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3章 異界衝突 新世界戦争

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SIDE シンディ


「はい!よろこんでー!」

バーテン忙しぃー!

 なんであの世界から命からがら抜け出せたのにこんなに忙しく働いてるんだよ!
あれから倉庫から出て家に戻ったらなんか警察から行方不明扱いされてたし。

 何か月かたってたみたいだけど。
時間の流れとかどうなってるんだろ…
あたしが住んでた場所は
もう他の人が住んでた! なので今はしぶしぶ他のシェアルームを探して移り住んでいる。

 エリザベスとハチはあたしが飼ってる…
なんでこんなことに…

なんかすごい身体能力上がってて全然疲れないからいいけどさ。

……いや! 良くない!

 せっかくいろいろできるのに時給でお給料もらってる時点で時間の無駄!
ものすっごいもったいない気がする!
今は2週間200ドルほどで今働いてるbarの隣の建物の地下の物件を見つけて
そこに住んでるけど。
 嫌かと聞かれたら正直悪くない。
テント作成があるから正直清潔にしてられる場所だったらどこでもいいんだよね。

バーテンダーのお給料で週に800ドルとチップ180ドルくらいがもらえてる。

 休みの日にアムスとカトー師匠を探してるけど、
あの二人も行方不明扱いになってるのかな。








SIDE TONY


スーパーが焼け落ちてしまった後…

みんなで協力しながら北上して湖の近くの街のほうへ来た。
 
 幸運なことにそこで
他の人間たちのグループを見つけて合流できた。
彼らは湖の南東の街のはずれにいてゴブリンを追い返しているところだった
そこ俺たちが加勢に入ったんだ。

 彼らがいた場所は
ポリスステーションと酒屋あとほとんど農場と住宅地しかないような場所。
15名くらいのグループで俺たちよりすこし人数が少ない。

 そのグループの代表者と話し合いで俺と彼らのリーダー、
ジェイソンと俺が二人でリーダーをやることになった。

 ジェイソンは熊のような大男で、体と同じくらい声がデカい。
身長おそらく195センチ体重はわからん、160以上。
黒いスーツに黒いハットを着ている。40代後半で俺と同い年だった。
雰囲気は外見とは裏腹に優しそうで、どちらかというと頭脳労働者タイプの人間のように思えた。
気配りもできるやつで、こちらのグループをだいぶ気遣ってくれている。

 ジェイソンも力に目覚めた人間らしい。
このグループ内だと俺とジェイソンのみだ。
ジェイソンはこのグループに家族がいて奥さんと娘と息子がいた。
娘と息子はまだ20くらいだ。
2人とも大きい。彼らの父親ほどではないが。

「やぁ、えぇと。俺から何ができるか言えばいいかな?すまん、こういうの慣れてないから」
「いや!全然かまわない。お互い様だ。あ!それと俺のほうから一応自己紹介させてくれ。」
「俺はジェイソン、これは話したか。えーとそうだ!ジョブは木こりだ」

ほれ、いっていつの間に手にしていたのか、右手に斧、左手にチェーンソーを持って見せてきた。

びっくりした顔をすると

「びっくりしたか!そうだ!これ、あれだこうやって何もないところから頑張れば取り出せるんだ。」

「え?そんなことどうやってやるの?」
「えーと、できないのか。うーんと…」

「原理はさっぱりわからんがこのマナみたいなものを練り上げてずーとイメージしてしかも自分が詳しくないといけない」

「それをやってるとなんか物質化するんだ。」
「へー、それ俺にもできるかな?」

「うーむ、わからない…、もしアレだったら教えるぞ?」

「えーと、じゃぁあとで教えてもらってもいいかな?」
「わかった!」

「そうだ、銃は?」
「ああ、銃はあったが正直効果が薄い。」

「弾にマナが通ってないからか?」
「多分そうだ」

「ただ一応ゴブリンくらいなら射殺できるが、けっこう心もとない」
「ここにいる女性たちに銃は持たせている。」



 あとでいろいろ試したところ
恐らくスキルやらをレベルと共に取得できる以外に自分で修行しても多分取れること。

 それにはもともとその個人が持っている「適正」が
かなり関係してるんじゃないかとジェイソンと話していた。

ジェイソンもそうかもしれんと言っていた。

物質化は俺にはすごく難しかった。
俺の適性は何だろうか…

 ジェイソンは一度物質化したものは消したり取り出したりはかなりの無駄なマナを使うからやめたほうがいいと言ってた。
さっきはたまたま消してたところだったから取り出しただけで本来ほとんど消さないらしい。

