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3章 異界衝突 新世界戦争

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ルネー side



 ミネルヴァと共に一緒に元々住んでいた都市を目指している。
時折濃霧のうむが現れて身動きできなくなる。
霧の中に生息している、影のようなモンスターがいるからだ。

 こいつらが強いし厄介やっかいすぎて、思うように移動できない。
索敵をミネルヴァと連携しながらなんとかやり過ごしているけど・・・

 はぁ…
しんどいよ。
これからどうする?

「ねぇ、ミネルヴァ。どうすればいい?」

 ミネルバは首をかしげてこっちを見ている。
夜の星空を体育座りしながら眺めていた。

「コーヒー飲みたいな。」
水筒にお湯が入っているからなにか飲もう。
「夜だからやっぱだめだ。ふふ。グリーンティとかカモマイルならいいね。へへへ」

 そうだ。私のスキル…
使い魔スロットがもう一個あるけど。
……どうしようかな。

なにが正解なんだかわからない。

「魔女だから黒猫とかいい感じかな。」
「いい感じってなんなのよ、そんなんじゃサバイブできないよ。」

 独り言を言い始めたときにまた霧が出てきた。

「また霧が出てきたよ、はぁ・・・もう最低。安心して眠れもしないよ!」
「この黒い霊たち、あなたたちさぁー!いつかホントにひどい目にあわせてやるからね!」

 毎日追いかけっこ、ばかみたい!慣れてきたしコツも掴んできたけどさ。

 とにかく地元の様子を見てこよう。
世界が変わった、ホントに?私がいたところだけじゃなくて?確認しなくちゃ…
自分の目でいろいろ見ていくうちに目的も定まるかもしれない。

そういえばあの人は生きてるかな?

期待しないほうがいいかな…






 エイリアンたちの戦争に巻き込まれた。
結界を張って何とか身を隠すことはできた・・・ 

しかしアイツらとはぐれてしまった。

 1週間以上前
世界が崩壊した日。
いや文明か。

 なぜか自分は助かった。
新しい自分の情報が頭に流れ込んできた。
呪術師。

 呪いでこんなエイリアンたちに一体どうやって対抗するのか。
隠れ潜んで生き延びるしかない。
そうやって隠れているときにシンディと出会った。

 ブロンドのかわいいショートカットの女の子だった。
第一印象は性格が良さそうで元気で、だけど照れ屋な女の子ってかんじだった。

 俺は近くの会社で会計士をやっていて。
シンディはバーテンダーで近くのバーで働いていたらしい。
最初他にも生き残りがいたらしいが皆化け物にやられたそうだ。

 彼女も不思議な力に目覚めていて「野良弟子」だとか。
おもしろそうなジョブだなと思った。

 その後
自分のマナが十分なじんだ場所を聖域化できることが分かった。
聖域化された土地はモンスターたちは近寄るのを避けるようになる。

 人間も本能的に避ける場所があるように
モンスターたちも聖域にはなかなか入ろうとはしない。
シンディは呪術師の弟子になると言い出して、
もちろん了承した。

 数日後…

 駅から少しいったところにあるビルの近くで
エイリアンたちが普段とは違う感じで騒いでいた。
人間だった!
人間がエイリアンたちと戦闘していた!

 シンディも気づいて一緒に戦闘を見守った。
エイリアンたちに追われてる男。
執拗に何体ものエイリアンが男を襲っていた。エイリアン達の様子が何かおかしい。

 あのヒト型エイリアンは正直めちゃくちゃ強い・・・
それと互角以上に戦えている男に開いた口が塞がらなかった。
シンディと一緒に食い入るようにその戦いを見ていた。


 その男は坊主で黒髪、背は180ないくらいか。
筋肉質で整った顔、黒縁の眼鏡をしている。
混血か?白人とアジア人との混血のようにもみえるが、地中海系の人間のようにもみえる。

 男は人間とは思えない身のこなしで
襲い掛かってくる敵をいなしつつ確実にエイリアンを減らしていく。
強い…

 男の周りのエイリアンが妙な動きをした。
男に攻撃されたエイリアンが
一瞬ガクっと全身の力が抜けたように崩れ落ちるかと思いきや
なんとそのエイリアンは突然横の他のエイリアンを攻撃しだした。

 そのあとも他のエイリアンが同様の状態になり仲間を裏切って男と連携して他のエイリアンたちと戦いだす。
男は左手でなにか操ってるような動作を頻繁ひんぱんに見せながら戦闘している。

 どんな力だ、それは。
この男もまた化け物なんだと理解する。
しかし男も疲労がたまってそうなのは間違いなかった。

 ここは聖域化できたし。どうにか呼び寄せようとシンディと話す。
鏡を使ってこちらに気づかせようとしてるとすぐに気づいたようで
こちらにきた。おれは身を乗り出して男を迎え入れる。
正直緊張した…

 男は仲間?にしたエイリアンと一緒に当たり前のように入ってきた。
聖域が反応しないので危険な存在ではないらしい。

 お互いに自己紹介した。
男はカトーと名乗った後、やっぱりジョンスミスのほうがいいかもとか言ってきた。
よく意味がわからなかった。

 少し変わったやつだった。最初の印象は頼もしい味方。
雰囲気は落ち着いていて理知的な感じ。やさしそうでもある。
一見何人だかわからないような見た目。
顔は整っていて坊主に髭に眼鏡。肩幅が結構ある。表情が豊かなタイプではない。
俺と同い年くらいか?

後で聞いたら若く見えたけど少し年上だった。

 ジョブはなんと仙人
仙人・・・セイジか。
なんかエイリアンをパペットにするスキルをもってるらしい。
それ最強じゃないか?

 一応好き勝手にパペット化できないらしく。
殺したエイリアンか、攻撃して一気に意識をハックして支配しないといけないとか。

 出来ないタイミングやできない個体とかがあるとか。
戦いの中で隙があれば試みて成功すれば儲ものってかんじか?

それでも実践の中で普通に使用できるだけ凄すぎるスキルだが。

 カトーが来てからはいろんなものが順調になった。
意外とコミュニケーションもとりやすかった。

 俺とシンディもレベルもアップしたし、隠形のスキルはこれまたすごかった。
安全にいろんな物資をとってきてくれた。

 弓を作って練習しだしたり。
エイリアンたちをゴブリンだけじゃなくイヌ型のあの狂暴なエイリアンも狩れるように
なっていった。

 あんなのにみつかったらやばいと思ってたが。
嘘みたいな日々だった。

そんな嘘みたいに状況が好転していってた時に

エイリアンたちの戦争が起こった。


無茶苦茶だった。もうすべてが。

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