向けた・・・

 いや、ちょうどどこかに進攻させようとしていた軍をついでに差し向けたのかも。
それが翌日には自分の隠れ家の地下室にいきなりやってきて
モロトフを何発も投げ込んできた挙句
ネフィリムは霧の中に突っ込んでしまって黒いヤツから大ダメージを喰らわせられたと。

 こんな奴らが領土内にある湖の西側を領有したってことはほっとけるはずないからね。
あたしだったらどうする?

あたしならできれば時間をかけずに倒したい。


ネフィリム軍 領土面積 58㎢

Witchery 領土面積 6㎢

 
アイツらから見たら最悪なことをもうあたしたちはすでに出来てる。

・・・・・・ただ今は

・・・・・・秋なんだよね。

 冬はネフィリムにとって追い風かもしれない。
ここの冬はそんなに過酷ではないし、あっちからすれば弱体化までの時間稼ぎにはちょうどいい。

 今いるゾンビたちはどのくらいで腐りきって使い物にならなくなる?
2,3か月以上? 下手したら4,5か月?
分からない・・・

 慎重に、出来ることをやっていこう。
まずは使い魔候補だ。
実はもう候補がいて25センチくらいのサラマンダーを見つけてるんだよね。
黒と黄色のなんかかっこいいヤツ。

もう一匹は近くにいた大きな魚。
前に見たサラマンダーを見つけに行って使い魔にした。
 
 魚はなんか失敗した。めっちゃ暴れてきた・・・
まぁ、いやなら強要はできないか。

サラマンダーはステイシーと名付けた。


ステイシーが使い魔になりました。

ステイシーの位階上昇が可能。
やります。

サラマンダー ステイシーは

魔獣サラマンダーに進化しました。

固有アビリティ「???」が発動しました。


サラマンダー型魔獣 ステイシーは
念動魔獣 ステイシーに発展しました。


ステイシー

念動魔獣 レベル1
アビリティ 「サイコキネシス」

ステイシー私のまえでふわりと空中浮遊しリラックスしている。

新しい使い魔のステイシーをみんなに紹介しているともう日が落ち始めていた。
星がきれいだな。
ヨットの上でイーヴィーが釣ってくれた魚をみんなで串焼きにして食べた。

 昔両親が釣りにつれていってくれて
そこで釣った魚をこうやって食べたりしたな。




翌日、夜明けをまたずに行動を開始する。

 まだ肩が痛いけど、隠密行動しながら扇動個体の数をチェックしていく。
扇動個体って減らし続けたらどうなるのかがしりたい。

地理的には
湖の近くには小さな町がいくつかある。
南に一つ
南東に一つ
北に一つ

 それ以外は北東のほうにこの3つを合わせた分くらいのもっと大きな町があるみたい。

ちなみに西のほうをずっーと行けば大都市がある。

 夜明け前から南の町で
扇動個体を見つけるたびに狩っていく。
近くのゾンビ個体はそこまで強く反応していない。
敵は探そうとはするが、扇動個体に比べて明らかに感知能力が弱い。

 扇動個体を4体ほど南の街で狩っていると300ほどのゾンビが街を練り歩きはじめる。
イヌ型エイリアンゾンビなども出てきたのでいったん湖に帰還する。

 その後また街に行って様子を見ていた。
さらに200ほどのゾンビが南の街に追加されていた。

 ゾンビが私がもういなそうだとわかってから
どういうルートでこの街で徘徊しているのかを確認していく。

その後はここから北上して湖の東の街にモップに乗って空から向かう。
空から学校の屋上に降り立つ。

屋上から町を眺める。

イーヴィーやルーシー、オスカーに出会った町。

あの数千のゾンビから逃げ出した町でもある。
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