それと物質化するものにはそれに近い材料があったほうが遥かにいいみたいだ。

 なんとなく俺たちのリーダーの魔女の技を思い出した。
その日からおれとジェイソンで魔物に対抗できるようなグループにするべく
みんなの意見を聞きながら話し合いを重ねていった。

 ここら一帯はシカのようなフォルムのエイリアンと普通より一回り大きめのゴブリンたちが出るらしいがそんなに積極的に襲ってこないとのこと。
ただし近くの村に小さなゴブリンのグループがいてそいつらは攻撃的なうえにしつこいという話だった。

数日後には俺と共にジェイソンもレベル2になった 

ジェイソン
木こり  レベル1→2

アビリティ「対植物補正 (小)」 「頑丈な体(小)」
skill 「具現化(斧)」 「具現化(チェーンソー)」 「怪力(小)」new!

トニー
射手  レベル1→2
 有効射程(220m)
アビリティ 「射撃好き」 射撃武器使用時 冷静補正(中) 命中率補正(小)
skill    「早打ち」new!

そして…
あのマリオも力を得た!

マリオ
投石手 レベル1
 有効射程(330m)
skill 「投石威力up (小)」new!

 射程はマナをどのくらい遠くまで消失、霧散させずに使えるかだ。
俺もだが、マリオはかなり射程が長い。
ジェイソンに斧投げや、弓にマナを込めてもらって測った。
結果は明らかだった。
彼の斧も弾丸も30M~50Mほどでマナが霧散した。
いきなりではなくて例えば10M先の敵に斧を投げたときの攻撃力が10だとすれば
30Mでは3ほどになってしまうという感じ。

 これが「適正」ってことなんだろう。
多分オレとマリオはマナの有効射程、術者からの距離。
そして恐らくマナを保存できる時間が他より長い。

 ジェイソンの適性はなんだろうか?
力?射程は短いが、常に身にまといながら戦うような適正が高い?
いや、俺やマリオよりはたかいかもしれんが…
そこじゃなさそうだ。
……よくわからん。また今度考えよう。


 マリオが投石を覚えて一気に戦力が増強。
投石はびっくりするほどいいスキルで命中率も高く、威力も申し分なかった。
頭に当たればシカのエイリアンにもいいダメージが与えられる。

(倒せるとは言ってないし、突進してきてあやうく殺されるところだった)

 そのときはジェイソンがなんとかシカをチェーンソーを振り回してなんとか倒してくれた。
シカ型エイリアンは無茶苦茶強くて二度と戦いたくない相手だ。

 マリオはあれからかなり協力的になった。
あのとき俺たちを裏切ろうとしていた男を殺してから一気に腹を決めたらしい。
いまだに子供っぽいところもあるが…

合流して三日目

ジェイソンたちとのグループとはよく交流できてる。
みんなもう一つのグループのように協力し合っている。

 マリオやジェイソンとどうにかして
俺たちのように力に目覚めるメンバーを増やせないかという話になっていた。
魔物やエイリアンはたまにみんなに止めを刺させているが、誰も力に目覚めない。

何か条件があるのだろうか?

合流6日目

ジェイソンに魔女について話してた。俺たちのリーダー。

 あきらかに他の人間より強かった。
特別な人間というのはやはり時折現れるものなのかもしれないというくらいで話は終わった。

それよりも深刻な議題があったからだ…

 食料が少なくなってきた。
どこかに調達しにいかないとまずいことになる。


 翌日マリオから報告。
ここら周辺の霧が酷くなってきたとのこと。


……なにかヤバい気がする。
ジェイソンと話し合ってバリケードを強化することにした。

食料は調達しないとまずい…

 霧の中にはいったゴブリンが絶叫をあげて消えていくの見た。
俺とジェイソン、マリオ、
他のみんなも霧に恐怖した。

 日中は外に出れそうなときはみんなで作った投石紐を使って全員投石の訓練をする。
一応弓の訓練も毎日している。時間は有り余っているから。
弓もいいけど。投石は弾丸の補充と確保が容易だし、威力も申し分ない。
マリオがみんなの師匠となって投石を教えている。

 投石は素晴らしい。
ただし素早く動き回るような相手や、
すでにこちらに気づいてる相手に対して命中させるのが難しい。
投石紐を回している最中にターゲット変更がほぼできないからだ。

 基本的にはかなわそうな相手には
今のところ籠城してやりすごしてるが・・・

合流8日目

 嵐が来た…
みんなで電池式のランプを大事に使いながら
静かに豪雨を酒屋でやり過ごす。

バリケードを作ってるときに警察署よりこちらのほうがいいとなって酒屋に移動した。
 
ひそひそとみんなが話している。
おれは話には加わらない。
ジェイソンは何か木を加工して作っていてそれに夢中になっている。

 外でギャァギャァ叫び声がする。
外が見える場所ににいってみんなで見てみる。
ゴブリンたちだ!

 なにか争いあってる?
もっと大きいゴブリンたちと争ってるのか?

 違う、もっと大きいゴブリンじゃない!
ゾンビ?人間の動く死体?
人間の死体のようなゾンビのような化け物がゴブリンたちに襲い掛かっている。
噛みつきいたり、体を引きちぎろうとしたり無茶苦茶な攻撃方法だ。


 とても理性は持ってなさそうな化け物たちに体の中に冷たいものを当てられたような恐怖を感じる。数が多くなってきた。
しかも思ったより素早い。普通の人間に近いくらいの身体能力と素早さ。
ただし体の動かし方は恐ろしく不格好で非効率的だ。

 ゴブリンは20体ほどいたが30体ほどのゾンビに襲われてほとんど殺されてしまった。
ゾンビたちも6体ほどやられた。

こちらの数少ない明かりをけして、音を立てないようにみんなでやり過ごす。
こいつらにバリケードをこじ開けられたら終わりだぞ…

 投石なんて、至近距離でこいつら相手に紐を回してる間にかみ殺されて行ってしまうだろう。
絶対に通用しない。


 どのくらいゾンビたちはそこにとどまっていただろう。
ゴブリン達を豪雨の中食い散らかして半分以上は何処かへ去っていった。
問題なのは殺されたはずのゴブリンたちが10以上起き上がってゾンビ化して
自分たちを襲ったゾンビと共に消えていったこと。
やっぱりゾンビだった、感染するのか…
おそらく噛まれたらだろう。

 それから数時間ゴブリンたちはさらに半分以上いなくなった。
今俺たちの近くにいるのは恐らく10体ほどだが。

 それでも敵としてキツイ…
それにまだ他のゾンビどもがどこに潜んでるのかもわからない。

 この状況で食料を調達しに行くのか?
数日前より状況が悪くなっている。
残りの食べ物を節約していく取り決めをみんなでする。
俺は缶詰め一つとプロテインパウダーやオーツでもあればいい。

 雨は長い間降り続いていて
まだ雨が降ってる中俺とジェイソンとマリオで外にこそこそと出ていく。

 一体明らかに他のゾンビより離れた方向へ行ったのでそいつを狙い撃ちにする。
距離は60mほどある。

 まずマリオが投石をゾンビの頭に命中させた!
よくやった!

 思わず口に出したくなるがゾンビはまだ生きてる、
少しだけゾンビが呻いたすぐに頭部に俺の矢が命中する。
かなり、ダメージが入ったらしくよろよろとしながらこちらに近づいて来るがすごく遅い。
マリオが二発目で頭をつぶしてゾンビは死んだ。

 ジェイソンは他のゾンビたちの様子を窺がっていた。
どうやら気づいていない。

 このくらい綺麗に始末できればさすがに感知されないか。
一応俺達でも倒せる相手なのも分かったが。
こいつらが大勢で集まってくるのはヤバい。

 ジェイソンも白兵戦でゾンビは4、5体も倒せたらいいほうかもしれないからあまり頼りにするなよ!と言ってきてる。
ジェイソンならもっと倒せてもおかしくはないが、感染をしないように立ち回れば
そのくらいに見積もっておかないとまずいか。

それから数日して何体かのゾンビを倒しては隙を見て外に出たりしていた。

まだあまり食料を持ち帰れてないが…


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